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第6回働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会 [2019年06月25日(Tue)]
第6回働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会(令和元年年5月31日)
≪議事≫ 働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する諸論点について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208525_00011.html
◎資料2 被用者保険が適用されていない雇用者の多様性について
○関係団体へのヒアリング(パートの多様性に関する意見)

・現在の社会保障制度には就労抑制をする機能があると思うので、被用者には被用者保険が適用されることを前提として、年金で言えば1号被保険者、3号被保険者のあり方を含め、将来ビジョンをしっかりと検討していただき、全体として就労促進につながる制度を構築していただくことを望んでいる。
・日本ではひとり親家庭の相対的な貧困率が非常に高く50.8%、就労率は非常に高い(81.8%)。就労収入は若干上がってきており、10年前が170万円、5年前が180万円 で、平成28年で200万円。健康保険料を払えず保険証がない世帯や、国民年金の保険料を払えず非加入と答えている世帯がある。医療費助成制度があっても、医療保険への加入が経済的に難しければ受診できない。シングルマザーの場合、配偶者控除の壁、社会保険適用の壁、児童扶養手当の全部支給の壁、住民税非課税ライ ンの壁、児童扶養手当の一部支給の壁のために、収入が押し下げられてきたというのがシングルマザーの現実。
・最近では精神障害等でお休みをされて、その後、 再就職をする際に、なかなか正規で働けないということで、非正規で、病気や一定の障害を抱えたまま短時間で働くという方も非常に多くなっているという印象。加入要件を満たしているにもかかわらず加入していないというような声を、未だにたくさん寄せられている。

○501人未満企業に対するアンケートにおける意見 (パートの多様性に関する意見)
【医療・福祉】のみ↓

➀ 子育て・孫守・家事等、フルタイムで働けず、パートタイムで働く人が増えてきた中で、将来的に安定して働ける環境づくりの 一環として、社会保険制度改正に伴い、従業員へ制度加入の意見を尋ねたところ、大多数が賛成であった。
A 短時間で働きたい障害者や難病、諸々の事情がある者の雇用や、短時間しか仕事のないホームヘルパーの雇用が多くそれらの人たちの待遇を保証し、より雇用を促進したいため。
E 社会保険に加入することで、手取額が減額されることについて一部の職員から意見→労働時間数の増により手取額を同等額にすること及び将来の年金を考え全員で賛成となる

○短時間労働者の社会保険制度への加入状況→短時間労働者の中には、最多となる「国年3号・健保被扶養者」の他にも、年金制度上は国年1号や非加入、医療保険制度上は国保加入などがおり、保障の内容や保険料負担の状況は多様である。
○国民年金第1号被保険者の就業状況→雇用者でありながら厚生年金保険には加入できず、自営業者等と同様に国民年金加入となっている者が、国民年金第1 号の4割近くを占めるに至っている。
○国民年金第1号被保険者の保険料納付状況→約半数が保険料を免除または未納の状態。
○雇用者として働く国民年金第1号被保険者の基本属性→共通して「配偶者ありの女性」が多い一方、週20時間未満では「学生」、 週20時間以上では「未婚の男女」や「離別の女性」、特に週30時間以上では「配偶者ありの男性」の比率が高い。週実労働時間が30時間以上の国民年金第1号には、世帯における最多所得者が比較的高い割合で含まれている。
○母子世帯の就業状況等→約8割が就業、そのうち、「パート・アルバイト等」が約半数。年間収→「正規の職員・従業員」の平均年間就労収入は305万円、「パート・アルバイト等」では、133万円となっている。社会保険の加入状況→雇用保険に加入しているが厚生年金に加入していない者が一定数見られる。
○国民年金第3号被保険者の就労状況→女性全体の約3割、配偶者ありの女性の約半数が国民年金第3号、国民年金第3号制度は公的年金制度上の女性の大きな受け皿となっている。国民年金第3号の就業状況→20〜30歳代の者には、就労を希望しているにもかかわらず、出産・育児等の理由で就労していない者が多いが、40〜50歳代の者には、就労する者が多く、また、その労働時間も長くなる傾向がある。
○ご議論頂きたいポイント→現在、被用者保険(厚生年金・健康保険)が適用されていない雇用者に対して、被用者保険の適用 を及ぼす意義について、その多様性を踏まえてどう考えるか。


◎資料3 適用拡大が企業の経営や労務管理に与える影響について
【中小企業における短時間労働者に対する適用拡大】
○義務的な適用拡大の対象企業の範囲
→中小の事業所への負担を考慮して、激変緩和の観点から段階的な拡大を進めていくために設定されたもの。そのため、本要件については、法律本則に規定された他の要件と異なり、改正法の附則に当分の間の経過措置として規定。
(各法人単位で規模501人以上を満たさない場合は、強制適用対象とはならない。)

○501人以上企業に対するアンケートにおける意見 (企業規模要件)
➀ 社会保険の加入を望まないスタッフが転職するケースが増えた。【小売業】
➁ やはり、同じ働き方をしても他社だと社会保険に加入しなくてよいとなると他社を選択されるケースは多い。いくら制度のよい点をご案内しても目先の収入(手取り額)が多い方が魅力に思う方が多いのが現実だと思います。【医療・福祉】
➂ 短時間労働者適用除外の同業他社へ労働者の流出。(500人以下の企業は従来と同じ料金で問題ない為) 【その他サービス業】
➃ 社保適用拡大により、約9%増の保険料負担があり人件費の増加につながっている。同業他社との競争が厳しい今日、とても大きな影響がある。【小売業】
➄ 社会保険の適用範囲が拡大されたことにより、短時間労働者だけでも、社会保険の加入者が1,200名増加することとなった。 昨年1年間で、弊社側の費用負担は、約2億円増加、同じ小売業の中小企業との間で、費用に関する負担は懸念される。一方、弊社が、店舗の営業を委託しているフランチャイズ法人については、従業員数が500人以下の企業が多数を占めている。社会保険の加入範囲の拡大された場合、フランチャイズ法人の人件費高騰が懸念されるところ。 なお、弊社においては、従業員が501人名以上であり、短時間労働者であっても社会保険に加入できるが、直接、そのことによる採用面での利点は確認できていない。 【飲食業】
➅ グループ企業内において、親会社と子会社との間で適用の相違が生じたため、勤務先による不公平感。 新たに適用することを希望する者、希望しない者が混在する中で、労使合意による適用は難しいことから、グループ企業間 において適用の相違を許容せざるを得なく、グループ企業内での人員の異動が柔軟にできない点。 【金融・保険業】
➆ 同じグループ企業であっても規模によって社会保険加入基準が異なっており、転籍後に本人から不満の声があり、結果 退職となったケースがありました。 【小売業】

○中小企業の経営環境→企業規模別業況判断DIの推移、業種別業況判断DIの推移、企業規模別経常利益の推移、倒産件数の推移。
「D.I.」(ディー・アイ)とは、Diffusion Index(ディフュージョン・ インデックス)の略で、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数 化したもの

○他制度における中小企業への適用の経緯
1.労働基準法

@ 法定労働時間週40時間制→平成 13年 特例措置の時間短縮(週44時間) → 現行の内容
A 時間外労働の上限規制(原則として月45時間、年360時間。臨時的な特別な事情がある場合でも上回ることができない上限を設定)→平成31年4月 大企業への施行。令和 2年4月 中小企業(※業種により設定された「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」のいずれかが一定の基準を満たせば、中小企業に該当すると判断される。なお、事業場単位でなく、企業単位で判断される。)への適用開始
2.次世代育成支援対策推進法→一般事業主行動計画の策定→101人以上の規模の事業主に対して策定する義務を負わせた(平成20年12月制定。平成23年4月1日施行)。
3.高年齢者等の雇用の安定等に関する法律→65歳までの継続雇用制度の導入

【現行の各適用要件と企業の労務管理】
○短時間労働者に対する適用要件とその考え方→
@週の所定労働時間が20時間以上あること A賃金が月額8.8万円(年収106万円相当)以上であること B勤務期間が1年以上見込まれること C学生を適用対象外とすること
○501人以上企業に対するアンケートにおける意見(個別の要件の適用上の課題)→1.賃金要件に関するもの(@-C) 2.その他の要件に関するもの
○勤務期間要件の実態→契約上の雇用期間が1年以上である場合だけでなく、契約上の雇用期間が1年未満であったとしても、更新の可能性がある場合には「1年以上見込み」として取り扱うこととされている。実際、契約上の雇用期間が1年未満の者の多くが、契約更新の結果として1年以上在籍している。 ※ なお、現状については、厚生年金保険法上、臨時で使用されている者は、2月以上使用されるのであれば、被保険者として適用される。
○学生アルバイトの就労状況と学生除外要件→学生アルバイトの多くは、時間要件(週労働時間20時間以上)及び賃金要件(月額賃金8.8万円以上)を満たさない働き方をしており、学生除外要件のみによって適用を外れている学生アルバイトは限られるとみられる。 学生を扶養している親は、特定扶養控除(63万円)を受けられるが、その対象となる学生自身の給与収入の上限は103万 円となっている。

【適用事業所の範囲】
○被用者保険の適用事業所につ
いて→常時1名以上使用される者がいる法人事業所(強制適用)。常時5名以上使用される者がいる、法定16業種に該当する個人の事業所(強制適用)
上記以外(強制適用外(労使合意により任意に適用事業所となることは可能=任意包括適用)
○関係団体へのヒアリングにおける意見(適用事業所の範囲)→社会保険が実際は強制加入でなければいけない企業であるにもかかわらず、進まないのは、会社負担の問題が一 番大きいかと思っている。生活衛生業の個人事業主が適用拡大になった場合の課題について、1つは社会保険料の負担、2つは、従業員5 人が社会保険に加入した場合には、事業主負担は年間で約130万円、一方で個人事業主の平均の営業利益は約291 万円で、年収の約45%の事業主負担が新たに生じてくる。これは経営の悪化も懸念されるぐらいの影響がある。
○被用者保険の適用事業所の範囲に関する国会答弁→昭和60年4月23日 参・社会労働委員会→法人の事業所の適用が円滑に行われました後の将来の検討課題としては引き続き研究させていただきたい。当面任意包括適用制度を活用させていただきたい
○非適用業種における個人事業所の規模→多くの業種については、従業者数10人以上の事業所は5%未満となっている。

○ご議論頂きたいポイント
1.中小企業における短時間労働者に対する適用拡大について→今後、拡大していく場合の中小企業の経営に対する影響や今後の対応 の在り方についてどう考えるか。
2.個人の就労状況等に着目した各適用要件と企業の労務管理について→時間要件、賃金要件、勤務期間要件、学生除外の各要件について、要件の運用の実態や、見直す場 合の企業への影響等についてどう考えるか。
3.強制適用事業所の範囲について→現行制度の妥当性や、見直す場合の事業主への影響等について どう考えるか。

次回は、「資料4 働き方の多様化と社会保険における対応について」からです
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