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福祉車両を取り巻く環境

福祉車両取り巻く環境は日々変化しています。このブログでは、福祉車両に係る問題について紹介していきたいと思います。


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福祉車両の販売実績 [2006年11月13日(月)]
「社団法人 日本自動車工業会」による2006年度上半期の福祉車両販売実績です。



売上台数は全体で19,483台となり昨年比1.5%減。03年をピークに横ばい。ただ、車いす対応車は5nヤが4,757台と昨年比3.5%増、軽車両は3,060台で2.4%と増加を見せた。

一方、昇降シート付き車両は、軽自動車であっても伸び悩み頭打ちの状態となっている。

また、バスについては、2004年1月からノンステップバスの標準仕様認定制度による代替需要に伴い2,613台で昨年度比13.5%増になった。

*詳しくはこちらより→http://release.jama.or.jp/sys/news/detail.pl?item_id=1120
車の運転に聴力は必要か [2006年10月19日(木)]
久々の更新は、何も福祉車両に限らないことなのですが、「車の運転に聴力は必要なのでしょうか?」という話を紹介します。

去る10/15、日本財団ビルにおいて、このテーマでセミナーが開催されました。

日本の運転免許制度では、聴覚障害があると免許が取得できないのが現状ですが、はてさて。

セミナーのアジェンダについては、参加した山田さんのブログ記事に書かれていますので、ご覧下さい。



私の個人的な考えとしては、聴覚障害により免許が取得できないのは、運転に一定以上の視力を求められることに並んで、やむを得ないように思います。

では聴力を必要とするケースとは?。私がぱっと思い浮かんだのは次の2つです。

 一つめが、山間部の狭い曲線道路です。くねくねと細い道が続くので音にも頼り耳を澄ませて、対向車にそなえることが事故を未然に防ぎます。
 二つめが、車両からの異常音の察知。日々乗っている車両ですが、自然発生的に故障する場合があります。そのとき、各部からの音により、重大故障や2次的な事故に発展する前に手を打てます。


以上が、先々週、私の故障発生の多い旧型のローバーMINIで、静岡県の伊豆を東西に横切る県道を走った体験から感じたことです。ほんとにひやひやさせられるドライブでしたよ。

ドライバーとしての責務としての安全運転をまっとうするにあたり、時として聴覚依存は安全運転の構成要素のひとつのように思います。

でも、これはあくまでも1つのケースに過ぎず、視覚だけで事足りる場合も容易に想像できます

アンケート等により「耳が聞こえないけども今まで安全だったという意見が多いので、聴力は重要でない」ということはナンセンスで、定性的に分析して、状況ごとによる聴覚の重要性を判定し、積み上げていく必要があります。(聴力が必要な場合もあるし、そうでない場合もある。)

そうした、道路状況と聴覚の必要性の相関関係から、一定の基準導き出し、「限定免許」を交付するということが、落としどころではないかと思います。

日本財団 伊藤
訪問入浴事業の経費 [2006年09月12日(火)]
日本財団 伊藤です。今日は訪問入浴車にまつわる話をします。

訪問入浴車の配備は日本財団としては1999年度から開始しました。年々申請件数を減らしつつ、2005年度で累計配備1200台となりました。これは、現在稼動している訪問入浴車が推定6500台ですので、5〜6台に1台は日本財団助成の訪問入浴車となります

ただし、一方では事業廃止にいたる事業者も決して少なくないです。利用者減により事業休止する社福や、市町村合併などで事業廃止する社協などからの相談は、月1回は寄せられる現状です。

というのも、採算ベースは1日あたり3件以上をこなさねばならないという大変厳しい状況があります。

訪問入浴事業の介護保険(単価)は12,500円/1件

介護保険以降、利用者数の潤沢な地域は営利業者が参入したため、これと比較して競争力の無い社会福祉法人などは過疎地域で細々と続ける道をたどっている傾向にあります。
また、訪問入浴はそもそも重度寝たきり高齢者を対象としたターミナルケアであるため、受身的な経営でいると利用者死亡により稼働率は下がっていくわけです。

サービス提供に必要構成スタッフは、看護職員(看護士、准看護士)1名以上、介護職員2名以上であることも大きな壁です。
このような人員を抱えるため当然コストがかかってきます。実際の事業者さんの話では、

訪問入浴一件あたり以下のコストがかかる
●看護士:1,650円〜2,300円
●介護職:1,400円〜1,800円
●責任者(オペレーター):2,100円

人件費は売上の60%以内に抑えることが経営として求められるといいます。

また、一回に使う備品として、

バスタオル×4、フェイスタオル×4、ハンドタオル×2が150〜250円。シーツが50〜100円かかることもあなどれません。

これに車両の維持費なども加えると、なるほど、1日3件の訪問はマストになってくるわけです。

加えて、介護サービス情報の公表が制度化しWAM−NETに順次掲載されていく中で、どのようにして優良な「選ばれる事業者」になるのか、経営戦略の視点が今後ますます重要である―。
…と、訪問入浴車のメーカーである潟fベロの担当者の方も、私と顔を合わせるたびに、常々おっしゃってます。

潟fベロ現在、訪問入浴車業界の約7割のシェアを持っており、財団にも1999年度当初からエントリー。各地でアフターメンテナンスをはじめ訪問入浴事業の経営に関するセミナーなども行っているので、ユーザーや事業主にとってはノウハウの提供も受けれるのも大きな魅力である。
福祉車両無料貸出(毎日新聞掲載記事より) [2006年09月07日(木)]
日本財団 伊藤です。

9月2日(土)付けの毎日新聞を読んでいたら、こんな記事がありましたので紹介します。

福祉車両20台無料貸し出し トヨタレンタリース東京

 トヨタレンタリース東京(千代田区池田茂樹社長)は1日、地域の社会貢献活動などに参加する身障者やお年寄り向けにウェルキャブ(福祉車両)の無料貸し出しを始めた。
 車いす仕様車20台を用意し、全85店で利用10日前までに申し込む。身障者や65歳の人が参加する祭り、スポーツイベントなどでの使用を想定、イベント主催者、福祉団体、介助ボランティアらの申し込みを見込んでいる。
(抜粋)


福祉車両の無料の貸し出しは、自治体社会福祉協議会が非営利で行っているもあるが、そこはさすが、世界のトヨタの社会貢献ですねー。

使った人がいたら、ぜひ感想を聞いてみたいです。
恥ずべき行為 [2006年08月18日(金)]
日本財団吉田です。

2週間ほど前に報道された、特別養護老人ホームに入居している認知症で寝たきりの女性に対して、介護士の男性二人が性的暴言を吐いたというニュースをご存知の方も多いと思います。

このニュースを見たとき大変なショックをうけました。この女性はどんな気持ちで介護を受けていたのでしょうか。認知症だからなにも分からなくなっているとは限らないと何かの記事で読んだことがあります。そうだとしたら、きっと彼女はくやしくて心の中で泣いていたに違いありません。もし、家族が異変にきづかなかったら、と思うとぞっとします。

この問題を起こした男性たちのような人は介護の仕事につくべきではないのです。なんの抵抗もできない人を相手に実に卑劣な行為だということ、そしてどれだけ多くの人に迷惑をかけたかということもわからないのでしょう。

ニュース番組を見ていたら、この施設に日本財団が助成した車両が一瞬写りました。私たちはこのマークをにこにこマークと呼んでいるのですが、この時ばかりは悲しそうな顔に見えました。
運営協議会なぜ未設置? [2006年08月02日(水)]
移動サービス市民活動全国ネットワークの調査によれば、2006年5月の時点で運営協議会の未設置県は、山口県・香川県・徳島県であり、県域でまだ一つも運営協議会が開催されていない。

10月の法施行を前にして、なぜこの3県だけが出遅れているのだろうか。そして現在どのような状況になっているのだろうか。

県下のネットワーク組織である山口県ハンディキャブ連絡会で中心的な活動をしている(特)優喜会に実情を聞いてみた。この団体は、日本財団の福祉車両の助成先団体の一つであり、2005年度には運営協議会の設置に関するセミナーを開くなど、山口県下で積極的な活動をしている。セミナーがNHKに取り上げられたことを一つの契機として、移動困難者の問題等がクローズアップされ、介護や移送サービスを行うNPOの認知も高まったとはいうが・・。

優喜会によれば、運営協議会の設置に向けては、市長会や県などに対しての要望を行っているが、ネガティブな反応だけが返ってくるという。県や自治体の言い分としては、とにもかくにもニーズの把握が先であり、まだそれが終わっていないので立ち上げないとも言われたそうだ。

これを聞いて私は思った「ニーズの把握といっても、山口県ハンディキャブというネットワーク組織があり、現に10数団体のNPO等が一定の会員を抱えて活動を行った上での設置申請なので、これをもってしてニーズ有りと見なせると思うんですが。」
優喜会「県はその会員以外のニーズが見えないというんですよ。どれだけの人がまだ埋もれているのか。ただ、我々としては80条許可がとれれば、多くの移動困難者のニーズを掘り起こしていくこともできるんですが…」と取り付く島もない様子を語る。

優喜会をはじめとするNPOは設置を要望する傍ら、運営協議会が立ち上がらない場合を想定し、当初猶予機嫌の切れるはずだった2006年3月末に緑ナンバー取得の用意をしていた。無論、4月以降取締りの対象になるのを恐れたためである。しかしながら、自治体はこの状況を見て「ならばなおさら運営協議会は必要がないだろう。」と切り返す。これに対してNPO達は「緑ナンバーの用意はいつでも破棄する」としているが、設置の兆しはない。

なぜ自治体はこんな風にのらりくらりとしてしまっているのか。それは、一部の営利交通機関の頑なな反発からくるものだろうという。もしそれが本当だとし県が押し切られた形で、ガイドラインや法制度化の意義を見失い、移動困難者やそれを支援する非営利団体を切り捨てるのならば、問題である。県民は行政の姿勢に対しどのように思うのだろう。個人的には相当住みたくない県に感じる。

そのような切り口から福祉有償運送サービスについて取材している山口県のNHKの方とも電話で話ができた。「なぜ山口県は開催しない県の3つに入っているのか」の問いに対しては、次のような回答が用意されていたという。

「山口県に運営協議会は存在している。」「しかし条件が揃わないため開催されない。」「様々な条件(団体の抱える利用者が3つ以上の自治体にまたがっておりそのうちの一つに8割の人が分布しているetc)が満たされていないため開催できない。」

何のための運営協議会なのか。合意はいつどこで形成されるのか。もはや利用者が声を上げるしかない状況にあるのかもしれない。

日本財団 伊藤