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高鍋湿原の保全運動 [2006年07月02日(日)]
 宮崎県児湯郡高鍋町にある高鍋湿原は、昭和37年から42年にかけて行われた防災ダムの土取り場に絶えず周辺の山から水が供給されるようになり、それが貧栄養状態に保たれたために出来た湿原だそうです。このため、現在では湿生植物とトンボ等の湿原動物が多く定着した自然豊かな湿原となっています。植物の種類が350種類以上、トンボの種類が数十種といわれているようです。
 この素晴らしい自然環境を地元のボランティア団体の方々が中心になって守る運動をしておられます。用地買収と観察道の整備は、かつて県と町で行われたのですが、維持感知の手間や動植物の観察・記録、保全作業、来園者への説明は、すべてこのボランティア団体が行っています。町は年間最低限の維持管理費として100万円程度を負担しているに過ぎません。このボランティア団体の中心が高鍋自然愛好会会長の岩村さんという方で、学校の教員を退職したかたで、現在は80歳だそうですが、お元気で活躍中です。お話によると、自分の目の黒いうちは、絶対にこの湿原を守っていくという強い決意だそうです。一般の方はもちろん、小学校の授業でも子供たちがここへ来て学ぶそうです。
 この高鍋湿原の保全運動は、大変素晴らしいもので、私の見るところ、まさに今いろいろなところで議論されている新しい公共の姿を先取りして体現する活動だと感じました。住民の参加というよりは住民自らが先頭に立って、最小限の経費により、自分たちの地域が誇りにする自然環境を保全し、それを子供たちに伝えていく、それに対し行政が最低限のお手伝いだけをするという理想の姿だと感じました。
 こういうものを地域づくりや地域の活性化の柱にきちんと据えて、厳しい状況にある地方を守る運動を地道に展開していきたいものです。