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書蹟室 (床の間) [2008年06月19日(Thu)]
                 私の空想美術館  書蹟室(床の間)

     床   空海筆 「崔子玉座右銘」
     床飾り 米元章の石



 私の空想美術館は、書蹟室からスタートします。展示室とは別に、8畳の床の間を一室設えました。

 書の場合、掛け軸は、明るい光の中で鑑賞されるものではなく、床の間という、むしろ薄暗い照明の中で、座って鑑賞するのが本来でした。厳粛な空間である床の間は、どうしても必要でした。

 その床の間ですが、ためらうことなく、徳島県の池田町たばこ博物館内の、旧家の床を採用します。黒檀、紫檀などの唐木や、黒柿などの銘木を、さりげなく使った匠の技の結晶です。

 さて、床の間が決まったのですから、掛け物です。開館のテープを切る人物は、やはり空海です。空海筆「崔子玉座右銘」

 日本歴史上、空海は別格の存在です。書も同様、異論はありません。中国の書と対峙できる唯一の人です。

 ところで、空海の書を見ますと、王羲之を学んでいるのは明白です。

王羲之も自身の書を、あれだけ習得してくれれば、満足を越えて「後生恐るべし」と言っているにちがいありません。

 空海書は、「風信帖」など以外に多く保存されています。
表現の幅の広さは、群を抜いています。中でも、私の脳裏に強く残っているのが「崔子玉座右銘」です。この書の凄さこそ、実物を見ないことには、どうにもなりません。

この文に付属して、写真を載せてありますが、写真など真の用を果たせません。
実物は、ゾクゾクする霊気が漂い、紙面に異様に蠢いている龍のイメージです。
実物を見た衝撃を言葉で表そうにも、こんなところです。

 上手、下手などと言う範疇にない書です。

 これは、断簡という形式で残っているため、私の空想美術館には、軸に仕立て直します。    「無道人之短 無説己之長」(人の短を言うなかれ 己の長を説くなかれ)の部分です。現在のところまだ、伝空海書となっております。
  
 次は、床飾りに移ります。米元章の石です。

 凡そ、石くらい魅力のあるものはありません。庭石、文房の盆石、それに、金、銀に同様の価値を持ち、美しさを備えた玉石まで。

 宋代の4大家として、米元章は、石を愛した書家として有名です。病的なまでに石〔硯を含む〕を愛し、好きな石に出会うと、正装して拝むといった、数々の奇行が逸話として伝えられています。

 米元章の書を学んだ昭和の書家は、拝石、奇石、知石とその号に用いています。鉄斎にも、「米ふつ拝石図」なる作品もあります。このように石は、文人の机辺を飾り、また、癒しともなる文房の一つでした。

 ところで私は、数年前中国江南で、この米元章が好み拝んだとされる石と対面したのです。この時くらい、出会いの奇遇を喜んだことはありません。その石は、奇行の人米元章を彷彿とさせるに十分な形容で、表面は、妖怪の肌のようなグロテスクなもので、一見して忘れることはできません。まさに奇怪な石です。

 私も、石が好きで、気味悪い物を妙に好むところがあり、米元章には特別の近しさをかんじています。


 厳粛な床の間、空海の書、米元章の石。後にも先にもない空間です。空想美術館ならではの取り合わせです。


   休憩室

米元章もいいけど、床飾りは、古備前の壷に、一輪の芙蓉というのでどうかしら。

そうだね。季節もちょうどいいし、それもいいねえ。でも、相手が生花だと、空海の書でも負けるんだよ。

そんなものなの。
  
君は、空海の書と米元章の石では、取り合わせが強すぎると感じているんだろう。
それは、当たっているとおもうよ。実際は、石は3分の1くらいに小さくしているんだよ。
掛け物と床飾りは、いい勝負ではいけないんだ。あくまで掛け物が主だからね。

空想美術館て、自由に広がるイメージがあったけれど、限界を感じるわ。

そうなんだ。厳密に言えば、この美術館を作った人だけが、心ゆくまで楽しんで寛げる空間なんだよ。
でも、考えようでね。美術館を歩いてみると、色々と浮かんでくることも、多いと思うよ。
もともと、こう見なくてはいけないなんて言う縛りはないんだからね。

                         2008年6月20日   沙音識





   
                                            


   

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