• もっと見る
« 離職率について | Main | 未来投資会議»
<< 2024年03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 議論の取りまとめ [2019年06月29日(Sat)]
妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 議論の取りまとめ(令和元年6月10日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05127.html
◎議論の取りまとめ(概要)↓↓
○妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会

・妊産婦の診療は、通常よりも慎重な対応や胎児や乳児への配慮が必要であり、診療に積極的でない医療機関が存在するとの指摘がある。このため、妊産婦自身の負担にも配慮しつつ、妊産婦が安心できる医療体制の充実が必要。出産年齢が上昇傾向にあり、一般に、高齢出産の場合には、特に健康管理に留意が必要とされるなど、妊産婦のニーズに応じた細やかな支援が重要。妊産婦が安心できる医療体制の充実や健康管理の推進を含めた妊産婦に対する保健・医療体制の在り方について検討するため「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」を2019年2月より開催。→構成員 検討事項 「妊産婦の医療や健康管理等に関する調査」 検討のスケジュールあり。

○妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 議論の取りまとめ(概要)
・妊産婦が安心できる医療体制の充実や健康管理の推進を含めた妊産婦に対する保健・医療体制の在り方について検討を行った。中央社会保険医療協議会→妊産婦に対する診療の評価の在り方について、更なる検討を進めることを期待する。 国→妊産婦に対する保健・医療体制を構築するため関係機関と協力・連携の上、引き続き取り組んでいくべきである。
・相談・支援→[妊産婦の不安]⇒不安を感じる妊産婦が相談できる仕組みづくり
・医療提供→[妊産婦の診療の現状] [産婦人科の現状] [産婦人科以外の診療科の現状]⇒産婦人科以外の診療科と産婦人科の医療機関の連携、診療の質の向上に向けた取組へ。
・連携体制の構築→[支援を必要とする妊産婦への対応] [母子健康手帳]⇒妊娠期から子育て期までつながる支援(子育て世代包括支援センターの質の向上と設置の推進 医療機関と自治体の連携促進)。 母子健康手帳の活用(医療機関の受診状況を本人同意の上で医療機関が記載 多言語化(英語、中国語、韓国語、スペイン語等))。
・健診や診療の評価→[妊婦健診、産婦健康診査] [妊婦健診以外の診療の評価等]⇒妊婦健診、産婦健康診査について(引き続き検討)、診療に対する評価等について(他の受診者との均衡や政策効果といった点を勘案し、引き続き検討すべき)

○議論のとりまとめ(全文)
1 はじめに

・これまで、妊産婦が安心して子どもを産み育てられる社会となるよう、妊婦健診に対する交付税措置や産婦健診の費用の助成などの支援策を講じてきており、医療の提供→周産期医療体制の整備やハイリスク妊産婦に対する診療の充実などが図られてきた。
・近年の母と子の健康をめぐる様々な環境→少子化、核家族化、女性の社会進出の増加等大きく変化、妊産婦の保健・ 医療に関する分野においても健康寿命の延伸等に向けて地域の特性に応じた対策を進めつつ、地域間における健康格差を解消していくことが必要。
出産年齢は上昇傾向にあり、一般に、高齢出産の場合には、特に健康管理に留意が必要、妊産婦のニーズに応じた細やかな支援が、より重要となっている。妊産婦自身の負担にも配慮しつつ、妊産婦が安心できる医療体制をさらに充実していくことが求められている。

・平成 30 年度診療報酬改定において、妊産婦の診療→通常よりも慎重な対応や胎児や乳児への配慮が必要であり、妊婦に対する通常よりも丁寧な診療を評価する観点から、「妊婦加算」を新設。 しかしながら、加算の趣旨に反するような事例や妊婦の自己負担の増加に 対する指摘があり、平成 30 年秋以降、SNSや新聞、ニュース等で頻繁に取り上げられるようになり、同年 12 月、妊婦加算については、当面算定を見合わせることとなった。
・こうしたことから、妊産婦に対する健康管理の推進や、妊産婦が安心でき る医療体制の充実などの課題について検討を行うため、本検討会が設置され、このような経過及び最近の妊産婦を取り巻く状況を踏まえ、また、今後の更なる少子化社会の進展を見据え、我が国における今後の妊産婦に対する保健・医療体制の在り方について、取りまとめることとした。
2 妊産婦に対する相談・支援の在り方
(1)妊娠前・妊娠中の相談・支援及び健康管理について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組
(2)産後の相談・支援について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組
(3)支援を必要とする女性の相談・支援について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組

3 妊産婦に対する医療提供の在り方について
(1)妊産婦の診療・治療等について
@ 現状と課題→(妊産婦の特性と診療における配慮について)(産婦人科医・産婦人科医療機関の現状について)(産婦人科以外の診療科への受診の状況について)
A 主な意見→(妊産婦の特性と診療における配慮について)(産婦人科医・産婦人科医療機関の現状について)(産婦人科以外の診療科への受診の状況について)
B 今後の取組→(妊産婦の特性と診療における配慮について)(産婦人科医・産婦人科医療機関の現状について)(産婦人科以外の診療科への受診の状況について)
(2)妊産婦への診療の質の向上について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組
(3)妊産婦の口腔健康管理について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組
(4)妊産婦と薬剤について

4 妊産婦に対する連携体制の構築について
(1)妊産婦に関する行政機関と関係機関の連携について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組
(2)母子健康手帳の活用について
@ 現状と課題 A 主な意見 B 今後の取組

5 妊産婦の健診や診療の評価等の在り方について
@ 現状と課題 
A 主な意見→(妊産婦に対する診療の評価について)(診療に係る費用について)(費用負担の軽減につながる制度について)
B 今後の取組→(妊婦健診、産婦健康診査について)(妊産婦に対する診療の評価等の在り方について)(負担の軽減につながる制度の周知について)

6 おわりに
・平成 31 年2月からこれまで5回にわたって妊産婦に対する保健・医療体制について検討を行ってきた。→妊産婦に対する相談・支援の在り方や医療体制の在り方について議論を行い意見を取りまとめた。
・少子化社会が進展する昨今においては、個々の妊産婦に対し、より地域に 密着した妊産婦への保健・医療体制の構築に向けた取組が求められ、地域における妊産婦に対する優しい社会を成熟させるためには、行政機関 だけでなく地域住民、医師会等の関係団体、医療機関、介護福祉機関などが 連携して実情に合った、きめ細やかな取組が必要となっている。地域全体で 妊産婦への理解を深め妊産婦が安心できる社会づくりを目指し、行政機関や 関係機関はその支援をしていかなければならない。
・本検討会で課題等の整理を行った、妊産婦に対する相談・支援や、妊産婦 に対する医療体制→引き続き取組を進めるとともに、中央社会保 険医療協議会→本検討会での取りまとめも踏まえ、妊産婦に対する診療の評価の在り方について、更なる検討を進めることを期待する。国→今後とも、妊産婦に対する保健・医療体制を構築するため、 関係機関と協力・連携の上、社会全体で進めていけるよう引き続き取り組んでいくべきである。

◆妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken_553056_00007.html

次回は、「令和元年第3回経済財政諮問会議」からです。
第4回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 [2019年06月05日(Wed)]
第4回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会(令和元年5月16日)6/5
【議題】1.これまでの議論の整理(案)について 2.その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04724.html
◎資料1 これまでの議論の整理(案)について
○妊産婦に対する相談・支援の在り方について
(1) 妊娠前・妊娠中の相談・支援及び健康管理について
・現状と課題
→思春期から更年期に至る女性を対象として各ライフステージに応じた身体的・精神的な悩みに関する相談指導等を目的とした、女性健康支援センター事業(全国73カ所)を実施。妊娠中の健康管理で栄養・食事に 関することを挙げる者が一定数あることから、正しい情報に基づいた食生活の改善を支援することが必要。「葉酸を積極的に摂るようにする」と答えた方が一定数いるものの、その重要性が十分には認識されていない状況。
・主な意見→不安を感じる妊産婦がきちんと相談できるような仕組みが必要。ワンストップな相談・支援が可能となるよう、一元的な連絡先を妊産婦に周知するとよいのではないか。
(2) 産後の相談・支援について
・現状と課題
→産後2週未満では自分の体のトラブル、体の疲れ、十分な睡眠がとれないといったことが多く、産後2週から8週では、自分の体のトラブル等に 加えて、家事が思うようにできない、自分の時間がないといったことが多くなる傾向があるなど、不安や負担の具体的な内容は時期によって異なっている。
・主な意見→生まれたばかりの子どもを抱えて大変な中、自身の健康管理が困難になりがち であり、母親と子どもを同時にサポートしていくことが必要。出産後の不安解消に、産後ケア事業が有効と考えられることから、この取組を広く展開していってはどうか。
(3) 支援を必要とする女性の相談・支援について
・現状と課題
→若年妊娠や特定妊婦等は、増加傾向にある。思春期から更年期に至る女性を対象とし、 各ライフステージに応じた身体的・精神的な悩みや、妊娠・避妊に関する相談も含まれ、実際の相談内容は、女性の心身に関する相談、メンタルヘルスケアが多い。
・主な意見→支援が必要でありながら、自ら保健・医療サービスにつながろうとしない、そもそもつながることができない、仮につながったとしても支援をうまく受けられない、受けとめられない妊 産婦をどのように把握して、支援の輪を形成していくのかが重要ではないか。

○妊産婦に対する医療提供の在り方について
(1) 妊産婦に関する行政機関と関係機関の連携について

・現状と課題→保健師等を 配置して、妊産婦等からの相談に応じ、健診等の母子保健サービス と地域子育て支援拠 点等の子育て支援サービスを一体的に提供できるよう「子育て世代包括支援センター」を令 和2年度末までの全国展開を目指している。
・主な意見−1→妊産婦が安心できる保健・医療体制の構築を進めるためには、生活・医療に正確な知識を持ち、妊娠初期から育児期まで伴走できる人材や体制が必要ではないか。
母親・父親が、制度や利用できる施設等について知らない部分があり、不安に繋がっていると考えられるため、簡単に知識が身について、納得できるような取組が必要ではないか。
・主な意見−2→伴走型の寄り添う支援が必要ではないか。産婦人科・小児科だけではなく、他の診療領 域、特に精神科との連携拡充が重要。妊産婦のメンタルヘルスケアへの支援が継続できるような体制を維持するため、妊産婦 の支援に関わるスタッフが継続して業務に従事できるような取組も重要ではないか。
(2) 母子健康手帳の活用について
・現状と課題→市町村が妊娠の届出をした者に対して交付するものであり、妊娠、出産及び育児に関する一貫した健康記録、乳幼児の保護者に対する育児に関する指導書、広く利用されている。外国人の妊婦は一定数存在し、地域によっては外国人の妊婦への支援の充実が必要となっている。
・主な意見→母子健康手帳交付時に、母親の体調等についての記入を促すような声かけをすることが 良いのではないか。今後外国人妊婦が増加し、言語コミュニケーションが十分に図れないことなどにより現場 での対応が困難になることが予想されるため、そうした課題への対応が必要ではないか。
(3) 妊産婦の健診や診療に係る自己負担について
・現状と課題→全ての市区町村で14回以上の公費負担制度を実施しているが、健 診の内容によっては、公費助成を超えるため、一部自己負担が生じている状況もある。
・主な意見→様々な配慮が必要であり、それらを評価することも重要である が、妊産婦にとって自己負担に見合う内容(患者として納得するメリット)であると実感できる かがポイントではないか。自己負担に対しどのような方策が考えられるか検討が必要。費用負担の軽減につながるような医療費控除などの様々な制度についても、もっと情報 提供することが必要ではないか。

◎参考資料1 検討会の進め方について→2019年 5〜6月 検討会とりまとめ

◆妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken_553056_00007.html

次回は、「第7回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」からです。
第1回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 [2019年03月04日(Mon)]
第1回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会(平成31年2月15日) 
【議題】 検討会の立ち上げについて 検討会の進め方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03621.html
◎資料3 妊産婦の医療や健康管理等に関する調査の実施について(案)
【調査の目的】
→妊産婦に対する保健・医療体制に係る現状とニーズを把握し、「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」における議論に資するデータを収集・分析することを目的とする。
【調査内容】
(1)妊娠・出産歴や基礎疾患の有無等の基本属性、妊娠中の医療機関の受診状況
(2)妊娠中・産後の診療で十分配慮されていると感じた経験、妊娠中・産後の診療で配慮が不十分と感じた経験、妊娠中・産後の診療で特に配慮が必要と考える事項
(3)妊娠中・産後の健康管理で留意している事項、妊娠中・産後の健康管理に関して受けている支援等の 事項 等
【調査客体】→ 分娩取扱医療機関約500施設を病院・診療所の別等により層化抽出し、 1週間程度の調査期間中に @ 妊婦健康診査(36週以降)のために受診した妊婦 A 入院中の褥婦 B 産後健診(産後2週間や1ヶ月等)で受診した褥婦 を対象とする。 ※分娩取扱医療機関は2,273施設(平成29年医療施設調査)

【スケジュール】
・2月下旬〜3月上旬→調査票の作成、対象施設等の設定
・3月中旬 調査の実施 ※オンラインによる回答入力とする。
・3月下旬 集計、分析
・4月以降 検討会に結果報告



◎資料4 検討会の進め方について(案)
○2019年 2月  第1回 フリーディスカッション ・背景、検討事項 ・妊産婦の保健・医療に関する現状 ・妊産婦に対する調査 ・検討会の進め方
○2019年 5〜6月  検討会とりまとめ

次回は、新たに「平成30年度 第2回国際社会福祉基金委員会」からです。
第1回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 [2019年03月03日(Sun)]
第1回 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会(平成31年2月15日) 
【議題】 検討会の立ち上げについて 検討会の進め方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03621.html
◎資料1 妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会開催要綱
1.背景

 これまで、妊産婦に対し、妊産婦が安心して子どもを産み育てられる社会となるよう、妊婦健診に対する交付税措置や産婦健診の費用の助成を含め、 さまざまな支援策が講じられてきた。また、妊産婦に対する医療の提供についても、周産期医療体制の整備やハイリスク妊産婦に対する診療の充実などが図られてきた。 一方、妊産婦の診療については、通常よりも慎重な対応や胎児や乳児への 配慮が必要であることから、診療に積極的でない医療機関が存在するとの指摘がある。このため、妊産婦自身の負担にも配慮しつつ、妊産婦が安心で きる医療提供体制をさらに充実していくことが求められている。また、近年は、出産年齢が上昇傾向にあり、一般に、高齢出産の場合には、 特に健康管理に留意が必要とされるなど、妊産婦のニーズに応じた細やかな支援が、より重要となっている。
こうしたことから、妊産婦が安心できる医療提供体制の充実や健康管理 の推進を含めた妊産婦に対する保健・医療体制の在り方について、検討会を開催することとする。 なお、妊産婦に対する診療報酬上の評価の在り方については、本検討会のとりまとめを踏まえ、中央社会保険医療協議会において、必要な検討を行う ものとする。
2.検討事項
(1)妊産婦の保健・医療に関する現状とニーズの把握について
(2)妊産婦が安心できる医療提供体制の充実について→妊産婦の診療において求められる医学的な配慮の在り方、妊産婦の診療に係る医師への研修等の在り方、地域における産婦人科とその他の診療科との連携の在り方 等
(3)妊産婦の健康管理の推進について→妊産婦の健康管理に関する相談・支援の在り方 等
(4)妊産婦に対する保健医療体制に関連する事項について→妊産婦に係る医療機関と他の関係機関との連携の在り方 等
3.構成員→別紙のとおり、うち1名が座長。 座長は、必要に応じ、構成員以外の者の出席を求めることができる。
4.運営 →公開。 検討会は、医政局長、子ども家庭局長及び保険局長が開催。検討会の庶務は医政局地域医療計画課及び子ども家庭局母子保健課の協力を得て保険局総務課において処理。検討会の運営に関して必要な事項は、会議において定める。


◎資料2 妊産婦にかかる保健・医療の現状と関連施策
○妊産婦にかかる保健について

・妊産婦死亡率・乳児死亡率の推移→戦後急速に改善し、世界有数の低率国となっている。
・少子化の進行と人口減少社会の到来→平成29年の出生数は94万6,060人、過去最少であった。合計特殊出生率は平成17年に 1.26を底として、やや持ち直しの傾向が見られる。
・平均初婚年齢・平均出生時年齢の推移→晩婚化に伴い子どもを産む母の平均年齢は上昇傾向にある。
・出生数及び低出生体重児の割合の年次推移→H29・946千人
・結婚や出産をとりまく状況→子育ての孤立化と負担感の増加
・妊娠・出産・産後の不安に関する状況→妊産婦のうち、妊娠、出産、産後の期間に不安や負担を抱えている方は、8〜9割程度いる。
・母子保健法の概要→1.目 的、2.定 義、3.主な規定(1-6あり)
・近年の母子保健行政のあゆみ→2009-2018の法制定
・「健やか親子21」とは→「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現。第1次計画(2001年〜2014年)・第2次計画(2015年度〜2024年度)
・妊娠・出産等に係る支援体制の概要→子育て世代包括支援センター 等
・母子健康手帳について
・妊婦健康診査について→公費負担の現状(平成28年4月現在)負担回数は、全ての市区町村で14回以上実施
・出産育児一時金について→平成27年1月:原則42万円
・産婦健康診査事業について→地域における全ての産婦を対象に、産婦健康診査2回分に係る費用について助成を行う。H29年度より
・産前・産後サポート事業→身近に相談できる者がいないなど、支援を受けることが適当と判断される妊産婦及びその家族。→事業の概要参照。
・産後ケア事業について→家族等から十分な家事及び育児など援助が受けられない褥婦及び産婦並びにその新生児及び乳児であって、次の(1)又 は(2)に該当する者 (1)産後に心身の不調又は育児不安等がある者 (2) その他特に支援が必要と認められる者
・子育て世代包括支援センターの全国展開→実施市町村数:761市区町村(1,436か所)(2018年4月1日現在) ➢2020年度末までに全国展開を目指す。
・女性健康支援センター事業→思春期から更年期に至る女性を対象とし、各ライフステージに応じた身体的・精神的な悩みに関する相談指導や、相談指導 を行う相談員の研修を実施し、生涯を通じた女性の健康の保持増進を図ることを目的。→思春期、妊娠、出産、更年期等の各ライフステージに応じた相談を希望する者 (不妊相談、望まない妊娠、メンタルヘルスケア、性感染症の対応を含む)
・マタニティマークをとおした「妊産婦にやさしい環境づくり」の推進について→マタニティマーク入りグッズ等を何らかの方法で妊産婦へ配布している 市区町村数は、1,706か所(98.0%)→マタニティマークの正しい意味の周知啓発(生労働省ホームページからダウンロードし、個人、自治体、民間団体等で自由に利用できます)

○妊産婦にかかる医療について
・周産期医療の体制
・産婦人科を標榜する医療機関数と分娩取扱実績医療機関数の推移→産婦人科又は産科を標榜していても、実際に分娩を取り扱うとは限らない。出生数は減少しており併せて分娩を取り扱う医療機関も減少。診療所において分娩を取り扱っていない比率が高い。
・総合周産期母子医療センター及び地域地周域産周期産母期子母医子療医セ療センンタターーの数推の移推移→総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターの施設数と所在都道府県数はいずれも増加、平成29年度までに全都道府県に配置されている。
・妊産婦死亡者数の推移(1994〜2016年)→妊産婦死亡の推移:約30-40例/年まで減少
・診療科別医師数の推移(平成6年を1.0とした場合)→ 多くの診療科で医師は増加傾向にある。減少傾向にあった産婦人科・外科においても、増加傾向に転じている。
・週当たり勤務時間60時間以上の 病院常勤医師の診療科別割合→診療科別週当たり勤務時間60時間以上の割合でみると、診療科間で2倍近くの差が生じる。診療科別週当たり勤務時間60時間以上の割合は、産婦人科で約53%、臨床研修医48%、救急科約 48%、外科系約47%と半数程度である。
・都道府県別 15〜49歳女性人口10万人対産婦人科医師数 平成28年→全国平均 52.1人。 産婦人科医師総数(「産婦人科」+「産科」+「婦人科」)でも、「産婦人科」+「産科」でも、 都道府県間で約2倍の格差がある。
・(11)若者・子育て世帯への支援→夢をつぐ子育て支援(希望出生率一・八)施策概要→地域において分娩を扱う施設の確保など、小児・周産期医療体制の充実を図る。→施策の進捗状況→2020年度より初期臨床研修での産科・小児科等の必修化。医学部入学時の地元枠等の導入の推進について、「医療法及び医師法の 一部を改正する法律案」を第196回国会に提出。
・第7次医療計画における「周産期医療」の追加見直しのポイント→「周産期医療体制整備計画」を「医療計画」に一本化し、基幹病院へのアクセス等の実情を考慮した圏域を設定する等の体制整備を進める。災害時に妊産婦・新生児等へ対応できる体制の構築を進めるため、「災害時小児周産期リエゾン」の養成を進める。無産科二次医療圏の解消に向けた対策を記載する。
・医療提供体制推進事業費補助金(統合補助金)の概要 平成31年度予算案 230.4億円 (平成30年度予算額 229.2億円)→都道府県の作成した「医療計画に基づく 事業計画」により、都道府県が自主性・裁量性を発揮できる助成制度の仕組みとして、救急医療施設、周産期医 療施設等の経常的な経費及び設備整備費に対して補助を行うもの。→地域の分娩取扱施設 施設・設備整備 事業、地域の産科医療を担う産科医の確保事業
・地域医療介護総合確保基金→団塊の世代が75歳以上となる2025年を展望すれば、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の 確保・勤務環境の改善等、「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」が急務の課題。このため、平成26年度から消費税増収分等を活用した財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)を創設し、各都道府県 に設置。各都道府県は、都道府県計画を作成し、当該計画に基づき事業を実施。
・臨床研修制度の概要→1.医学教育と臨床研修(診療に従事しようとする医師は、二年以上、医学部を置く大学に附属する病院又は 厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない)。2.臨床研修の基本理念(臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び 医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対 応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない)。
・必修診療科の見直し(イメージ)→産婦人科における実務研修の方略:妊娠・出産、産科疾患や婦人科疾患、思春期や更年期における医学的対応などを含む 一般診療において頻繁に遭遇する女性の健康問題への対応等を習得するために、幅広い 産婦人科領域に対する診療を行う病棟研修を含むこと。
・妊娠と薬情報センター→国立成育医療研究センター(情報量の増加→データ ベ ー ス の 充 実)
・妊婦・授乳婦を対象とした薬の適正使用の推進→妊娠と薬情報センター内に、添付文書の改訂案を検討するためのワーキンググ ループを設置し、これまでの集積情報の整理・評価を行い、妊産婦・授乳婦への投 与に関する情報の添付文書への反映に向けた事業をH28年度から開始。

○妊産婦にかかる診療報酬について
・産科医療に係る評価(平成18年度診療報酬改定)→「ハイリスク分娩管理加算の新設」「ハイリスクの妊産婦が入院した場合において、入院先の 病院の医師と、紹介元の医療機関の医師が共同で診療 に当たった場合でも算定できるようにする。」
・(平成20年度診療報酬改定) 1 産科・小児科への重点評価@→ハイリスク妊産婦の医療の充実(1)、ハイリスク妊産婦の医療の充実(2)、
・(平成20年度診療報酬改定)1 産科・小児科への重点評価A→新生児に対する医療及び救急搬送、
・(平成20年度診療報酬改定)1 産科・小児科への重点評価A→周産期医療を担う地域のネットワークの支援
・(平成22年度診療報酬改定) 産科・小児医療の評価の充実について@→ハイリスク妊産婦管理の充実・拡大
・(平成24年度診療報酬改定) 周産期医療の推進@→ハイリスク妊産婦に対する医療の充実【医療連携の評価】【受入側の医療機関の評価】
・(平成28年度診療報酬改定) リスクの高い妊娠管理に関する診療報酬上の評価→ハイリスク妊娠管理加算、ハイリスク分娩管理加算及びハイリスク妊産婦共同管理料の 対象患者に、精神疾患の患者を追加した。[対象疾患等]
・(平成28年度診療報酬改定) 手術等医療技術の適切な評価C→帝王切開術の評価の見直し(項目及び点数の見直しを行う。)→具体的には@-A
・(平成30年度診療報酬改定) 周産期医療の充実@→従来の入院に加えて外来の新たな取り組みが入院時と同様に新設。→3つあり。
・(平成30年度診療報酬改定)妊婦加算の概要→妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価する観点から、妊婦加算を新設。点数新設の趣旨の参照。
・<参考>妊婦加算に係る議論の経緯→議論の背景・経緯、創設後の状況、与党における議論
・<参考>妊婦加算にかかる厚生労働大臣の発言(12月14日)の要旨→妊婦の方に対する診療の在り方について、有識者も含めてご議論いた だいた上で、妊婦加算の在り方について、改めて中央社会保険医療協議 会で議論してもらうこととしたい
・(平成30年度診療報酬改定)周産期医療の充実A→精神疾患を合併した妊産婦(ハイリスク妊産婦)に対して、産科、精神科及び自治体の多職種 が連携して患者の外来診療を行う場合の評価を新設
・(平成30年度診療報酬改定)周産期医療の充実B→乳腺炎が原因となり母乳育児に困難がある患者に対して、乳腺炎の重症化及び再発 予防に向けた包括的なケア及び指導を行った場合の評価を新設
・(平成30年度診療報酬改定)手術等医療技術の適切な評価H→帝王切開術の複雑な場合に多胎を追加する。

次回は、残りの資料「資料3-4」で終わります。
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年11月28日(Wed)]
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年10月24日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
      (中間的な論点の整理に向けた議論)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01981.html
◎参考資料4婦人保護事業等の課題に関する検討会のこれまでの議論の整理
○検討の趣旨
→売春防止法制定以来、基本的な見直しは行われておらず、法律が実態にそぐわなくなっているのではないか、また、→といった用語を見直すべきではないかとの問題提起。 これを踏まえ、厚生労働省の研究事業の一環として、「婦人保護事業等の課題に関する検討会」を設け、婦人保護事業等の課題について検討を行ったもの。
課題1.用語の見直しについて→「婦人」、「保護更生」、「収容保護」、その他。
課題2.婦人保護事業の対象となる女性の範囲について→[検討案][検討案の論点]参照。
課題3.婦人保護事業における施設等に関する役割や機能について
(1)婦人保護施設→役割を明確、支援を必要とする女性のニ ーズに応えられるように。
(2)母子生活支援施設→DV被害者の割合は約6割
(3)民間シェルター→ 現行法の下では、主にDV被害者等の一時保護の委託先
・これらの施設は相談から自立までの流れに即してそれぞれの施設等が果たすべき役割、対象となる女性の範囲や、保護や支援の具体的内容について、広域的な利用が必要な場合も含めて整理する必 要がある。
課題4.婦人相談員の在り方について
課題5.婦人相談所の役割について
課題6.都道府県と市の役割分担の見直し
課題7.根拠法の見直し
以上が課題点の洗い出しとなっています。


今後の対応について
@婦人保護事業に関する指針の策定等の運用上の改善で対応 の可能性があるものについては、実態把握を進めつつ、婦人保護事業の関係 者の間での合意を形成しながら、実施に向け可能なものから着実に検討を進める必要あり。
A婦人保護事業の改善のために法律上の対応が必要なものについては、その実現に向けて、他制度との整合性等の法制面、財政上の措置のあり 方等の課題について、厚生労働省を始め関係府省、自治体(地方六団体)等 が調整しながら、検討を進める必要がある。
B婦人保護事業の枠を超えて法律上の対応が必要なもの(売春防 止法の法体系や、女性に対する暴力の被害者支援のあり方に関するものなど。 主に課題1、2、7)については、広く国民の理解を得る必要がある。また、 政府において議論する場合には、厚生労働省の所管を超えた検討を要するこ とから、男女共同参画会議などでの議論の必要性にも留意する必要がある。 特に、売春防止法の他の部分との関係や、暴力被害者支援との関係について 調整が重要となる。
これらの実現は、いずれも容易なものではないが、婦人保護事業が時代の要請に適った役割を果たすために重要な論点であり、本検討会としては、今 後、政府において積極的な検討を進め、実現に向けた取組が着実に前進する ことを期待するものである。


◎参考資料5「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」報告書(抜粋)
○第4章−1: 調査結果からの考察:都道府県主管課
○第4章−2:調査結果からの考察:婦人相談所・一時保護所
○第4章−3: 調査結果からの考察:婦人保護施設
○第4章−4: 調査結果からの考察:婦人相談員

○第4章−5: 調査結果からの考察:総合考察→上記「第4章−1から4まで」基礎自治体、及び婦人保護事業の各実施機関における課題を明らかにされたいる。それらを踏まえ、本節では婦人保護事業に共通する課題を抽出する、↓↓
1.運用上の課題
(1)ソーシャルワーク実践に関わる課題
(2)支援プログラム
(3)婦人相談所一時保護所、婦人保護施設の環境整備
2.制度上の課題
(1)人員配置、専門職配置、市区婦人相談員の義務設置化
(2)ナショナル・スタンダード、基本方針の欠如→婦人保護事業の課題として指摘される地域差、ローカル・ルールによる事業の相違の要因 の一つに、ナショナル・スタンダードとしての国の基本方針、それらを踏まえた都道府県基 本方針の欠如。
(3)婦人保護施設入所に関わる体制
(4)婦人保護事業における市区との連携と位置づけ
3.連携の仕組の構築

4.根拠法である売春防止法に関する課題→売防法においては、婦人保護事業は「保護更生」という位置づけのため、社会福祉事業としての事業理念は明確ではなく、「自立支援」も明記されていないことが、対象女性に対す る各実施機関における自立支援の実施や関係機関との連携などの課題の根本にある。本調査において、各実施機関で対象としている女性の支援課題の多様性が確認されたが、 そうした対象についてそもそも根拠法である売春防止法に定義づけされていなく、売防法 における対象者は「要保護女子」であり、実際の支援対象との乖離が生じ、各実施機関に おける対象者把握の相違や、他法他施策の関連機関の婦人保護事業の分かりにくさがもたらされている。また、売防法には市町村の責務や役割についての規定がない。 ・例えば、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」などの他法では、国の基本方針、基本方針に即した都道府県及び市町村基本計画の策定について明記されており、売防法では、こうした規定がなく、基本方針、基本計画が策定されていない。 ・他分野の福祉関連の法律にあるような、「連絡調整等の実施者」「連携及び調整」「支援体制の整備」などについて法的規定がなく、前述したような連携の困難、業務の困難に関連し ている。

◆困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00520.html

次回は、「第9回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会」からです。
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年11月27日(Tue)]
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年10月24日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
      (中間的な論点の整理に向けた議論)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01981.html
◎参考資料2 婦人保護事業の実施状況、関係施策等
○婦人保護事業における性暴力被害・性犯罪被害状況
1 婦人相談所

(1)来所による相談実人員の性暴力被害・性犯罪被害状況→夫等から5.3%
(2)一時保護時の性暴力被害・性犯罪被害状況→夫等から4.4%
2 婦人相談員 来所による相談実人員の性暴力被害・性犯罪被害状況→夫等から2.4%
3 婦人保護施設 在所者の性暴力被害・性犯罪被害状況→夫等から7.4%、親等から2.4%
・「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ 支援センター開設・運営の手引」 から一部抜粋→P2
・「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター の設置について
・行政が関与する性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(一覧)
・婦人相談員の年齢別の状況→40〜59歳が多い。

○婦人相談所・婦人相談員・婦人保護施設職員の 婦人保護事業研修体系に関する調査・検討 報告書
第4章 職階別・研修分野別の研修内容
1.支援者の所属する機関・施設別の職階の定義と役割
2.各職階において有することが望ましい力量・姿勢→レベル1〜レベル4まであり。
・配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設一覧→都道府県から
・都道府県及び市町村における配偶者暴力相談支援センター数→281か所
・婦人相談員の配置状況→P42

婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究(抜粋)
4.支援につながらないケース
(1)一時保護や婦人保護施設入所につながらないケースの実態と状況把握

・一時保護につながらないケースとしては、「若年女性」(67.3%:33 件)、「同伴児のいる女性」(44.9%:22 件)、「障害(児)者」(40.8%:20 件)、「高齢者」(24.5%:12 件)が比較的多かった。 属性別に見ると、若年女性や同伴児のいる女性、妊産婦、外国籍は、「本人の同意が得られなかったため」という回答が比較的多く、障害(児)者や高齢者は、障害や疾病に 起因するものが多くなっていた。
・婦人保護施設入所につながらないケースの属性については、「若年女性」(30.6%:15 件)、「同伴児のいる女性」(28.6%:14 件)、「障害(児)者」(26.5%:13 件)、「高齢者」(22.4%:11 件)が多く指摘された。 その理由として、一時保護と同様、若年女性、同伴児のいる女性、妊産婦、外国籍では 「本人の同意が得られなかったため」が多くなっていた。加えて、妊産婦では、「就労自立の見込みが立たないため」が比較的多かった。 障害(児)者や高齢者では、本人の障害や疾病による理由の他、「他施策で支援することが適切であるため」が多くなっていた。→図表 2-2-34 一時保護につながらないケース。図表 2-2-35 一時保護につながらない理由。図表 2-2-36 婦人保護施設入所につながらないケース参照。
・一時保護の同意が得られない理由として、全体では、「仕事や学校を休みたくない」 (95.9%:47 件)、「携帯電話やスマホが使えない」(89.8%:44 件)、「外出が自由にできない」(83.7%:41 件)が多くなっていた。同伴児者関連では「同伴児が転校または休校しなくてはいけない」(75.5%:37 件)が多く、それ以外の家族については、「家族 (DV 加害者以外)のことが心配」(32.7%:16 件)、「家族(DV 等加害者)のことが心配」(28.6%:14 件)が比較的多くなっていた。
・婦人保護施設入所の同意が得られない理由については、「集団生活に不安がある」 (44.9%:22 件)、「仕事や学校を続けたい」(38.8%:19 件)、「携帯電話やスマホが使えない」(36.7%:18 件)、「外出が自由にできない」(34.7%:17 件)が比較的多くなっていた。図表 2-2-38 一時保護の同意が得られないケース。図表 2-2-39 婦人保護施設入所の同意が得られないケース。

・一時保護につながらなかったケースでは、その後の行先や支援状況について「把握して いるケースがある」という回答は 75.5%(37 件)、婦人保護施設入所につながらなかったケースでは、46.9%(23 件)であった。 「把握しているケースがない」と回答した婦人相談所にその理由をたずねたところ、一 時保護につながらなかったケース(11 件)では、「把握しようとしたことはあるが、そのための仕組みが無い」、「把握しようとしたことが無い」がともに 36.4%(4 件)で最も多かった。婦人保護施設入所につながらなかったケース(14 件)では、「把握しよう としたことが無い」が最も多く 28.6%(4 件)であった。

4.支援につながらないケース
(1)一時保護につながらないことが多いケース

・婦人相談員として相談を受理した中で、婦人相談所による一時保護(委託を含む)が必要であると判断したケースのうち、一時保護につながらないケースとして多いもの上位 3 種類の属性について回答を求めた。その結果、「若年女性」56.6%、「障害(児)者」、「高齢者」それぞれ 46.3%、「同伴児のいる女性」43.4%の順で多くなっていた。
・一時保護につながらなかった場合のその後の対応についてみると、「市区独自の支援事 業につなげた」37.6%、「自身で継続的に支援を行った」34.5%、「その他」32.4%の順 に多くなっていた。なお、「特に支援は行わなかった」は 5.5%に留まった。

(2)婦人保護施設への措置入所につながらないことが多いケース
・一時保護につながらなかった場合のその後の対応についてみると、「市区独自の支援事 業につなげた」37.6%、「自身で継続的に支援を行った」34.5%、「その他」32.4%の順 に多くなっていた。なお、「特に支援は行わなかった」は 5.5%に留まった。
・婦人保護施設入所につながらなかった場合のその後の対応についてみると、「市区独自 の支援事業につなげた」27.1%、「民間団体につなげた」18.5%の順に多くなってい た。「その他」が 36.7%あり、警察と情報共有し見守りを依頼した、個人、知人、親戚 等、支援者を探す、アパート転宅等が挙げられた。なお、「特に支援は行わなかった」 は 7.4%に留まった。

○婦人保護施設の入所者数及び定員の推移↓↓
・婦人保護施 設の入所者 数及び定員は年々少しず つ減少。
・定員に対する 充足率も低下。 昭和60年42.7%→ 平成28年度22.5%


◎参考資料3売春防止法、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
○売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)→第1〜40条。
○配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)
→第1〜30条

次回の続きは「参考資料4婦人保護事業等の課題に関する検討会のこれまでの議論の整理」からです。

第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年11月26日(Mon)]
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年10月24日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
      (中間的な論点の整理に向けた議論)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01981.html
◎参考資料1-3 婦人相談員相談・支援指針【改訂後全文】
○目次のみにします
はじめに
第T部 婦人相談員の役割と基本姿勢

1.婦人保護事業の目的・理念と実施機関
(1)婦人保護事業の成立と変遷 (2)婦人保護事業の目的・理念
(3)実施機関
2.婦人相談員の役割
(1)婦人保護事業の対象 (2)婦人相談員の役割
3.婦人相談員に求められる基本姿勢•
(1)人権の尊重と社会正義 (2)女性の権利擁護
4.組織的対応と関係機関との連携•
(1)婦人相談員の設置の促進と組織的対応 (2)関係機関との連携

第U部 婦人相談員の業務内容
1.ソーシャルワーカーとしての婦人相談員業務
2.相談・支援の流れ
(1)発見と初期対応の重要性 (2)相談の受付 (3)アセスメントと対応
(4)ケース検討会議 (5)一時保護・施設入所を要する場合 (6)自立支援
3.安全管理
(1)守秘義務の順守 (2)危険度の把握 (3)安全プランの策定
(4)婦人相談員の安全対策 (5)バーンアウト・二次受傷の防止
4.記録と管理
(1)記録の目的及び必要性 (2)記録上の注意 (3)記録の仕方(ケース記録の作成要領) (4)記録の種類及び関係書類 (5)記録の管理

第V部 各種相談への対応と留意事項
V−1.主訴別の相談

1.DV被害者・ストーカー被害者
(1)相談・支援のポイント(2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
2.性暴力被害者
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
3.売買春•
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
4.住居喪失者
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
5.若年者
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
6.妊娠・出産
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
7.精神疾患や知的障がいを抱えた相談者
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
8.家庭不和/離婚•
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)主な連携機関
9.母子家庭•
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
10.外国にルーツを持つ相談者•
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容と利用できる制度・社会的資源
11.人身取引被害者
(1)相談・支援のポイント (2)連携機関・社会資源
12.男性DV被害者•
13.セクシュアル・マイノリティ
(1)相談・支援のポイント→@LGBTIとは、ALGBTIについての法制度の現状、
(2)相談・支援内容→@DV被害 Aトランスジェンダー(性別違和)B性暴力被害
(3)活用できる施策・制度、連携機関・団体
(4)相談・支援における留意点 →@LGBTIの方からの相談の特徴ALGBTI相談の留意点
14.同伴する子ども
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 →@子どもの安全確認A子どもへの影響 B子どもへの心理的サポート
(3)活用できる施策・支援制度 (4)主な連携機関
V−2.各種相談に共通する事項
1.住まい
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点(5)主な連携機関
2.健康・医療
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
3.就労
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関
4.家計・借金等•
(1)相談・支援のポイント (2)相談・支援内容 (3)活用できる施策・支援制度
(4)相談・支援における留意点 (5)主な連携機関

第W部 婦人相談所、婦人保護施設、母子生活支援施設および民間シェルターとの連携
1.婦人相談所との連携•
(1)一時保護に関する婦人相談員の業務(役割) (2)その他(留意事項)
2.婦人保護施設
(1)措置入所 (2)一時保護委託 (3)その他(地域資源としての活用等)
3.母子生活支援施設
4.民間シェルター•

第X部 研修体制 →経験の浅い婦人相談員の割合が高まっている(0〜3年未満 38.8%、3〜5年未満 21.7%、厚生労働省「婦人 相談員活動実態調査」2014 年)。他方、10 年以上の経験のある婦人相談員も一定割合を占め、婦人相談員の勤続年数には二極化傾向。
1.研修体制の現状 2.研修体制の構築に向けて
おわりに

○「はじめに」と「おわりに」のみ要約。
・はじめに→
地域の最前線で女性等への支援を担う相談員。都道府県では義務配置、市区では任意配置であり(売春防止法第 35 条第1項第2項)、現在、全国に 1,295 名(平成 26 年4月1日現在)の婦人相談員が委嘱されている。婦人相談員の 65%が市区の婦人相談員。 相談者と最初にコンタクトを取るのも、市区の婦人相談員である場合が多いため、今回、婦人相談員相談・支援指針を策定する上で、指針の対象とする婦人相談員は、市区の婦人相談員としている。専門知識や支援方法について、 スーパービジョンや研修の受講機会を保障することが必要不可欠。担当部署のみならず、市区においては、婦人相談員をサポートできる体制の整備が望まれる。また、婦人保護事業の実施機関として婦人相談員が活動していくうえでは、他の諸機関との連携協働が必要不可欠。実施主体である都道府県や市区は、婦人相談員の業務の円滑化を図るために、連携協働体制を整備するととも に、婦人相談員への援助と助言を行うことが望ましい。特に、市区においては、配置されている婦人相談員が切れ目のない適切な支援を行えるよう、必要な援助や助言を 提供することが不可欠とされ、今回の相談・支援指針は全国の市区の婦人相談員を対象としたもの、それぞれの地域の特性や相談者の実情を考慮し、実際の支援に生かしていただければ幸いである。

・終わりに→現在、経験年数が少ない婦人相談員が増加。指針においては実際の現場で想定しうる相談・支援について、新たな課題を含めて幅広く取り上げ、支援する際の留意点についても記載した。本指針策定にあたっては、経験年数にかかわらず、一定の質を保持した適切な相談・支援が提供できるよう留意した。。婦人相談員の業務を個人的な努力 にとどめることのないよう、自治体としてのバックアップ体制の確立が不可欠で、特に、専門性の獲得と資質の向上のために研修受講の機会を保障することや、要保護 児童対策地域協議会のような関係機関連絡会議の開催など、関係部局と婦人相談員業 務との有機的連関を図るなど、実施機関として市区の指導的役割が極めて重要。なお、婦人相談員をめぐる今日的課題として「研修体制の充実」「婦人相談員同士のネットワーク構築」「組織内連携協働の推進」「セルフマネージメント」「待遇改善」などが挙げられており、今後、引き続き検討することが必要。また、 本指針は必要に応じて改訂し、より実効性の高いものに改善していく必要がある。本指針が全国の婦人相談員と相談者にとって未来を きり拓くための道標となることを期待する。

次回は、「参考資料2 婦人保護事業の実施状況、関係施策等」資料からです。
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年11月25日(Sun)]
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年10月24日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
      (中間的な論点の整理に向けた議論)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01981.html

◎参考資料1-1 婦人保護事業関係通知
○「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人保護事業の実施について(H14.3.29 雇児発第 0329003 号局長通知)〔一部改正〕平成19年3月29日 雇児発第 0329003号、 平成20年1月11日 雇児発第 0111003号
○婦人相談所における人身取引被害者への対応について(H16.8.16 雇児福発 第 0816001 号課長通知)
○「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律」の施行に対応 した婦人保護事業の実施について(H25.10.1 雇児福発 1001 第 2 号課長通知)


○婦人保護事業実施要領(S38.3.19 厚生省発社第 34 号事務次官通知)
○婦人相談所一時保護所等における配偶者からの暴力被害女性及び同伴する家族に対する適切な心理学的指導体制の確保について(H14.5.30 雇児発第 0530007 号 局長通知)
○婦人相談所の職員配置基準(婦人相談所に関する政令(S32.4.1 政令 56)、 婦人相談所設置要綱(S38.3.19 厚生省発社第 35 号事務次官通知))
○婦人保護施設の職員配置基準(婦人保護施設の設備及び運営に関する基準 (H14.3.27 厚生労働省令第 49 号))
○婦人相談所が行う一時保護の委託について(H23.3.31 雇児発 0331 第 20 号 局長通知)
○婦人保護費の国庫負担金及び国庫補助について【抜粋】(H15.1.29 厚生労働省 発雇児 0129001 号事務次官通知)
○DV 被害者等自立生活援助モデル事業の実施について(H26.3.24 雇児発 0324 第 3 号局長通知)

○平成 30 年度若年被害女性等支援モデル事業の実施について(H30.5.28 子発 0528 第 1 号局長通知)
・対象者→性暴力や虐待等の被害に遭った又は被害に遭うおそれのある主に10代から20代の女性であって、都道府県等が本事業の対象とすることを適当と認めた者(以下「若年被害女性等」という。)とする。

事業内容及び実施方法→アウトリーチ支援(夜間見回り等、相談及び面談)、関係機関連携会議の設置、居場所の提供に関する支援、自立支援。
・事業計画書の提出、実施状況報告書の提出→様式設定あり。
・若年被害女性等支援モデル事業→P76イメージ図あり。

○妊娠期からの妊娠・出産・子育て等に係る相談体制等の整備について(H23.7.27 雇児総発 0727第1号、雇児福発 0727第1号、雇児母発0727第1号課長通知)
1 妊娠等に関する相談窓口の設置・周知について
2 各相談窓口での対応→相談者が匿名を希望した場合であっても相談に十分応じること。
3 保護・支援制度の活用
4 体制整備のための支援
・(別紙1) <各相談機関に求められる役割(範囲)> →妊娠等に悩む人たちからの相談に対し、各機関に求められる役割等は、それぞれ次に 掲げるものと考えられるので、他の機関との役割の違い等を認識し、適切な対応を行う とともに、相互の連携に努めること。
・(別紙2) <各保護・支援制度の概要>→妊娠等に悩む人たちからの相談に対応して行う出産への経済的支援、社会的養護又は 婦人保護の制度による保護・支援には、それぞれ次に掲げるものがあるので、各相談機 関等に周知し、必要とする者への情報提供を行い、活用の促進を図ること。

◆婦人保事業の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/file_14.pdf


◎参考資料1-2 婦人相談所ガイドライン
T.はじめに

・婦人相談所→心身を傷つけられ、人権を侵害されるなど、複雑で深刻化する現代の女性 の様々な問題に対して、相談・保護・自立支援など専門的支援を切れ目なく一貫して行うことを目的とした公的機関。昭和31年に制定された売春防止法に基づき設置された機関。
・平成13年からは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づく被害者保護・支援の役割が定められるなど、現に保護や支援を必要する女性に対して大きな役割を果たしてきた。そうした対象拡大の一方で、これまで、全国の婦人相談所が一堂に会しての情報交換の場はあったものの、婦人相談所が実際に行う業務のガイドラインとなるような国統一の指針は作成されることはなかった。そのため、現在各都道府県に設置されている婦人相談所において実施されている女性への支援に関する具体的な業務の進め方については、都道府県毎の違いがみられる。このことは、毎年開催されている全国婦人相談所長研究協議会や全国婦人保護施設長等研究協議会等の全国会議での 情報交換や、調査研究等により明らかになってきている。このことを踏まえ、婦人相談所の対応の違いによって、受けるべき支援サービスの内容に格差が生じないよう、全国の婦人相談所が実施する業務内容をあらためて明確化するとともに、支援の均等化・標準化を図るため、全国共通の業務の指針となるガイドラインを策定することとした。このガイドラインの策定に当たり、厚生労働省の研究事業の一環として、婦人相談所職員を中心に有識者を含めたメンバーで構成する「婦人相談所ガイドラインワーキングチーム」を置した。ワーキングチームは平成25年9月から平成26年2月まで随時開催の上、活発な議論を行い、このガイドラインをとりまとめたところである。
U.ガイドラインの性格と位置づけ
V.婦人相談所における支援の理念 →1.理 念、2.婦人相談所の役割、3.婦人相談所が行う業務の全体像、

W.支援上の留意点
1.支援のための準備
→(1)多様なルートからの依頼(専用電話回線、警察からの要請、各福祉事務所からの依頼、配偶者暴力センターからの依頼)。(2)多様な相談内容(離婚・JKビジネス・ストーカー問題など)。(3)多様な利用者
2.支援の開始→(1)来所相談(2)面接(3)ケース記録の作成と管理
3.支援方針の検討(入所調整会議)→(1)調査(2)入所調整会議の開催(3)本人の意思と同意(4)同伴児童の対応について(5)関係者間での支援方針の共有(6)緊急を要するケース(警察等より)
4.一時保護→(1)安心安全な生活環境の提供、(2)インテーク(保護当時の対応)、(3)健康状態の把握・対応、(4)心理面接、(5)保護中の支援、(6)生活場面での支援、(7)食事の提供、(8)学習・保育の支援、(9)退所に向けての支援、(10)一時保護の外部委託、(11)広域的な対応
5.自立支援→(1)婦人相談所が行う自立支援(@〜D)アフターケア、
6.施設入所→婦人保護施設、母子生活支援施設、その他の施設。
7.民間シェルターとの連携(シェルターとは、連携とは)

X.証明書の発行→婦人相談所が発行する配偶者からの暴力の保護に関する各種証明書については、あくまで婦人相談所が利用者から相談を受けたり、一時保護を行ったことを証明するものであり、配偶者等から暴力があった事実を証明するものではない。婦人相談所の機能として暴力の事実を証明することは不可能である。証明書発行に際しては、この点に留意し、誤解を与えないよう心がける必要がある。

Y.安全確保の徹底(加害者対策)
Z.都道府県内相談機関のスーパーバイズ、研修の実施
[.職員の専門性の向上
\.広報啓発
].権利擁護・苦情解決等
Ⅺ.おわりに→婦人保護事業の根拠法である売春防止法については、法律が実態にそぐなわなくなってきているとの指摘がある。一方で、性暴力被害者対策や、ストーカー対策など、新たな分野から婦人保護事業が持つ専門機能に期待が寄せられている。こうした中、新たな制度や事業体系の検討が迫られているが、婦人相談所に求められる役割はこれまで以上に重要となる可能性が高く、その機能に大きな期待が寄せられている。そのためにも、全国どこの婦人相談所においても、利用者が質の高い支援を平等に利用できるよう制度が運用されることが不可欠である。婦人相談所の支援の全国的な水準が向上することを期待する。

次回は、「参考資料1-3 婦人相談員相談・支援指針」からです。

第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 [2018年11月24日(Sat)]
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(平成30年10月24日開催)
《主な議題》「困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
      (中間的な論点の整理に向けた議論)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01981.html
◎資料1これまでの検討会における主な意見(案)
<1.対象となる女性の範囲とニーズに対応した支援について>

◆対象となる女性の範囲に ついて
・「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応した婦人保護事業の実施について (H14.3.29 雇児発 0329003:局長通知)【参考資料1−1】P1〜8
・婦人相談所における人身取引被害者への対応について(H16.8.16 雇児福発 0816001:課長通知)【同】P9〜13
・「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律」の施行に対応した婦人保護事業の実施につ いて(H25.10.1 雇児福発 1001 第 2:課長通知)【同】P14
・婦人保護事業の実施要領について(S38.3.19 厚生省発社 34:事務次官通知)【参考資料1−1】P15〜23
・婦人保護事業における性暴力被害・性犯罪被害状況(H28 実施状況報告)【参考資料2】P1
◆若年女性や性暴力被害等 のニーズに対応した支援について
・若年女性→(法の狭間)(利用のしづらさ)(支援の課題、スキルの向上)(リプロの問題)
・児童を同伴する女性とその同伴児童→はっきりと支援を明文化すべき。
・性暴力被害→(医療、心理的ケア)(スキルの向上)スーパーバイサー養成
・支援システム→若年女性の性暴力、性搾取の問題が非常に緊急性があり重要な問題なので集中的に議論されるべき。 一方で、障害のある方、外国籍の方、高齢の方などに対する支援の問題も落ちないように議論していくべき。
・支援の専門性→専門職として広い視野と専門性の高い支援が求められる。運用上の研修やスーパービジョンも重要だが、新たな仕組みを考えていく必要があるのではないか。

<2.各実施機関における役割や機能について>
◆都道府県と市区町村の役 割について
・婦人相談員の設置義務→婦人保護事業の位置付けを市区町村の責務とし、市区では任意設置となっている婦人相談員について設置義務 とするとともに、専門職として位置付けるべき。婦人相談員の全市区町村への必置義務化、アフ ターケア事業の人員配置や対象の拡大など制度の見直し、婦人保護施設や一時保護所における職員配置基準等の見直し、高齢者、障害者、児童、生活困窮者等の他法他施策との整理、市町村及び女性相談センター、施設の役 割分担の明確化。
・市区町村の位置付け→市町村は住民に近い部門、都道府県は広域的な行政サービスを担っており、自立支援については市町村のほう が様々な選択肢を持ち合わせている。そういったお互いの強みを生かした効率的な役割分担を考えたい。
・国と地方の責務→女性のニーズに応じた自立支援の仕組みをつくること。国及び地方公共団体の責務を明確にすること。
◆支援の実施機関に求めら れる役割・機能について
・婦人相談所→児童福祉では、虐待ケースというよりは非行ケースとして扱われてしまうところもあり、特に性的搾取や性売買に関わった少女たちは、一時保護所や児童福祉施設で受け入れるのが難しいとはっきり言われてしまうことも たびたびある。その少女たちがもっと婦人保護施設を使えるようになってほしいが、婦人保護施設の入所のハー ドルがものすごく高く、結局なかなかそれだけの受け皿がない。保護を要する女性のニーズと提供される一時保護の枠組みにミスマッチが生じており、一時保護の対象枠組みを見直し、実現するための条件整理が必要。また、市町村に向け一時保護の共通理解の熟成を図ることが必要
・婦人相談員→婦人保護事業のわかりにくさ というところがあり、そのことが、婦人相談員の雇用の不安定な状況では?
・婦人保護施設→婦人保護施設を必要としている人が利用できない婦人保護施設になっている。婦人保護施設を利用できたらという思いがあるのに、利用する側にあまりにも寄り添えていない仕組みで、結局諦めて、生活保護を受けて一人 単身でアパート暮らしをするといった現状がある。立ち直りから生活の再建、そして自立していくというプロセスを、一貫して息長く寄り添って支援をしていく ということが大事。その際、上から目線でなく本人の自立の意思を大切にする、福祉でいう措置から契約への転 換ということが重要。 ○ 婦人保護施設は何をするところか。入所時の目的は就労自立とされているがそうではない。私たちがすべきは、 たくさんの被害を受けた、虐待を受けた女性たちに対して、きちんと心の回復支援を主軸にするべきだと考えて いる。 ○ 市の立場からは、婦人保護施設は非常に縁遠く、県を通して間接的にしか関われない。相談員にとっても、入 所者にコンタクトするのに県を通してでないと話ができないというような感じがあり縁遠い。 ○ 売春防止法を根拠とすることの限界がある。24 時間 365 日、婦人保護施設は対応している。支援する職員が足 りない。国基準では支援員が2名。自立支援という考え方ではなく、「見ていればいい」という捉え方だったと 推察する。

◆民間シェルター等の関係 団体との連携について
・退所後の自立支援→民間シェルターに特徴的なことは、シェルターを退所した後のお付き合いが長いということ。当事者の困難 はシェルター退所後に大きくなる。どこに住むか、どういう仕事ができるのか、子どもたちがまたPTSDで 苦しまないか、自分自身がまた新しい職場で被害に遭わないか。様々な問題に向き合いながら、当事者は一歩 一歩新しい生活を固めていくが、その本格的な自立回復支援を担っているのは、多くは民間シェルターである。今後、高齢者、子ども、若年女性、妊娠出産するハイティーンの子ども、アジアの外国人など、シェルター機能は特化・専門化されていくであろう。そのときに、公的なDVセンターが相談から自立支援までを行うのは無理なことで、支援に特色を持った、スキルや経験のある支援団体に役割を渡すことが重要。本人や同伴児童への心理的ケアについては、母子の回復プログラム・並行プログラムのシステム化を提案したい。親子回復プログラムについては、実績のある民間団体への委託事業として予算化してほしい。
・財政的支援→民間団体との連携について、行政ができない部分、縛りのある部分において、民間団体と連携しながら支援す ることが必要。民間団体の活動費に是非とも予算をつけてほしい。
・その他→性被害を受けてからの保護では遅い。そのおそれがある段階で事前の保護をきちんとするということが重 要。その意味で民間支援団体の活動はとても大事で、これを制度上きちんと位置付けることが必要。→平成 30 年度若年被害女性等支援モデル事業の実施について(H30.5.28 子発 0528 第 1:局長通知) 【参考資料1−1】P67〜76

<3.他法他施策との関係や根拠法の見直しについて>
◆他法他施策との連携の推進について

・支援ネットワークの構築→。児童相談の分野において要保護児童対策地域協議会があるように、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。女性福祉は本人の意思尊重が支援のベースとなっているため、周りからは支援の姿勢や方針がわかりづらい。 例えば、児童虐待の担当者からすれば、なぜ本人の言いなりなのか、施設退所させるべきでないのになんで引き止めなかったのかというような発言につながっていくということがある。要対協と同じようなしっかりとした仕組みづくりは必要。連携という意味では、大変関連の深い医療や福祉、こういったところと連携が不足しているところが大きくある。

・母子生活支援施設→婦人相談所と母子生活支援施設の関係は、一時保護の委託を請けることは可能だがそれほどつながりがよくない。婦人相談所だけではなく、児童相談所ともあまりつながらない。なぜなら、母子生活支援施設は市町村事業 で、婦人相談所、児童相談所は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。
・児童福祉法との関係→16、17 歳で母親になった相談者の方が結構いるが、その子がまだ、そこまで子どもを育てるところまで決意できず迷いがある中で、女性支援の方は母親としてどう生きていくかが先にきてしまう。私たちはそもそもまだ子供だよねというところで、子ども期の保障をするというところは、今度はまた児童福祉法がしっかりこの子を子 どもとして守っていくということも大事かなというのがある。法律の下で守られるという視点も大事だし、でも 子どもというところも大事だし、そこはもっと深く議論されなければならないことかなと思う。性虐待を受けた子どもはリアルタイムではそのことを言わない。婦人保護事業が関わる年代になってやっと出 てくるが、婦人相談所には調査権がないため、性虐待を受けた、その客観的事実を児童相談所からもらえない。
・その他→関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう 情報共有して、一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。他法他施策優先については削除すべき。より柔軟に関係機関との連携を図り、年齢や管轄で区切ることのない 一貫した支援のあり方が必要。

◆売春防止法の見直しにつ いて
・理念等の見直し
→婦人相談員が支援する対象は処罰の対象ではなく支援の対象。売春をしている女性は犯罪者ではなく被害者。第2章第5条、第3章を廃止することで、被害女性を転落女性とみるなどの差別的な表現を削除して、性の侵害を受けた女性の人権を擁護する法律となるよう改正を望む。用語の見直しについては、婦人を女性、収容を入所、保護更生は自立支援、収容保護は入所支援、指導は支援、 要保護女性は要支援女性と直せるのでは。
・新たな法体系→売春防止法は女性が処罰をされる法律。売春防止法5条で処罰された女性はまだ今でも手錠を掛けられている。女性たちは犯罪者ではない。女性たちは福祉的な支援が必要な女性たち。売春防止法には人権保障の概念がない。自立をさせられる支援の仕組みがない。専門性がない。そして何よりも、一人ひとりを支える個別性が必要。私たちは、これらの自立を支えるための支援の仕組み、そのために新しい支援体制を考えている。婦人保護事業を超えた新しい枠組みに是非取り組んでいきたい。女性自立支援法、いま仮称と称しているが、 新しい法律が生まれていくべき時。総合支援法、生活困窮者自立支援法などの考え方を取り入れた法整備を望む。回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる、そういう法制度がどうしても必要。損害された人権を確立するための支援法が今、最も求められている。措置、収容、指導というふうに散りばめられた売春防止法の下では、本来の意味での女性支援は成立しないというのは明らかな事実。その課題と限界は明らかになっており、私たちは女性の人権の確立を目指す、売春防止法に代わる新たな女性支援の根拠法を急いで作る必要がある。この根拠法は、当事者主体はもちろん、暴力を根絶するためのジェンダー平等法としての機能を きちんと果たすものであることを心から願う。
性被害を受けた人たちの保護、それから立ち直り、生活の再建、自立支援。こういったことを進めていく包括的な対策が必要だとすると、売春防止法第4章の保護更生では、性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。 ここは、こういう趣旨に合った新しい法律が、売春防止法とは別に必要。

次回は、「参考資料1-1 婦人保護事業関係通知」からです。