少しずつではあるが、家族や同郷の人々同志が、同じエリアにまとまって暮らしつつある。
約100km近郊の称多県出身のAさん(40代男性)は、家族5人でこの草原に避難してきた。2つのテントを利用し、1つのテントには元の家から運び出したテレビや冷蔵庫、ストーブを綺麗に配置して暮らしている。
娘達を結古鎮の学校に通わせていた事からAさん達は、数年前、結古鎮に中古の家を買って暮らしていたそうだ。被害を受けた写真を僕に見せてくれた。現代風な家屋で至る所に亀裂が走っているのが分かる。「もうこの家は使えないなあ」と肩を落とすAさん。今後、どうするのかと聞くと、「まだ分からない。家は政府が建ててくれるらしい。しばらくはこのテントで暮らすしかないなあ。。。」と語った。
四川大地震の時と同様に中国政府と青海省政府は、一人当たり1日10元の義捐金と500gの米を配布しているが、Aさん家族は、罹災証明書(災民証)はもらったが、義捐金はまだ受け取っていなかった。実は、Aさんのすぐ隣のテントの7人家族は、たった1つのテントで暮らしていて、2人は地べたに寝ているという。
直後から活動している中国人ボランティアWさんの言った言葉が今も忘れられない。「若者など力のあるものが、テントや食料を持っていて、高齢者のような弱い人々には何もない。」
地震直後に物資を見境なく配った事による弊害が今も影を落としている。やはり、この最大の避難キャンプが政府やNGOなどによってしっかりとマネジメントされなくてはならない。
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