• もっと見る
«第12回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 | Main | 第80回労働政策審議会障害者雇用分科会»
<< 2024年03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
第12回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 [2018年12月28日(Fri)]
第12回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(平成30年12月7日)
議題> (1)同一労働同一賃金部会の報告について
(2)女性の活躍の推進のための対策及びパワーハラスメント防止対策等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02832.html
◎資料2 女性の職業生活における活躍の推進及びハラスメント防止対策等の在り方について(報告書案)
1.はじめに

○女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)→日本の職場での男女間の事実上の格差が大きい現状を踏まえ、職業生活における女性の活躍を迅速かつ重点的に推進するため、10 年間の時限立法として整備された。女性活躍推進法が平成 27 年9月(事業主行動計画については、平成28年4月)に施行されて以降、民間企業における同法に基づく女性活躍の取組は着実に進展し、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業デー タベース」では、約1万2千社が行動計画を掲載、約1万社が同法に基づく情報を公表している。
○一方で、我が国の労働力人口総数に占める女性の割合は 43.7%(平成 29 年)となっているが、いわゆる「M字カーブ」が依然として残っている。ま た、管理的職業従事者に占める女性割合は 13.2%と欧米諸国に比べて低い水準である。さらに、男女間賃金格差について、長期的には減少傾向にあるものの依然として開きがある状況が続いているなど、女性活躍推進法の施行後 3年を迎える中で今なお課題が残っている。
今後、女性活躍推進法が目指す、男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応で きる豊かで活力ある社会(女性活躍推進法第1条)を実現するためには、女性の職業生活における活躍をさらに推進することが必要である。
○職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等のハラスメントは、相手の尊厳や人格を傷つける等の人権に関わる許されない行為であり、あってはならないものである。企業にとっても経営上の損失に繋がる。 都道府県労働局における職場の「いじめ・嫌がらせ」の相談件数や、嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けたことによる精神障害の労災認定件数は増加傾 向となっている。職場のパワーハラスメント防止は喫緊の課題であり、現在、 法的規制がない中で、対策を抜本的に強化することが社会的に求められている。
○また、都道府県労働局に対し、セクシュアルハラスメントに関する相談が依然として約7千件寄せられていること等に鑑みれば、職場のセクシュアル ハラスメントの防止対策について、一層の実効性の向上が必要である。

2.今後の対策
T.女性の職業生活における活躍の推進等について
(1)基本的な考え方
→今後、社会全体で女性活躍を一層推進→計画的な PDCA サイク ルを促す行動計画の策定や、求職者の職業選択に資する情報公表等に、より多くの企業が取り組むことが必要。 現在、300 人以下の企業については女性活躍推進法に基づく取組が努力義務、既に多くの企業が何らかの取組を進めている、 取組を進める企業においても課題を感じていることを踏まえれば、これらの企業においても、負担軽減に配慮しつつ、確実な取組を求めることが適当。 行動計画策定や情報公表等の取組の内容→女性活躍推進法の基本原則を踏まえ、「職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活の両立」に資するものとなるよう制度を見直し企業に対するインセンティブを充実させることが適当。
・また、男女雇用機会均等法に沿った雇用管理の実現やポジティブ・アクションの推進に向けて、企業の実効性ある取組を促すことが必要である。
(2)具体的な取組
1)行動計画策定について

@ 企業における女性活躍に関する計画的な PDCA サイクルを広く促すため、101 人以上 300 人以下の企業にも行動計画策定を義務付けることが適当である。
A 状況把握については、各社の共通の課題となる4つの基礎項目につい て状況把握・課題分析を行い、その結果を踏まえて任意項目の状況把握・課題分析を行う仕組みが指針等で示されていることから、既に企業の実 態に応じた適切な状況把握ができていると考えられ、企業が積極的な状 況把握をすることができるよう、この仕組みについて丁寧に周知することが適当である。
B 数値目標の設定に当たっては、各企業の状況に応じた自主的な判断を尊重しつつ、女性活躍推進法を踏まえた取組がより一層進むよう、複数の項目を設定することとすることが適当である。その際、状況把握項目 を@)及びA)に区分し、原則として当該区分毎に、1 項目以上を選択し て関連する数値目標を設定することが適当である。
@)「職業生活に関する機会の提供」に関する項目
A)「職業生活と家庭生活の両立」に関する項目
C 行動計画策定を義務付ける企業を拡大するに当たっては、行動計画策定に関する負担を軽減しつつ、効果的な計画策定が可能となるよう、当該義務付けの施行について十分な準備期間を確保することや数値目標の 設定方法について配慮をすることが適当である。加えて、行動計画策定・ 公表方法の簡素効率化、厚生労働省のホームページやパンフレットなどの改善、セミナーの拡充を含め、策定プロセスへの手厚いサポートなど を行うことが適当である。
D また、企業における行動計画策定等の取組が形式的な内容にならないよう、女性活躍推進法の基本原則などの趣旨や理念、数値目標の設定や 行動計画の策定の在り方について、丁寧に周知を行うことが適当である。 その際、行動計画に定める数値目標や取組内容が男女雇用機会均等法違 反にならないようにすべきであることも、併せて分かり易く周知することが適当である。
2)情報公表について
@ 情報公表
→各企業の女性活躍の取組を促すとともに、求職者の職業選択に資するため、より多くの企業で情報公表が進むよう、101 人 以上 300 人以下の企業にも情報公表を義務付けることが適当。
A 情報公表項目→女性活躍推進法の基本原則を踏まえ、情報公 表項目を次の@)及びA)に区分し、当該区分毎に、1 項目以上を任意に選択して複数の項目を公表することを義務付けることが適当である。
@)「職業生活に関する機会の提供」に関する項目
A)「職業生活と家庭生活の両立」に関する項目
また、情報公表項目として、既定の定量的な項目に加えて、人材育成 や両立支援等に関する「法定を上回る企業内制度」の概要も公表できる こととすることが適当である。
B 情報公表を義務付ける企業を拡大するに当たっては、情報公表に関す る負担を軽減できるよう、例えば、当該義務付けの施行について十分な 準備期間を確保することや情報公表の内容について配慮をすることが適 当である。
3)えるぼし認定について
@ インセンティブを強化し、企業における更なる女性活躍の取組を推進 するため、「えるぼし認定」よりもさらに基準の高い認定制度として、「プ ラチナえるぼし(仮称)」制度を創設することが適当である。
A 「プラチナえるぼし(仮称)」制度については、女性活躍推進の取組に ついて客観的に優れていることや、行動計画の数値目標を達成している ことなどを認定基準にした上で、プラチナくるみん制度と同様に、認定 を取得した企業については、行動計画の策定義務を免除する(ただし、取 組状況の情報公表を求める)ことなど認定取得に向けたインセンティブ を設けることが適当である。
B 現行のえるぼし認定の基準について、現に女性活躍の取組を積極的に 進めている企業が適切にえるぼし認定を受けられるようにするため、採 用の基準(男女の競争倍率の基準)について女性労働者の割合に関する 別の基準を検討するなど、必要な見直しを行うことが適当である。
4)履行確保について
@ 女性活躍推進法の確実な履行確保のため、求職者の職業選択に影響を与える情報公表義務違反や虚偽の情報公表に関して勧告に従わない企業については、企業名を公表できることとすることが適当である。
A 認定制度の信頼性を確保するため、行動計画策定や情報公表が努力義 務である 100 人以下のえるぼし、プラチナえるぼし認定取得企業であっても報告徴収を行えることとすることが適当である。
5)男女雇用機会均等法に沿った雇用管理の実現やポジティブ・アクション の推進に向けた取組について
@ 各企業における男女雇用機会均等法に沿った雇用管理の実現やポジティブ・アクションの推進に関する実効性ある取組を促すため、現在通達で選任するよう示している社内で当該業務を担当する労働者(男女雇用 機会均等推進者)について、選任するよう努めることを法律に規定し、 選任を促すことが適当。また、当該推進者の役割に、女性活躍推進法に基づく行動計画や情報公表の取組の推進についても位置付けることが適当。
A コース別雇用管理指針において、当該指針は総合職と一般職のみを対 象に想定したものではなく、無期転換した労働者についても、総合職や 一般職とは異なるコース等で雇用管理が行われるのであれば、当該コー スも指針の対象に含まれることを明確化することが適当である。

U.職場のハラスメント防止対策等について
(1)基本的な考え方

・職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等のハラスメントは、相手の尊厳や人格を傷つける等の人権に関わる許されない行為であり、あってはならないもの。また、企業にとっても経営上の損失に繋がることから、防止対策を強化することが必要。
・具体的には、職場のパワーハラスメントの防止について、企業の現場にお いて確実に予防・解決に向けた措置を講じることが不可欠であることから、 事業主に対し、その雇用する労働者が自社の労働者等(役員等を含む。)から パワーハラスメントを受けることを防止するための雇用管理上の措置を義 務づけることが適当である。その際、現場の労使が対応しやすくなるよう、職場のパワーハラスメントの定義や考え方、企業が講ずべき措置の具体的内 容を明確化していくことが必要である。
・特に中小企業については、パワーハラスメントの防止に関するノウハウや 専門知識が乏しいこと等から、その負担軽減に十分配慮し、支援を強化する ことが適当である。
・取引先等の労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい迷 惑行為についても、労働者に大きなストレスを与える悪質なものであり、無視できないものであるが、どこまでが相当な範囲のクレームで、どこからがそれを超えた嫌がらせなのかといった判断が自社の労働者等からのパワー ハラスメント以上に難しいこと等の課題がある。このため、これらについて は、相談対応等の望ましい取組を明確化し、関係省庁と連携して周知・啓発 を図ることが適当である。
・職場のセクシュアルハラスメント防止対策の実効性の向上については、まず、被害を受けた労働者が相談を行い易くするとともに、二次被害を防止す るため、労働者がセクシュアルハラスメントに関する相談を行ったことを理 由として不利益な取扱いが行われないよう徹底することが適当である。
・また、社外の労働者や顧客等からセクシュアルハラスメントを受けた場合 や社外の労働者に対してセクシュアルハラスメントを行った場合の対応を 明確化し、取組を徹底することが適当である。
・職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの行為者に対して刑事罰による制裁を科すことや、被害者による行為者等に対する損害賠償 請求の根拠を法律で新たに設けることについては、現状でも悪質な行為は既 存の刑法違反に該当し、または不法行為として損害賠償請求の対象となり得 る中で、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等 の種々の課題がある。このため、今回の見直しによる状況の変化も踏まえた 上で、その必要性も含め中長期的な検討を要すると考えられる。
・しかしながら、職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントは 許されないものであり、国はその周知・啓発を行い、事業主は労働者が他の 労働者(取引先等の労働者を含む。)に対する言動に注意するよう配慮し、ま た、事業主と労働者はその問題への理解を深めるとともに自らの言動に注意 するよう努めるべきという趣旨を、法律上で明確にすることが適当である。併せて、国は、就業環境を害するような職場におけるハラスメント全般に ついて、総合的に取組を進めることが必要である。
(2)職場のパワーハラスメント防止対策の強化
1)職場のパワーハラスメントの定義について
→職場のパワーハラスメントの定義については、「職場のパワーハラスメン ト防止対策についての検討会」報告書(平成 30 年3月)の概念を踏まえて、 以下の3つの要素を満たすものとすることが適当である。
@) 優越的な関係に基づく
A) 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
B) 労働者の就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与え ること)
2)職場のパワーハラスメントの防止対策について

@ 職場のパワーハラスメントを防止するため、事業主に対して、その雇 用する労働者の相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備す る等、当該労働者が自社の労働者等からパワーハラスメントを受けるこ とを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付ける ことが適当である。
A 事業主に対して措置を義務付けるに当たっては、男女雇用機会均等法 に基づく職場のセクシュアルハラスメント防止のための指針の内容や裁 判例を参考としつつ、職場のパワーハラスメントの定義や事業主が講ず べき措置の具体的内容等を示す指針を策定することが適当である。
➂ 取引先等の労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい 迷惑行為については、指針等で相談対応等の望ましい取組を明確にする ことが適当である。また、取引先との関係が元請・下請関係である場合が あることや、消費者への周知・啓発が必要であることを踏まえ、関係省庁 等と連携した取組も重要である。
C 男女雇用機会均等法に基づく職場のセクシュアルハラスメント防止対策と同様に、職場のパワーハラスメントに関する紛争解決のための調停 制度や、助言や指導等の履行確保のための措置について、併せて法律で 規定することが適当である。
D その際、中小企業はパワーハラスメントの防止に関するノウハウや専 門知識が乏しいこと等を踏まえ、コンサルティングの実施、相談窓口の 設置、セミナーの開催、調停制度の周知等、円滑な施行のための支援等を 積極的に行うことが適当である。
E 職場のパワーハラスメントは許されないものであり、国はその周知・ 啓発を行い、事業主は労働者が他の労働者に対する言動に注意するよう 配慮し、また、事業主と労働者はその問題への理解を深めるとともに自 らの言動に注意するよう努めるべきという趣旨を、各々の責務として法 律上で明確にすることが適当である。
3)指針において示すべき事項について
@ 当該指針において、特に以下の事項を示すことが適当である。
@)職場のパワーハラスメントの定義について
・ 3つの要素の具体的内容
・ 3つの要素を満たすものが職場のパワーハラスメントであること
・ 「優越的な関係」の考え方、具体例
・ 「業務上必要かつ相当な範囲」の考え方、具体例
・ 「就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えるこ と)」の考え方(「平均的な労働者の感じ方」を基準とすべきであることなど)、具体例
・ 「職場」とは業務を遂行する場所を指し、通常就業している場所以 外の場所であっても、業務を遂行する場所については「職場」に含ま れること
・ 業務上の適正な範囲内の指導については職場のパワーハラスメン トに当たらないこと ・ 職場のパワーハラスメントの典型的な類型、パワーハラスメントに 該当する例、該当しない例 A)事業主が講ずべき措置等の具体的内容について
・ 事業主における、職場のパワーハラスメントがあってはならない旨の方針の明確化や、当該行為が確認された場合には厳正に対処する旨 の方針やその対処の内容についての就業規則等への規定、それらの周 知・啓発等の実施
・ 相談等に適切に対応するために必要な体制の整備(本人が萎縮する などして相談を躊躇する例もあることに留意すべきこと)
・ 事後の迅速、適切な対応 ・ 相談者・行為者等のプライバシーの保護等併せて講ずべき措置
B)事業主が講ずることが望ましい取組について
・ 職場のパワーハラスメント発生の要因を解消するための取組(コミ ュニケーションの円滑化、職場環境の改善等)
・ 取引先等の労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著 しい迷惑行為に関する相談対応等の取組
(3)職場のセクシュアルハラスメント防止対策の実効性向上
@ 事業主から不利益な取扱を受けることを懸念して労働者がハラスメントに関する相談を行うことを躊躇することがないよう、事業主に対し、労働者がこれらの問題に関する相談を行ったことを理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止することが適当である。また、事業主が行うセクシュアルハラスメントの事実関係の確認に協力したことを理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止することについても、事業主の確実な取組を求めることが適当である。 なお、当該措置については、上記(2)のパワーハラスメントの防止対 策や、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止対策においても講ずることが適当である。
A 職場のセクシュアルハラスメントは許されないものであり、国はその周知・啓発を行い、事業主は労働者が他の労働者に対する言動に注意す るよう配慮し、また、事業主と労働者はその問題への理解を深めるとともに自らの言動に注意するよう努めるべきという趣旨を、各々の責務として法律上で明確にすることが適当である。 なお、当該措置については、妊娠・出産・育児休業等に関するハラス メントの防止対策においても同様とすることが適当である。
B 社外の労働者や顧客等からセクシュアルハラスメントを受けた場合や社外の労働者に対してセクシュアルハラスメントを行った場合の対応に ついて、以下の事項を指針等で明確にすることが適当である。
・ 自社の労働者が社外の労働者や顧客等からセクシュアルハラスメントを受けた場合も、雇用管理上の措置義務の対象となること
・ 自社の労働者が社外の労働者に対してセクシュアルハラスメントを行わないよう配慮するとともに、当該セクシュアルハラスメントが起こった場合に円滑な問題解決が図られるよう、他社が実施する事実 確認や再発防止のための措置に協力するよう努めること
C 調停制度について、紛争調停委員会が必要を認めた場合には、関係当事者の同意の有無に関わらず、職場の同僚等も参考人として出頭の求め や意見聴取が行えるよう、対象者を拡大することが適当である。

次回は、「第80回労働政策審議会障害者雇用分科会」資料に入ります。
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント