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セボネ11月号特集「食べ物の「もったいない」を「ありがとう」にかえるしくみ」 [2016年11月05日(Sat)]

食べ物の「もったいない」を
「ありがとう」にかえるしくみ


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 賞味期限が近いけどまだ食べられるもの、家庭で余っている食品など、「もったいない」ものがあふれています。「もったいない」を「ありがとう」に変える仕組みが「フードドライブ」であり、「フードバンク」です。
 世田谷区が取り組んでいる「フードドライブ」、そして「セカンドハーベスト・ジャパン」がコーディネートする、食品を循環させるプログラムについてお伝えします。


◆捨てられている食べ物

 「フードドライブ」という言葉を聞いたことはありますか?
「フードドライブ」とは、家庭で余っている食品などを持ち寄り、広く地域の施設などに寄付する活動です。世田谷区でも大きなイベントや講習会などで年間十数回のフードドライブが実施されています。この取り組みについて、世田谷区清掃・リサイクル部にお話をうかがいました。

 世田谷区で「フードドライブ」を始めた背景には、区内で捨てられている可燃ごみのうち、未使用の食品を含む生ごみが3割を超えているという事実があります(「家庭ごみ組成分析調査」より)。そこで、区では、食品を無駄に廃棄せず、買い過ぎたり、つくりすぎないよう「適量購入・適量調理」を啓発してきました。それでもなお家庭で食べ切れず余ってしまう未使用食品の受け皿として、2014年から「フードドライブ」に取り組むようになりました。

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 世田谷区のフードドライブでは、一定の条件を満たす未使用・未開封の食品を対象として受け取っています。最近実施されたフードドライブの参加者からの聞き取りでは、余剰食品の発生要因としては「贈答品」が最も多く、次に「買い置き ・買い過ぎ」の順で多かったそうです。提供する人に世代的な偏りはないものの、比較的年配の方やファミリー層が多いとのこと。食品の種類としては缶詰・お菓子類が多く(中には米袋を持ってくる人もいたとか!)、最近では災害時の非常食の買い換えに伴って発生したものが提供されることもありました。

fooddrive-list.jpg


◆関心の高まり

 世田谷区におけるフードドライブの取組みは、開始から2年余りの間で、毎回提供してくれるリピーターや気にかけてくれる人が増えるなど、徐々に広まってきているようです。2014年度〜2015年度に世田谷区で実施されたフードドライブでは、重量500kg、点数2,000点、受付件数260件を超える食品の提供がありました。
 
mottainai-01hp.jpg

 これらの食品は、イベント終了後に、連携先である「セカンドハーベスト・ジャパン」により、食品を必要としている社会福祉関係のさまざまな施設に配送されています。
 現在は主にイベントに併せて実施しているため、都合が合わなかったり、会場が遠いなどの理由で参加機会を逃した方からは、常時受付できる窓口の設置など、受け皿の拡充を望む声が区にも寄せられていて、今後の課題となっています。

 区としては、フードドライブはまだ食べられる食品を無駄にしないための最後の手段であるということ、それ以前に、そもそも余剰食品を発生させないことが大切であるということを今後もPRしていくとのことです。また、子どもから大人まで、多くの区民が「もったいない」と共感できる「食の問題」を出発点に、ものを大切にする意識の醸成を図っていきたいということでした。


◆「すべての人に食べ物を!」
 
 「セカンドハーベスト・ジャパン」(以下、2HJ)は、山谷などで炊き出しのための食材を集める活動から、長年日本に住んでいるアメリカ人のマクジルトン・チャールズさんを中心として、2002年にスタートしたNPOです。「セカンドハーベスト=第2の収穫」とは、集めた食料をもう一度分配する「2回目の活用」を意味し、フードバンク活動のネーミングとして定着しています。

 浅草橋にある事務所内には、企業からの寄贈品、また防災の備蓄品入れ替えのためのアルファ化米、缶詰、粉ミルクなどの入ったダンボールが山と積まれています。市販ルートとは異なる「志」のある無償のドネーション(寄付)は、児童養護施設などの福祉施設や生活困窮者の支援団体などに提供されています。

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 また、個人世帯を対象に食料支援を行う「ハーベスト・パントリー」も大切な活動です。自治体の福祉事務所、社会福祉協議会の相談窓口、ひとり親支援、難民支援に携わるNPOなどと連携し、様々な事情で食料を必要としている人たちに、バラエティに富んだ食品をダンボールに詰め合わせて提供します。

 世田谷区のフードドライブで集まった品の行き先は、主としてこの「パッケージ」です。箱詰めの作業にはボランティアの手を借ります。提携している企業からのボランティアも。また施設などに食料を配送する2〜4トントラックのドライバーもボランティアです。配達先で直接に感謝をされる仕事なので、「やりがい」にもつながります。

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取材が終わったら、外はもう真っ暗でした。

 2HJのもうひとつのプログラムが「ハーベスト・キッチン」。寄贈された食品、市場から届く規格外の生鮮食品、農家からの寄付などを材料に上野公園で炊き出しを行い、生活が困窮している方々へ温かい食事を提供するプロジェクトです。この10月の新キッチンオープンに伴い、今後は学習支援施設にお弁当を届けるなどの新たな活動を展開していきます。

 2HJのプログラムすべてに通じる考え方は「フードセーフティネット」。人が生きていくために欠かせない「食」に、誰もがアクセスできるようにする、ということです。行政やNPOと連携しながら「食」をつないでいくこの仕組みは、多くの人の手が編み出すヒューマンチェーンのようです。


◆みんなでつくって食べるごはん

 寄贈された大口の食品の提供先のひとつに、川崎のフリースペース「たまりば」があります。さまざまな背景を持つ子ども・若者たちが「自分」を大切に「生きる」場を、「多摩リバー(多摩川)」の近くにつくってから今年は25年目。

 「たまりば」では、みんなで一緒に昼食をつくり「同じ釜のメシ」を食べるということをなによりも大切にしています。2週間に1回、2HJから届けられる食材は毎日のご飯づくりになくてはならないもの。旧版のパッケージ、ちょっとつぶれた缶詰、時期外れの季節物、賞味期限が近い飲み物、お菓子、パン・・・。お昼にはお米、パスタ、パンケーキのもと、バナナなどが大活躍。

 2HJとのつながりは3〜4年前から。登録団体になるためには、活動内容についての審査があります。登録団体から他の団体や施設を紹介することもあり、「たまりば」では、野宿者支援の水曜パトロール、フィリピン女性の支援グループなどを紹介し、2トントラックの川崎便には、これらの施設に配達されるダンボールがまとめて積まれます。10月16日の世界食料デーには、ケロッグ社が提供する子ども支援のシリアルが「たまりば」にも届きました。


◆地域で「食」の循環を

 世田谷区が実施する「フードドライブ」、セカンドハーベスト・ジャパンによる「フードバンク」「ハーベストパントリー」などの活動、利用者である「たまりば」。「もったいない」が「ありがとう」になる「食」の循環を見てきました。

 行政が積極的に取り組むフードドライブは、食品ロスを身近な問題として考えるきっかけになり、また、地域住民が直接参加できるボランティア活動でもあります。今後は世田谷区で集めたものを区内で循環させるのが理想的ですが、食品の保管場所や配布先の確保、配送方法、フードバンク活動をしている団体が区内にない、などの課題があります。子ども食堂などの活動も盛んになってきているので、個人から個人へという「ハーベストパントリー」の仕組みを世田谷でもつくり出せたらいいですね。

 区内のフードドライブの実施情報は「区のお知らせ」やホームページなどで告知されています。今年はこれまで、せたがや環境フェスタ(5月)、せたがやふるさと区民まつり(8月)、世田谷清掃工場環境フェア(10月)などで実施してきました。
11月6日「世田谷くらしフェスタ」でも実施します。ご家庭の「もったいない」を提供してみませんか?
(取材/市川徹、星野弥生)

フードドライブに関する問合せ
世田谷区清掃・リサイクル部事業課
TEL:03-5432-2929 FAX:03-5432-3058

セカンドハーベスト・ジャパン
http://2hj.sakura.ne.jp/
TEL:03-5822-5371 台東区浅草橋4-5-1水田ビル1F

世田谷くらしフェスタ2016〜未来のためにくらしを見直そう〜
11月6日(日)10時半〜15時 会場:三軒茶屋分庁舎 
フードドライブ実施します!

Posted by setabora at 15:00
この記事のURL
http://blog.canpan.info/setabora-vc/archive/217