今治プチグルメツアーO パン『フランス屋』 [2009年12月24日(Thu)]
「白雅」「つつ井」から、1ブロック北の角にある、パン『フランス屋』。
ショーケースに並ぶのは、ドーナツ、フランスパン、食パンの3品のみ。 ![]() あちゃYOSHITAKEさんの同級生のお母さんが、一人で看板を守っているそうだ。 「ここでお店を開いて、44年になるかいねぇ…」 上品なご婦人で、女将さんと呼ぶよりも、お母様のほうがふさわしいかも。 「昔、西条で親戚がパン屋をしよったんよ。うちの主人がそこで修行してきて、 今治でパン屋を始めたんやけど、最初は常盤町でお店を開いたんよ。」 それは、48年ほど前のことらしい。遠い記憶を思い返しながら、お母様の言葉が続く。 「初めは西条の親戚と同じ“黒猫パン”いう店の名前でしたけど、 共栄町に移ってくるときに“フランス屋”に替えたんよ。 あの頃は、この通りが今治で一番にぎやかじゃったけんねぇ」 今では閑散としているが、かつてこのわずか500mほどの長さの通りに、 5〜6軒もの映画館が林立し、人通りで潤っていたのだという。想像も及ばない。 「主人が亡くなってからは、私がひとりで焼きよるんです。無理せんようにしながら…」 それで3商品だったのか。焼き上がりは朝10〜11時頃。 ![]() 「ドーナツは店を始めた時からあるねぇ。懐かしい言うて買いに来る人もおるし、 子どもに食べさせたいと買いに来る親御さんもおるね。」 ファーストフード店のワタのように柔らかいドーナツとは違い、 しっかりと小麦の味が楽しめる昔気質のドーナツだ。 砂糖の甘さもまたちょうどいい。 ![]() 「うちの職場にも、ここのドーナツの好きな人がおってね、 よく買ってきて差し入れしてくれるよ」 と、あちゃYOSHITAKEさん。 今回いろいろな店を回って気付いたのは、昔から続いている店には、 その店その味のファンがいる、ということ。 そして固定客を満足させる味と質を守り続けている。 その努力なくしては、商売は続いていかないのかもしれない。 ドーナツ 65円 フランスパン 110円 食パン一斤 240円 ■ フランス屋 住 所 :今治市共栄町3−3−1 電 話 :0898-22-3294 Reported by Kazunari Utsunomiya |