観光圏関係記事 [2008年10月29日(水)]
|
観光圏関係記事も出ていました。
◎宿泊客呼び込みへ、16観光圏が始動=地域ならではの体験型ツアーを開発へ 2泊3日以上の宿泊旅行客の呼び込みを目指し、複数の観光地が広域連携して形成 する「観光圏」の取り組みが本格的に動きだした。実施計画が国土交通相の認定を受 けたのは北海道から九州にかけての全国16圏域で、それぞれ観光メニューの充実や 交通アクセスの改善など、滞在型観光を促す仕掛けづくりを進める。地域活性化の起 爆剤となる観光ブランドの構築に向けた動向に注目が集まるが、観光庁は「行政主体 でなく、地域が引っ張るぐらいの意気込みで進めてほしい」と各圏域の奮起を期待す る。 ◇歴史・地域特性がキーワード 観光圏は、旅行者が楽しめる長期滞在型の観光ルートを育成し、国内旅行者の平均 宿泊数や旅行消費額の拡大を図るのが狙い。国交相の認定を受けた圏域は、国の補助 金や旅行業法の特例措置といった支援を受けながら、各自治体や観光事業者などによ る協議会が中心となって受け入れ態勢の整備を5年計画で進める。 各圏域は、共通の歴史や地域特性をキーワードにしたケースが多い。岩手・宮城1 0市町(仙台市、岩手県平泉町など)による「伊達な広域観光圏」は、伊達政宗が興 した旧仙台藩の藩領とほぼ重なるエリア。平泉や松島といった日本を代表する観光地 だけでなく、華やかさとつつましさを兼ね備えた「伊達文化」を代表する文化財を巡 る観光ルートの設定などを進めるという。 群馬、新潟、長野の3県にまたがる「雪国観光圏」(群馬県みなかみ町、新潟県湯 沢町、長野県栄村など)は、世界でも珍しい豪雪地帯。川端康成の小説「雪国」の舞 台であることを理由に湯沢町を訪れる外国人も多いといい、圏域では「単なる雪が降 る地域ではなく、雪国の独特の食文化や風土も魅力にしていきたい」(湯沢町)と、 雪国ブランドを国内外にアピールする。 ◇「地域つなぐ人材」不可欠 旅行客に1日でも長く滞在してもらうには、魅力ある観光メニューをそろえること が重要。各観光圏では「原石のような素材を磨いていきたい」(にし阿波観光圏=徳 島県美馬市、同三好市など)と、今まであまり注目されていなかった地域の歴史や文 化遺産を観光資源として掘り起こし、体験型ツアーの開発につなげたい考え。 「富良野・美瑛広域観光圏」(北海道富良野市、同美瑛町など)では、冬のスキー や夏のラベンダーなど季節に応じた地域の素材をテーマに、旅行客が現地で申し込め る「ちょっくら旅」を提案。半日から1日かけて楽しめる16の街道・寄り道ルート の整備も予定している。「会津・米沢地域観光圏」(山形県米沢市、福島県会津若松 市など)では、狩猟の体験や猟師の料理などを試食する「マタギ体験」ツアーを計 画。喜多方ラーメンを食べると無料で温泉に入浴できる「温泉ラーメン券」や、会 津・米沢両地域に1泊ずつすると、2泊目の宿泊料金が半額になる割引サービスも企 画する。 観光圏の旅館やホテルでは旅行業法の特例により、体験型ツアーの販売窓口を設け ることが可能。そのため旅行者のニーズに応じた商品や圏内全体の情報を提供する体 制の整備に向けた「地域をつなぐ人材が必要」(会津・米沢地域観光圏)で、各圏域 では、総合案内人となる「観光コンシェルジュ」の育成や、外国人観光客を想定した 通訳の養成強化などを進める考え。 交通アクセスの利便向上としては、周遊バスの運行や共通乗車船券の発行のほか、 マイカー利用者を対象にした高速道路割引企画などを検討している圏域が多い。漁船 を活用した海上タクシーを計画する圏域もある。 「淡路島観光圏」(兵庫県洲本市、同南淡路町など)では新たな「ご当地グルメ」 として、地元産の牛肉や玉ネギを使った「淡路島牛丼」をホテルや飲食店で売り込 む。鳥取・島根両県の23市町村による「中海・宍道湖・大山観光圏」は、大山の名 水を使った食材や料理をアピール。「阿蘇くじゅう観光圏」(熊本県阿蘇市、大分県 竹田市など)では、農村ならではの料理を提供する「農家レストラン」の情報整備を 進める。 ◇圏域内の連携強化が課題 魅力向上には「思い出に残るようなおもてなしが大事」(京都府丹後観光圏=京都 府舞鶴市、同京丹後市など)として、交通や料理、接客といった面での「おもてな し」の水準の向上に力を入れる観光地もある。「伊達な広域観光圏」では、タクシー が移動手段となる地域もあるため、一部エリアでタクシー運転手の接遇コンテンスト を検討。旅行客が接遇に優れた運転手を見分けることができる仕組みの導入を目指 す。「ふくしま観光圏」(福島市など)では、障害者や高齢者のニーズに応じたツ アープランや宿泊施設のバリアフリーの状況などを情報提供する「バリアフリーツ アーセンター」設置を予定する。 ただ、こうしたさまざまなアイデアが挙がる一方で、多くの観光圏の取り組みはま だ手探り段階といった様子。ある観光圏の関係者は「2泊3日のために何をするかと いっても、なかなかない。ここに来なければ楽しめないようなことをつくらないと」 と話す。 複数地域の広域連携により足りない部分を補完し合う効果も期待できるが、県境を 越えた地域や、これまで競争相手だった観光地同士が協力するには「圏域内で勝ち負 けが生まれないよう役割分担を明確にする」(前出の関係者)ことが重要という。別 の圏域の担当者が「観光圏の計画を申請するのに精いっぱいで、現時点で連携できて いるかというと、まだまだ」と言うように、圏域内の各地域が危機感を共有し、連携 を深められるかどうかが今後の課題となりそうだ。 |




