CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 未来投資会議 | Main | 消費者委員会»
<< 2019年10月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回) [2019年09月14日(Sat)]
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回)(令和元年8月30日)
《議題》 困難な問題を抱える女性への支援のあり方について (「これまでの議論の整理(たたき台)」について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06469.html
◎参考資料2 令和2年度 婦人保護事業関係予算概算要求の概要
(令和元年度予算額 191億円の内数 → 令和2年度予算概算要求 240億円の内数)

1 婦人相談所における支援(婦人相談所運営費負担金) 16百万円→4つの支援。
2 婦人相談所における一時保護、婦人保護施設における自立支援(婦人保護事業費負担金・ 婦人保護事業費補助金) 23億円→婦人保護施設における保護・自立支援に必要な経費(同伴児童あの新規あり)、他8つの支援。
3 婦人相談員の活動強化 (児童虐待・DV対策等総合支援事業) 217億円の内数
4 DV対策等の機能強化 (児童虐待・DV対策等総合支援事業) 217億円の内数→地域生活移行支援事業(ステップハウス)【新規】、DV対応・児童虐待対応連携強化事業(仮称)【新規】、婦人相談所SNS相談支援事業(仮称)【新規】
5 若年被害女性等支援モデル事業(児童虐待・DV対策等総合支援事業) 217億円の内数
6 DV被害者等自立生活援助事業【拡充】 (児童虐待・DV対策等総合支援事業) 217億円の内数

以下、↑上記のわかりやすい具体的内容です。↓↓
○婦人相談員活動強化事業【拡充
】→婦人相談員の専門性の向上を図る観点から、国、地方自治体が実施する各種研修に積極的に受講で きるよう婦人相談員の研修派遣のための旅費や派遣中の代替職員の配置に必要な経費の補助を行う。
○婦人保護施設退所者自立生活援助事業【拡充】→婦人保護施設を退所した者が気軽に立ち寄って悩みや近況を報告できる集いの場提供支援を新たに実 施するとともに、民間団体を活用した事業委託が可能となるよう、運用の見直しを図る。地域社会で安定した自立生活が継続して送られ るように支援。
○婦人相談所SNS相談支援事業(仮称)【新規】→婦人保護事業では、従来、婦人相談所等において電話相談から始まり、来所相談、一時保護等の支 援につなげているところであるが、近年、若年層を中心にSNSがコミュニケーション手段の中心となっている実 態を踏まえ、婦人相談所にSNSを活用した相談体制を導入し、それを入り口として、若年層をはじめとした 困難を抱えた女性が支援に円滑につながるよう、SNSを活用した相談窓口の開設準備費用、運用経費へ の補助を創設する。
○地域生活移行支援事業(ステップハウス)【新規】→婦人保護施設退所後の地域生活への円滑な移行等に向けた支援の充実を図るため、生活資金の自己 管理に係る訓練の充実や、見守り支援を行うための生活支援員を新たに配置する。
《ステップハウス》→婦人保護施設において、施設入所者が施設を退所する前の一定期間、施設本体から離れ、施設付近の 住宅において生活することで、地域生活等を体験するための支援を行う。
○DV対応・児童虐待対応連携強化事業(仮称)【新規】→婦人相談所において、DV被害者等が同伴する子どもの支援の充実を図るため、児童相談所、教育機 関、 福祉部門及び要保護児童対策地域協議会等の関係団体と連携する「児童虐待防止対応コーディ ネーター(仮称)」を配置し、児童虐待対応との連携強化を図る。
○若年被害女性等支援モデル事業→困難を抱えた女性については、個々のケースに応じた細やかな支援を行うことにより早期の自立支援が可能となる ことから、若年被害女性等に対して、公的機関・施設と民間支援団体とが密接に連携し、アウトリーチから居場所の確 保、公的機関や施設への「つなぎ」を含めたアプローチを行う仕組みを構築するためのモデル事業を実施する。 <実施主体>都道府県・市・特別区 <補助率>国10/10 <1か所当たりの補助基準額(案)>10,860千円(@〜C全て実施)→@アウトリーチ支援【必須】 A関係機関連携会議の設置等(関係機関との連携)【必須】 B居場所の確保【任意】 ➃自立支援【任意】
○DV被害者等自立生活援助事業【拡充】
・拡充の内容→一時保護退所後のDV等被害女性が、地域で自立し定着するための支援の充実を図るため、モデル事業として実施開始から5年が経過している当該事業を本格実施に移行させ、実施箇所数を増やし自立支援を促進する。(4か所 → 35か所)
・【事業イメージ】→@自立支援、@定着支援

◆困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第1回〜第8回まで)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00520.html

◆アダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等(内閣府・トピックス)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/index.html

次回は、「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第1回)」からです。
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回) [2019年09月13日(Fri)]
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回)(令和元年8月30日)
《議題》 困難な問題を抱える女性への支援のあり方について (「これまでの議論の整理(たたき台)」について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06469.html
◎参考資料1「婦人保護事業の運用面における見直し方針について」を踏まえた関係通知の改正及び留意事項について
(令和元年7月18日発出 厚生労働省子ども家庭局長→各都道府県知事殿)
第1 関係通知の改正
(1)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人保護事業の実施について」(平成 14 年 3 月 29 日雇児発第 0329003 号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)の一部改正

・婦人保護事業の対象となる女性の範囲→家庭関係の破綻、生活の困窮等正常な生活 を営む上で困難な問題を有する者への支援に際しては、被害者本人や同伴する児童等の状況等を踏まえ、関係機関との十分な連携・調整の上で、婦人相談所や婦人保護施設等において支援する必要があると認められる場合は、必要な他法他施策も活用しながら、婦人保護事業による支援が適切に提供される よう、別紙1のとおり改正する。(見直し方針の1関係)

2)「婦人相談所ガイドライン」(平成 26 年 3 月 31 日厚生労働省子ども家庭局 家庭福祉課)の一部改正 →上記(1)の改正の趣旨を踏まえて、婦人相談所において対応すべき相談に 係る規定について、別紙2のとおり改正する。

(3)「婦人相談所が行う一時保護の委託について」(平成 23 年 3 月 31 日雇児発 0331 第 20 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)の一部改正
・定員を超えた場合にのみ一時保護委託を可能としている対象者についても
、 保護が必要な被害女性本人の意向、状態及び状況等を踏まえた一時保護委託が可能となるよう、「1」の「(2)」の「E」を改正するとともに、「2」の「(5)」 として、対象者の拡大後において、婦人相談所は、委託先で保護を受ける被害者の生活状況の把握や自立に向けた支援に際して、委託先施設と緊密な連携を 図ることについての規定を追加することとし、別紙3のとおり改正する。 (見直し方針の2の@関係)

第2 留意事項
(1)一時保護(一時保護委託を含む。)に当たっての留意事項
@若年被害女性等の対応について
→婦人相談所は、性暴力や虐待等の被害に遭った又は遭うおそれのある、主に10代から20代の女性(以下「若年被害女性等」という。)の一時保護の受け入れに当たっては、当該若年被害女性等の状況等を勘案するとともに、 本人の緊張と不安を緩和し、安心して援助を受けることができるという気持ちが持てるよう留意すること。また、本人の意向も踏まえた適切な支援を進 めるため、一時保護委託について、民間支援団体の積極的な活用について検討されたい。(見直し方針の2の@関係)
〔関連規定〕↓↓
○「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
」の施行に対応した婦人保護事業の実施について」(平成 14 年 3 月 29 日雇児発第 0329003 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知【別添2】) 第6−1−(3)
○「婦人相談所ガイドライン」(平成 26 年 3 月 31 日厚生労働省子ども家庭 局家庭福祉課【別添4】) W−7
A一時保護委託契約施設における一時保護開始手続きについて→被害者が一時保護委託契約施設に直接一時保護を求めた場合に留意すべ き点については、「婦人相談所が行う一時保護の委託について」(平成 23 年 3 月 31 日雇児発 0331 第 20 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知【別添 3】)の「2」の「(3)」で、「被害者が婦人相談所における一時保護の要否 判断を経ることなく、委託契約施設に直接来所し一時保護を求めた場合にあ っては、当該施設は、速やかに、被害者の安全を確保し、婦人相談所に連絡 するものとし、婦人相談所は、速やかに一時保護の要否の判断、委託の適否 の決定及び委託先施設の決定(当該施設にそのまま委託することを含む。)を 行い、被害者及び当該施設に伝えるものとすること。」と規定しているが、必 ずしも当該対応が徹底されていない事例があることから、被害者の負担軽減 と迅速な支援の実施が図られるよう、当該対応を徹底されたい。 (見直し方針の2のA関係)

2)一時保護委託施設から婦人保護施設へ入所する場合の取扱い等について
@ 婦人保護施設への入所について、自治体によっては、民間シェルター等の 一時保護委託契約施設における保護の終了後、婦人相談所の一時保護所に当 該被害女性を入所させ、医学的、心理学的な面からの面接、判定等を行った 上で、婦人保護施設への入所を決定している事例があるが、被害者の負担軽 減を図りつつ、適切な支援に繋がるよう、婦人相談所は、必要に応じて、医師、看護師、心理判定員等を一時保護委託先に派遣して必要な面接、判定等を行い、婦人保護施設への入所を決定し、民間シェルター等の一時保護委託先から直接、婦人保護施設への入所に移行するなど柔軟に対応するよう留意されたい。
A 10代の若年妊婦等が支援を必要とする場合には、婦人相談所又は児童相 談所が当該被害女性の保護等に関わることとなるが、その場合には両者の連 携を密にした上で、当該被害女性の状況から婦人保護施設への一時保護委託 が適切な場合には、その実施が可能となるよう努めること。 (見直し方針の3関係)
関連規定〕 ↓↓
○「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
」の施行に対応 した婦人保護事業の実施について」(平成 14 年 3 月 29 日雇児発第 0329003 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知【別添2】) 第6−1−(3)、同(5)ウ
○「婦人相談所ガイドライン」(平成 26 年 3 月 31 日厚生労働省子ども家庭 局家庭福祉課【別添4】) W−4−(10)、同6−(1)

(3)母子生活支援施設の活用について
・売春防止法(昭和 31 年法律第 118 号【別添5】)第 36 条の2の規定により、 婦人相談所長は、同法第 34 条第 3 項に規定する要保護女子(以下「要保護女 子」という。)であって配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及 びその者の監護すべき児童について、児童福祉法(昭和 24 年法律第 164 号) 第 23 条第 2 項に規定する母子生活支援施設における保護の実施(以下「母子 保護の実施」という。)が適当であると認めたときは、これらの者を当該母子保 護の実施に係る都道府県又は市町村(特別区を含む。)の長に報告し、又は通知 することとされているので、当該対応について徹底されたい。
・また、困難を抱える妊婦の一時保護については、婦人保護施設での対応のほ か、「妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について」(平 成 23 年 7 月 27 日雇児総発 0727 第 1 号、雇児福発 0727 第 1 号、雇児母発 0727 第 1 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長、家庭福祉課長、母子保健課 長連名通知【別添6】)の「別紙2」の「(4)」で、「婦人相談所から母子生活支援施設への一時保護委託が可能であり、出産後は、通常の入所に切り替えることにより、妊娠段階から出産後まで一貫した母子の支援を行うことができる。」としているところであるので、妊婦の状況に応じて、積極的に当該対応を 実行されたい。 なお、一時保護委託先の母子生活支援施設における一定期間の養育ののち、 母子分離となり退所した場合は、その後の母子への支援も重要であるため、母 子生活支援施設による退所後の相談等の支援の他、必要に応じて、婦人相談所 及び児童相談所等の関係機関が連携した上で、当該母子の支援に当たるよう留意されたい。 (見直し方針の 10 関係)

第3 適用日 第1による改正は、この通知の発出の日から適用する。

○【別紙1】「「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人保護事業の実施について」 (平成 14 年 3 月 29 日雇児発第 0329003 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知) 新旧対照表
○【別紙2】「婦人相談所ガイドライン」 (平成 26 年 3 月 31 日厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課) 新旧対照表
○【別紙3】「婦人相談所が行う一時保護の委託について」 (平成 23 年 3 月 31 日雇児発 0331 第 20 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知) 新旧対照表

○【別添1】婦人保護事業の運用面における見直し方針について(令和元年6月21日 厚生労働省子ども家庭局)( 2020 年度予算に向け)→1他法他施策優先の取扱いの見直し、2保護委託の対象拡大と積極的活用、3婦人保護施設の周知・理解、利用促進、4携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直し、5広域的な連携・民間支援団体との連携強化、6SNSを活用した相談体制の充実、7一時保護解除後のフォローアップ体制等の拡充、8児童相談所との連携強化等、9婦人保護事業実施要領の見直し、10 母子生活支援施設の活用促進
○【別添2】「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人 保護事業の実施について」(抄)→第6個別的事項 1一時保護 (3)と(5)
○【別添3】「婦人相談所が行う一時保護の委託について」(抄)(平成23年3月31日雇児発0331第20号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)→2.一時保護委託での支援
○【別添4】「婦人相談所ガイドライン」(抄)(平成26 年3 月31 日厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課) W.支援上の留意点→4.一時保護(10)一時保護の外部委託、6.施設入所、7.民間シェルターとの連携
○【別添5】「売春防止法」(昭和31年法律第118号)(抄)→(婦人相談所)(婦人相談所長による報告等)
○【別添6】「妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について」(抄) (別紙2) <各保護 ・ 支援制度の概要>→(4)母子生活支援施設

次回は、「参考資料2 令和2年度 婦人保護事業関係予算概算要求の概要」からです。
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回) [2019年09月12日(Thu)]
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回)(令和元年8月30日)
《議題》 困難な問題を抱える女性への支援のあり方について (「これまでの議論の整理(たたき台)」について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06469.html
◎資料1 これまでの議論の整理(たたき台)
1.婦人保護事業の現状と課題 ↓↓
○婦人保護事業
→昭和 31 年制定の売春防止法に基づき、「性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子」(要保護女子)の「保護更生」を図るための事業として始まったが、その後、社会経済状況等の変化を踏まえて、支援ニーズは多様化してきた。
○平成 14 年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成 13 年法律第 31 号)が施行され、DV被害者を婦人保護事業の対象として法定化され、ストーカー被害者や人身取引被害者、家族関係の破 綻や生活の困窮等、正常な社会生活を営むうえで困難な問題を有する者等についても、婦人保護事業の対象として運用するなど、婦人保護事業は、制定当初の想定を超えて、現に様々な困難に直面している女性の保護・支援に大きな役割を果たしてきた。
○ しかしながら、根拠法である売春防止法の規定は、制定以来、基本的な見直しは行われておらず、 法律が実態にそぐわなくなってきている、また、「婦人」、「保護更生」、「収容保護」といった用語を見直すべきではないかとの問題提起がなされてきた。こうした背景を踏まえ、平成 24 年6月には、厚生労働省の調査研究事業の一環として「婦人保護事業等の 課題に関する検討会」が設置され、同年12 月には、同検討会における議論の整理がとりまとめられた。 当該とりまとめを踏まえ、運用上の改善を図るための対応として、以下の取組が、順次、進められてきた。→・平成 25 年度「婦人相談所ガイドライン」の策定。・平成 26 年度「婦人相談員相談・支援指針」の策定。・平成 28 年度「婦人保護事業研修体系に関する調査・検討」
○ しかしながら、平成 29 年度に厚生労働省が行った「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」の結果においては、婦人保護事業における運用面の改善が十分には図られていないことや、売春防止法が 根拠法であることに起因する制度的な課題が存在することが、改めて浮き彫りとなった。更に、近年、婦人保護事業の対象として想定されなかった、AV出演強要、JKビジネス問題、性暴力・性 被害に遭った 10 代の女性への支援といった今日的な新たな支援ニーズへの対応も求められている。こうした婦人保護事業を取り巻く現状や課題を踏まえ、厚生労働省子ども家庭局長が有識者等の参集を求めて平成 30 年7月に設置した「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」では、婦人保護事業 の運用面における見直し方針や、婦人保護事業の見直しになどの困難な問題を抱える女性への支援のあり方について、検討を進めてきた。

2.婦人保護事業の運用面における見直し↓↓
○ 第5回検討会で行った中間的な論点整理を踏まえ、厚生労働省は、令和元年6月21日に「婦人保護事業の運用面における見直し方針について」をとりまとめ、公表。具体的な内容は、全体で10項目の見直しを行うこととされている。↓↓

1 他法他施策優先の取扱いの見直し
2 一時保護委託の対象拡大と積極的活用
3 婦人保護施設の周知・理解、利用促進
4 携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直し
5 広域的な連携・民間支援団体との連携強化
6 SNSを活用した相談体制の充実
7 一時保護解除後のフォローアップ体制等の拡充
8 児童相談所との連携強化等
9 婦人保護事業実施要領の見直し
10 母子生活支援施設の活用促進
○ 厚生労働省は、これらの運用面における見直しを通じて、すべての過程における支援が、より当事者本位なものとなるよう、速やかに取り組むこととされている。令和元年7月 18 日には、他法他施策優先の見直しや、一時保護委託の対象拡大と積極的な活用等の見直しに関する通知が発出された。また、令和2年度 概算要求や、必要な見直しに向けた調査研究に、今後とも取り組むこととされており、引き続き取組を進めることを求める。

3. 婦人保護事業の見直しに関する新たな制度の基本的な考え方
1 困難を抱える女性を支援する制度の必要性 ↓↓

○ 女性は男性に比べ、性差に起因して社会的に様々な困難に直面する場面が多い。このことによって、心身面及び社会的な面で複合的な課題を抱えることが多い。
○ 女性がこのような状況にあることは、国際的な共通認識であり、各国において、専門的な支援サービスの 提供をはじめとした様々な対応が取られてきている。我が国においても、婦人保護事業が様々な困難に直面している女性の保護・支援に大きな役割を果たしてきた。
○ 人権の擁護と男女平等の実現を図ることの重要性に鑑み、様々な困難に直面する女性を対象とした包括的な支援制度が必要ではないか。
【これまでの検討会での主な意見】→暴力から逃れて待っているのは生活苦、そして子どもの養育と貧困。暴力から逃れた後の支援のシステムがない。女性ゆえに、予期せぬ妊娠、不安定な雇用など様々な大きな問題を抱えている。女性性の困難である。

2 新たな枠組みの必要性 ↓↓
○ 婦人保護事業の根拠法である売春防止法の規定は、制定以来、基本的な見直しは行われておらず、 法律が実態にそぐわなくなってきている。また、女性が抱える困難な問題は、近年、複雑・多様化、かつ、複合的なものとなっており、売春防止法を根拠とした従来の枠組みでの対応は限界が生じている。
○ このような認識のもと、女性を対象として専門的な支援を包括的に提供する制度について、法制度上も売春防止法ではなく新たな枠組みを構築していく必要があるのではないか。 【これまでの検討会での主な意見】→回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる法制度が必要。損害された人権を確立するための支援法が今、最も求められている。売春防止法の下では、本来の意味での女性支援は成立しない。その課題と限界は明らかになっ ており、私たちは女性の人権の確立を目指す、売春防止法に代わる新たな女性支援の根拠法を急いで作る必要がある。根拠法 は、当事者主体はもちろん、暴力を根絶するためのジェンダー平等法としての機能をきちんと果たすものである必要がある。 ○ 困難な問題を抱える女性への支援ということを考えるときに、売春防止法を根拠法令とすることは、全くそぐわない。売春 をやめさせるとか取り締まるとか、あたかも女性に非があるような視点を感じさせる法令を基にして、女性の支援だっていう ことは、ここをそもそものところで止めることがないと、本当に苦しい思いの人に届くのかと思う。
○ 女性を分断する売春防止法→今日の人権保障の思想にそぐわない、新たな思想に基づく新法構想が必要。性被害を受けた人たちの保護、立ち直り、生活の再建、自立支援等の包括的な対策を進めていくに当たっては、売春防止法の保護更生では性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。売春防止法と別に支援の趣旨に合った新しい法律が必要。
○ 規制と保護を同じ法律の中で一緒に行うことが非常に難しい。保護の部分を売春防止法から切り離して、売春防止以外の対 象者も含めた形で、女性の保護や自立支援について包括的に対応するための法律を作っていく必要があるのではないか。その際に、他の福祉法や生活困窮者自立支援法のように、基本理念や対象者を明確化するとともに、関係機関や民間団体との連携、支援体制の整備について規定しつつ、売春防止法から切り離した個々の部分に加えて、国、都道府県、市町村の責務や実施する事業、情報共有、他法他施策との関係といった内容が盛り込まれる構成にしてはどうか。

3 新たな制度の下で提供される支援のあり方 ↓↓
○ 売春防止法に基づく「要保護女子」としてではなく、様々な困難な問題を抱える女性を対象として、相談から保護・自立支援までの専門的な支援を包括的に提供できるようにすることが必要ではないか。
○ 行政・民間団体を通した多機関における連携・協働を通じて、支援が行き届きにくい者も対象とし、早期 かつ、切れ目のない支援を目指すことが必要ではないか。
○ 現行の婦人相談所、婦人相談員及び婦人保護施設については、若年女性への対応、自立後を見据えた支援 を図るなど、時代に即した役割を果たせる仕組みにしていくことが必要ではないか。その際、利用者の実情 に応じた柔軟な運用を図るべきではないか。
○ 多様なニーズに対応し、一人ひとりの意思を尊重しながら、その者の持つ潜在的な力を引き出しつつ、本 人の状況や希望に応じた伴走型支援を目指すことが必要ではないか。
○ 同伴する児童についても、関係機関との連携の下で、支援の対象として位置づける必要があるのではないか。

【これまでの検討会での主な意見】→○ 支援の現場では、要保護女子ということではなく、性的被害を中核として侵害を受けたすべての女性を対象にしている。対象とする女性は、それぞれの法律の項目を挙げる形ではなく、緊急の保護又は自立の援助を必要とする女性及びその者の 監護する児童とし、その時の背景がどのようなことであっても、その時々の保護の必要性や支援の内容に焦点を当てて支援す るという考えでいいのではないか。
○ 包括的な定義は、困難な問題を抱えるすべての女性とし、その人権を擁護し、一人ひとりの問題に関して総合的な社会支援を行うとしてはどうか。
○ 具体的な定義については、あらゆる暴力の被害者、日常生活を営む上での困難な問題を抱える女性を範囲として、生活上の 様々な困難を抱えた女性やその子どもたちの一人ひとりの事情に合わせ、再出発のために社会資源をコーディネートし、問題 解決及び女性の自己決定権を支える等の支援を行うこととしてはどうか。
○ 同伴児童への対応が的確にできていない。特に、同伴児童の心理的ケア、心理判定が不十分。同伴児童についても支援対象 の主体として捉えるべき。 婦人保護事業の従来型の支援のあり方を、もう一度考え直したほうがいい。収容型の施設支援のみの支援のあり方からの脱 却をもう考えないといけない段階にきている。 対象女性が広がれば、ニーズと支援は多様になるのは当然のことであり、保護、収容の程度も多様性がある。どこか隠れた ところにあるような婦人保護施設ではなく、秋葉原、渋谷、新宿などに、ここに逃げ込んでおいでというようなものがない と、人身取引や性搾取の被害者は行かない。そして、一時的に入ったら、その後の居場所を民間で探すなど受け皿を設け、入口を広く、受け皿を深くという施策とすべき。
○ 20 歳未満の若年女性については、法律の狭間にあることが支援の困難さを増幅させており、通常の婦人相談員の資源やス キルでは対応が困難。若年女性については、抱える問題の内容によって狭間が解消されるような支援のあり方を検討すべき。公的機関の問題として、開所時間や一時保護に至るまでの時間等の問題で、使いたいと思っても利用することを諦めてしま う若年女性が後を絶たないのではないか。もっと手前で、早期の段階で若年女性にアウトリーチしていく必要があり、ハード ルを下げて、間口を広げて出会っていくことが大事。売春防止法の枠の外にいる若年女性たちは、相談窓口があってもたどり着けない。気軽に立ち寄れる居場所づくりが必要。

4 国及び地方公共団体の役割の考え方 ↓
○ 困難を抱える女性に対する必要な支援がどの地域でも受けられるよう、支援の実施に関する国及び地方公 共団体の役割を明確にすることが必要ではないか。その際、困難を抱える女性に対する支援を提供する体制が、基本的な方針のもと地域の実情に応じて計画 的に構築されることが必要ではないか。

【これまでの検討会での主な意見】 →女性のニーズに応じた自立支援の仕組みをつくること。大事なことは、国及び地方公共団体の責務を明確にすること。市町村は住民に近い部門、都道府県は広域的な行政サービスを担っており、自立支援については市町村のほうが様々な選択肢を持ち合わせている。お互いの強みを生かした効率的な役割分担を考えたい。 ○ 国に実態に応じた十分な運営指針がない。支援の地域格差が大変大きい。どこにいても平等な支援が受けられる、ナショ ナルスタンダードがない。一方で、市町村といっても規模や地域の状況は様々で、市によっては一律に法的な位置付けを与えられてもリソースがな いので困るといったところもあり、例えば複数の市町村による連携を単位として考えるなど柔軟な考え方も必要。

5 民間団体との連携・協働のあり方 ↓↓
○ 地方公共団体等が、困難を抱える女性への保護・支援を行うに当たっては、これらの女性に対する相談、 保護・自立支援等の支援を行う民間団体の特色や経験を活かしながら、これらの団体との連携・協働を推進 していくことが必要ではないか。

【これまでの検討会での主な意見】→ ○ 一時保護所については、プライバシーに配慮したユニバーサルな環境を整えていくことが必要。例えば民間団体等の資源が ある地域においては、民間委託による一時保護先の確保に重点をシフトしてはどうか。民間のほうが利用者のニーズに柔軟に 対応できるので、こうしたニーズに対して民間が行政からの委託の受け皿となるよう取り組みを進めることで、行政のスリム 化と民間団体の財政的安定の両方を図ることが可能ではないか。前提として、都道府県の判断に委ねられている入所基準を含 め、ハード、ソフト面にわたるナショナルスタンダードが必要。
○ 自立支援に関しては、民間にも間口を広げて、補助や委託ができるように正式に事業化するなど、民間団体の資源の積極的 な活用と財政的支援をセットで考えていくことが必要。 ○ 様々に広がる支援格差、官民の支援格差と自治体間支援格差、専門機関の間での支援格差も大きく広がっている。そういった意味での支援格差の広がりを、どこでどう解消していくかというのは大きな問題。その格差の中で、特に民間支援団体は財 政的支援が薄弱。緊急一時保護から回復支援までの長いスパンをカバーする事業委託を請けることができれば、支援の専門領 域に応じた様々な財政措置を受けることができるのではないか。
○ 今後、高齢者、若年女性、外国人など、シェルター機能は特化・専門化されていくであろう。そのときに、公的機関が相談 から自立支援までを行うのは難しい面もあるため、支援に特色を持った、スキルや経験のある支援団体に役割を渡すことが重要。

6 教育啓発、調査研究、人材育成等↓↓
○ 国及び地方公共団体は、困難を抱える女性への支援に関する教育及び啓発に努めることが必要ではないか。
○ 国及び地方公共団体は、困難な問題を抱える女性への支援方法等に関する調査研究の推進や、支援等に従 事する人材の養成及び資質の向上に努めることが必要ではないか。
【これまでの検討会での主な意見】→ 新たな枠組みを構築していくに当たっては、人材の養成・研修、実態把握等のための調査、国民に対する普及・啓発が基本的 事項として必ず必要となるため、同様に、盛り込んでいく必要があるのではないか。

7 関連する他制度との連携等のあり方 ↓↓
○ DV防止法、児童福祉法、児童虐待防止法をはじめとする他法に基づく他制度やそれらに基づく支援との連携や調整等を推進していくための仕組みづくりが必要
ではないか。 【これまでの検討会での主な意見】→○ 婦人相談所と母子生活支援施設の関係は、一時保護の委託を請けることは可能だが、それほどつながりがよくない。婦人相談 所だけではなく、児童相談所ともあまりつながらない。なぜなら、母子生活支援施設は市町村事業で、婦人相談所、児童相談所 は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう情報共有して、 一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。 ○ 人に着目した支援をどう展開するかが重要で、婦人相談所、市や福祉事務所、児童相談所のつながりが本当に重要ではないか。そのためには、それぞれがつながるシステムの構築が必要ではないかと考える。例えば、婦人保護施設や母子生活支援施 設、一時保護所の空き状況などが、各機関で見えることができるようになれば、そのときその人にふさわしい場所で支援できるのではないか。
○ 婦人保護事業の支援ネットワーク連携会議の設置が必要。児童相談の分野において要保護児童対策地域協議会があるよう に、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。

次回は、「参考資料1」からです。
第7回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2019年06月07日(Fri)]
第7回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(令和元年5月28日)
≪議題≫ 困難な問題を抱える女性への支援のあり方
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04910.html
◎参考資料 1 婦人保護事業関係通知等(抜粋)
○配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人保護事 業の実施について(平成 14 年 3 月 29 日雇児発第 0329003 号厚生労働省雇用均等・児童 家庭局長通知)<抜粋>
→婦人保護事業の対象となる女性の範囲→エ 家庭関係の破綻、生活の困窮等正常な生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、現に保護、援助を必要とする状態にあると認められる者
○婦人相談所が行う一時保護の委託について(平成 23 年 3 月 31 日雇児発 0331 第 20 号厚 生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)<抜粋>→一時保護委託の対象者の範囲→E 婦人相談所において定員を超えて保護を行わなければならない場合であること。
○配偶者からの暴力被害者の一時保護における広域連携について(平成 19 年 7 月 27 日雇 児福発 0727001 号 雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長通知)<抜粋>→「配偶者からの暴力の被害者の一時保護に係る広域連携に関する申合せについて(連絡)」(平成 19 年 7 月 18 日知調二発第 71 号全国知事会調査第二部長通知)
○売春防止法(昭和 31 年法律第 118 号)<抜粋>→(婦人相談所長による報告等) 第三十六条の二
○妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について(平成 23 年雇児 総発 0727 第 1 号、雇児福発 0727 第 1 号、雇児母発 0727 第 1 号雇用均等・児童家庭局総 務課長、家庭福祉課長、母子保健課長連名通知)<抜粋>→妊産婦については、婦人相談所から母子生活支援施設への一時保護委託が可能、出産後は、通常の入所に切り替えることにより、妊娠段階から出産後まで一貫した母子の支援を行うことができる。


◎参考資料2 一時保護又は婦人保護施設入所の同意が得られない理由
・一時保護の同意が得られないケース
→多い順に「仕事や学校を休みたくない」、「携帯電話やスマホが使えない」、「外出が自由にできない」、「同伴児が転校又は急行しなくてはいけない」その他
・婦人保護施設入所の同意が得られないケース→多い順に「集団生活に不安がある」、「仕事や学校を休みたくない」、「携帯電話やスマホが使えない」、「外出が自由にできない」、その他


◎参考資料3 令和元年度婦人保護事業関係予算の概要
1 婦人相談所における支援(婦人相談所運営費負担金) 16百万円
2 婦人相談所の一時保護委託、婦人保護施設における自立支援 22億円
3 婦人相談員活動強化(児童虐待・DV対策等総合支援事業) 169億円の内数
4 DV対策等の機能強化(児童虐待・DV対策等総合支援事業) 169億円の内数
5 若年被害女性等支援モデル事業(児童虐待・DV対策等総合支援事業)169億円の内数
6 DV被害者等自立生活援助モデル事業(児童虐待・DV対策等総合支援事業)169億円の内数
○婦人保護施設利用者に対する地域生活移行支援→平成19年年度より、いわゆる「ステップハウス」の運営を実施。平成24年度から賃貸物件を活用して実施する場合に、建物の賃貸料の一部を婦人保護事業費補助金にて補助。
○婦人保護施設退所者自立生活援助事業
・(趣旨)→ 婦人保護施設を退所した女性が、地域社会で安定した自立生活 が継続できるよう支援する(アフターケア)(児童虐待・DV対策等総合支援事業(統合補助金))
・(対象施設)→退所者のうち支援を希望する女性が10名以上いる婦人保護施設
・(内容)→ ・訪問指導等による日常生活に対応する援助(食生活、健康管理、金銭管理等)。 ・地域及び職場での対人関係の調整等 ・関係機関等への同行支援。・その他社会生活における相談、余暇指導等。 ※平成29年度 11ケ所(交付申請ベース)
・(基準額:30年度)→1施設当たり1,659,550円(10人を超えた対象者1人につき138,790円を乗じて加算)
○若年被害女性等支援モデル事業→困難を抱えた女性については、個々のケースに応じた細やかな支援を行うことにより早期の自立支援が可 能となることから、若年被害女性等に対して、公的機関・施設と民間支援団体とが密接に連携し、アウトリーチから居場所の確保、公的機関や施設への「つなぎ」を含めたアプローチを行う仕組みを構築するための モデル事業を実施。 <実施主体>都道府県・市・特別区 <補助率>国10/10
○DV被害者等自立生活援助モデル事業→@自立支援(DVシェルター入所中の自立支援 :生活相談、行政機関・裁判所等への支援、 就職支援等)。A定着支援(就職支援等 DVシェルター(NPO法人等) DVシェルター退所後の定着支援 :電話相談、家庭訪問、職場訪問等 相談)
○婦人相談員活動強化事業
・施策の目的→、困難性のある問題を適切に対応するための高い専門性と切れ目のない継続的な相談・支援を行うことが求められている。婦人相談員手当額の引き上げを行うことにより、婦人相談員の活動強化を図る。
・内 容→婦人相談員手当額の引き上げ(平成30年度)月額最大 191,800円へ。


◎参考資料4 婦人保護事業の運用面における見直しについて (平成 31 年 4 月 23 日与党「性犯罪・性暴力被害者の支援体制充実に関するPT(プロジェクトチーム)」から厚生労働大臣への申入書) →当PTにおいては、平成 28 年 12 月「性犯罪・性暴力被害根絶のための 10 の提言」 (以下「10 の提言」)をとりまとめ、性犯罪・性暴力被害者支援体制に関する予算の 拡充やワンストップ支援センターの設置の推進など、与党・政府が一体となって取組を推進してきた。 昨年 7 月からは、上記 10 の提言に基づき、厚生労働省は「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」を開催し、婦人保護事業の見直しについて具体的な検討が行われ、昨年末に論点整理が行われた。 この論点整理を受け、当PTにおいても、見直し作業を加速化するとともに、運用 面で早急に対応を図るべき事項等を以下のとおりとりまとめた。政府におかれては、 以下の提言を可能な限り速やかに実現できるよう、最大限ご努力いただきたい。
http://sato-shigeki.com/report/2016/12/02/2879/


◎参考資料5 児童虐待防止対策の抜本的強化について(抜粋)(平成31年3月19日児童虐待対策に関する関係閣僚会議決定)

○3 児童虐待発生時の迅速・的確な対応
(6)DV対応と児童虐待対応との連携強化等 →A 婦人相談所・一時保護所の体制強化、B 婦人相談員の配置の促進、C 婦人保護施設の機能の充実


◎参考資料6 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案(第 198 回国会(常会)提出法律案)概要
○改正の趣旨
児童虐待防止対策の強化を図るため、児童の権利擁護、児童相談所の体制強化及び関係機関間の連携強化等の所要の措置を講ずる。
1.児童の権利擁護【@の一部は児童虐待の防止等に関する法律、それ以外は児童福祉法】 @ 親権者は、児童のしつけに際して体罰を加えてはならないこととする。児童福祉施設の長等についても同様とする。
A 都道府県(児童相談所)の業務として、児童の安全確保を明文化する。
B 児童福祉審議会において児童に意見聴取する場合においては、その児童の状況・環境等に配慮するものとする。

2.児童相談所の体制強化及び関係機関間の連携強化等
(1)児童相談所の体制強化【@は児童虐待の防止等に関する法律、それ以外は児童福祉法】
@ 都道府県は、一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分ける等の措置を講ずるものとする。
A 都道府県は、児童相談所が措置決定その他の法律関連業務について、常時弁護士による助言・指導の下で適切かつ円滑に行うため、弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行うものとするとともに、児童相談所に医師及び保健師を配置する。
B 都道府県は、児童相談所の行う業務の質の評価を行うことにより、その業務の質の向上に努めるものとする。
C 児童福祉司及びスーパーバイザーの任用要件の見直し、児童心理司の配置基準の法定化により、職員の資質の向上を図る。
(2)児童相談所の設置促進【@は児童福祉法、A・Bは改正法附則】
@ 児童相談所の管轄区域は、人口その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるものとする。
A 政府は、施行後5年間を目途に、中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、施設整備、人材確保・育成の支援等の措置を講ずるものとする。 その支援を講ずるに当たっては、関係地方公共団体その他の関係団体との連携を図るものとする。
B 政府は、施行後5年を目途に、支援等の実施状況、児童相談所の設置状況及び児童虐待を巡る状況等を勘案し、施設整備、人材確 保・育成の支援の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
(3)関係機関間の連携強化【@・Aの前段は児童虐待の防止等に関する法律、Aの後段は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律】
@ 学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は、正当な理由なく、その職務上知り得た児童に関する秘密を漏らしてはならないこととする。
A DV対策との連携強化のため、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員については、児童虐待の早期発見に努めることとし、 児童相談所はDV被害者の保護のために、配偶者暴力相談支援センターと連携協力するよう努めるものとする。

3.検討規定その他所要の規定の整備
@ 民法上の懲戒権の在り方について、施行後2年を目途に検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
A 一時保護その他の措置に係る手続の在り方について、施行後1年を目途に検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
B 児童の意見表明権を保障する仕組みの構築その他の児童の権利擁護の在り方について、施行後2年を目途に検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
C 児童福祉の専門知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策について、施行後1年を目途に検討を加え、 必要な措置を講ずるものとする。
D その他所要の規定の整備を行う。

◆改正の概要 令和2年4月1日(2(1)A及びCの一部については令和4年4月1日、2(2)@は令和5年4月1日。)

◆困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00520.html

次回は、「第3回精神障害者等の就労パスポート作成に関する検討会(資料)」からです。
第7回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2019年06月06日(Thu)]
第7回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(令和元年5月28日)
≪議題≫ 困難な問題を抱える女性への支援のあり方
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04910.html
◎資料 婦人保護事業の運用面における見直し方針について(案)
○婦人保護事業の運用面における見直し方針について(案)
1 他法他施策優先の取扱いの見直
し→婦人保護施設において支援を受けるべき女性が他法他施策の事業に回され、婦人相談所の一時保護や婦人保護施設による支援に結びつかないといった実態があるために、通知改正を行い、関係機関との十分な連携・調整の上で、婦 人保護事業による支援が必要な場合には、適切につながるようにする。

2 一時保護委託の対象拡大と積極的活用
@一時保護委託の対象拡大等→保護が必要な若年被害女性などへの支援を進めるため、民間支援団体に対する一時保護委託の積極的な活用が図られるよう周知徹底し、定員を超えた場合のみ一時保護委託が可能である対象者についても、本人の意向も踏まえた一時保護委託が可能となるよう対象者の範囲の拡大を図る。
A一時保護委託契約施設における一時保護開始手続きの再周知→被害者が、婦人相談所への来所を求めている実態があるが、この場合、当該施設において、速やかに被害者の安全を確保したうえで、婦人相談所が一時保護の要否の判断等を行うこととしていることについて、改めて周知する。

3 携帯電話等の通信機器の使用制限の見直し→携帯電話等の通信機器の 取扱いに関する調査研究を実施した上で、安全性も考慮した新たな運用 方法について検討し、一律に制限される取扱いを見直す。

4 広域的な連携・民間支援団体との連携強化→若 年女性からの相談等に対応した民間支援団体が、居住する地域の婦人相談所、婦人相談員に、ケースを円滑につなぐことができ るよう、婦人相談所等と民間支援団体との情報の共有等による広域的な 連携や必要な支援について、「若年被害女性等支援モデル事業」の実施状況も踏まえ検討する。

5 SNSを活用した相談体制の充実→若年層をはじめとした困難を抱えた女性が支援に円滑につながるよう、SNSを活用した相談窓口の安全な 開設及び運用方法等について調査研究を実施し、相談体制の充実を図る。

6 一時保護解除後のフォローアップ体制等の拡充→保護命令期間経過後の支援の実態を把握し、必要な支援方策について検討。 また、婦人保護施設等退所後のアフターケアや、入所中の自立の促進 を図るため、現在行っている「婦人保護施設退所者自立生活援助事業」、 「DV被害者等自立生活援助モデル事業」、「地域生活移行支援事業」等の更なる充実や民間支援団体を活用した事業の委託などについて検討する。

7 児童相談所との連携強化等
@DV対応と児童虐待対応との連携強化、体制強化→婦人相談所、婦人相談員は児童虐待の早期発見に努めることとするなどを踏まえ、 婦人相談員等の要保護児童対策地域協議会への積極的な参加について、 地方自治体に協力を求める。 また、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」(平成31年3月19日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)により、DV被害者に同伴する子どもの支援の充実を図るため、婦人相談所に児童相談所等 の関係機関と連携するコーディネーターを配置するほか、同伴児童も含めて適切な環境で保護することができるよう、心理的ケアや個別対応を含めた体制整備を進めるとともに、専門職の配置基準や基準単価の見直し等について検討する。
A婦人相談員の処遇について→適切な 対応について検討。

8 婦人保護事業実施要領の見直し→売春防止法等の規定に基づく用語を除き、支援の実態にそぐわない用語について適正化のための整理を行う。

9 婦人保護施設の周知・理解→厚生労働省ホームページやソーシャルメディアにおいて婦人保護施設の機能や取組等に関する情報提供を行う。 また、婦人保護施設の利用に当たっての分かりやすいパンフレットの 作成等により、婦人保護施設への理解を広げる。

10 母子生活支援施設の活用促進→児童福祉法に基づく母子保護の実施に係る都道府県又は市町村(特別区を含む。)の長に報告し、又は通知しなければならないことについて改めて周知。 また、妊婦については婦人相談所から母子生活支援施設への一時保護委託が可能であり、出産後は、通常の入所に切り替えることにより、妊娠段階から出産後まで一貫した母子の支援を行うことができることについても、改めて周知する。

次回は、「参考資料」からです。
第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年12月20日(Thu)]
第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年11月26日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について(中間的な論点の整理)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000407358.pdf
◎資料1 今後議論する論点について(案)

3.他法他施策との関係や根拠法の見直しについて
(1)他法他施策との連携の推進について
<課題>
現在、各種の在宅福祉サービスの多くは市区町村を中心として制度設計されており、市区町村との連携は不可欠であるが、 一方で、婦人保護事業は市区町村の業務として位置付けられていないため、連携の困難さ等が指摘されている。 婦人相談所は婦人保護施設への入所措置の権限はあるが、母子生活支援施設への入所措置の権限は福祉事務所にあり、婦人相談所にはない。母子生活支援施設は全都道府県にあるのに対し、婦人保護施設は設置のない県もあり、母子生活支援施設との連携については検討を要する。 また、婦人保護事業においては、児童虐待対応における要保護児童対策地域協議会のような関係機関による連携の仕組みがない。
<主な検討対象> 婦人相談員と関係他職種、婦人相談所と児童相談所、市区町村の関係機関との連携のあり方や、それを円滑に行うための方策の検討を行う。 また、婦人保護事業の受け皿としての観点から、母子生活支援施設との連携のあり方について検討を行う。
<具体的な検討事項>
➢ 婦人相談員と他職種との連携のあり方
➢ 婦人相談所と児童相談所、市区町村との連携のあり方
➢ 母子生活支援施設との連携のあり方
➢ 関係機関が連携を円滑に行うための方策 等
(主な意見)
○支援ネットワークの構築
→ 婦人保護事業の支援ネットワーク連携会議の設置が必要。児童相談の分野において要保護児童対策地域協議会があるように、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。
・女性福祉は本人の意思尊重が支援のベースとなっているため、周りからは支援の姿勢や方針がわかりづらい。例えば、児童虐待の担当者からすれば、なぜ本人の言いなりなのか、施設退所させるべきでないのになんで引き止めなかったのかというような発言につながっていくということがある。要対協と同じようなしっかりとした仕組みづくりは必要。連携という意味では、大変関連の深い医療や福祉、こういったところと連携が不足しているところが大きくある。人に着目した支援をどう展開するかが重要で、婦人相談、市や福祉事務所、児童相談所のつながりが本当に重要ではないか。 そこでは、それぞれがつながるシステムの構築が必要ではないかと考える。例えば、婦人保護施設や母子生活支援施設、一時保護所の空き状況などが、各機関で見えることができるようになれば、そのときその人にふさわしい場所で支援できるのではないか。連鎖を断つというような回復的な支援というところを考えると、やはり医療分野の支援が必要、かつ女性福祉の分野に理解がある方の協力が必要。職能団体の協力を得られるような仕組みが欠かせないのではないか。
・単に関係機関の連携会議を設置すれば足りるというものではなく、守秘義務が課せられるなど、一定の強い仕組みであることを示すことが必要。
○母子生活支援施設→特定妊婦に関しては、制度上、母子生活支援施設の利用ができないため、各自治体で独自に取り組みがなされている。母子生活支援施設に緊急一時保護して、出産してから通常の入所手続きをとる方法で支援をしている。特定妊婦の母子生活支援施 設などへの入所が、普通の入所措置として、制度として作られていくといいと思う。婦人相談所と母子生活支援施設の関係は、一時保護の委託を請けることは可能だがそれほどつながりがよくない。婦人相談所だけではなく、児童相談所ともあまりつながらない。なぜなら、母子生活支援施設は市町村事業で、婦人相談所、児童相談所は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。
○児童福祉法との関係→16、17 歳で母親になった相談者の方が結構いるが、その子がまだ、そこまで子どもを育てるところまで決意できず迷いがある中で、女性支援の方は母親としてどう生きていくかが先にきてしまう。私たちはそもそもまだ子供だよねというところで、子ども期の保障をするというところは、今度はまた児童福祉法がしっかりこの子を子どもとして守っていくということも 大事かなというのがある。法律の下で守られるという視点も大事だし、でも子どもというところも大事だし、そこはもっと深 く議論されなければならないことかなと思う。性虐待を受けた子どもはリアルタイムではそのことを言わない。婦人保護事業が関わる年代になってやっと出てくるが、婦人相談所には調査権がないため、性虐待を受けた、その客観的事実を児童相談所からもらえない。
○その他→関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう情報共有して、 一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。
○ 様々な福祉法が乱立していて、様々な危機感があって、それぞれのファクターで専門性がある機関や仕組みがあって、そこをコーディネートするのはどこなのか。婦人相談所が広域的に自治体のコーディネートをすべきだとの思いはあるが、これだけ様々な福祉法のすべてをコーディネートするとしたら、誰がどうやってしていくのか。他法他施策優先については削除すべき。より柔軟に関係機関との連携を図り、年齢や管轄で区切ることのない一貫した支援 のあり方が必要。【再掲】

(2)売春防止法の見直しについて
<課題>
調査結果の考察において、根拠法である売春防止法に関わる課題として以下の点が挙げられている。
・ 売春防止法においては、婦人保護事業は「保護更生」という位置付けのため、社会福祉事業としての事業理念は明確ではなく、「自立支援」も明記されていないことが、対象女性に対する各実施機関における自立支援の実施や関係機関との連携の課題の根本にある。
・ 売春防止法における対象者は「要保護女子」であり、実際の支援対象との乖離が生じ、各実施機関における対象者把握の相違や、他法他施策の関連機関の婦人保護事業の分かりにくさがもたらされている。
・ 売春防止法には市町村の責務や役割についての規定がない。
・ DV防止法など他法では、国の基本方針、基本方針に即した都道府県及び市町村基本計画の策定について明記されているが、売春防止法ではこうした規定がなく、基本方針、基本計画が策定されていない。
・ 他分野の福祉関連の法律にあるような、「連絡調整等の実施者」「連携及び調整」「支援体制の整備」などについて法的規定がなく、連携の困難、業務の困難に関連している。
<主な検討対象> 上記で指摘されている課題及び1〜3(1)までの各論点における議論を踏まえつつ、制度全体のあり方について検討する。
(主な意見)
○理念等の見直し
→売春防止法はそもそも第4章の問題ではなく、第1章から第3章もすべて含めて、何を目的としてどういう建て付けでという、基本のところが非常に本当は問題。売春防止法の第1章について、ここは女性の人権擁護を明確に位置付けてほしい。売春防止法にある女性蔑視や差別に対し、根本を改正するところから始めるのが本筋ではないか。婦人相談員が支援する対象は処罰の対象ではなく支援の対象。売春をしている女性は犯罪者ではなく被害者である。第2章 第5条、第3章を廃止することで、被害女性を転落女性とみるなどの差別的な表現を削除して、性の侵害を受けた女性の人権 を擁護する法律となるよう改正を望む。
・韓国では買春禁止法ということで、買春の取り締まりも始まっている。運用を変えるだけでは駄目で、売春防止法の、女性 差別や支援が書かれていないところを変えていくべき。 売春防止法の基本的なところを見直すことより、緊急にやることがある。売春防止法の見直しは、婦人相談所の名称、女性という文言に変えてほしい。第4章の見直しについては、第 35 条の2の「婦人相談員を委嘱することができる」を、都道府県と同じ「委嘱の者とする」 と改正してほしい。また、第 35 条の婦人相談員の要件について、人権意識が高く、女性の支援に必要な経験、熱意を持ち、 男女共同参画社会の実現を妨げる女性への暴力についての識見を備えた者のうちから委嘱するものとすると改正を願う。用語の見直しについては、婦人を女性、収容を入所、保護更生は自立支援、収容保護は入所支援、指導は支援、要保護女性は要支援女性と直せるのでは。
・結局は今の状態が売防法を根拠にしているが故に、いわゆる犯罪者としての面と、要保護として被害者としての面を有して いる女性を一緒に扱っている。これはすごく矛盾している。その結果、収容施設化している。売防法全体を改正すべきだが、そこまで検討しないというなら、婦人保護施設にいる人たちは犯罪とは一切関わりないという安心感を与えるような、建て付けの検討が必要。第4章に係る部分の基本的な考え方というのを条文として、福祉的な観点から一貫した支援を行うというようなことを加 えることが可能なのかどうか。また、第 34 条から第 36 条に婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設が規定されているが、そこに民間団体を位置付けて、財政的負担に関する条文について民間団体も包摂した内容も盛り込むことは可能なのかどうか。相談窓口や一時保護所のハードルの高さ、圧迫的な対応という部分について、例えばDV防止法の第9条の2に苦情処理の規定があるが、そういったものをここに付け加えることで当面の対応を考えていくことができないか。
○新たな法体系→売春防止法は女性が処罰をされる法律。売春防止法5条で処罰された女性はまだ今でも手錠を掛けられている。女性たちは犯罪者ではない。女性たちは福祉的な支援が必要な女性たち。売春防止法には人権保障の概念がない。自立をさせられる支援 の仕組みがない。専門性がない。そして何よりも、一人ひとりを支える個別性が必要。私たちは、これらの自立を支えるため の支援の仕組み、そのために新しい支援体制を考えている。婦人保護事業を超えた新しい枠組みに是非取り組んでいきたい。女性自立支援法、いま仮称と称しているが、新しい法律が 生まれていくべき時。 ○ 総合支援法、生活困窮者自立支援法などの考え方を取り入れた法整備を望む。
○ 回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる、そういう法制度がどうしても必要。損害された人権 を確立するための支援法が今、最も求められている。措置、収容、指導というふうに散りばめられた売春防止法の下では、本来の意味での女性支援は成立しないというのは明らかな事実。その課題と限界は明らかになっており、私たちは女性の人権の確立を目指す、売春防止法に代わる新たな女性支援の根拠法を急いで作る必要がある。この根拠法は、当事者主体はもちろん、暴力を根絶するためのジェンダー平等法としての機能をきちんと果たすものであることを心から願う。
○ 困難な問題を抱える女性への支援ということを考えるときに、売春防止法を根拠法令とすることは、もうこれは全くそぐわない。売春をやめさせるとか取り締まるとか、あたかも女性に非があるような視点を感じさせる法令を基にして、女性の支援 だっていうことは、ここをそもそものところで止めることがないと、本当に苦しい思いの人に届くのかと思う。性被害を受けた人たちの保護、それから立ち直り、生活の再建、自立支援。こういったことを進めていく包括的な対策が必要だとすると、売春防止法第4章の保護更生では、性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。ここは、こういう趣旨に合った新しい法律が、売春防止法とは別に必要。規制と保護を同じ法律の中で一緒にやっていくのが非常に難しいと考える。保護の部分を売春防止法から切り離して、売春 防止以外の対象者も含めた形で女性の保護や自立支援について包括的に対応するための法律を別に作っていく必要があるのではないか。その際に、他の福祉法や生活困窮者自立支援法のように、基本理念や対象者を明確化するとともに、関係機関や 民間団体との連携、支援体制の整備についてうたいつつ、売春防止法から切り離した個々の部分に加えて、国、都道府県、市町村の責務や実施する事業、それから情報共有や提供についての規定、他法他施策との関連といった内容が盛り込まれる構成 にしてはどうか。
○ 売春防止法の規定は大変簡単。具体的なことは行政の裁量に委ねていて、それが婦人保護事業実施要領を始めとする通知に 書かれていて大変複雑になっている。そういう構造のままでは、当事者が主体となるというような法構造にはならない。売春 防止法だからこそ行政裁量を非常に大きくしたというところがあるので、そこの考え方を根本から変えていかないと、新しい支援のあり方というのは実現できないのではないか。 売春防止法を改正しないと実施要領の改定はできないのか。根本的な法改正まで道のりが長いとしたら、できることからやっていくというようなスタンスを取りたいと思う。そうすると措置の問題とか、一時保護についてはそういう規定が、明確な 文言が実施要領にもないので、それは新たな基準を作るということが必要になる。 ○ 第4章だけ抜き出すということが可能なのか。売春防止法の主要な管轄は法務省だと思うが、法務省との関係はどうなっているかなど、そういうところをきちんと整理しながら進めていかないと説得力を持たないということは感じている。売春防止法抜きにしてはこの新しい女性支援の法構想はないのではないか。売春防止法に人権保障を書き込んだとしても、 売春防止法の思想、考え方そのものを変えていくのが、もし新法を作るのであればその新法構想だと思う。そのあたりをきち んとしないといけない。だから、この検討会はかなり大きな作業だということ。差別と分断の売春防止法をそのままにして、 第4章だけポコッと抜かして犯罪を犯した人と保護を受ける人が並存しているおかしな法律、そういう矛盾は解決できない。婦人保護事業実施要領はいろいろ変えなければいけない部分があると思うが、特に第一の目的というのは、元々売春防止法 ということで、要保護女子の転落の未然防止と保護更生を図るという、この文言がやはり最初に入っている。実態にそぐわない、あるいは婦人保護事業はそもそも何なのかというところに問わなければいけない非常に重要な部分だと思う。この部分は 特に丁寧な検討が必要で、ここをベースに考えていかなければいけない。この目的は何を置くのかというところを、特にこれはドラスティックに変えていく必要があるのではないか。

◆売春防止法↓↓
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=331AC0000000118
◆困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00520.html

次回は、「平成30年第15回 経済財政諮問会議・未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会議・規制改革推進会議 合同会議」からです。

第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年12月19日(Wed)]
第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年11月26日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について(中間的な論点の整理)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000407358.pdf
◎資料1 今後議論する論点について(案)

2.各実施機関における役割や機能について
(1)都道府県と市区町村の役割について
<課題>

現在、婦人保護事業は市区町村の業務として位置付けられていないため、連携の困難さ等が指摘。市区における婦人相談員の設置は任意、現在、設置している市区は全体の4割強。 婦人保護施設へのつながりにくさ→具体的には一時保護所を経る仕組み、緊急性がない場合でも一時保護所への入所が必要となる点が挙げられている。 婦人保護施設は都道府県の任意設置であり、施設が一つもない県が一定存在する。 このような状況を踏まえ、婦人保護事業における都道府県・市区町村の位置付けと役割分担について検討を要する。
<主な検討対象>婦人保護事業の実施における都道府県と市区町村の位置付けや、婦人相談員の配置のあり方、市区町村が行う業務の範囲等について検討。 都道府県と市区町村の役割分担について、現在婦人相談所が担っている役割を踏まえつつ検討を行う。
<具体的な検討事項>
➢ 都道府県・市区町村の位置付けや役割に関する基本的な考え方
➢ 市区町村が行うべき業務の範囲
➢ 適切に相談できる体制(婦人相談員など)の確保・配置のあり方
➢ 保護・支援のために適切に短期や中期に入所できる体制(一時保護所、婦人保護施設、母子生活支援施設、民間シェル ターなど)の確保のあり方 等
(主な意見)

○婦人相談員の設置義務 →婦人相談員の市区町村への設置義務がポイントではないか。また、婦人相談員は幅広い知識と多様な属性・課題への対応が 求められているため、資格を明確化してそれに見合った賃金の保障が必要。婦人保護事業の位置付けを市区町村の責務とし、市区では任意設置となっている婦人相談員について設置義務に、専門職として位置付けるべき。
○ 一時保護等の婦人保護事業の窓口となる専門相談員がどの市区にも配置されることが必要であり、配置された専門相談員が孤立せず、有効な相談が行えるよう組織として相談業務を支える仕組みが必要。法整備や財政措置を国に求めていく必要がある事項としては、婦人相談員の全市区町村への必置義務化、アフターケア事業 の人員配置や対象の拡大など制度の見直し、婦人保護施設や一時保護所における職員配置基準等の見直し、高齢者、障害者、 児童、生活困窮者等の他法他施策との整理、市町村及び女性相談センター、施設の役割分担の明確化である。
○市区町村の位置付け→婦人保護施設の利用は、現在は婦人相談所からの措置となっているが、他の福祉サービスのネットワークの中に入れて、市区町村の契約ということも考えられるのではないか。婦人相談所の全体的な役割、機能では、女性支援を市区町村の中に位置付け、その上で婦人相談所が専門性を強化し、女性を支援する様々な関係機関の連携のコーディネーターとして広域的な役割を持っていくということではないか。
・婦人保護施設の利用に当たって、母子生活支援施設と同様に福祉事務所からもストレートに入所依頼ができれば上手くつながっていくのではないか。女性支援を市区町村の責務として、在宅福祉サービスのネットワークの中に位置付けるべき。これにより、その女性の課題に即して、市区町村による施設や民間シェルターでの一時保護を行うことができるのではないか。
・一方で、婦人相談所は、より困難な課題をもって精神科判定が求められる女性、夫からの激しい追及が予想されるなど危機 管理が必要な女性、夜間、休日の緊急保護のような、より専門的な支援を担い、その時々に求められる新しいニーズへの対応を先駆的に検討していくという役割分担ではないか。
・措置入所制度のために、ニーズがあってもたどり着かない制度の仕組みはとても大きな問題で、この仕組みを変えていかな ければということをものすごく感じている。 ○ 市町村は住民に近い部門、都道府県は広域的な行政サービスを担っており、自立支援については市町村のほうが様々な選択肢を持ち合わせている。そういったお互いの強みを生かした効率的な役割分担を考えたい。遠方に避難することが必要ないケースでは、例えば市が直接一時保護などの調整ができれば、わざわざ都道府県に1か所しかないような遠くの施設まで行かなくても済み、ケースの個別性に応じた支援が提供できると思う。 ○ 一方で、市町村といっても規模や地域の状況は様々で、市によっては一律に法的な位置付けを与えられてもリソースがないので困るといったところもあり、例えば複数の市町村による連携を単位として考えるなど柔軟な考え方も必要。福祉事務所に措置権限をというところは、少なくとも市も法的な位置付けを与えていただき、一時保護の権限と財源、これ については最低限押さえておきたい。
○国と地方の責務→国に実態に応じた十分な運営指針がない。支援の地域格差が大変大きい。どこにいても平等な支援が受けられる、ナショナルスタンダードがない。 ○ 女性のニーズに応じた自立支援の仕組みをつくること。そして大事なことは国及び地方公共団体の責務を明確にすること。

(2)支援の実施機関に求められる役割・機能について
<課題>
婦人保護事業の中核をなす婦人相談所の果たす役割は非常に大きく、これまでもガイドラインの策定や研修体系の検討等により、婦人相談所の業務の標準化と職員の専門性の確保を進めてきている。 しかしながら、様々な困難を複合的に抱えた女性の相談窓口として、心理的ケアを行うための専門職の配置や若年女性、障害者、高齢者等の対象属性に応じた環境整備等の状況が調査結果から明らか、必要な体制確保が不十分との指摘あり。 また、婦人相談所が行う一時保護委託について、DV被害者についてはDV防止法に一時保護委託の規定が置かれているが、 売春防止法にはそのような規定がなく、民間シェルターや民間支援団体との連携に支障が生じているとの指摘。 婦人相談員の業務は、売春防止法において、要保護女子の「発見に努め、相談に応じ、必要な指導を行い、及びこれらに付随する業務を行うものとする」と規定されるにとどまっている。 婦人相談員の業務の明確化、質の向上及び業務の標準化を図るため、これまでも相談・支援指針の策定や研修体系の検討等が行われているが、調査結果においては、若年女性への対応や婦人相談所、法的機関など関係機関との情報共有、連携強化のあり方、婦人相談員の専門性を高めるための研修の充実等が課題として挙げられている。 婦人保護施設へのつながりにくさについては多様な要因が考えられるが、入所依頼に関する制度的課題も指摘、 具体的には一時保護所を経る仕組み、緊急性がない場合でも一時保護所への入所が必要な点が挙げられている。 婦人保護施設の入所率は平均で3割以下であるが、一方で婦人保護施設を必要としている人が利用できない婦人保護施設に なっているとの指摘がある。困難な問題を抱える女性の自立支援を担う施設としての機能強化はもとより、入所措置のあり方についても検討が求められている。 また、特に同伴児童がある場合に活用されている母子生活支援施設についても、今般の検討に際し、今後の位置付けを整理しておく必要がある。
<主な検討対象> 婦人相談所、婦人相談員及び婦人保護施設の各実施機関について、それぞれ@法的な位置付けや入所措置のあり方、他機関 との連携などの制度面からの検討と、A求められる支援内容や人員配置・環境整備等の支援体制、職員のスキルアップ・専門性 の確保などの機能面からの検討の、両面からの検討を行う。併せて、今後、母子生活支援施設に求められる役割とその活用についても整理を行う。
<具体的な検討事項>
➢ 婦人相談所(一時保護所)に求められる役割・機能
➢ 一時保護、一時保護委託のあり方
➢ 一時保護所における同伴児童に対する支援のあり方
➢ 婦人保護施設への入所措置のあり方
➢ 婦人相談所(一時保護所)に必要な体制
➢ 障害者、高齢者等の支援ニーズに対応した施設設備等の環境整備
➢ 婦人相談員に求められる役割・機能
➢ 婦人相談所、婦人保護施設との情報共有や連携のあり方
➢ 婦人相談員のスキルアップや専門性確保の方策
➢ 婦人保護施設に求められる役割・機能
➢ 秘匿性と自立支援の両立
➢ 性暴力被害を受けた経験のある入所者に対する支援のあり方
➢ 婦人保護施設退所後のアフターフォローのあり方
➢ 設置運営主体や設置形態による支援実態の相違
➢ 婦人保護施設に必要な体制
➢ 障害者、高齢者等の支援ニーズに対応した施設設備等の環境整備
➢ 母子生活支援施設に求められる役割とその活用 等
(主な意見)
○婦人相談所
→全体的な役割、機能では、女性支援を市区町村の中に位置付け、その上で婦人相談所が専門性を強化し、女性を支援する様々な関係機関の連携のコーディネーターとして広域的な役割を持っていくということではないか【再掲】。婦人保護施設の利用に当たって、母子生活支援施設と同様に福祉事務所からもストレートに入所依頼ができれば上手くつ ながっていくのではないか【再掲】。措置入所制度のために、ニーズがあってもたどり着かない制度の仕組みはとても大きな問題で、この仕組みを変えていかな ければということをものすごく感じている【再掲】。せっかくよい施設があっても、婦人相談員や婦人相談所が入所のハードルを上げており、措置のあり方、入所の仕組みを見 直すべき。 ○ 児童福祉では、虐待ケースというよりは非行ケースとして扱われてしまうところもあり、特に性的搾取や性売買に関わった少女たちは、一時保護所や児童福祉施設で受け入れるのが難しいとはっきり言われてしまうこともたびたびある。その少女たちがもっと婦人保護施設を使えるようになってほしいが、婦人保護施設の入所のハードルがものすごく高く、結局なかなかそれだけの受け皿がない。婦人保護施設に、直に入れれば一番いい。制度を使わなくてもいい子もいる。まず受け入れる、それから制度をつける、そういう考え方も必要。保護を要する女性のニーズと提供される一時保護の枠組みにミスマッチが生じており、一時保護の対象枠組みを見直し、実 現するための条件整理が必要。また、市町村に向け一時保護の共通理解の熟成を図ることが必要。児童虐待では法改正により児童相談所から市町村への送致が始まり、リスクアセスメントに基づいた連携が行われるようになってきている。女性福祉においても同様に、DV等で加害者からの避難が必要なケースとそれ以外の自立支援につなげていくケースに分ける方策が必要。一時保護委託制度を抜本的に見直すべきで、出来高払いではなく、シェルターの継続的運営に必要な経費補助がなされるべ き。お金がかかる、かからないで必要な支援先が選べないということは、法の平等からあってはならない。婦人相談所の一時保護は本当に緊急保護。障害や高齢の方を受けるのは設備的に難しいので、婦人相談所がまずは相談を受けた後、専門性を持ったシェルターに一時保護委託ができたらと思う。一時保護委託の対象がDV被害者とストーカー被害者等と規定されていて、ホームレス、売防法の方は一時保護委託ができない。ここは背景に関係なく、必要な方がどこにでも行けるような仕組みは必要。
・一時保護所→プライバシーに配慮したユニバーサルな環境を整えていくことも必要。例えば民間団体等の資源がある地域によっては、民間委託による一時保護先の確保に重点をシフトしてはどうか。民間のほうが利用者のニーズに柔軟に対応できるので、こうしたニーズに対して民間が行政からの委託の受け皿となるようにさらに取り組みを進めること で、行政のスリム化と民間団体の財政的安定の両方を図ることが可能ではないか。前提として、都道府県の判断に委ねられている入所基準を含め、ハード、ソフト面にわたるナショナルスタンダードが必要。 ○ スマホを持っているだけでどれだけ追跡が可能で、追跡をされたら他の人もその人がどこにいるのかある程度考えられてしまう。その危険性というのは、やはりDVの被害女性を支援している者にとっては本当に厳しい問題であり、なかなかスマホを持たせるのは厳しい。そういう意味でも、今一時保護委託できないホームレスの人についても、民間団体や民間シェ ルターなどスマホが持てるところに委託できるような、フレキシブルな一時保護の形を考えてほしい。一時保護の要件あるいは委託の要件をどうするか。今後の議論の中でさらに詰めて、使いやすいものにするということだ と思う。現在のような形の一時保護ではなく、本当に緊急な方とそうでない方を分けるような、そういったあり方が可能か どうかも今後の検討課題だと思う。 ○ 支援のスピードを上げるためにも福祉事務所も措置権者になっていくという、そうした措置権者を変更するという部分もきちんと明確に議論していきたい。つなげていくのに時間がかかるという話があったが、特に婦人保護施設に入所する際には一時保護所を経るという仕組みが今できていて、それが本当に必要なのか。特にそういったことが必要でなければ早急につなげていくといったことについても検討していきたい。
○婦人相談員→業務は多岐にわたり専門性を有する相談業務だが、所属する都道府県、市区が婦人保護事業の一機関である婦人相談員の業務を理解しているかという点については、なかなかこの婦人保護事業のわかりにくさというところがあるのではないか。そのことが、婦人相談員の雇用の不安定な状況と重なる。一年契約で、毎年、来年も続けられるのかという不安で、不安定な雇用条件の下で仕事をしている婦人相談員がほとんどという現状は、市町村での婦人保護事業の位置付けがないということと重なっている。
・婦人相談員には権限がないということが大きいと思う。法的な後ろ盾がない状態で、確実に婦人相談員が支援を実行できる というふうにいえるものがない。婦人相談員の役割として要支援性を判断しているが、その判断への権限がないということ。 また、その判断の客観性を示す基準もない。一機関としての役割、婦人相談所、婦人保護施設と同等のものを考えて、支援者として動きやすい形にすることが、これまで出されてきた問題の解決につながるのではないか。
・支援の現場で婦人相談員が必要とする権限は、要支援と判断する事柄については一時保護するための権限、施設入所のための権限、関係機関を招集しケース会議を準備できる権限、生活保護申請を決める権限、継続して面接することを決定できる権限、広報活動ができる権限、同行支援、家庭訪問などを自分の判断で行うことができる権限、継続的に研修を受ける権限。言っていけばきりがないが、これらの検討もお願いしたい。 ○ 権限がないために、庁内や関係機関などと如何にして社会資源をつくるか、特に根拠となる法律がない場合に、相談員個人 のネットワークを駆使して動くしかない状況がある。婦人相談員が周知されていないところに個人のネットワークを作るに は、婦人相談員としてやはり経験や協同して支援をした実績がないと難しい。市には様々な嘱託職員がいるが、その中でも婦人相談員の専門性は相当高い。管理する立場としては、せっかく育った相談員が辞めていくと、また一からのスタートになってしまう。改正地方公務員法の施行に伴い、会計年度任用職員にシフトして いくことが見込まれるが、相談員の専門性をはっきりと示すことで、相談員に対する周囲の職員の理解も進むと思う。
○婦人保護施設→婦人保護施設を必要としている人が利用できない婦人保護施設になっている。婦人保護施設を利用できたらという思いがあるのに、利用する側にあまりにも寄り添えていない仕組みで、結局諦めて、生活保護を受けて一人単身でアパート暮らしの現状。 立ち直りから生活の再建、そして自立していくというプロセスを、一貫して息長く寄り添って支援をしていくということが大事。その際、上から目線でなく本人の自立の意思を大切にする、福祉でいう措置から契約への転換ということが重要。婦人保護施設は何をするところか。入所時の目的は就労自立とされているがそうではない。私たちがすべきは、たくさんの 被害を受けた、虐待を受けた女性たちに対して、きちんと心の回復支援を主軸にするべきだと考えている。
・市の立場からは、婦人保護施設は非常に縁遠く、県を通して間接的にしか関われない。相談員にとっても、入所者にコンタクトするのに県を通してでないと話ができないというような感じがあり縁遠い。売春防止法を根拠とすることの限界がある。24 時間 365 日、婦人保護施設は対応している。支援する職員が足りない。国基準では支援員が2名。自立支援という考え方ではなく、「見ていればいい」という捉え方だったと推察する。

(3)民間シェルター等の関係団体との連携について
<課題>
婦人相談所と、民間シェルターや主に若年女性の支援を行う民間支援団体との連携が不十分といった指摘があり、婦人相談所が行う一時保護委託について、DV被害者についてはDV防止法に一時保護委託の規定が置かれているが、 売春防止法にはそのような規定がなく、民間シェルターや民間支援団体との連携に支障が生じているとの指摘がある。 民間シェルターや民間支援団体については、すでに婦人保護事業の実施における重要な連携先としての役割を担っているが、 財政基盤や人的体制の脆弱さが指摘されている。
<主な検討対象> 民間シェルターや民間支援団体について、婦人保護事業の構成員としての役割と連携のあり方について検討するとともに、 こうした役割を担う場合の支援方策等について検討する。
<具体的な検討事項>
➢ 民間シェルターの役割と連携のあり方
➢ 民間支援団体の役割と連携のあり方
➢ 民間団体の役割に応じた支援方策 等
(主な意見)

○退所後の自立支援→民間シェルターに特徴的なことは、シェルターを退所した後のお付き合いが長いということ。当事者の困難はシェルター 退所後に大きくなる。どこに住むか、どういう仕事ができるのか、子どもたちがまたPTSDで苦しまないか、自分自身が また新しい職場で被害に遭わないか。様々な問題に向き合いながら、当事者は一歩一歩新しい生活を固めていくが、その本格的な自立回復支援を担っているのは、多くは民間シェルターである。様々に広がる支援格差、官民の支援格差と自治体間支援格差、専門機関の間での支援格差も大きく広がっている。そういった意味での支援格差の広がりを、どこでどう解消していくかというのは大きな問題。その格差の中で、特に民間支援団体は財政的支援が薄弱。緊急一時保護から回復支援までの長いスパンをカバーする事業委託を請けることができれば、支援の専門領域に応じた様々な財政措置を受けることができるのではないか。
・今後、高齢者、子ども、若年女性、妊娠出産するハイティーンの子ども、アジアの外国人など、シェルター機能は特化・ 専門化されていくであろう。そのときに、公的なDVセンターが相談から自立支援までを行うのは無理なことで、支援に特色を持った、スキルや経験のある支援団体に役割を渡すことが重要。本人や同伴児童への心理的ケア→母子の回復プログラム・並行プログラムのシステム化を提案したい。親子回復 プログラム→実績のある民間団体への委託事業として予算化してほしい【再掲】。
○財政的支援→民間シェルターの課題は何をさて置いてもお金の問題。お金がないので優秀なスタッフを抱え込むことができない。次世代の育成に問題がある。DV防止法世代と呼ばれている第一次民間シェルターの活動主体は、今はもう 60 代から 70 代が主力になっており、若い人材の確保が財政上の問題から大きな課題。特に専門職としての支援員を養成することがなかなか難しいところにきている。民間団体との連携について、行政ができない部分、縛りのある部分において、民間団体と連携しながら支援することが必要。 民間団体の活動費に是非とも予算をつけてほしい。一時保護所については、プライバシーに配慮したユニバーサルな環境を整えていくことも必要。例えば民間団体等の資源がある地域によっては、民間委託による一時保護先の確保に重点をシフトしてはどうか。民間のほうが利用者のニーズに柔軟に対応できるので、こうしたニーズに対して民間が行政からの委託の受け皿となるようにさらに取り組みを進めることで、行政のスリム化と民間団体の財政的安定の両方を図ることが可能ではないか。前提として、都道府県の判断に委ねられ ている入所基準を含め、ハード面、ソフト面にわたるナショナルスタンダードが必要【再掲】。
・自立支援→民間にも間口を広げて、補助や委託ができるように正式に事業化するなど、民間団体の資源の積極 的な活用と財政的支援をセットで考えていくことが必要。 民間団体は大変基盤が脆弱、それだけでなく、管理運営面のスキル不足、人材育成、こういった基盤がきちんとできていないというところがある。しかも、公的機関と民間の間の連携が不足している。
○その他→とにかく少女たちに足を運んでもらいやすくして、その団体の雰囲気や活動を知ってもらって、連絡先を伝えて、顔の見える関係性になるということをしていきたい。そうすることで、困ったときに気軽に連絡してもらえる関係性をつくることができる。性被害を受けてからの保護では遅い。そのおそれがある段階で事前の保護をきちんとするということが重要。その意味で 民間支援団体の活動はとても大事で、これを制度上きちんと位置付けることが必要。支援の流れ全体について公民の対等なパートナーシップにより進めていくこと、民が公の下請けにならないということが必要。民間の得意な分野については、委託や補助の形で民間に任せていくことが大事。財政面のみならず、組織運営や人材 育成といった面で民間の団体を育てていくということが必要。新たな支援の仕組みを作る際には、様々な民間支援団体を重要な社会資源として、対等な機能と役割をもった存在として 位置付けることが重要。少なくとも当事者が危険な場合、不安で恐怖で怯えている場合は、当事者の意思に沿い、当事者が回復支援の権利行使をする主体だという位置付けで、きちんと受け入れてほしい。県の女性センターは、民間シェルターや婦人保護施設、民間支援団体と対等な立場で連携してほしい。委託対象もきちんと国が示しているとおりに拡大して、必要な人をいつでも受け入 れてほしい。最近、特に民間シェルターと女性センターとの関係が大変指示的になり、形式的、かつ拒否的になってきている。全体の 委託件数はかなり減少傾向にあり、被害当事者にある程度の制限や条件を付けて委託を断る、あるいは保護受け入れ、入所を断るというケースが大変増えてきている。基本的なガイドラインあるいはマニュアル、スタンダードが法律に基づいて作られているが、それを守らなくても、それに則らなくても誰からも批判、指摘されないという状況が、アクセスのハードルを高くしているのではないか。

次回も資料1の続き、「3.他法他施策との関係や根拠法の見直しについて」からです。

第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年12月18日(Tue)]
第5回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年11月26日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について(中間的な論点の整理)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000407358.pdf
◎資料1 今後議論する論点について(案)
○売春防止法を根拠とする婦人保護事業の見直しでは
→平成 24 年度に厚生労働省の研究事業の一環「婦人保護事業等の課題に関する検討会」で一定の検討と論点整理がなされ、結果「婦人相談所ガイドライン」や「婦人相談員相談・支援指針」の策定、婦人保護事業に関する研修カリキュラムの作成等の運用面における改善の取り組みが行われてきた。
○しかしながら、平成 29 年度に厚生労働省が行った「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」結果→相談員の専門性、スキル向上等のソーシャルワーク実践に関わる課題や、専門職配置の脆弱さ、婦人保護施設へのつながりにくさ等の制度的課題、自立支援の概念や市区町村の役割の不在等の根拠法に端を発する課題等が考察され、婦人保護事業が対象としている女性の年齢層は幅広く、主訴こそ「夫等からの暴力」が大半を占めるものの、主訴にかかわらず、精神・知的障害や妊産婦、外国籍などの属性、被虐待経験、性暴力被害などの背景を複合的に抱えていることによる、支援の困難さの実態が調査結果から改めて浮き彫りとなった。
○さらに、近年社会問題化しているAV出演強要、JKビジネス問題や 10 代の女性への支援といった、これまで婦人保護事業の対象として想定されなかった新たな課題も表出しており、これら若年女性への支援を婦人保護事業がどう担っていくのかは欠かすことのできない検討課題である。
○これらのことを踏まえ、今後、従来の婦人保護事業の枠組みの見直しはもとより、若年女性に対する支援のあり方など今日的な社会課題への対応も含めて、困難な問題を抱える女性に対する支援のあり方について、具体的には以下に掲げる事項について 議論を深める。
○なお、制度の見直しを含めた議論を具体的に進めていく中において、通知等の改正や予算の要求を通じて対応可能な事項があれば、本検討会の議論を踏まえ、厚生労働省において、先んじての対応を行うことを検討すべきである。

1.対象となる女性の範囲とニーズに対応した支援について
(1)対象となる女性の範囲について
<課題>
売春防止法における「要保護女子」の規定があるが、通知により対象を拡大してきた現状があり、法律の規定が実態に合っていないとの指摘、近年の社会の変化等により、支援の対象とすべき女性の範囲は広がり、より多様化・複雑化しているとの指摘がある。
<主な検討対象> 支援の対象とすべき女性の範囲の基本的な考え方を明確化、対象となる女性の具体的な像について、その定義を含め、実態やあるべき姿に即した見直しを検討、 また、現行通知上で、対象女性について「他法他施策優先」と規定していることが、婦人保護事業の支援につながらない要因の一つとの指摘、当該規定のあり方について検討する。
<具体的な検討事項>
➢ 支援の対象とすべき女性の範囲の基本的な考え方
➢ 対象となる女性の具体的な像
➢ 「他法他施策優先」の規定のあり方 等
(主な意見)
→DV防止法の改正に合わせて業務内容が見直されることなく、次々と発出される通知により単に業務が加えられているのが現状。このことが全国の婦人相談所が配偶者暴力相談支援センターの役割に重きを置かれていることの背景にある。売春をした女性が結婚してDV被害者になることもあり、その逆もある。その時々の主訴によって要保護女子と暴力被害女 性とに分けていて、一人の女性として一貫した支援ということが現行の婦人保護事業実施要領の中では掲げられていない。対象とする女性は、それぞれの法律の項目を挙げるような形ではなく、緊急の保護又は自立の援助を必要とする女性及びその者の監護する児童ということで、そのときの背景がどのようなことであっても、その時々の保護の必要性や支援の内容に焦点を当てた支援というのが、対象女性というふうに考えていいのではないか。
○ 包括的な定義は、対象は困難な問題を抱えるすべての女性とし、その人権を擁護し、一人ひとりの問題に関して総合的な社会支援を行うとしてはどうか。具体的な定義については、あらゆる暴力の被害者、日常生活を営む上での困難な問題を抱える女性を範囲として、生活上の 様々な困難を抱えた女性やその子どもたちの一人ひとりの事情に合わせ、再出発のために社会資源をコーディネートし、問題解決及び女性の自己決定権を支える等の支援を行うとしてはどうか。
○ 他法他施策優先については削除すべき。より柔軟に関係機関との連携を図り、年齢や管轄で区切ることのない一貫した支援のあり方が必要。支援の現場では、要保護女子ということではなく、性的被害を中核として侵害を受けたすべての女性を対象にしている。困難を抱える女性とは何なのかということを明確にするべき。

(2)困難な問題を抱える女性のニーズに対応した支援について
<課題>
調査結果→対象となる女性の年齢は多岐にわたり、複合的な課題を抱えていることが確認、若年女性や障害者、高齢者、外国籍等の対象者の属性に即した支援課題が指摘。特に、婦人保護事業に つながりにくいとされる若年女性への支援のあり方は被害の未然防止の観点からも欠かすことのできない検討課題。児童を同伴する女性とその同伴児童への支援、性暴力被害を受けた女性に対する支援→心理的ケアや法的 支援などの専門的支援の重要性について、障害者、高齢者など何らかの配慮が必要な者→婦人相談所、婦人保護施設の環境・設備上の課題などについても指摘。 さらに、婦人相談員、婦人保護施設職員のソーシャルワーク技術や関連分野に関する知識の向上のための研修、スーパービジョンのあり方についても重要な課題。 このほか、婦人保護事業の実施では、支援の地域差、ローカル・ルールによる事業の相違について、従来から指摘がされている。
<主な検討対象> 複合的な課題を抱える多様な女性への支援のあり方の基本的な考え方について、明らかにする。 その上で、対象者の様々な属性に応じた支援のあり方について具体的に検討。 この中では、若年女性への支援に関して多く指摘されている課題(一時保護における通信機器の使用制限の問題、相談窓口 へのつながりにくさ等)についても検討する。 また、性暴力被害を受けた女性に対する支援→平成 29 年度に策定した支援プログラムの活用方策も含め、具体的な支援のあり方を検討する。 支援の地域差、ローカル・ルールの存在が指摘されている現状の中で、それぞれの地域における必要な支援体制の確保の進め方などについて、地方分権との関係も踏まえつつ、検討。
<具体的な検討事項>
➢ 複合的な課題を抱える多様な女性への支援のあり方の基本的な考え方
➢ 若年女性に対する支援のあり方(通信機器の使用制限の問題や相談窓口へのつながりにくさ等の課題を含む)
➢ 児童を同伴する女性とその同伴児童に対する支援のあり方
➢ 性暴力被害を受けた女性に対する支援のあり方➢ 障害者、高齢者、外国籍などの対象属性に即した支援のあり方
➢ ソーシャルワーク技術や知識向上のための研修、スーパービジョン ➢ それぞれの地域における必要な支援体制の確保の進め方 等
(主な意見)
○若年女性
→若年女性への性暴力が法の狭間に落ちており、本来は婦人保護事業が取り組むべき対象であるにもかかわらず取り残されている。20 歳未満の若年女性については、法律の狭間にあることが支援の困難さを増幅させており、通常の婦人相談員の資源やスキルでは対応が困難。若年女性については、抱える問題の内容によって狭間が解消されるような支援のあり方を検討すべき。特に性被害や性的搾取の被害に遭った少女たちは、精神的な不安を抱えながら生きているが、困難を抱えた少女たちが自ら公的な機関に助けを求めることは、かなり高いハードルがある。公的機関の問題として、開所時間や一時保護に至るまでの時間等の問題で、使いたいと思っても利用することを諦めてしま う少女たちが後を絶たないのではないか。もっと手前で、早期の段階で少女たちにつながって、もっとアウトリーチしていく 必要があり、ハードルを下げて、間口を広げて出会っていくことが大事。一時保護の同意が得られないということは、つまり使いたいと思われていないということであり、ルールや国の運営方針の 見直しが必要。売春防止法の枠の外にいる女の子たちは、相談窓口があってもたどり着けない子たちであり、気軽に立ち寄れる居場所づ くりが必要。若年女性の支援の課題として、婦人相談員の年齢が高く相談しづらい現状があるのではないか。また、実際の支援に当たっ ては、未成年の場合に保護者の同意がなければ自立に向けた支援が非常に困難という現実がある。若年女性への対応スキルの向上、児童虐待に適切に対応するための心理的ケアの充実が必要。例えば、一時保護所とは別の 場所で、別の支援方法によって保護することも必要ではないか。行政機関や警察署などに、若年女性に特化した問題に詳しい担当者の配置が必要。相談先が若年女性のニーズに合っておらず、つながっていない少女たちがたくさんいるという対策の不十分さがある。公的な機関が若年女性の課題をカバーしきれていないが、これは根拠法の想定と実態が違うというところがあるわけで、ある意味カバーしきれないのは必然的な問題である。児童福祉と女性支援のクロスするところで、必ずしも 18 歳以上 18 歳未満とスパッと切れないようなことが実はあって、 その中で争点になっていくのがリプロの問題、児童福祉が想定していない女性性の問題が出てきていて、逆に婦人保護事業 の場合は母親役割が登場して、16、17 歳の方々への本当に適切な支援にはなっていないという状況があぶり出されている。
○ 暴力の問題とリプロの問題というのは実は不可分の問題。必ずしもこれまできちんと論じられてこなかったが、現実には 15 とか 16 歳以上になると、性関係の問題や性関係があれば妊娠、出産の問題が不可避的に出てくる場合が多いというところをきちんと把握して、どういう支援が必要なのかということを考えていかないといけない。 ○ 公的な保護を求めない相談者に対しても、障害の診断やトラウマ治療の専門家などの医療につなぐサポートをしてもらえ たらいいと思う。若干非論理的な話をすると、援助交際のおそれという意味では売春のおそれがある。一方で、性被害のおそれも当然ある。違法行為の主体としての責任を問う意味でのおそれと、被害から保護するという意味でのおそれ。そこが重なっている 10 代の少女の、そのおそれをなくすことを優先すべきではないか。
○児童を同伴する女性とその同伴児童→同伴児童への対応が的確にできていない。特に心理的ケア、本人への心理判定が、子どもたちにも何とかしようということで、悪く言えば片手間になっている。同伴児童についても支援対象の主体として捉えるべき。本人や同伴児童への心理的ケアについては、母子の回復プログラム・並行プログラムのシステム化を提案したい。親子回復 プログラムについては、実績のある民間団体への委託事業として予算化してほしい。
○ 同伴児童の問題は婦人保護事業の大きな問題。一時保護に入り通学できない期間が1〜2か月に及ぶ場合もあり、学習権の 保障はどうなっているのか。
○性暴力被害 →性被害を受けて心と体が傷ついた人にとって、医療と心理的ケアは本質的に必要であり、これは連携ではなく内在的な機能として必要。今でも婦人相談所には判定ということで医療関係者が必要となっているが、判定だけではなくむしろケアということで医療及び心理的ケアが必要。性暴力被害者への支援については相談者に寄り添った支援をしているが、婦人相談員が二次受傷する場合も多いことから、 スーパーバイザーの体制が必要。性虐待や性被害を取り扱う専門的スキルが、女性支援に関わる人たちの中にも確実に必要であり、その被害に寄り添える思いを馳せる人が窓口にいないと二次被害を受けたりすることも現実。性虐待に対しての意識や取り組みがあまりにも日本では遅れていると感じる。妊娠は本人の問題とされてしまうところがあり、支援者もそこの知識経験が抜けている。女性支援を考えるうえで性教育をやっていかないと根本的な解決にはつながらない。ある意味命を大事にするからこそ、中絶する権利や中絶できることの選択肢が困難な状況にある人たちにもうちょっと何か支援が展開されてほしい。性被害のことは、本来であれば婦人保護事業が取り上げてこなければいけなかったが、やれてこなかった。本人への性暴力、子どもたちへの性虐待の実態を明らかにして、女性支援として取り上げるべきは、性被害・性搾取の問題 だろうと深く思う。
・性暴力被害者支援は必ずしも議論が十分でない。調査研究の成果をどう生かすのか。また、性暴力被害者支援に当たる際の視点の問題が重要。どういうスタンスで支援をするのかが非常に重要だと考えており、いろいろな領域の専門家がいるので、 ここで十分議論すべき。
○支援システム→婦人相談所はすべて配偶者暴力相談支援センターの看板を掲げている。DV被害者への支援は法律等で示されているため、そこに向けての支援は行いやすい。DV被害者とそうでない方の支援の中身は違う。同じ暴力でも、配偶者と親からでは支援措置やサービスが異なり非常にやりにくい。現場で日々起きている問題は、メンタルヘルスの安定が保てないことによることがすごく大きいと思う。精神科医、心理の人間が効率的にサポートしていくシステムをぜひ議論すべき。子どもの貧困の連鎖と同様、女性福祉においてもDVによる影響を克服し、連鎖を絶つための回復的支援の領域に力を入れていくことが必要。社会福祉の仕組み、考え方はこの 10 年で変わってきている。当事者中心の支援システムに、措置から権利の考え方へ変えていくべき。
・なぜ女性か。暴力から逃れて待っているのは生活苦、そして養育と女性と子どもの貧困。逃れた後の支援のシステムがない。 女性ゆえに予期せぬ妊娠、不安定な雇用、様々なことに対する女性が抱えている大きな問題、女性性の困難である。今回は若年女性の性暴力、性搾取の問題が非常に緊急性があり重要な問題なので集中的に議論されるべき。一方で、障害のある方、外国籍の方、高齢の方などに対する支援の問題も落ちないように議論していくべき。
・支援が届けられない女性や子どもに対して、どういう方法があるか、どうしていくかが婦人保護事業の最も大事な問題のひとつではないか。支援にたどり着けないのには3つの要因があると考える。@一時保護のハードルが高い、A他法他施策優先の運用、B集団生活やいろいろな規制によって本人の同意が得られない、その同意をどう捉えるか。一時保護にたどり着けないというところの要因分析を、もう少し深めて議論したほうがよい。婦人保護事業の従来型の支援のあり方を、もう一度考え直したほうがいい。収容型の施設支援のみの支援のあり方からの 脱却をもう考えないといけない段階にきている。安全を確保して一時保護をするが、今の売春防止法だとその後がないという感じで、一時保護の前段階の中間的な施設とか支援のあり方が必要ではないか。それから、ほとんど議論されていないのが継続的支援の問題。DV法でも婦人保護事業でも、継続的視点が必要だと問題提起されている。支援内容の点がまだ議論が不十分である。民間団体から学ぶことが非常に多いのではないかという視点が大事。居場所づくりや中間施設の話もあるが、婦人保護施設、中長期的な施設でも、若年者向けの施設が必要だろうと思う。対象女性が広がれば広がるほど、ニーズと支援は多様になるのは当然のことであり、保護、収容の程度も多様性がある。 どこか隠れたところにこっそりあるような婦人保護施設ではなく、秋葉原、渋谷、新宿などのど真ん中に、ちゃんとここに 逃げ込んでおいでというようなものがないと、人身取引や性搾取の被害者はなかなかそこまで行かない。そして一時的に入ったら、そこからどこか居場所を民間でも探すよというように受け皿を設け、入口を広く、受け皿を深くという、そういう 施策を提案していただくしかない。長年患者を拝見してきて、この人たちが果たして良くなるのか心配されている方は多いと思うが、過去 10 年 20 年ぐらい でかなり、やれる人は少ないという問題はあるが、いろいろなプログラムができてきて良くなっている。きっちり関わることができれば、相当数の人がもっといい人生を送れる水準まで、医療やメンタルの面でもきている。
○支援の専門性→これだけ複雑・複合的な課題を抱え、しかも暴力、性暴力を受けた女性たちに、支援に専門性があって当たり前。婦人保護施設の支援員は、専門職として広い視野と専門性の高い支援が求められ、現に精一杯そのことに対応している。 一人ひとりのステージにともに歩みを進めている。売春防止法にはない支援が求められている。
・職員の専門性を担保するためには、運用上の研修やスーパービジョンも重要だが、新たな仕組みを考えていく必要があるのではないか。支援に専門性が必要なことは共有されていると思うが、その専門性とは一体何なのか、専門性の吟味が必要。女性支援における専門性をもう少し深めていく必要がある。専門性に関しては、資格要件や経験、研修、民間登用などいろいろな方法 があると思うが、専門性を保障する仕組みとしてどういうものを作っていくかという議論も必要。専門性とはどういうことかということを踏まえつつ、それぞれの実施機関にきちんと専門職を配置していく。資格的なところも含めて考えていくべきで、今までにそういった専門職が置かれていないという問題がこの領域はあるので、そこについての検討を是非していかなければいけない。

次回もこの続き「2.各実施機関における役割や機能について」資料からです。