沖縄「慰霊の日」と「平和の詩」[2008年06月23日(Mon)]
6月23日、沖縄は戦没者を悼む「慰霊の日」を迎え、本島南部の糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念講演では正午前から県が主催する「沖縄全戦没者追悼式」が執り行われ、約5500人が参列した。
以下、朝日新聞23日付夕刊の報道によれば、
「23日は沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わった日とされる。式典には、福田首相のほか河野洋平衆院議長、江田五月参院議長らが参列した。
式典で仲井真知事は平和宣言を読み上げ「戦争の記憶を正しく伝えること、二度と戦争を起こしてはならないと確認し続けること、この信条こそが沖縄の原点」と呼びかけた。(中略)
沖縄戦の犠牲者や沖縄出身の戦没者らの名前を刻む「平和の礎」には今年、新たに128人の名が加えられ、総数は24万734人となった」
追悼式で、詩部門(小学校の部)の最優秀賞に選ばれた嘉納英佑君(読谷小学校4年生)の作品「世界を見つめる目」が平和の詩として朗読された。沖縄戦を体験した祖父(75才)から聞かされた悲惨な戦争の実態が作詞の出発点になったという。
以下はその全文。
「世界を見つめる目」 嘉納英佑
やせっぽっちの男の子が
ほほえみながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で…
ぼくも男の子を見つめた
どんな事があったの?
何があったの?
何も食べる物がないんだ
でも、ぼくは生きたい
くるしいけど、あきらめない
ぼく がんばるよ
えがおが あふれる
生きる人間の力強さを感じた
ぼくは 真実を見つめる目を
持ちたいと思った
悲しそうな目をした女の子が
なみだをうかべながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で
ぼくもその女の子を見つめた
なぜ、悲しい顔をしているの?
なぜ、ないているの?
せんそうで、家族もいなくなっちゃった
家も 友達も
全部、全部なくなっちゃった
悲しいよ さびしいよ
どうすればいいの 助けて
大切なものをなくした人間の弱さを感じた
ぼくは 涙をふいてあげる
やさしい手を持ちたいと思った
きずだらけの男の人が
苦しそうな顔をして ぼくを見つめた
本の写真の中で…
ぼくも男の人を見つめた
どうしたの?
いたいでしょ 大じょうぶ?
あらそいからは なにも生まれはしない
おたがいにきずつくだけ
にくしみがつのるだけ
人間のおかしたあやまちの大きさを感じた
ぼくは やさしくてあてしてあげる
あたたかい心を持ちたいと思った
ぼくのとなりで
おじいちゃんが
自分の目で見てきたできごとを
ぼくに伝えた
苦しかったせんそうのできごと
おばあちゃんが
自分が体験してきたできごとを
ぼくに伝えた
こわかった そかい先でのできごと
お父さんが
自分が聞いたできごとを
ぼくに伝えた
食べる物がなく 苦しんでいる人がいる事
家がなく つらい思いをしている人がいる事
家族とはなればなれになってしまっている人
ざんこくでひさんなできごと
悲しくなった つらくなった
お母さんが何も言わず
ぼくをだきしめた
むねがいっぱいになった
あたたかいぬくもりが
ずっとずっと ぼくの中にのこった
みんながしあわせになれるように
ぼくは、
世の中をしっかりと見つめ
世の中の声に耳をかたむけたい
そしていつまでも
やさしい手と
あたたかい心を持っていたい
以下、朝日新聞23日付夕刊の報道によれば、
「23日は沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わった日とされる。式典には、福田首相のほか河野洋平衆院議長、江田五月参院議長らが参列した。
式典で仲井真知事は平和宣言を読み上げ「戦争の記憶を正しく伝えること、二度と戦争を起こしてはならないと確認し続けること、この信条こそが沖縄の原点」と呼びかけた。(中略)
沖縄戦の犠牲者や沖縄出身の戦没者らの名前を刻む「平和の礎」には今年、新たに128人の名が加えられ、総数は24万734人となった」
追悼式で、詩部門(小学校の部)の最優秀賞に選ばれた嘉納英佑君(読谷小学校4年生)の作品「世界を見つめる目」が平和の詩として朗読された。沖縄戦を体験した祖父(75才)から聞かされた悲惨な戦争の実態が作詞の出発点になったという。
以下はその全文。
「世界を見つめる目」 嘉納英佑
やせっぽっちの男の子が
ほほえみながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で…
ぼくも男の子を見つめた
どんな事があったの?
何があったの?
何も食べる物がないんだ
でも、ぼくは生きたい
くるしいけど、あきらめない
ぼく がんばるよ
えがおが あふれる
生きる人間の力強さを感じた
ぼくは 真実を見つめる目を
持ちたいと思った
悲しそうな目をした女の子が
なみだをうかべながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で
ぼくもその女の子を見つめた
なぜ、悲しい顔をしているの?
なぜ、ないているの?
せんそうで、家族もいなくなっちゃった
家も 友達も
全部、全部なくなっちゃった
悲しいよ さびしいよ
どうすればいいの 助けて
大切なものをなくした人間の弱さを感じた
ぼくは 涙をふいてあげる
やさしい手を持ちたいと思った
きずだらけの男の人が
苦しそうな顔をして ぼくを見つめた
本の写真の中で…
ぼくも男の人を見つめた
どうしたの?
いたいでしょ 大じょうぶ?
あらそいからは なにも生まれはしない
おたがいにきずつくだけ
にくしみがつのるだけ
人間のおかしたあやまちの大きさを感じた
ぼくは やさしくてあてしてあげる
あたたかい心を持ちたいと思った
ぼくのとなりで
おじいちゃんが
自分の目で見てきたできごとを
ぼくに伝えた
苦しかったせんそうのできごと
おばあちゃんが
自分が体験してきたできごとを
ぼくに伝えた
こわかった そかい先でのできごと
お父さんが
自分が聞いたできごとを
ぼくに伝えた
食べる物がなく 苦しんでいる人がいる事
家がなく つらい思いをしている人がいる事
家族とはなればなれになってしまっている人
ざんこくでひさんなできごと
悲しくなった つらくなった
お母さんが何も言わず
ぼくをだきしめた
むねがいっぱいになった
あたたかいぬくもりが
ずっとずっと ぼくの中にのこった
みんながしあわせになれるように
ぼくは、
世の中をしっかりと見つめ
世の中の声に耳をかたむけたい
そしていつまでも
やさしい手と
あたたかい心を持っていたい