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空いた土地 使わない土地 No.154[2017年11月14日(Tue)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.154
−もとの自然を取り戻す −
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人口減少を迎える今こそ、くにづくり、地域づくりの基盤となる自然を、自治体が買い取り、自然再生することが大切です。


人口が減ることはいいことも、困ることも

人口減少も、さまざまな形があります。
また、人口減少から派生する問題や可能性はどこにあるのでしょうか。
国に求められている持続可能なくにづくり、地域づくりの良い機会を迎えます。

人口減少にあわせた社会を

現在、日本では、全国的に少子高齢化となり、また地方ではさらに過疎化という理由も加わり、人口減少が進んでいます。
急速な高齢化は社会保障に関する費用が増えるため、大きな財政負担となります。

社会保障として給付している費用は年間2.6兆円のペースで膨らんでいます。
一方で、少子化に伴う生産人口の減少によって、税収が減り、財政状況が今以上に悪化することが懸念されます。

また、過疎地域のために必要な道路づくりなどを継続しようとすると、その分、国や地方自治体の財政負担も大きなものとなります。
例えば、雪国における市町村道の年間維持管理費は、1kmあたり90万円程度かかります。

このように、地域の人々にとって最低限の生活環境を維持することだけでも、多くのお金がかかります。
ところが、人口が減少していくことで、さまざまな設備を維持し続けるための予算を確保することが、年々難しくなってきています。

現在の日本全体の財政は、不足する税収を補うために借金を重ねることで支えられています。
2016年時点の国の借金は対GDP比で232.4%となっており、2010年以降、危機的な財政に苦しむギリシャの200%よりも高い比率になっています。
このような財政赤字をいつまでも続けていくことはできません。

そのため、社会や経済のしくみや、まちづくりなどの土地の使いかたを、人口減少という現実をふまえ、すぐに考えなおす必要があります。

少子高齢化による人口減少

では、現在の日本における人口減少はどのような状況なのでしょうか。
日本全体でみると、平成17年(2005年)に死亡数が出生数を上回り、以後、同じ状態が続いています。

平成23年(2011年)には死亡数が出生数よりも20万人以上多くなり、その差はさらに開き続けています。

こうした人口減少の一方で、高齢者の割合が高まっています。
2014年現在における、65歳以上の高齢者人口は3,300万人で、日本全体の約4人に1人の割合です。

これが2060年には、2.5人に1人が65歳以上になるとも言われています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本の人口減少傾向は今後も続き、2053年にはI億人を割り、2065年には約8,808万人(現在の約7割)になると推測されています(出生中位(死亡中位)推計)。

過疎化による人口減少問題

日本全体の人口が減少していることに加えて、都市への人口集中こよる周辺地域の過疎化が進むことが問題となっています。
特に東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)への人口の移動が進んでおり、2016年の東京圏への転入超過は11万7,868人となっています。
2015年および2016年において、人口の転出よりも転入が多かった都道府県は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の1都1府5県にすぎません。

国上交通省『国土の長期展望』(平成23年2月)によると、2005年に比べて2050年時点で人口が増加するのは、東京や名古屋周辺など全国の1.9%の地点に限られているとされています。
さらに、2005年時点で人の居住のあった地点のうち、21.6%が居住する人のいない場所になると推定されています。

都市部に人口が集中するとともに、現実に、かつて人の住んでいた地域から人がいなくなっているところもあります。

総務省と国土交通省の調査によると、2010年から2015年の5年間で99市町村にあった190集落がなくなったとされています(うち27集落は東日本大震災被災に伴うもの)。
人が住まなくなることで今後10年以内になくなる可能性のある集落は570集落とも言われており、今後も増えていくと考えられます。
大型水鳥と地域振興 No.153[2017年11月13日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.153
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大型水鳥をシンボルにエコネットを構築し、環境と経済が共鳴する新しいまちづくりが全国各地で始められています。


自然との共生がつくり出す風景

自然と共生して暮らしてきた先人たちの知恵が、まちの文化となり、特色ある風景をつくってきました。
しかし、経済発展を求めるなかで、地域らしさを象徴する文化、美しい風景が失われていきました。
外国からの訪問者が増加するなか、自然とともにあった美しい風景を取り戻し、それをまちの活性化につなげていく動きが始まっています。

まち中の風景

日本は南北に長く、気候区分は北海道から南西諸島まで六つに分けられています。
その土地の気候、地形、自然環境が、生活様式に影響し、街並みをつくりあげ、個性となりました。

たとえば夏は暑く、台風が多い沖縄の伝統的な家屋は、強風に耐えることに重きを置いてつくられています。
サンゴでできた石垣、赤土を焼いたオレンジ色の瓦屋根は軒が長く、家は平家で低いなど-。

家の周りに植えられたふくぎが防風林の役割を果たし、また辻々にある緑は、暑さの中で心地よい風を生み出します。
あるいは豪雪地帯の北陸では、重く湿った雪が滑り落ちるよう釉(うわぐすり)が塗られた丈夫な能登瓦が黒々と光っています。

散居村として知られる砺波平野では、雪の吹き溜まりで家が埋もれないよう、垣入(かいにょ)と呼ばれる防雪・防風林が見られます。

ここに挙げたものはほんの一例にすぎませんが、このような地域ごとの特徴ある「風景」は、その地に住む人が自然と付き合いながら生きていくための知恵や工夫から生まれたものでした。
同時にこの特色こそが旅人を楽しませる魅力の一つとなっていました。

しかし近年さまざまな技術が開発され、また、便利さや経済発展を求めるなかで、こうした風景が失われつつあります。

農村の風景

まちの中だけでなく、郊外や農村の風景も変わりました。
かつての農地や農業水路、川は生物の多様性に富み、コウノトリやニッポニア・ニッポンの学名をもつトキといった大型水鳥が、人々とともにくらしていました。

着物や伝統的な工芸品には、しばしば大型水鳥が描かれており、その存在が人にとってとても身近だったことがわかります。

しかし、乱獲のほか営巣木となる大木が切られたり、採食場である水田地帯に毒性の強い農薬が使われるようになったり、田や水路の構造が変わったことで教を減らし、コウノトリやトキのいる風景は、30〜40年以上前に日本から失われました。

近年、地域のさまざまな人が協力し、国とも連携しつつ、自然との共生が生み出したかつての美しい風最を取り戻し、それを経済の活性化など、まちの社会経済面での課題解決につなげていこうという動きがあります。
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