深センの住宅価格、中国資産バブル崩壊の象徴に回復の兆し
[2008年08月30日(Sat)]
昨年10月に1平方メートルあたり1万7350元の最高額を記録した深センの平均住宅価格は、11月に1万5069元へ下落。今年に入ってからは下げ幅を拡大し、5月には1万1014元まで下落した。
わずか半年間で36%も急落した深センの住宅価格は、同じく昨年の11月を境に暴落した上海株式相場とともに「中国資産バブル」崩壊の象徴とされた。
深センなどでは、ここ数年、住宅の転売を繰り返して値上がり益を狙う投機的な購入が住宅販売価格を吊り上げていた側面がある。深セン市社会科学院都市経営研究センターの高海燕・主任によれば、「今や年収20万元(筆者注:約300万円)以上の深セン市民の多くが不動産売買に参入しており、2軒3軒と家を持つ人が非常に多い」という(「地産」2008年7月号)。
かつて90年代の日本が不動産バブルの崩壊をきっかけに長い不況のトンネルに迷い込んだように、今年に入って成長の減速が顕著な中国も、住宅価格の行方次第では景気の底が抜けかねない。
今年前半の中国経済は、不調な外需の穴を投資と消費という内需が踏ん張る形で何とか10%成長を守った。しかし、中国の投資は住宅関連投資が牽引していることから、住宅販売の不振により住宅関連投資が伸び悩むこととなれば、中国経済全体の足を引っ張りかねない。また、住宅販売価格の下落により、消費意欲旺盛な富裕層が破産することになれば、消費への影響も危惧される。
今年3月末の銀行貸付残高27兆5000億元のうち、不動産開発業者向け貸付が1兆8000億元、個人住宅ローンが3兆1000億元であり、これらを足すと貸付残高の17.8%に上る。これ以外にも、通常の事業会社も不動産を担保に事業資金の融資を受けたり、さらに有し資金で不動産投資に手を染めたりするケースも数多く見られ、こうした不動産関連融資を全て足しあげると一説には貸付残高の7割を占めるとも言われる。これらが住宅販売価格の下落によって不良債権化すれば、銀行の貸出余力が減少し、企業の連鎖倒産や投資を冷え込ませるという負のシナリオすら危惧されよう。まさに日本が経験したバブル崩壊のシナリオである。
幸い、深センの住宅価格は、ここにきて回復の兆しともとれる動きが出ている。5月に1万1014元をつけた住宅価格は、6月に1万2681元に上昇し、7月には一気に1万6198元まで回復したのだ。
果たして、深センの住宅価格は底を打ち、このまま回復していくのだろうか。
残念ながら、現実はそれほど楽観的ではないようである。深圳市不動産研究センターの王峰主任は、「6月と7月の住宅価格は、高級な低密度住宅が市場に出たことから上昇したが、実際の住宅価格レベルは依然1万1000元から1万2000元の間で揺れている」と話す(「21世紀経済報道」2008年8月15日)。
また、例年8月には寄り付き相場となる深セン住宅市場であるが、今年は消費者の注目が北京オリンピックに釘付けとなったのか思うように伸びていない。
深センに続き、北京、上海、青島といった大都市では、投機的に引き上げられた住宅販売価格の下落が観察される可能性は高い。ただし、こうした投機ゲームに参加しているのは一部の富裕層であり、また、居住用には引き続き底堅い住宅需要があると見られる。中国経済全体への影響は実際には限定的であると期待したい。
わずか半年間で36%も急落した深センの住宅価格は、同じく昨年の11月を境に暴落した上海株式相場とともに「中国資産バブル」崩壊の象徴とされた。
深センなどでは、ここ数年、住宅の転売を繰り返して値上がり益を狙う投機的な購入が住宅販売価格を吊り上げていた側面がある。深セン市社会科学院都市経営研究センターの高海燕・主任によれば、「今や年収20万元(筆者注:約300万円)以上の深セン市民の多くが不動産売買に参入しており、2軒3軒と家を持つ人が非常に多い」という(「地産」2008年7月号)。
かつて90年代の日本が不動産バブルの崩壊をきっかけに長い不況のトンネルに迷い込んだように、今年に入って成長の減速が顕著な中国も、住宅価格の行方次第では景気の底が抜けかねない。
今年前半の中国経済は、不調な外需の穴を投資と消費という内需が踏ん張る形で何とか10%成長を守った。しかし、中国の投資は住宅関連投資が牽引していることから、住宅販売の不振により住宅関連投資が伸び悩むこととなれば、中国経済全体の足を引っ張りかねない。また、住宅販売価格の下落により、消費意欲旺盛な富裕層が破産することになれば、消費への影響も危惧される。
今年3月末の銀行貸付残高27兆5000億元のうち、不動産開発業者向け貸付が1兆8000億元、個人住宅ローンが3兆1000億元であり、これらを足すと貸付残高の17.8%に上る。これ以外にも、通常の事業会社も不動産を担保に事業資金の融資を受けたり、さらに有し資金で不動産投資に手を染めたりするケースも数多く見られ、こうした不動産関連融資を全て足しあげると一説には貸付残高の7割を占めるとも言われる。これらが住宅販売価格の下落によって不良債権化すれば、銀行の貸出余力が減少し、企業の連鎖倒産や投資を冷え込ませるという負のシナリオすら危惧されよう。まさに日本が経験したバブル崩壊のシナリオである。
幸い、深センの住宅価格は、ここにきて回復の兆しともとれる動きが出ている。5月に1万1014元をつけた住宅価格は、6月に1万2681元に上昇し、7月には一気に1万6198元まで回復したのだ。
果たして、深センの住宅価格は底を打ち、このまま回復していくのだろうか。
残念ながら、現実はそれほど楽観的ではないようである。深圳市不動産研究センターの王峰主任は、「6月と7月の住宅価格は、高級な低密度住宅が市場に出たことから上昇したが、実際の住宅価格レベルは依然1万1000元から1万2000元の間で揺れている」と話す(「21世紀経済報道」2008年8月15日)。
また、例年8月には寄り付き相場となる深セン住宅市場であるが、今年は消費者の注目が北京オリンピックに釘付けとなったのか思うように伸びていない。
深センに続き、北京、上海、青島といった大都市では、投機的に引き上げられた住宅販売価格の下落が観察される可能性は高い。ただし、こうした投機ゲームに参加しているのは一部の富裕層であり、また、居住用には引き続き底堅い住宅需要があると見られる。中国経済全体への影響は実際には限定的であると期待したい。



