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お花見の姿〜ソメイヨシノの弱み〜 No.156[2018年04月06日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.156
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  • 画一性より多様性

  • お花見も多様に楽しむ

  • 大量植栽が生みだす問題

  • 自然との共存を目指した並木

  • 在来種によるエコロジカル・ネットワークを


桜は日本の春の代名詞な存在ですが、将来のまちに本当に必要とされるのはサクラ並木ではなく、さまざまな在来な植物によって取り戻された自然の生態系です。


画一性より多様性

春の観光の柱、サクラ

今年もサクラの季節がやってきます。ソメイヨシノがあたりを美しく薄紅色に染める時期は、日本の四季のなかでも最も心躍る時期であるという人も多いことでしょう。
今やサクラの人気は世界的なものです。
サクラの美しさそのものに加えて、いわゆる「お花見」‐咲き誇るサクラの下でにぎやかに飲食する‐が、日本独特の風習として海外にも広く知られるようになっています。

訪日外国人の数は大幅に増加を続けていて、この10年間で約2倍になっています。サクラの季節である3月から4月は夏のバカンスシーズンと並ぶ人気のシーズンとなっていて、4月だけで250万人以上が日本を訪れています(日本政府観光局調べ、2017年月別訪日外客数)。
日本を訪れる人たちは1回の滞在で1人あたり平均13万円ほどを支出し、日本の経済に貢献しています。

さらに、お花見シーズンを含む4月から6月にかけて日本を訪れた観光客に観光庁が実施したアンケートの結果によると、お花見などの「四季を体感できる活動」を「今回した」人の割合は21.6%。一方で、そのような活動を「次回したい」と答えた人の割合は29.7%と、より大きな割合となっています。
大多数の訪日外国人たちが体験する「日本食を食べる」、「ショッピング」などは「今回した」人の割合に比べ「次回したい」と回答した人の割合が大幅に少なくなることとは対照的な結果です。
日本の春は、外国人たちにとって非常にエキゾチックかつ魅力的なもので、次こそは楽しみたい、あるいは何度でも楽しみたいものと思われているようです。

特に最近はSNSの発達もあり、一面に咲き誇るサクラの名所を訪れるだけでなく、サクラに彩られた田園風景や、歴史や伝承をもつサクラを探訪し、背景にある物語をサクラのある風景と共にインターネット上に掲載するなど、外国人たちによるサクラの楽しみ方が急速に多様化しているようです。
お花見の文化を発達させてきた日本人自身はもちろんのこと、外国から訪れる観光客にとっても、サクラは日本の春の代名詞的な存在であるようです。

サクラとのうまい付き合い方を考えたい

サクラとお花見を世界的な観光資源に押し上げたのは、ソメイヨシノの働きによるところが大きいことは間違いありません。
ソメイヨシノの美しさは一種類を大量に植えてこそのものですが、まちの魅力づくりを大量のソメイヨシノに頼っていていいものかという疑問があります。

全国の街路樹の本数集計を続けている国土政策総合研究所によると、全国に500種以上ある高木の街路樹のなかでサクラ種はイチョウに次いで2番目に多く、全体の約8%を占めています。
一方、日本植木協会などの調べでは、植木として出荷可能なサクラの約3分の2がソメイヨシノです。
この二つのことから、日本の街路樹の5%程度がソメイヨシノであるといえます。
多様な気候風土のもと、地域性に富んだ非常に豊かな植物相を育む日本ですが、まちの中を見ている限りではソメイヨシノの国であるという印象があります。

これほどに多く用いられているソメイヨシノですが、多くの人の目を引き付ける期間は1週間足らずしかありません。
その一方で、ほかの季節にも多様な魅力を発揮する樹木が日本にはたくさんあります。
将来世代にとって本当に必要なのは本来の自然を構成する在来種です。
ソメイヨシノという単一種が並ぶまちから、地域在来のさまざまな草木が見られるまちにする必要があります。

※平成29年4‐6月度訪日外国人消費動向調査
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