2018年07月31日
「障がい児者への性暴力調査」報告会を開催しました
発達障害当事者のピアサポート「Necco」で、「障がい児者への性暴力に関する調査」報告会を開催しました。
登壇したのは向かって右から、
▼調査に協力した明治大学4年菊池悦子さん
▼調査を監修した東洋大学助教岩田千亜紀さん
▼調査を実施したNPO法人しあわせなみだ理事長中野宏美
です。
まずはしあわせなみだ中野より、調査概要を報告しました。
☆回答者32名中23名が何らかの性暴力を経験、うち11名が複数の性暴力を経験
☆発達障害の特性に、発達障害ならではの育ちが加わり、性暴力に遭うリスクを高めている可能性がある
☆現在の刑法性犯罪処罰規定で障がい児者が被害者として認められることは困難であり、見直しが必要である
続いて岩田さんから、発達障害者が性被害にあうリスクを高める要因をお話いただきました。
☆自己肯定感の低さ
☆孤立感からくる、依存の高さ
☆孤立感からくる、相手に嫌われたくないとの思い(断れない)
☆信じやすさからくる、だまされ易さ
☆相手の気持ちに気づくことが難しい
そして菊池さんから、調査結果とジェンダーとの関係についてお話いただきました。
☆女性の方がより多く、深刻な性暴力を経験している。
☆女性たちは「愛想良く」「感じ良く」しなければいけない、と考えていることがわかる。
☆女性が「NO」と言いにくい社会が、女性がより多く、深刻な性暴力を経験する原因なのではないか?
☆社会が求める「女らしさ」が変われば、性暴力を減少させられるのではないか?
☆障がい女性は「女らしさ」と「障がい」という二つの問題を感じているのではないか?
その後のディスカッションでも、様々な立場から意見が出され、大変充実したものとなりました。
今後は「被害に遭う障がい児者ではなく、障がい特性に付け込む加害者に責任がある」ということを、刑法性犯罪や障害者虐待防止法を通じて伝えていく必要があります。
しあわせなみだでは、本調査に関する報告や取材を積極的にお受けしています。
お気軽に[お問い合わせ]ください。
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