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2015年01月20日

私立大学講師全裸事件から考える性暴力

東京都内の大学で、男性非常勤講師が学内で全裸になる事件が起こりました。
同棲していた女子学生と学内で口論となり、「私に信じてほしいならば、ここで裸になってくれ」と要求され、その指示に従った、とのことでした。
非常勤講師は辞意を表明し、大学側はこれを受理しました。

【詳細は大正大学最新ニュース「本学非常勤講師による不適切な行動について(報告)」をご覧ください】



男性講師の行為ばかりが取り上げられていますが、「性暴力」という視点で捉えると、いくつもの課題が見えてきます。

☆キャンパス・セクハラ(キャンパス・セクシュアル・ハラスメント)
・教育の場での、性的嫌がらせ行為が起こっています(学内で全裸になる・全裸にさせる)。
・教育の場でのハラスメントは、「学生同士」「教員(職員)と学生」「教員(職員)同士」それぞれで対策を講じる必要があります。
・今回の事件では、大学側は、講師、学生双方から事実を確認し、守るべき個人のプライバシーは秘匿保護した上で、迅速に情報を開示しました。「ハラスメント防止」と合わせて、「ハラスメント発生時の対応」も、定めておくことが求められます。

☆アカデミック・ハラスメント
・「教員」と「学生」という、上下関係に基づく関係性や行為の強要がなかったかを、確認する必要があります。
・教師は単位を与えたり、進学・就職をあっせんする立場にあります。その地位を悪用し「交際しなければ単位を与えない」「同棲すれば就職に有利になる」等の働きかけがなかったかを、確認する必要があります
・今回の事件では、講師と学生は恋愛(同棲)関係にありました。教員と学生が、ハラスメントの関係にならないよう、定めておくことが求められます。なお、海外では、教師と生徒の恋愛禁止を明文化している学校も、少なくありません。

☆デートDV
・男性講師と女子学生が、デートDV(交際相手からの暴力)の関係になかったかを、確認する必要があります。
・望まない性行為の強要や、性的はずかしめにあわせることは、デートDVにおける性的暴力です。
・今回の事件では、女子学生が男性講師に、全裸を要求しました。これは公共の場でのわいせつ行為の強要です。


学びの場が暴力の場にならないために、学校側が対応を明確化するとともに、教員(職員)一人ひとりが自覚を持つことが求められます。



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posted by 中野宏美 at 06:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 性暴力被害:情報
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