荒尾(熊本)訪問 [2009年01月14日(水)]
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荒尾は斉藤さんがふるさと財団の地域再生マネージャーとして最初に手がけた地域です。やはり、厚生労働省職業安定局のパッケージ事業の採択を得て、コミュニティービジネスを複数起こして、内発的雇用創出を狙うもので、現在ではほぼどの事業も軌道に乗っています。
徒歩圏マーケットは、青研、にんじん畑、ありあけの里などいくつも展開していますが、いずれも近隣の高齢者などが客層で、生産、納入者はもう少し広域ではありますが、スーパーやJAに出亜せるだけのロットがない高齢農業者が中心で、生産者も消費者もお互いに弱者であり、相互に助け合いの精神でやっていこうというものです。小規模なマーケットで配送などのきめ細かいサービスを売り物にしながら、農産物の加工という観点から高齢者向きの惣菜販売などもしており、まさにコミュニティービジネスの典型といえるものです。また、青研は近隣の異業種による異業種組合でワインの製造販売を特区制度を活用してやっており、現在までに年産4000リッターまで伸ばしています。写真屋さんがラベルのしゃれたデザインをして、金物屋さんがワインの保存ラックや製造機械の足などを製作、今では土日もつぶして家族総動員でワインの仕込みをしているとのことです。このワインは輸入果汁から発酵させて作るもので、本格的ワインではありませんが、お値段が手ごろで、ラベルなどを創作できるところから結婚式の引き出物など地元のいろいろな需要に応えるものとして人気があるようです。最近ではサツマイモも生産して、これを鹿児島の焼酎メーカーに委託生産して小岱という焼酎も作っています。 コミュニティーレストラン梨の花は、怪我の功名というか、まち中でやっていたものが家賃負担に耐えられなくなり、いったん廃業に追い込まれますが、その一部の主婦グループがどうしても続けたいという強い思いから、自分の両親が住んでいた郊外の民家を改造して再出発、今ではランチがコンスタントに50色は出るというところまで発展しました。予約があれば夜も営業するそうです。すべて、手作りの料理で、食材もほとんど地元のものですし、作っている方が地元の主婦が中心ですから安心していただけるというのが人気の秘密のようです。 荒尾はご存知のように三井三池炭鉱の大きな坑口があった炭鉱町で、往時は大変栄えた町です。しかし、炭鉱閉山に伴い、人口減と産業衰退に悩まされてきた町でもあります。三井もレジャーランドやゴルフ場などを造って地域経済対策に腐心してきましたが、炭鉱に及ぶべくもなく町の勢いは衰える一方です。万田坑は世界遺産の暫定リストに掲載されたほどの産業遺産で、国の重要文化財でもありますが、その遺産を当時の炭鉱夫で現在はボランティアガイドの前畑さんに案内して頂き、大変勉強になりました。 県境の町で、同じく三井三池炭鉱の坑口であった福岡県大牟田市との結びつきも強く、住民の生活圏も医療、商業などきわめて一体的です。医師不足が原因の病院の経営不振などの問題も深刻であり、県境パターンの定住自立圏構想の検討を望んでいますが、なにせ県境であり、医療圏の問題は県の権限が大きく調整は難航が予想されます。しかし、40億円を超える累積赤字は放置できるものではなく、深刻な問題となっています。 さらに、荒尾競馬も累積12億円の赤字で、こちらも経営改革に取り組み、単年度赤字は大幅に縮小しているというものの、市の財政にとっては深刻な問題です。 このように、荒尾市の再生は小さなビジネスレベル、コミュニティーレベルではうまくいっているものの、市の本体の経営は厳しく深刻であるといえるでしょう。 |




