2008年を振り返って(回顧) [2009年01月01日(木)]
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皆様、多難だった2008年ももう少しで暮れようとしていますが、ご家族おそろいで新年を迎える準備をなさっていることと思います。
さて、私も今この一年を振り返って感慨深い思いで一杯です。まず、仕事の面では、7月の人事異動で人材育成から地域活性化へと、地方行財政を志したものであれば誰しもがその重要性を認識する仕事を連続して担当させていただくことになりました。昨年7月からの一年間の自治大学校長の間に私が実現した大学院との連携プログラム(修士号取得)と「新時代・地域経営コース」の新設はその後も順調に発展しており、今年度は約20年ぶりに研修生が1,000人を超えることが確実な情勢のようです。また、一日自治大学校も希望が多く月一回のペースで開催されており、一日アカデミーなどとも連携を模索しているようです。 今年7月からの地域力創造審議官(局長級)への異動も実に時宜を得た異動であったように思っています。前総務大臣の増田さんとは以前から親しく、地方分権改革推進会議委員の時代にも市政調査会のお部屋にお邪魔していろいろと議論をさせていただいた仲でしたが、大臣就任後もご本人のご要望もあり、自治大学校や地方公務員の人材育成のことだけでなく、地方行財政全般についてご意見を申し上げてきました。その増田さんが福田総理とお話をされて推進することとした定住自立圏構想。それを構想段階から実行段階へと発展させていかなければならない重要な時期に、増田大臣は自らがトップとなって「地域力創造本部〜定住自立圏構想実現のために」を立ち上げられ、総務省の組織の大幅な再編も断行され、定住自立圏構想の推進を中心に地域活性化系統の事務を所管する新しいセクションを立ち上げられ、その総括をする立場のポストとして地域力創造審議官を新設されました。この構想は、実は前の菅総務大臣時代からあった構想でしたが、菅大臣の場合は頑張る地方応援プログラムと既存施策のつなぎ合わせで、自治行政局よりも地域活性化を所管するセクションを作るべきだという主張でした。いずれにしても、菅大臣の時代に総務省の予算、組織改正要求が行われ、増田大臣になってからそれに一応の目処が立っていましたが、それが実現したのが今年の7月4日のことでした。私は、自治大学校長から地域力創造審議官に配置換を命じられ、立川から霞ヶ関に復帰することになりました。 地域力創造は人材育成が基本であるというのが私の考えです。この場合の人材育成というのは公務員のみならず、NPO、コミュニティー、民間人すべてについてです。ですから、私は、アウトプットである地域の活性化ではなく、なぜ地域力創造というより根源的なことを目標として設定して新たな組織まで作ったのかということが、内示を受けて以降ずっと気になり続けていました。そして、就任早々からいろんな方と議論し、最終的には有識者会議のようなものを設けて議論してもらおうという考えに至りました。ゆくゆくは、総務省の重点ばかりなく、関係する他省にもいろいろと考えてもらわなければいけないと思っていましたが、有識者会議では早々とその点が指摘されています。 中長期的な課題以外にもたくさんの取り組まなければならない当面の課題があり、その最たるものが定住自立圏構想の制度化でした。骨太方針2008によれば、今年から先行的に圏域形成に取り組み、各府省連携して支援することが閣議決定されており、大臣の方針として年末までに制度の骨格を定めるということになっていました。7月の就任早々から、全国ブロック別の説明会と先行実施団体の募集・選定の作業がありましたが、その中で忘れられないのが全国町村会などとの意見交換です。構想が発表された当初、私もちょっと同じように感じたことがあったのですが、中心と周辺、集約とネットワーク、中心市のマネージメント、都市機能の整備などの言葉が踊っており、町村からは若干反発の声が上がっていました。それを、私は都市機能は都市へ、生産機能や健康スポーツ、青少年教育、歴史・伝統・文化・コミュニティーなどの機能は周辺市町村へ、という役割分担だということを説いて回りました。山本全国町村会長とも二、三回議論をさせていただき、また、全国町村の数が多い北海道へは出向いていって町村会の研修会でお話をさせていただきました。そのようななかで、この構想の目指す目標などにご理解をいただき、今では山本会長からも評価をいただき、北海道町村会からは来年度は是非取り組みたいとのお言葉もいただきました。横浜で開催された自治学会では、町村の自治という分科会で大森先生ともご一緒し、コーディネーターを勤める読売の青山論説委員からの最後の問いかけに対し、「心配要りません。私はこの人がやっているから信用しています。」とのありがたいお言葉までいただけるようになりました。 先行実施団体も10月末に18圏域、12月に1圏域追加、継続実施団体も現在3圏域となり、これらの団体のご協力も得て年末の26日には要綱制定と総務省の財政支援措置(交付税、地方債、IT関係予算など)も決定することができました。これもひとえに皆さん方のご協力の賜物と深く感謝しています。 この間に、世界経済は大荒れの様相となり、二度にわたる経済対策が決定されましたが、一次補正予算では地方団体向けの260億円の緊急安心実現交付金が制度化され、年明けに国会に提出予定の二次補正には6、000億円の生活対策交付金も盛り込まれました。これらはいずれも内閣府に計上され、計画は内閣府に提出しなければなりませんが、配分上限額は交付税方式により総務省(地域力創造グループ)で決定し、単独事業実施や複数の省庁の補助事業実施の団体分は総務省で執行することになりましたので、結局、その配分方法などは私のところで検討し決定させていただきました。麻生総務大臣の時に財政課長を勤め、三位一体改革の一環として大きく交付税を減額せざるを得なかった経験を持つ私としては、この経済対策の交付金6、260億円で、特に三位一体改革でしわ寄せを受けた財政力の脆弱な地方団体、経済や雇用が悪い地域などに手厚く手当てし、その地域の住民の皆さんが役所に何を言っても予算がない、財源がないの一点張りで聞いてもらえなかったことを、滞貨一掃ではありませんが、この際に取り組んでいただき、住民の方々にありがたいと思っていただけることが重要だと考えています。 以上のほか、過疎対策では、集落支援員制度への財政措置の決定、与党の過疎対策特別委員会の地方での意見交換会への参加、過疎問題懇談会での議論など、現行法の期限切れを1年3ヵ月後に控えて活発な活動が展開されました。議員立法でどのような新法を作っていただけるかが問題ですが、今後10年を見通すとかなり厳しい状況であり、これまでより以上の抜本的対策が求められると思いますが、その推進体制は必ずしも万全ではありません。関係都道府県は、この問題に専属的に熱心に取り組んでいただける国会議員さんも少なくとも一人ずつはお願いして、議員立法の推進力にしていただかなければ、これまでと同じような法律を実現するのがやっとだと思っています。集落支援員制度は今後の過疎対策の柱になる制度だと考えていますが、この点については明治大学の小田切先生と自治大学校長時代からの親交と過疎問題に対する認識の一致からスクラムを組んでやっており、年明けの2月28日には、中山間地域フォーラムとの共催で明治大学において集落支援員全国交流研修大会を開催する運びになっています。 次に、地域力創造プラン(鳩山プラン)は12月19日にアウトラインを大臣が発表され、現在その内容を詰めているところです。第一の柱は定住自立圏であり、第三の柱は過疎対策です。第二の柱が新しい「地域連携による自然との共生プロジェクト」であり、全体を自然との共生を核とした地域力創造というコンセプトにしてあります。第二の柱は、川下・川上の地方団体間の協定や都会と地方の団体間の協定で環境保全活動をするボランティアの派遣、カーボンオフセットなど、都会の労働力人口を地方に送る「地域おこし協力隊」、エコライフ支援などで、今後その詳細をつめて二月末までにはお示ししたいと考えています。 さらに、地域情報化、コミュニティー再生、子ども農山漁村交流プロジェクト、PFI、土地開発公社問題などにも引き続き積極的に取り組んできました。 さて、今年は仕事の上での出張もさることながら、その他にも多くの地域に講演依頼を受けて出かけたり、地域おこしの支援で出かけたりすることができ、現場主義を自認する私としては、大変充実した良い一年であったと思っています。大山・中海、出雲、石見はもちろん、山陰では倉吉、鳥取、城崎まで足を伸ばすことができました。そのほか、自治大学校時代も含め一年半くらいのうちではありますが、鹿児島、宮崎、熊本、大分、福岡、四国全域、岡山、広島、近畿全域、愛知、岐阜、富山、山梨、群馬、千葉、秩父、古河、横浜、福島、秋田、新潟、北海道などに赴くことができました。人材育成の重要性と実際の取り組み方、地域おこしの方法、定住自立圏、過疎、地域力創造などテーマは多様でしたが、私からの話を聞いていただくだけではなく、いろいろな方と新たな出会があったことに深く感謝しています。 皆さん、よいお年をお迎えください。 |




