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「生態特区」で接続可能な地域づくり No.155[2018年01月18日(Thu)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.155
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自然再生を進めるうえで問題となる「法律にもどづく規制」を改革する方法の一つとして、国に対して直接提案を行うことができる「特区制度」は、有効なしくみです。


自然がつくりあげた私たちのくらし

自然によってつくられた文化と景観

日本は国土が南北に長いことから、地域ごとに気候も異なり、全国各地でそれぞれの自然環境に影響を受けた文化が息づいています。
お正月の飾り、おせちやお雑煮も自然の影響を受け地域ごとに発展をとげています。

鏡餅の下に置く飾りも地域によって、ユズリハやウラジロなどその地域に分布する植物を使っています。
ともすれば何もないと見られがちな日本の農産村地域ですが、その独特の自然や歴史、文化を活かして産業・観光振興を行い、活性化に成功している地域があります。

徳島県上勝町では、どこにでもある葉っぱを料理などのつまものとして販売するビジネスを展開し、町おこしに大きく貢献しています。
埼玉県の飯能市は、観光・エコツーリズム推進課を設置し、伝統的な里山の景観を活かしたエコツアーを数多く展開して町おこしにつなげています。

韓国、中東、南米、欧米諸国など海外からの視察も多数受け入れています。
岐阜県飛騨市の、里山を自転車で巡るツアーでは、ガイドがその歴史や文化を丁寧に説明し、海外の旅行者から人気を得ています。

雇用の創出や外国からの観光客の取り込みといった地方創生を進めるうえでも、日本の多様な文化を育んできた自然は重要な役割を果たしています。

自然の価値を見直す

また、近年の人口減少等によって税収が減少し、費用のかかる従来のコンクリートなどによる大規模な防災施設の維持が難しくなっていくなかで、生態系のさまざまな機能と回復力を活かした防災・減災(Eco-DRR)が注目されています。
町おこしや防災・減災に限らず、日本人のくらしは昔から、自然の恩恵(生態系サービス)を受けています。

世界を見ると、2010年10月に報告書が公表された「自然の恩恵を経済的に評価する国際的な取り組み(生態系と生物多様性の経済学(TEEB))」の試算によれば、生態系の破壊による世界の経済的損失は、進行する生態系の破壊を抑制する対策を取らなかった場合、年間で約162〜365兆円にのぼるとされています。
一方で、熱帯雨林やサンゴ礁、マングローブ林などさまざまなタイプの自然が各国で保護地域に指定され守られていますが、そこから得られる生態系サービスは年間約405兆円にものぼるとされています。

そして、この額の約百分の一、年間約3.6兆円をかければ、これらの保護区を守ることができるという報告がされています。
古代から「豊葦原の瑞穂国」と言われる日本で、湿地は国を特徴づける自然の一つです。

環境省の試算では、全国の湿地が有するレクリエーション等への利用価値だけで年間約106〜994億円にのぼるとされています。
水質の浄化や二酸化炭素の吸収・固定などほかのさまざまな機能まで含めると、年間約8,391〜9,711億円にもなります。

つまり、知らず知らずのうちに私たちは毎年約1兆円分の生態系サービスを湿地から受け取っているのです。
くらしや財産を守るという視点からも、自然の価値を見直す必要があります。

※当時のレート(1ドル=約81円)で計算
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