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セボネ12月号キラリ世田谷人「工藤恵子さん」 [2017年12月19日(Tue)]

キラリ世田谷人は、世田谷を中心に活躍するキラリと光る素敵な方がたをご紹介します。

児童館から「きぬたま」へ
子どもの育ちをささえる
 工藤 恵子さん
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 工藤さんの40年以上にわたる児童館人生は、ひょんなところから始まりました。大学の社会福祉学科を卒業し、そのまま1年間研究室に助手として在籍。「勉強は向いていないなあ」と思って受けた東京都の職員採用試験に受かり、世田谷区への赴任が決定したのが3月の終わり。4月1日からの勤務先がたまたま、船橋児童館開設準備中の児童課でした。

「子どもと遊ぶなんて向いていない」と思っていたのに、常勤職員は新米の自分ひとり。助けてくれたのは地域の方たちで、一緒に「どんな児童館にしたいか」と必死で考えました。「あの頃は23区全体で、子どもに向き合うために、子どもの『命』とか『生きる』といった本質的なことも論議していたんです。今もそれが糧になっています」

 児童館によく来ていた子どもが学校で問題を起こした時にも「児童館で頑張っている子だから」という工藤さんの一言で、停学を免れたこともありました。時には就職のために推薦文を書いたり、子どもと一緒になって頑張り、子どもの力になりました。

 児童館を子ども主体の場にしようと、子どもたちと共につくってきた工藤さんですが、ある児童館の経験で大人がお膳立てし、子どもがお客様になってしまっていることに違和感をもちました。退職の時にたまたま家の近くに、地域の子育て支援の場「きぬたまの家」がつくられることになり、「子どもが主体になるためには幼児期の育ちから遊びをつくる場が必要。それをつくるのを最後のご奉公にしよう」と決め、理事として準備に関わりました。

 「きぬたまの家」は外遊びと親子をつなぐ屋根のある拠点、里帰りのように親子が遊びにきます。子どもの一時預かりもあり、お母さんたちはリフレッシュできます。月に一度は「夕ごはん会」や「宿題クラブ」も開催されます。歩いて3分の多摩川の河川敷のはらっぱには、プレーワーカーのいる「きぬたまあそび村」があり、自然の中での子どもの外遊びにつながります。

「児童館時代に関わった子どもたちがいまだにもめごとを持ち込んできますが、ここに工藤がいるからと訪ねて来てもらえる。子どもたちとは一生のつきあいかな!?」と嘆息する日々。「きぬたま」は工藤さんの今の居場所です。
(取材/編集委員 星野弥生)



Posted by setabora at 18:06
セボネ12月号まちの市民力「イクリスせたがや」 [2017年12月19日(Tue)]

「まちの市民力」
は、街の中で地域やそこで暮らす人たちと一緒に活動している団体を紹介します。

外国にルーツをもつ家族も
安心して子育てできるまちにしたい
イクリスせたがや

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「イクリスせたがや」は多文化共生のための子育て支援活動をしている団体です。代表の吉田千春さんは世田谷生まれ世田谷育ち。なぜこの活動を始めたのか、お話をうかがいました。

 吉田さんは、大学生の時に語学留学し、ホームステイ先で様々な国の人に出会い、楽しかった経験から日本語教師をしていました。出産を機に自身の子育てでママ友に救われた経験から、ふと「日本にいる外国籍の人たちは子育てをどうしているんだろう」と考え、大学院で研究を進める傍らで2014年にママ友たちと一緒にグループを立ち上げました。

 多文化共生というと、英語を教えたりするイメージがありますが、「イクリスせたがや」は英語以外の言語を大切にしています。そうした言語は日本ではマイナーであるために、母語で話すと変な目で見られたりするので母語を隠したりする人もいるのだそう。そうではなく、「どんな言語であっても日本に受け入れられていることを示したい。様々な言語と文化背景があるということを小さい頃から知ってもらいたい」というのが活動のねらいです。

 現在の主な活動は多言語による絵本の読み聞かせ(年間5回ほど)。毎回あるテーマに沿った絵本を決めて、その絵本を4つの言語で読みます。言葉はわからなくても絵を見れば話はだいたいわかるので、子どもたちも興味津々で聞いてくれます。そのほかにも、交流イベントやワークショップなども行っています。

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 外国籍の人たちの子育ての悩みは、他の当事者とつながる機会がないことや、家庭での言語教育をどうするかなどのほか、差別の問題もあるといいます。そうした人たち、特に未就学児のいる家庭にどうやってアプローチしていくかが一番の課題となっています。

 吉田さんは、自分たちの強みは「当事者であり、かつ研究者でもあること」と話します。「多様な人たちが混ざり合うのが普通、そういう人たちがいるから世田谷はいい『まち』と言われるようにしたい」
このような活動を通じて、世田谷が多様性を受け入れ、誰にでも住みやすい社会になればと感じました。
(取材/編集委員 市川徹)

イクリスせたがや
http://icris-setagaya.com/
Mail:icris.setagaya@gmail.com


Posted by setabora at 17:55