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地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)最終とりまとめ(今後の展開に向けて) [2017年10月02日(Mon)]
地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)最終とりまとめ(平成29年9月12日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000176885.html
◎今後の展開に向けて〜第10回検討会での〜

○土屋委員→1点目ですけれども、行政担当者へのサポートが非常に重要。国のほうでしっかりと市町村のサポート体制を県に指導などしてつくっていただければいいのか。2点目は、地域住民の啓発が必要→説明会やプレゼンをしっかりと。ばらばらにやっていた活動を一つに収束していくことが重要。最後は、個人情報に関してですが、まずは置いておいて、やりましょうというと、いろいろなアイデアが出てきます。誤解をしている部分もたくさんあるので、個人情報保護法も含めた個人情報の取扱いについては、地域レベルでの具体的なガイドラインとかQA集の作成がないと、ここから幾ら地域力を高めようと思っても進まないと思いますので、今後の継続的な課題として取り組んでいただければと思います。


○中委員→今回の報告書では、厚生労働省自身が本気でという言葉が明記されました。
私たちは地域の側にいて事例を目の前にしているので、絶対に逃げられないし本気で取り組むことはある意味当然ではあります。ですが、地域の側にもいないし、事例を目の前にもしていない人たちの熱のこもった本気がここに書かれていることを、とてもうれしく思います。いろいろな立場の人たちとともに、これから、本気というものを、地域の中でひろげていきたいと思います。がんばります。ありがとうございました。

○永田委員→本来の地域福祉の考え方は分野横断的な福祉をやっていこうということでしたので、それが改めて今回の検討会で具体化されてスタートラインに立てたことをうれしく思っております。これから策定される指針やガイドラインですが、自治体によってはお金がなとか人がいない、具体的にどうやったらいいのかと言われるのですが、やっているところのお話を聞いていると、配置とか庁内体制を工夫するなど、ある程度工夫をすることでできることはたくさんあるということを聞くこともあります。いろいろな自治体の知恵を学んで、そういった工夫でできることはガイドラインの中で明記していただきたいと思っています。従来の地域福祉計画のガイドラインは、特に住民参加を非常に強調してきて、それが基盤になるのは間違いないと思っているのですが、それに加えて、庁内の多分野の課の職員にしっかり参加してもらうような体制、もう一つは、地域の障害分野や高齢分野や子どもの分野や、いろいろな分野の現場で頑張って活躍している専門職の人たちが、自分たちはこんな課題を抱えているのだということを、しっかり地域福祉計画に参加し解決するために知恵を出し合えるような、住民、専門職、庁内のいろいろな課の皆さんが参加できる体制で地域福祉計画をつくっていく。これが大事になってくると思います。

○野澤委員→熱海の勉強会の例から、話を聞いたのは37歳の男性→熱海の生まれで、大学では物理学を専攻してIT系の企業に入るのですが、おもしろくない、何で東京の大企業の正社員はこんな死んだ目をしているのだろうと思ってやめて、10年ぐらい前に故郷に戻ってきた。彼は金もないし、生まれは熱海だけれども別に人脈があるわけでもないし、資格はないし、何をしたのかといったら、最初にアンケート調査があったらしくて、熱海のいいところは何かとまちの人たちに聞いた。観光客は結構いいことを言うのですけれども、熱海で住んでいる方たちに聞いたところ、75%の人が何もいいところはないと答えた。彼はそんなわけはないだろうというので、いいところを徹底して一人で探し回るのです。そうすると、三島由紀夫が通い詰めていた喫茶店で、そのことをよく知っているマスターがまだ生きていたりとか、明治時代から続いている老舗のスイーツのお店があったりして、そういうことがいっぱい出てくるのです。それが彼の武器になるのです。それをどんどん情報発信していくと、おもしろいと思っていろいろな人たちがまた集まってきて、その人たちを今度はセミナーで人材育成をしていくのです。その一人一人がまた発信源になっていって、熱海に移住してくる人とか起業したいというクリエイターがどんどん出てきているのです。それだけではなくて、彼は一番ど真ん中の商店街で、もう廃れてしまった閉鎖されたパチンコ店とか証券会社の事務所とか土産物屋とか、そういうものがいっぱいあるのです。40%がど真ん中で閉鎖していたらしいのです。それを自分で借りてリノベーションして、カフェをやったり、そこで年170回ぐらいイベントをやったりして、そこがまた情報発信の拠点になっていくのです。お客さんはどんどん戻ってきていますので、安く泊まれる簡易旅館みたいなところに行くと、外人などがいっぱい来るのです。そこにまたおもしろがってどんどん人が集まってくるといういい循環をつくっていくわけです
まず、何が大事なのかといろいろ彼の話を聞いていて思ったのですが、そのまちに対する強烈な愛情とか愛着を持っている人がいないとうまくいかないと思っています。彼は高校時代、どんどん熱海が廃墟化していくのを何とかしなければいけないとずっと友達に言っていた。おまえはうざかったと言われたらしいのですけれども、IT企業に入っても熱海のことが心配で、考えていたら仕事が手につかなくなってしまって、それでやめたと言っているのです。そのぐらいの思いを持っている人なのです。
あとはとにかく楽しいこととか魅力、ポジティブにそのまちをリノベーションしていくみたいな、おもしろいことやおいしいものにしか人は集まってこないと私は思うのです。彼がやっている活動、発信しているものを見るとわくわくしてくるのです。そうやって人を集めてくる。ビジネスをちゃんと回さなければいけないというのですけれども、自分たちでお客さんや利益を囲い込まないのです。
彼がやっている簡易旅館みたいなところは、朝御飯は開かれたオープンカフェみたいなところで、御飯とみそ汁だけを出す。あとは七輪だけ置いてある。おかずはその向かい側の干物屋さんで買ってきてくれと。そうやって、とにかくまちにどんどんお客さんも利益も出していくのです。そうすると、まちの人たちが信頼してくれるようになってきた。古いまちで保守的なまちなので、ものすごく批判もされたし足も引っ張られたし、誹謗中傷は今でも浴びているそうです。それでも、一人そういう思いがあって、アイデアと発信力のある人が出てくると、あっという間にまちは変わっていく。そんなことを思ったのです。私は、もともと仕事はメディアの仕事をしていますけれども、障害者福祉の分野でいろいろ考えている立場ですが、医療・福祉だけではなくて、まちおこしとかビジネスとか不動産とか、そういうことを基盤にやっていく人たちはものすごく参考になる。刺激もされますし、本当のまちに爪を立てて、まちを掘り起こしていく力は、彼などはすごいなと思ったのです。こういうものは全国にいっぱいいるはずなのです。そういう人たちと、生活困窮だとか医療や福祉を何とかしたいと思っている人たちがうまくかみ合っていくと、相当なことができるのではないかと思いました。これから、全国でそういう取組をやっていくときに、キーワードは人材育成と情報発信だと思うのです。これからが本番で、もっとそういうものをやっていくときに、医療・福祉だけにこだわらず、むしろ果敢にもっと外海に我々は出て行くことが必要なのではないかと思いました。

○福本委員→政策化という点での共生社会に向けた取組は今、まさに始まったばかりで、歴史的な局面に関わらせていただきましたことにつきまして感謝いたします。歴史的とは何と大げさなことをと思われるかもしれませんが、そう申し上げたことの理由は、まさしく「我が事・丸ごと」の共生社会論に対して大きく期待しているところです。そのことに関連して、3点申し上げたいと思います。→3点とは「生活モデル化について」「地域コミュニティの寛容さについて」「他者に寄り添う視点」。山口から参っておりますので、最後に山口県長門市の出身で下関市において創作活動をされ夭折された詩人、金子みすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」を紹介させていただきます(本文参照)。→この詩でうたわれた他者に寄り添う視点のように、生活モデルと寛容さに基づき共生社会の実現に取り組んでいくこと、今後の共生社会政策がこの社会・援護領域にとどまらず、地域包括ケア、健康格差、働き方改革についても包摂して推進していくことが、より芳醇な地域づくりにつながり、この国をますます豊かにしていくことではないでしょうか。それを期待しております。

○藤山委員→総論にもありますが、いよいよ本当に具体的な展開のところでそれぞれの地域現場で実際に土俵を設定して、その後、きちんと脈をとるというか、データをとることを本当に始めないとだめだと思います。その上で、具体的な取組としては、つなぎ直しというか、紡ぎ直しではないかと思います。それは日常的な出会いの場であり、分野の横断であり、小さな拠点のような施設や拠点のことでもあると思います。
財源は、地域自らが頑張って、みんなが元気に支え合って、それで浮かせてつくり出していくということをやらなければいけない。そのためには、交通は交通、福祉は福祉、農業は農業ではなくて、全体として本当にどれだけできたかということを評価する仕組みが必要だと信じてやみません。そういった共通の物差しを持つ。ダイヤモンドを磨くのはダイヤモンドでしかないように、地域は地域同士でしか磨くことはできない。その頑張っている者同士、あるいは頑張ろうとしているのだけれどもなかなか一歩を踏めない同士がしっかりと市区町村の中においても、あるいは県を超えても全国的にも結び合っていく。そこに我々専門家も、あるいは行政、厚労省もぜひ傾注していきたいと信じてやみません。

○堀田委員→生活困難は誰にでもふりかかりうるもので、誰の人生・生活も困難になったり破たんしたりしうる」という、@支援ニーズが普遍化しつつあり、その要因は複雑かつ多様にからまりあっている実態を踏まえ、それに対する共感・思いやりを呼び起こしながら、Aすべての人が必要に応じて伴走的支援を手にすることができるようにするというセーフティネットの張り直しの方向性と戦略とともに、Bそれが暮らしや社会・経済の基盤である地域に軸足をおき、従来の福祉の領域を超えてその可能性を拓き、循環させることによって実現しうることが、十分共有される必要があったのではないかと思う。この視点から特に気になったのは、予防的福祉の推進というところ。私たちの多くが、生きづらさとともにある、もしくは少なくともいずれなんらかの生活上の困りごとに直面するようになる。「そうなっていくこと」を前提にせず、「陥らないようにする」という方向、あるいは旧来の防貧・救貧のようなトーンが不用意に発信されることは、新たな排除も生みうるもので、慎むべきだと考える。その上で、セーフティネットの張り直しを実際具体的にどのように行っていくのか、一人ひとりの暮らしの中での体験に反映される方策が不可欠だと感じる。なお、既にご活躍くださっている民生委員や社協の方々への期待に満ちたとりまとめになっているが、その疲弊についてのご指摘も多かったように思われ、こうした方々を支える、その力を発揮頂きやすくする対応、あるいは旧来そこに頼っていた機能を、地域のなかで、より自由かつ創造的に生み出すモデルについてもさらに検討の余地があるのではないか。また、ソーシャルケアとヘルスケアを横断する支援体制、保健分野の行政機能の整理とともに、現に人と地域の暮らしを支え、支援ニーズの複合化への対応・地域づくりに課題意識を持って取り組んでいる・あるいは意欲を持っている医療・介護事業者と福祉関係者の協働のあり方についても、多機関協働による包括的支援体制構築事業等の経験も活用しながらプロセスともども整理・共有が行われるとよいのではないか。
さらに、すべての人にとっての居場所と出番を、1人ひとりにとってのふつうのくらしのしあわせをと考えると、ケア領域は多くの場合、入口にしかならない。地域課題発のアプローチに加え、広く地域の未来の風景を創るという視点をあわせれば、まちづくり・しごとづくり(産業振興)・ひとづくり(教育)等の立場からの取組みも連動しやすく、実際にそうした動きが数多くおきつつあると認識している。これを加速するには、@地域福祉計画等で認めれば、職種や資格に基づく配置ではなく、発揮する機能に着目して地域の文脈に従った資源分配ができるようにすること、A行政の保健医療福祉担当部局にとどまらず、地方創生、市民協働、商工労働、住宅、教育等が部局を超えて地域にとっての価値を共有して諸計画に反映させ、分野ごとの事業を再編しつつ多様な財源から柔軟にアクションがおきやすくすることも有効ではないか。そのためにも、B本検討会でも社会的インパクト評価や新たなお金の循環についての議論もあったが、人と地域の暮らしにとっての価値を定量的にも定性的にもどのように見せることができるのかについての検討も深められる必要があると思う。最後に、今回の検討会で特に地域における実践に根ざすお話を伺いながら、「地域」をどのようにとらえるかについて改めて考えさせられた。さまざまな領域で地域の「見える化」も進められつつあるなか、共感を育み、必要なときに伴走的な支援を得ることができ、持続可能な循環の中で一人ひとり異なる日常生活上の価値を追求していけるために、「地域」を単に物理的なエリアとしてでなく、人々の暮らしと経済の圏域、テーマのネットワークの重なり等を含め、リアルにデータとともに捉えなおし、いまと未来を見つめなおすことが重要だと感じた

○前田委員→医療機関のソーシャルワーカーが、ソーシャルワーカーとして、社会福祉士として、病院の中でだけで支援をしていていいのか、そこにとどまっていていいのかとずっと思ってきました。患者は必ず地域へ戻る人であり、地域の生活者として考えたとき、退院がゴールではなくて、退院してからがスタートです。そういったこともあり、17ページの<展開パターン例>の4つ目に「在宅医療を行っている診療所や地域医療を担っている病院に配置されているソーシャルワーカーなどが、患者の療養中の悩み事の相談支援や退院調整のみならず、地域の様々な相談を受け止めていくという方法」ということを入れていただきました。医療機関のソーシャルワーカーに関しては、まだまだ役割がここから新しく始まるものだと思っております。病院にいようが、地域にいようが、ソーシャルワーカーはソーシャルワーカーです。地域事情は様々ですから、どこがやらなければいけないということはなく、やれるところがやればいい、やれる人がやればいいという柔軟な考え方が必要です。ソーシャルワーカーとして、人の支援や地域の支援、仕組みづくりなどこれからやらなければいけないことがたくさんあると思っています。最終とりまとめによって、やる気のある自治体とやる気のない自治体の格差がなくなっていってほしいものです。やる気のあるところは自分たちの力で進み、やる気のないところは何もないままに停滞していたのが今までだと思うのですが、そこの格差がどうか縮まってほしいと思っています。それには、今回地域福祉計画の義務化というところまでは行きませんでしたが、義務化をしていくことが重要だと今も思っています。福祉分野のみならず、あらゆる分野の人が参画する地域福祉計画が全庁体制で策定・実行されていくことを期待しています。

○横山委員→この最終報告と委員会の終了は、ここからがスタートであるという重みと武蔵野市で実施していくにあたっての悩み、不安、とまどいに直面しています。明日から私は、市民の皆さんにこの報告書の内容をできるだけわかりやすく伝え、武蔵野市ではどうするのかを一緒に考えていく立場にいます。市民にわかりやすく伝えるための資料(パンフレットなのか映像なのか・・・)を現在模索中。福祉にも地域活動にも関心のない方にも伝わるわかりやすい広報の方法は、この報告書でもガイドラインでもないような気がしています。国あるいは都道府県はそういった広報媒体や周知についてぜひ、検討していただきたい。市区町村側としては切実な課題です。都市部においての「我が事」はどこまで可能なのでしょうか。「無関心」にはならないような他者理解を広げる必要があります。それにはリアルなニーズや関係性からの「共感に基づく自発性」について若い世代から考えられるような取組が大事です。それは最終報告書の13ページにあるようなボランティアや地域活動として意識していないような日常的なことも含めて考える必要があります。無関心になりやすい環境の都市部での展開については都道府県レベルで検討が必要だと思います。第106条の3にある市区町村の責務が今後どのように実施されたのかについての進捗管理を国や都道府県でこまめに行ってほしいです。その際、なぜ取り組めずにいるのかという課題を分析し、国や都道府県の支援方法を検討していけるような仕組みを整えていただきたい。「制度ではなく人の力」という点については、ボランティア活動(地域活動)を安い労働力と捉えるのではなく、住民主体の活動やボランティア活動ならではの「価値」について各自治体が踏まえた上で地域共生社会の実現に向けた施策を展開することが大事だと思います。

◆地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)↓↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=383233

次回は、「地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議  行政説明(地域福祉課)」です。
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