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2月末までお休みします [2012年02月21日(火)]
【3/3:東京】女性応援!特別講演会&大交流会に、「しあわせなみだ」代表中野が登壇します

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このブログを書いているCANPANがサイトをリニューアルします。
移行期間となる2月21日〜29日はブログの更新ができなくなります。
このため、ブログ更新もお休みさせていただきます。
次回は3月2日(金)にお会いしましょう。

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法からこぼれ落ちる性暴力 [2012年02月17日(金)]
【3/3:東京】女性応援!特別講演会&大交流会に、「しあわせなみだ」代表中野が登壇します

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「しあわせなみだ」のブログでは、これまで様々な性暴力を取り上げてきました。
法律に沿って、改めて、整理してみたいと思います。

***

【強かん】 (刑法第177・178・179条)
・暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫すること
・13歳未満の女子を姦淫すること

【わいせつ】(刑法第174・175・176・178・179・181条)
・暴行又は脅迫を用いて13歳以上の男女にわいせつな行為をすること
・13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をすること
・公然とわいせつな行為をすること
・わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布、陳列すること

【淫行勧誘】 (刑法第182条)
・営利の目的で、淫行の常習のない女性を勧誘して姦淫させること

【配偶者等からの暴力】 (配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第1条)
・心身に有害な影響を及ぼす言動

【セクシュアル・ハラスメント】(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第11条)
・職場での性的な言動によって、労働者が不利益を受けたり、就業環境が害されること

【子どもへの性的虐待】 (児童虐待の防止等に関する法律第2条)
・子どもにわいせつな行為をすること、させること

【高齢者への性的虐待】(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律第2条)
・高齢者にわいせつな行為をすること、させること

【障がい者への性的虐待】(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律第2条)
・障害者にわいせつな行為をすること、させること

【売春】 (売春防止法第2条)
・対償を受ける、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること

【子ども買春】 (児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第2条)
・子どもに対償を与える、又は与える約束をして、性交・性交類似行為をする
・子どもに対象を与える、又は与える約束をして、自己の性的好奇心を満たす目的で性器、肛門、乳首を触る
・子どもに対象を与える、又は与える約束をして、自己の性的好奇心を満たす目的で自己の性器等を触らせる

【子どもポルノ】 (児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第2条)
・写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう

***

分かるような、分からないような感じですね。
これは、性暴力は、様々な法律の中の一分野として位置付けられており、性暴力を包括した法律が存在しないからです。
このため、性的人権が侵害されているにも関わらず、法律に定義されていない、もしくは適当でない位置付けとなっているものが、少なくありません。

たとえばセクシュアル・マイノリティに対する性的人権の侵害について、具体的に触れている法律はありません。
また、男性に対する強かんは存在しません(性器挿入のみを強かんとして位置付けているため)。

こうして、法からこぼれ落ちることによって、心身を傷づけられても、法律によって人権が保障されないことは、少なくありません。

また、法律に定義づけられていたとしても、適切に運用されていないこともあります。
例えば、性暴力に遭って、警察に届け出る女性はわずか13.3%です。
つまり86.7%は、刑法による「強かん」「わいせつ」の枠外、ということになります。

国として「性的人権の侵害を許さない」という姿勢を示し、性暴力を許さない風土を醸成するために。
そしてなにより、性暴力に遭った方が、自分への自信を持ち、幸せで健康な人生を歩むために。
包括法が必要ではないでしょうか。

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高齢者への性暴力を見えなくするもの [2012年02月14日(火)]

【3/3:東京】女性応援!特別講演会&大交流会に、「しあわせなみだ」代表中野が登壇します

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日本には性暴力を含めた「虐待防止法」と名のついた法律が3つあります。

「児童虐待の防止等に関する法律」
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」

今日はこの中でも「高齢者虐待防止法」にスポットを当ててみたいと思います。

どうして、高齢者を対象とした「虐待防止法」が制定されているのでしょうか。
それは、高齢者が、権利侵害を受けやすい立場にあるからです。
ここでは3つ、挙げてみます。

***

■1.高齢者が暴力に遭うことが想定されていない

「日本は高齢者を敬う文化だ、高齢者の暴力なんてあるはずがない」という一種の「信念」は、まだまだ残っています。
厚生労働省が行った調査では、平成22年度に虐待と判断された件数は、養護者によるものが16,668件、介護施設従事者等によるものが96件となっています。

【「平成22年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」はこちら】

まず、高齢者も暴力に遭うということを、前提にすることが必要です。


■2.高齢者自身の意志を尊重する中で、虐待が温存されるリスクがある

高齢者には
「住み慣れた自宅で最期まで過ごしたい、たとえ暴力に遭っていても、自宅から離れるのは不安」
「子どもには苦労をかけたから、これくらいの暴力は仕方がない」
「自宅の恥を見せたくない」
といった考えから、暴力を我慢し続ける傾向があります。
また高齢者本人に認知症の症状などがあると、暴力に遭っているという認識を持ちづらく、逆に暴力から遠ざけようとする行為を「余計なお世話」「自分をだまそうとしている」と捉えることもあります。
子どもの場合は、子どもの安全を最優先に考え、行政には、子どもの意志を無視してでも、暴力を振るう親から引き離す権限が与えられています。
しかしい高齢者は、それができません。


■3.高齢者の性に対する誤解と偏見

虐待の中でも、特に性暴力については、他の虐待(身体・精神・経済・放棄放任)と異なるバイアスがかかります。
それは「高齢者に性を求めるなんて、あるわけないでしょ」という前提です。
「高齢者虐待防止法」では、性暴力は、「高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること」と規定されています。
具体的にはこのようなものが挙げられます。

・性行為の強要
・不必要に性器に触れる
・身体を露出させたままにする
・性に関する暴言を吐く

また、特に「着替え」や「排泄」等、身体を他人に見せる必要がある介護が、異性によって行われることも、考えていかねばなりません。
具体例を挙げてみると、「性暴力」として捉えるべき場面は、たくさんあることに気づかされます。

また「高齢者だから、これくらいいいだろう」「介護されているんだから、これくらい仕方がない」はてまた「高齢者は性に飢えてるんだから、少しくらい刺激を与えた方がいいんだ、それを高齢者自身も望んでいるんだ」といった考えまであります。

そして性暴力を発見しても、性に関する相談は、まだまだ難しいです。
せっかく相談しても、「色ボケじじい」「良かったんじゃない、ばあさんも」とかわされてしまうこともあります。
こうした発想が、高齢者への性暴力を見えづらくしています。

***

2000年4月から施行された「介護保険法」は、介護を、行政による「措置」から、利用者と事業者の「契約」に変えました。
それは介護を権利として位置付ける、とても大きな役割を果たしましたが、行政が関わらなくなったことにより、「暴力がある」と訴えなければ対応できない仕組みを生み出しました。

また高齢者虐待防止法には、児童虐待防止法と異なり、後半に「高齢者の養護者に対する支援等に関する」という言葉がついています。
これは、養護者(高齢者の介護に携わる人)による高齢者への暴力の背景に、養護者を応援する仕組みの不足がある場合が少なくないからです。
このため、高齢者虐待防止法自体は、暴力を振るった養護者への罰則は、規定されていません。

家族介護を前提とする文化の中で、介護保険制度を利用できない養護者もいます。
「介護のために人を入れるなんて恥だ」
「嫁が舅、姑の介護をするのが当然」
「面倒を見ないなんて、親不孝だ」
といった考えの中で、たった1人で介護を担い、孤立し、心身とも疲れ果てた中で、その辛さを高齢者に向けることがあります。
また、経済的事情により、制度を利用したくてもできない場合もあります。

養護者による暴力を防ぐためには、「介護保険制度の利用」「当事者グループの活用」等、養護者自身を応援する機能が求められています。

しかし、どのような理由があっても、暴力そのものが許されるわけではありません。
本来、高齢者と養護者の人権は、対立するものではありません。

「高齢だから」その人の人権が軽くなることはありません。
子どもも、障がい者も、そして高齢者も、かけがえのない人権であることに代わりはありません。

私たちには、暴力をなくす責任があります。

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【2/18:東京】命の生まれる場所からの提言〜暴力と性産業と、人身取引へNO [2012年02月10日(金)]
「しあわせなみだ」がご縁をいただいているポラリスプロジェクトがセミナーを開催しますので、ご案内します。

***

◆命の生まれる場所からの提言〜暴力と性産業と、人身取引へNO◆


【セミナーの詳細はこちらです】

今回のセミナーでは、婦人保護施設「慈愛寮」の施設長 細金和子さんをゲストにお招きします。

慈愛寮は、妊婦8ヶ月から産後5ヶ月の妊婦さんが自立を目指すために短い期間を過ごすところです。
入所する女性たちの多くが暴力を体験し、中には人身取引の被害者として様々な理由で性産業に従事させられてきた人たちもいます。

複雑な家庭環境で育ち、温かい家庭や親から愛される感覚も奪われた女性たち。
また、恋人と思っていた人からDVを受け、性売買を強要されるなどの暴力を受けてきた女性たち。
しかしここでは性産業での搾取やDVの環境から離れ、寮内のやさしさに溢れた雰囲気に見守られ、女性は新しい命と共に歩み出しています。


講師 細金和子
慈愛寮施設長。保育園保育士、女性相談センター電話相談員、母子生活支援施設支援、慈愛寮支援を経て現職。
著書「現代の売買春と女性-人権としての婦人保護事業をもとめて-」  「子どもの貧困白書」など。


<日時>2012年2月18日(土)16:00-18:00

<場所>ザ・ボディショップ新宿店3階
新宿区新宿3丁目30-11 新宿高野第二ビル 
【地図はこちらです】

<参加者定員>約30人

<参加費>一般:1,000円、学生:500円
* 当日、学生証をご提示下さい。

<お申し込み>
【申込フォーム】にご記入頂き「送信」ボタンをクリックしてください。
*お申し込み頂いた時点でお申し込み完了となります。当方からの返信はございませんのでご了承ください。

<お断り>
団体スタッフが参加者の皆様のお顔が映らない形でセミナーの様子を撮影する場合がありますのでご了承ください。また、セミナーにて自己紹介をお願いする場合がありますが任意です。

<後援>
ザ・ボディショップ
人身取引禁止ネットワーク(JNATIP)

<主催>
特定非営利活動法人ポラリスプロジェクトジャパンTEL:050-3496-7615
E-mail:info@polarisproject.jp


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性暴力被害者ワンストップセンターが東京に開設 [2012年02月07日(火)]
性暴力に遭った方のあらゆる悩みに対応する「ワンストップセンター」。
ついに東京にも開設しました。

◆レイプクライシスセンター・つぼみ◆
電話:03・5577・4042
※平日午後2〜5時 原則1人30分まで

詳細はこちらをご覧ください
【2012年1月30日付「毎日新聞」】

ワンストップンセンターが必要な理由、いくつかあります。

★どのような応援があるか分からない
あなたが今性暴力に遭ったら、まずどこに相談しますか?パッと思いつくのは、警察と病院くらいではないでしょうか。でも、警察に相談したくないこともあります。病院にいくのがためらわれることもあります。そんな場合、「一人で悩みを抱えるしかない」と思う方が少なくありません。でも、実際は、あなたの相談に乗ってくれるところはたくさんあります。そう、性暴力の相談先は、その特性もあり、なかなか知られていません。ワンストップセンターでは、自分が解決したい悩み、求める支援に対応できる社会資源を紹介してくれます。

★応援が必要な分野が多岐に渡る
性暴力に遭った時、実はとてもたくさんの分野が連携して対応することが必要です。
・性感染症や妊娠を防ぎ、加害者の証拠を残すために、産婦人科の検診を受ける
・加害者を罰するために、警察に被害を届け出る
・心身を回復するために、精神科、心療内科、カウンセリングに通う
・犯罪被害者支援制度を活用するために、犯罪被害者支援センターに申し出る
・裁判で訴えるために、弁護士に相談する
少し書き出しただけでも、とても多岐に渡っていることが分かります。性暴力に遭い、心身に深い傷を負った中、これらの社会資源を一人で探して回ることは、とても困難です。ワンストップセンターでは、これらをつなぎ、提供するお手伝いをします。

★さらなる暴力を防ぐ
性暴力は、性暴力そのものも大変な出来事ですが、その後さらなる暴力に遭うことがあります。これらは、社会資源とつながっていることで、軽減できるものもあります。
・性暴力に遭った後産婦人科に通うことで、性感染症や妊娠を防ぐことができる
・犯罪被害者支援センターに相談することで、経済的負担を軽くすることができる
・性暴力に対する理解を深めることで、性暴力の責任は加害者にあることを理解し、自分への信頼を回復できる
残念ながら性暴力には、「あの時、この情報を知っていたら・・・」ということが、少なくありません。そんな悲しい出来事を減らすために、ワンストップセンターが情報を提供します。

日本のワンストップセンター、他には大阪の病院が主体となり運営する「性暴力救援センター・大阪 SACHICO」、愛知県警が主体となり運営する「ハートフルステーション・あいち」があります。

国では、犯罪被害者支援の一環として、ワンストップセンターの開設に向け、性犯罪被害者対応拠点モデル事業の検証を進めています。
昨年末には「検証報告書」を発表しています。
今年度の『犯罪白書』では、内閣府は「ワンストップ支援センターの開設・運営の手引(仮称)」を作成見込みであることを報告(p.207)しています。

ワンストップセンター設置が国の施策として位置付けられ、性暴力に遭った方が適切な支援を受けられるために、「しあわせなみだ」でも、声をあげていきます。

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災害は差別と人権無視を生み出す [2012年02月03日(金)]
東日本大震災からもうじき1年です。
「しあわせなみだ」では、 「震災後の女性・子ども応援プロジェクト」をはじめ、被災地の性暴力を防ぐために、活動を展開してきました。

いまさらですが、なぜ、被災地には、独自の対応が必要なのでしょうか。

それは、災害が、差別と人権無視を生み出すからです。

国連の援助機関からなるIASC(Inter Agency Standing Committee)は、2006年6月に、 「自然災害に際する人の保護に関する対応ガイドライン」を発行しています。

このガイドラインでは、自然災害が、差別と人権無視を生じる可能性を有するだけでなく、以前から存在していた脆弱性と差別を悪化させることを指摘しています。
その上で、特に、災害により住居を離れることを強いられる人々を「国内避難民」と定義し、人権に基づくアプローチの必要性を訴えています。

「しあわせなみだ」が関わる性暴力については、特に「暴力からの保護(ジェンダーに基づく暴力行為を含む)として、取り上げられています。

以下、抜粋して掲載します。

***

【自然災害の被災者の安全は、緊急段階の間およびその後において確保されるべきである】

◆予防策
・暴力の元となりうる要素を特定した資料の作成
・暴力の危険にさらされる人を特定した資料の作成
・ジェンダーに基づく暴力などの危険がある地域・場所に職員を派遣
・被災者(女性・子ども・高齢者・障がい者を含む)が避難所設計過程に参加

◆被災者間の暴力からの保護
・家族の構成員ではない男性を女性および子どもから隔離
・避難所管理委員会では、家庭内暴力の被害の届け出に対処できるよう、女性・子どもに配慮

◆物資配給場所での保護
・女性・子ども・高齢者・障がい者に、他の受給者と異なる時間・場所での物資配給計画

◆事前準備
・若い女性・男性ならびに未成年女子・男子への意識啓発資料作成
・安全上の問題を引き起こす事項を図示した資料作成
・成年女性・未成年女子を避難所の計画策定過程に加え、安全を確保

【被災者(特に成年女性および未成年の女子)は、ジェンダーに基づく暴力行為から保護されるべきであり、そのような暴力被害を受けた人々は、適切な支援を受けるべきである】
・女性および子どもをジェンダーに基づく暴力行為から保護するために、コミュニティ中心の活動を組織
・ジェンダーに基づく暴力行為の危険および当該暴力行為に対する刑法上の罰則に関する教育啓発活動を行う
・女性および子どもに安全な場所を設置
・食料以外の物資に対する女性のニーズを特定し、安全な配給方法を計画策定
・性別に配慮しかつ秘匿が保たれるサービスの確保
・ジェンダーに基づく暴力行為の被害の調査、法執行機関の能力向上、即戦力スタッフ採用、被災コミュニティの中からの女性採用による、女性警備スタッフ組み入れ
・ジェンダーに基づく暴力行為の被害の届出および発生傾向監視
・ジェンダーに基づく暴力行為の危険および刑罰に関する教育啓発活動

***

災害は、国内避難民を生み出します。
国内避難民は、これまで住んでいたところから離れることを余儀なくされるという意味で、権利を侵害されます。
国は、人権を擁護する責務を有しています。
ですから、その差別を解決するために、被災地への独自の対応が必要なのです。

そして、平時にも起こっている性暴力は、災害という異常時には、悪化します。
だから、より一層の取り組みが必要なのです。

東日本大震災では、内閣府男女共同参画局が、男女共同参画の視点を踏まえた東日本大震災への対応について、情報を取りまとめています。

また1月30日には、東日本大震災復興対策本部から、 「震災ボランティア班・男女共同参画班のこれまでの取組と今後の取組」が出されています。
これによると、今後、男女共同参画の視点による震災対応状況調査を実施、「震災における男女共同参画の視点からの対応マニュアル」の作成が予定されています。

被災地で、性暴力という人権侵害があってはならない。
「しあわせなみだ」ではこれからも、情報発信を継続していきます。

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【2/3:東京】性暴力と社会福祉 [2012年01月31日(火)]
東京社会福祉士会が、性暴力に関する講座を開催しますので、ご案内します。

***

■性暴力と社会福祉

【講座詳細はこちらです】

◆日時
2月3日(金)18:45−21:00

◆場所
東京ボランティアセンター・市民活動センター 会議室 B
・東京都新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ10階
・JR総武線 飯田橋駅西口隣接
・東京メトロ東西線・南北線・有楽町線・大江戸線飯田橋駅B2b出口直結
【地図はこちらです】

◆内容
1)学習会「性暴力と社会福祉」
講師:森田明美さん
2)性暴力被害者対応社会福祉士育成講座報告会

◆講師プロフィール
森田明美(もりたあけみ)
東洋大学社会学部教授。13自治体の子ども計画や子育て支援計画策定と推進、評価に携わる。また、子どもの権利実現のための実践研究や国連 NGO・NPO活動にも関わっている。日本大震災後は、 「東日本大震災子ども支援ネットワーク」の事務局長も務める。主な著書に『幼稚園が変わる保育所が変わるー地域で育てる保育一元化』 (明石書店) 、 『よくわかる女性と福祉』 (ミネルヴァ書房)他多数。

◆参加費
300円
*事前申し込み不要、直接会場にお越しください

◆主催・問い合わせ
東京社会福祉士会
TEL:03-3200-2944
FAX:03-3200-2940
E-mail:cswtokyo@d1.dion.ne.jp

***

社会福祉において、性暴力は、とても身近な存在です。
配偶者等からの性暴力を規定した「DV防止法」
子どもへの性暴力を規定した「児童虐待防止法」
障がい者への性暴力を規定した「障害者虐待防止法」
高齢者への性暴力を規定した「高齢者虐待防止法」
売春を規定した「売春防止法」
これらはすべて社会福祉に関する法律です。

社会福祉の法律に特徴的なのは、「性暴力に遭った人の生活を支援する施設」があることです。
性暴力を規定する他の法(例えば「刑法」等)では、加害者への罰則規定はありますが、性暴力に遭った人への支援は規定されていません。
「犯罪被害者等基本法」では、被害者の「居住の安定」は定めていますが、「公営住宅への優先入居」という「場の提供」にとどまります。
「場」とともに、「人」による「生活の支援」が提供されるのは、福祉だけです。

だからこそ、社会福祉に携わる人には、性暴力に対応することが求められています。

この講座が、社会福祉と性暴力とのかかわりを考えるきっかけになれば、嬉しいです。


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性暴力が親告罪(しんこくざい)であること [2012年01月27日(金)]
性暴力に関する包括的な法は日本には存在していません。

いくつかある法の中で、性暴力を「犯罪」として、加害者に量刑を与えているのが「刑法」です。

性暴力は、このように規定されています。
ちょっと長いですが、以下記載します。

***

【第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪】

(公然わいせつ)
第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(わいせつ物頒布等)
第百七十五条  わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2  有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

(強制わいせつ)
第百七十六条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(強姦)
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

(準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2  女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

(集団強姦等)
第百七十八条の二  二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。

(未遂罪)
第百七十九条  第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。

(親告罪)
第百八十条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条  第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
3  第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

(淫行勧誘)
第百八十二条  営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

***

「刑法」における性暴力の規定には、様々な問題があるのですが、今日は、この中でも、第百八十条の「親告罪」(しんこくざい)について取り上げてみます。

「親告罪」とは、「告訴がなければ公訴を提起することができない罪」です。
「被害に遭った人が、警察に告訴しなければ、裁判の対象にならない」ということです。
強かんのほか、名誉棄損罪や器物破損罪等が、親告罪として規定されています。

「親告罪」ではない犯罪には、殺人、強盗等があります。
これらは、被害に遭った人が警察に告訴しなくても、裁判の対象となります。

なぜ「親告罪」があるのか。
■1.本人がそれを「被害」として認識しなければ「犯罪」にならない
ということと
■2.被害に遭った人の意思を尊重する
ということがあります。
例えば、ある行為を、「名前が売れる」と捉える人もいれば、「名誉を傷つけられた」と捉える人もいます。
このため、一概に「罪」として規定することを避けているのです。

性暴力への親告罪の適用を考えてみましょう。

■1.について。
性行為は、愛情のある者同士が同意のもとで行えば、新たな生命を授かり、愛を深める素晴らしいものです。
しかし、愛情のない人から、もしくは一方の同意がない状態で行えば、性暴力になります。
人によって「性行為」「性暴力」に対する認識が異なることは、「何が犯罪か」の規定を難しくしています。
性暴力に遭ったことを相談して「それくらい我慢しなさい」「誰にでもあること」「被害妄想」と言われてしまうのは、ここにあります。
特に、婚姻、恋愛関係にある人同士の性暴力が、「犯罪」として認識されづらい理由でもあります。

■2.について。
性は本来プライベートなものです。
裁判の対象となることで、それが公になります。
このため、本人の意志によって、控訴を提起するかが決められます。
これについても、様々な課題があります。

◆1.被害者保護に対する責任が、被害者本人に転嫁されている
本来被害者のプライバシーは、法の下で守られるべきものです。
個人情報の不用意な露出が起こることなく、安心して裁判を受けられるような環境が、整えられることが必要です。
しかし、それができていないために、「プライバシーが守られないのが嫌なら裁判を起こすな」ということになっています。

◆2.告訴が「受け付けられない」「取り下げられる」
「平成23年度犯罪白書」によると、2009年に告訴された強かん件数は1360件。
このうち起訴されたのは568件、不起訴となったのは689件、家庭裁判所への送致が103件となっています。
他の犯罪と比較して、不起訴の理由で「起訴猶予」以外、「その他」の件数が多いことが特徴です。

【検察庁終局処理人数はこちら】

不起訴の理由は様々なですが、
★1.裁判になっても証拠不十分で罪を問うことが難しいため、不起訴にする
★2.加害者側が圧力をかけて告訴を取り下げさせる
といったことがあります。

★1.については、「警察が告訴を受け付けてくれない」というと「日本の法の下でそんなことがあるのか」と言われてしまいそうですが、本当に残念なことに、「性暴力の告訴が受け付けられない」という事実が存在しています。
日本の起訴有罪率は99%。
「起訴したからには絶対に有罪にしなければならない」という中で、物的証拠が残りづらい性暴力は、避けられてしまうのです。

★2.については、最近も、弁護士が、性犯罪被害者に示談を持ち込み告訴取り下げを迫ったことが「違法」とされました。
【2012年1月21日「毎日新聞」の記事はこちらです】
執拗な嫌がらせやストーカー行為等が伴うこともあります。

◆3.控訴されないことにより、加害者の罪が、日本社会の中で罪として認められないことになる
「性暴力が犯罪になるかならないか」が、社会の法ではなく、被害者の態度によって定められてしまうのです。

本来天秤にかかるはずではない「被害者保護」と「加害者処罰」が、天秤にかけられる矛盾が生じる。

この事実に、私たちは深く向き合う必要があります。

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【3/3-4:東京】児童福祉施設における性暴力・性支配・性虐待 [2012年01月24日(火)]
児童福祉施設での性的問題を考えることを目的とした性教育研究会が第2回学術学会を開催しますので、紹介します。

***

【性教育研究会 第2回学術学会 児童福祉施設における性暴力・性支配・性虐待】
【学術学会の詳細はこちら】


■日時
平成24年3月3日(土)18:45〜21:00(開場18:30)/4日(日) 9:30〜17:00(開場9:00)

■場所
国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟417号室 他
【地図はこちらです】

■プログラム
【3月3日】
18:45  基調講演「児童福祉施設における性暴力・性支配・性虐待」
田中康雄氏(北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教授)

【3月4日】
9:00   シンポジウム「児童福祉施設における性暴力・性支配・性虐待とその支援」
○コーディネーター兼指定討論者
・小木曽宏(性教育研究会会長・児童養護施設房総双葉学園長)
○指定討論者
・桝屋二郎(神奈川医療少年院矯正医官・精神科医)
・坪井節子(カリヨン子どもセンター理事長・弁護士)
・須藤三千雄(前全国児童自立支援施設協議会会長・前埼玉学園長)

12:20  分科会
【A】事例検討 同性間・異性間の性的問題について
世話人:性教育研究会事例検討部会
【B】医療 性加害者・被害者への医療的ケア
講師:桝屋二郎(神奈川医療少年院矯正医官・精神科医)
【C】矯正施設・性加害者への支援
講師:金子陽子(少年院榛名女子学園園長)
【D】児童相談所 性的事故発生時の児童相談所と施設の連携
講師:渡邊 直(千葉県銚子児童相談所 診断指導課長)
世話人:山口修平(性教育研究会プログラム部会責任者・児童養護施設一宮学園ケア統括主任)
【E】マイノリティ 性的マイノリティを抱える児童のケア
講師:加藤慶(実践女子大学非常勤講師)
            
14:40  性教育実践講座
【A】児童養護施設における性教育実践「幼児・小学生対象」
世話人:性教育研究会性教育プログラム部会
【B】児童養護施設における性教育実践「中高生対象」
講師:足立泰代(性教育ファシリテーター)
【C】知的障害児に対する性教育実践
講師:北沢杏子(性を語る会・アーニ出版代表)
【D】性暴力プログラム
講師:小柳絋介(国立武蔵野学院心理士)
世話人:相澤林太郎(性教育研究会事例検討部会責任者・東京都立誠明学園心理士)
            
■参加費
※入金確認をもって申込完了となります
・2日参加   8,000円
・1日のみ参加 6,000円
・学生は一律  3,000円

【申込詳細ならびに問い合わせはこちら】

***

児童養護施設は、親と暮らすことが難しい子どもが生活しています。
日本では、3万人を超える子どもが、児童養護施設で暮らしています。
親と暮らせない理由は様々ですが、親から虐待に遭っている子どもがとても多いです。
その中には「しあわせなみだ」が取り組む性暴力に遭った子どももいます。

そうした子どもたちにどう寄り添うか。

「しあわせなみだ」でも、児童養護施設の職員、そして子どもたちを対象とした研修を開催させていただきましたが、その必要性を痛感しました。

子どもたちの現状、そして現場の取り組みに、是非触れてください。

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性暴力に遭ったことを、人に伝えること [2012年01月20日(金)]
なぜ性暴力に遭ったことを、人に伝えようとするのか。

そんな問いに答えてくれるかもしれないTV番組、そして新聞記事を紹介します。

まずはTV番組です。

毎週月曜深夜3:10−から放送されている「テレメンタリー」
※系列により放送日程が異なります。こちらでご確認ください

1月23日(月)は、「誰も聞いてくれない〜レイプ被害を告発した障がい者〜」
会社の上司からの性暴力を、会社に信じてもらえなかったため、裁判で争うことを選んだ、森崎里美さんのドキュメンタリーです。

【森崎さんのブログはこちらです】

レイプ被害を会社に告発したものの、会社は「事実なし」と認定。
「なぜ、ありのままを話しているのに信じてもらえないのか」。
その想いが、森崎さんが実名で性暴力を公表し、会社と上司を相手に裁判を続ける動機でもあります。


次に新聞記事です。

1月6日付「朝日新聞」マイタウン神奈川に掲載された「寄り添う この一杯」

性暴力に遭ったことを実名で告白した、平野昌子さんの記事です。
【平野さんのブログはこちらです】

平野さんは、性暴力に遭ったことを、警察に届け出ました。
しかし警察に、証拠として提出した衣類などを処分され、国家賠償裁判を起こしました。

記事の紹介にあたり、平野さんからコメントをいただきました!

***

同じく当事者で回復途上の方々。わたしは皆様の回復を心から信じております。

当事者周辺の方々、ご家族、ご友人の方々。
心の傷は、自らの努力を求心力として、皆様のお力を借りて回復します。
どうか、被害者を可哀そうだと思わずに、変に気を遣いすぎないで。

いかなる被害から回復するときも、自転車の練習をする子供のようなものですから。
回復の為に転ぶことも必要なのです。
大丈夫です。
いつか、荷台の手が無くても、補助輪が無くても、走れる日が来るから、その日が来ることだけ、どうか信じてください。
そして、回復の日を迎えた時に、共に喜んでください。

被害者周辺人物の時間は、被害者以上に【止まる】のです。
どうか、被害直後のあまりにかわいそうだったあなたの大事な人がその日から一歩一歩立ち上がろうとし、実際に立ちあがっている【今の】姿を、見てあげてください。

いつまでも【あの日】は続かないのです。
例え、5年、10年とかかっても、いつか、朝を迎えるのです。
心の奥底で朝陽を望む気持ちがあれば。

今は悲しくて辛くて、世の中が真っ暗闇で、死んでしまいたかったり、自分が生きていることに罪悪感を覚えたり、周りのみんなが妬ましく思えたり、自分の心身の全てを消し去りたい程に憎んだり、それは、そう思わざるを得ないほど、辛く苦しい経験をしたから当たり前なのです。

そして、それを【苦しい】と感じること。
それは、あなた自身の心身が【苦しみから解放されたい】と思うからこそ苦しく感じているのです。
だから、今苦しいあなたの心は、ちゃんと前を向いているのです。
朝陽を望んでいるのです。
いつか望むだけの日々から、朝陽を探して動くことができるようになる。
そして、朝陽にたどり着いた時に、きっと、素晴らしい仲間に囲まれている。

***

なぜ性暴力に遭ったことを、人に伝えようとするのか。

それは、「性暴力」という出来事が、当たり前のことを、当たり前にできなくするからです。

性暴力との向き合い方を問われているのは、性暴力に遭った人、ではなく、社会に所属する私たち、です。

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