CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2016年01月 | Main | 2016年03月 »
花火のような緑化フェア No.78[2016年02月29日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.78
−花と緑から新時代のまちづくりの祭典へ−
no78.jpg

  • 全国都市緑化フェアを見直す時がきた

  • 都市がかかえる問題

  • 「自然との共存」が支える私たちの生活

  • 本当の緑化とは何か

  • 地域の自然が育む文化・伝統・個性

  • 美しく持続するまちづくりの祭典を目指して




地域の自然が育む文化・伝統・個性

私たちの先人は、地域の自然と共存した生活を築いてきました。
それがその地域の文化や伝統となり、さらには個性となっていました。
京都の鴨川の納涼床や、鎮守の森などには、今でもその地域独自の豊かな風景が守り続けられています。

京都:鴨田川の納涼床

京都の市街地を流れる鴨川では、夏になると納涼床と呼ばれる木組みの床が川沿いに並べられます。
始まりは豊臣秀吉の時代で、裕福な商人などが中州や浅瀬に床机を置き、客をもてなしたといわれています。
納涼床が今も続けられている背景には、三方を山に囲まれて風が通らない京都盆地の夏の暑さがあります。
人々は川のせせらぎや水面を渡る風、月明かりの中で納涼を楽しんできました。
納涼床は夏の風物詩として自然により育まれ、人々が自然に親しむ文化が今も受け継がれています。

鎮守の森

私たちの先人は、森をとても大切にし、神さまが宿る「鎮守の森」として守ってきました。
鎮守の森の開発は禁止され、人の出入りさえも制限されていました。
また、そこで行われる祭りは、地域の文化や伝統を育む場となっています。
現在でも鎮守の森は、周辺の森が開発の波にさらされる中でなんとか守られており、各地でまちのシンボルとなっています。

ドイツ シュトゥッガルト市:風の道

「風の道」があることで有名なシュトゥッガルト市では、半世紀以上をかけて計画的に自然を保全、再生してきました。
これまでに4回開かれた州の庭園博覧会の跡地と、城跡や墓地の森などをつなぎ合わせた緑地は、野生の生きものがくらすビオトーブとなっています。
また、ビルの屋上緑化や壁面緑化などの取り組みも進んでいます。
こうした自然と共存する取り組みも進んでいます。
こうした自然と共存する取り組みを積極的に進め、郊外の森へとつなげ、丘陵地からの涼しい風が市街地を通り抜ける美しい「風の道」をつくろうとしているのです。
これは、ヒートアイランド現象の緩和などにも大いに役立っています。
日本の憲法 No.77[2016年02月28日(Sun)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.77
−20世紀から21世紀の憲法へ−
no77.jpg

  • 見直しが必要になった日本の憲法

  • 今の憲法の最大の問題点 持続可能な国づくりということが示されていない

  • 持続可能な会社とは、どういう会社か

  • 自然環境保全と開発の間のバランスが、とられてこなかった原因

  • 世界各国では、憲法に、どのようなことを盛り込んでいるのか

  • 自然環境を大切にした持続可能な会社に向けて 〜NGO・NPOが切り開く新しい時代〜




見直しが必要になった日本の憲法

憲法改正に向けた動きが、活発になっています。
憲法とは何か。今の憲法のどこに問題があるのか、どこを見直す必要があるのか。
今回は、憲法について考えます。

戦後一度も見直しが行われていない日本の憲法

憲法が公布されたのが昭和21年。それから60年近くが経ちましたが、憲法は、この間、
一度も改正されずに今日に至っています。

しかし、まさにこの60年ほども間に、私たちを取り巻く状況は、大きく変わりました。
戦後の復興を課題とした当時と今とで第一に異なっている点は、地球の限界が明らかになったことです。
野生動植物の絶滅、石油などのエネルギー資源や鉱物資源の枯渇、地球温暖化など、日本人だけでなく人類全体の存続が危ぶまれる事態に、私たちは直面するようになりました。

地球の資源は好きなだけ使ってもいいという考えを改め、持続可能な国づくりということを考えなくてはならない時代になりました。
憲法についても、この観点から、根本的に見直す必要があります。

外国では憲法を、必要に応じて、見直している

海外では、時代の要求にあわせ、必要なときに、憲法を改正しています。
アジアでは、例えば、韓国では9回、中国では3回、憲法を改正しています。

ドイツでは、1946年に憲法を制定してから、51回憲法を改正をしています。
51回のなかには、環境の観点からの改正もあります。
具体的には、1994年の憲法改正で、現在と将来世代のために「自然的生存基盤を保護する」ことを、国家目標として位置づけました(20a条)。
2001年の改正では、同じ20a条にさらに「動物保護」を追加しています。
ニッポニア・ニッポン No.76[2016年02月27日(Sat)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.76
−絶滅をしていった日本のトキは何を言いたかったのだろう−
no76.jpg

  • 140年の苦難 日本のトキ

  • 過去から学ぶ トキが生きるために必要なこと

  • 野生復帰は可能か? 課題山積! 日本の環境

  • トキの復活に成功した中国の取り組み

  • 100年先のビジョンと戦略をつくるトキ




140年の苦難 日本のトキ

Nipponia nippon

学名、「ニッポニア・ニッポン」。属名・種小名ともに「日本」の名を持つことから、トキは、日本を代表する撮りといえます。
江戸時代の文献をひも解くと、トキについての記載が多くあり、当時は日本全国に生息していたことがうかがえます。

東アジアに広く分布し数百万羽もいたといわれるトキは、20世紀に入ると、乱獲や生息地の環境の悪化で急速に減少し、次々と姿を消して行きました。
日本でも多く明治の中頃までは多く生息していましたが、その後数を減らし、大正末期には絶滅したと考えられていました。

人目を避けるようにきらしていたトキは、1930年代に能登半島や佐渡などで再発見され、特別天然記念物、国際保護鳥の指定を受けましたが、こうした対策も個体数の減少の歯止めにはなりませんでした。
1981年、残った5羽が人工増殖のためにすべて捕獲されましたが、努力は実らず、2003年10月に学名だけを残し、日本からは姿を消しました。

人の脅威と弱者の試練

トキはおもに水辺や湿地を生活の場所とし、田んぼなど身近な場所でも普通に見ることができる野鳥でした。
江戸時代、八代将軍徳川吉宗がトキを捕らえた記録や、1824年の『武江産物志』には、隅田川沿いの千住にもトキが生息していたと記された文献が残っています。
田んぼに飛来しドジョウや小魚、昆虫をえさにしていたトキは、植えた苗を踏み荒らすことから農家の人々からやっかい者扱いされていました。
新潟の「鳥追い歌」の中には、サギ、カモ、スズメ、そしてトキも害鳥として入っていました。

江戸時代から厳しく取りしまられてきた鳥獣の捕獲の制限は明治になって廃止され、一般の人にも銃による狩りが許されるようになりました。
途端に害鳥であったトキは狩りの対象となり多くの数が殺されました。
また、1881年当時の大蔵省の記録によると、トキの美しい羽は装飾用として商品価値が高まり、日本から海外への主要な輸出品となり、乱獲に拍車がかかりました。
1908年に保護鳥に指定された時には、日本列島のほとんどの地域から姿を消していました。

再発見の後は、全国的に保護の意識が高まりましたが、太平洋戦争の始まりとともにトキの存在は軽んじられていきました。

国土を増大するために開発が優先され、巣づくりやねぐらのために必要な森や餌場となる湿地は破壊され、戦後の混乱期を終えるまでトキの保護を口にする者はいませんでした。
日本の近代化がはじまってから絶滅するまでの間、トキは試練の日々を過ごしていたわけです。
ある日、まちに山ができていた No.75[2016年02月26日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.75
−公共事業が残土で自然や農地を壊している−
no75.jpg

  • この山って何?

  • 残土が大量に発生する原因

  • 大量に発生した残土はどこへ?

  • 残土が引き起こす問題

  • 残土を発生させない方法

  • 残土を減らすしくみへ 〜豊かな自然を取りもどそう〜




残土が大量に発生する原因

残土が大量に発生する原因はさまざまですが、国土交通省の資料によると、公共事業による発生量は、平成2年度で74%、平成7年度で86%、平成12年度で89%、そして平成14年度で89%と、平成2年度を除いて約9割近くが公共事業であり、公共事業が残土の発生源となっています。
また、公共事業の半分以上は都道府県や市町村がしめていることから、残土の発生には、大規模な公共事業だけでなく、中小規模の公共事業も影響しています。

高層ビル建設により発生する残土の量

残土の発生原因の約9割が公共事業によるものですが、道路建設などの他に残土を発生させる原因として、高層ビルの建設が考えられます。
では、高層ビルの建設によりどれくらいの残土が発生しているのでしょうか?
東京都の資料によると、東京都庁舎の建設では、主工事により発生した残土は約54万5.000㎥で、この残土は羽田沖や15号埋立地等に運ばれました。
残土量は、ダンプカーで延べ台数約8万1,000台で、仮にこれだけのダンプカーを並べると、上野駅から青函トンネルの中央部まで達する長さです。

平成14年の建築基準法の改正で、商業地域の容積率が最大で1300%に拡大されたために、自治体の判断でより巨大な建築物が建てられるようになりました。
今後は民間レベルでも、高層ビル建設による残土量がますます増えていくことが懸念されます。

※「新都庁舎建設誌」東京都(平成4年)

大量に発生した残土はどこへ?

発生した残土のうち、約3割は他の工事に使用されたり、海の埋め立てに使われたりしています。
そして、残りの約7割は、内陸受入地である谷地、湿地、山砂利等採取跡地、農地、処分場に運ばれます。
特に、内陸受入地の中でも、低地盛土や農地整備は、全体の半分以上を占めています。
谷地などの凹凸の土地に残土を運び込み、平らな土地にすることで農地や宅地として利用しようというものです。
このように、残土は、土地の造成に使われるために、日本全国さまざまな場所に運ばれています。
実際のところ、残土はどのように使われているのでしょうか?
ビオトープ地図がささえる市町村の美しい自立 No.74[2016年02月25日(Thu)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.74
no74.jpg



目標種ビオトープ地図をつくり、個性のある接続可能なまちづくりを

あなたのまちの「目標種ビオトープ地図」をつくりましょう!

持続可能なまちづくりや地域振興の土台となる地域の自然資源を計画的に保全するためには、まず自分たちのまちの現状をよく知ることが必要です。

近年、市町村のレッドデータブックが作られ始めました。
都道府県レベルのものより、地域の様子を詳しく示す重要なデータとして、すべての市町村での整備が求められます。
しかし、生きものを守り、生態系を回復させるためには、それだけでは不十分です、

これからは、地域にくらす生きもののかつての状況と現在の状況を把握することに加えて、地域の目標となる生きもの(希少種、上位種など)を決めて、それがくらし続けるために必要な「目標種ビオトープ」を明らかにする調査が急がれます。

さらに、優先的に守ったり回復すべき「目標種ビオトープ」を、まちの基盤をなす財産としてはっきりと示す「目標種ビオトープ地図」を作る必要があります。
この地図は、まちの将来像をつくるときの基礎情報として、重要な役割を果たします。

目標となる生きものも「目標種ビオトープ」も、地域ごとにちがう個性です。
市町村レベルできちんと調査して、「目標種ビオトープ地図」を各市町村が持つことが、持続可能なまちづくりの基本なのです。

目標種ビオトープを確実に守りましょう!

目標種ビオトープの保全・復元による持続可能なまちづくりは、地域の中心的な課題です。
そのために、各地域で重要な目標種ビオトープについては、それを法制度のもとで保全対象として位置づけることが必要です。

さらに、目標種ビオトープは守るだけではなく、復元、創出、またネットワーク化についても計画的に進めて、より効果的に自然を豊かにすることが望まれます。
「目標種ビオトープ地図」を土地利用計画などの基礎資料として位置づけることにより、保全計画と適切な開発計画がバランス良く行われることが必要です。

都市域では、かつての自然の状況を元に目標種ビオトープを取り戻す計画をすすめることが中心に求められます。

私たちの向かうべき道

私たちの国では、現在、”平成の大合併”とよばれる市町村合併が各地でさかんに進められていますが、人口と面積が増えるだけで、新しいまちの目標と戦略が見えてきません。
今求められているのは、個性的で持続的に発展するまちづくりです。
それは、自然・文化・歴史と共存する美しいまちづくりと地域振興の促進にほかなりません。
適正な人口と広さの中で、市民が自分のまちをふるさとと感じ、愛着を持ち、まちをどうするかを考えていくことが基本となります。

これまでの日本のまちづくりに対して、生きものから赤信号が灯されています。
将来へ進む青信号に変えるためには、各市町村が「目標種ビオトープ地図」をしっかりと持って、100年先のグランドデザインをつくり、自然と共存する美しいまちづくりへと転換することが大切です。
裁判官にも環境教育 No.73[2016年02月24日(Wed)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.73
−世代間の公平を判断するために−
no73.jpg

  • 裁判は将来世代をみているか

  • 裁判官が環境について学べない現状

  • 裁判も法律を変える原動力

  • 裁判のよりどころとなる憲法と法律の課題

  • 誰もが裁判に参加でき、自然を弁護できるしくみを

  • 最も大切な自然を次の世代に引き継ぐために 〜日本の裁判を変える3つの提言〜




裁判は将来世代をみているか

「自然は大切」と思っている人は非常に多いにもかかわらず、私たちの身のまわりから次々と自然が姿を消しています。
自然は私たち現代世代の財産でもありますが、特に将来の世代の人々にとって、なくてはならない最も大切な基本財産です。
そうしたことから、自然を守ることはすべての人の義務であり、特に裁判官の役割は重要です。
本来裁判官には、人間の生存基盤である自然を将来世代に手渡していけるように「世代間の公平さ」が求められています。

1950年代後半から始まった高度経済成長期には、国内各地で水質汚濁や大気汚染などの公害問題が相次ぎました。
特に、水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくなどに代表される一連の公害事件は、市民が裁判を通じて生活環境の大切さを訴え、良い環境を市民が等しく享有する権利を求める運動のはじまりとなりました。
1970年の国会では、四大公害訴訟※がきっかけとなって、公害関連の法律が多数できるなど、裁判がその後の法律の整備につながった例も少なくありません。
こうした裁判が、地域の問題を社会全体の問題として認識させ、国の姿勢を変えていったということを考えると、公害問題の解決に向けた裁判の役割はたいへん大きかったと言えます。

近年、深刻な環境問題となっている自然環境の保全については、公害問題の時のように、裁判を通じて社会全体を巻き込み、問題を解決していくというような動きには至っていません。
ダムや道路などの開発から自然を守る際にも、裁判はひとつの有力な方法になり得るはずです。
裁判を通じて、私たちの生存基盤であり、最も大切な自然を守っていくためには、どのような課題があるのかはっきりさせ、その課題を解決していかなければなりません。

※1967〜1969年にかけて重金属流出による水質汚濁や、化学物質による大気汚染を問題にして始まった「水俣病訴訟(熊本県)」、「新潟水俣病訴訟」、「四日市公害訴訟(三重県)」、「イタイイタイ病訴訟(富山県)」の4つの公害訴訟。
ゴミの山をつくるクルマ No.72[2016年02月23日(Tue)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.72
−ゆったり歩ける静かなまちへ−
no72.jpg

  • たくさんのゴミを出す自動車

  • 増え続ける自動車

  • 長く乗ると損をするしくみ

  • 自動車をゴミにしている制度

  • ゴミを出さないしくみへ

  • まちづくりをかえる




長く乗ると損をするしくみ

買いかえた方が安あがりと思ってしまうしくみがありました。

修理部品の保管年数

どんなに大事に自動車に乗っていても、故障をすることはあります。
部品がすり減ってきたりして壊れてくることもあります。
壊れた時には部品を交換して修理をしなければ、長く乗ることはできません。
それでは、自動車の部品というものは、どれくらい保管されているものなのでしょうか。

大手の自動車メーカー各社によると、「一定の期間、部品を保管していなければならないという決まりはない」、とのことでした。
ほとんどのメーカーでは、10年程度を目安に自主的に部品を保管しています。
ただ、売れている自動車と、売れてない自動車では、部品の保管期間に違いがあるそうです。
これでは、自分の自動車に愛着がわいて長い年月乗ろうと思っても、自動車の種類によっては部品がなくなって修理ができない、ということが起こってしまいます。

また、部品の代金が「高い!」と感じたことはありませんか。
自動車は、1台あたりの利益が少なくても大量に生産することで利益を得ることができます。
しかし、修理用の部品は、大量に保管しておくとメーカーにとっては在庫を増やしてしまうことになるので、値段も安くなりにくく、大量に生産されることもありません。

新しい自動車に買いかえるよりも、1台の自動車を修理しながら長く使えるようにしていくような、社会のしくみになっていないのです。

日本では…

日本では、自動車の種類・形式が多く、さらにはおおよそ5年に1回の割合で、形やエンジンも大きく変わるフルモデルチェンジを行ってきました。
そのため、今のしくみのままでは、修理をしていくために、いろいろな種類の自動車の補修用の部品を揃えておかなければなりません。
費用負担が大きくなってしまいます。

海外では…

欧米では、自動車の種類・形式が日本に比べてシンプルであり、小さな改良がくわえられるのみで、エンジン等の主要な部品は発売当時のものを使い続けている例も多いようです。
また、東南アジアでは、不況により自動車需要が落ち込んだこともあり、国内市場が狭く、生産量も限られているため、部品企業が複数の自動車メーカーの部品を製造してきました。
そのため、メーカーの間で部品の共通化が進み、日本に比べて修理する部品の品ぞろえが容易となることで、メンテナンスが行いやすくなっています。



乗り換えをすすめるしくみ

平成13年の地方税法の改正により、新車登録年より13年を超えたガソリン車(ディーゼル車は11年を超えたもの)については、自動車税が10%上乗せされるようになりました。
燃費も悪く、排気ガス基準を満たしていない古い車がいつまでも走っていると環境をさらに悪化させてしまうからです。
しかし、燃費が良く低公害型の自動車であれば、むやみに買い換えずに長く乗ってもらうことで、自動車から出るゴミを今よりは減らすことができます。
残念ながら、今のところ、買い換えをすすめる制度はあっても、長く乗ってもらうような制度はありません。
私たちの国会 〜新しい世紀、わかる政治へ No71[2016年02月22日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.71
no71.jpg

  • 自然とともに暮らしたい ――私たちの思いはなぜ実現しないのか

  • 国会議員は法律をつくっていない?

  • 汚職事件はなぜなくならないの?

  • 官僚の不正はなぜ起こるの?

  • 環境先進国はどうなってる?(アメリカ/ドイツ/イギリス)

  • 新しい世紀、わかる政治へ




国会議員は法律をつくっていない?

法律案をつくっているのは…

国会は立法府であり、立法府とは法律をつくるところであると、私たちは学校で教えられてきました。
しかし実際には、国会に提案される法律の3分の2は官僚がつくったもの(内閣提出の法律案)です。
残りの3分の1に当たる国会議員提案の法律案についても、実際にはかなり官僚が関わっているとも言われています。
つまり本来、法律をとり行う側にある官僚が、日本では、法律づくりにおいても、主導的な役割を果たしています。
またこれらの提案された法律案のうち、実際に法律として成立するものは、内閣提出の法律案が圧倒的に多く、その8割を占めています。

官僚中心で法律案をつくることの問題

法律案をつくるには、高度で専門的な知識が必要です。
そのため、日常的にその分野に携わっている官僚が法律案をつくる方が効率はいいと言えます。
しかし、行政の縦割りの組織の中では、自らの省や局の利益を優先し、予算を減らさない傾向にあり、また省庁同士の縄張り争いがあります。
そのため、省や局の利益には反するけれど国民にとっては必要な法律案や、複数の省庁の権益に関わるような法律案は、官僚任せではなかなか実現しません。
官僚組織は、高度成長期の経済発展のように、決まった政策を着実に実行し、それを継続していくことは得意ですが、時代の大きな変化に対応することは必ずしも得意ではありません。
国民が望むような大きな転換を実現させるには、法律案を直接議員の側でつくる、あるいは法律案は官僚がつくったとしてもこれを国民の視点から議員が厳しくチェックし、修正することができるようになることが必要です。

なぜ、国会議員は法律案をつくれないの?

法律案を自らつくる、また内閣提出の法律案を詳細にチェックし、代替案をつくるには、多くの情報が必要で、非常に労力がかかる作業です。
しかし議員の側には、この作業を担うべきスタッフが決定的に足りず、また情報も限られているのが現状です。
例えば、議員の依頼を受け、調査活動を行う国立国会図書館の調査及び立法考査局では約180人のスタッフで年間約3万件もの調査依頼を処理している状況です。
これに比べると省庁の側には何万人というスタッフと膨大な情報量があります。
このような官僚と議員との間の力のアンバランスが続く限りは、法律案づくりはどうしても官僚主導となってしまいます。
人々が輝くグランドデザイン No.70[2016年02月21日(Sun)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.70
−自立する市・町・村そしてまちへ−
no70.jpg

  • 車に頼った暮らしから、人と人、人と自然のふれあう暮らしへ

  • モノに貧しくとも心が満たされた暮らし

  • 自然・文化を取り込んだ西欧の計画的な都市

  • 持続的な国づくりを見失わない

  • 日本のまちはいま

  • 100年先を見て、地域のグランドデザインを描く




日本のまちはいま

これまで見てきた各国のまちでは、住民は将来への希望と自信、誇りを持って自分のまちについて語ってくれます。
戦後、日本は世界でも有数の経済発展を遂げ、私たちの暮らしは豊かになりました。
しかし、多くの人はあふれるモノの中で不満と不安を抱えています。
ここでは日本のまちや地域の問題点を見てみましょう。

経済的な利益を追い求めるまち

日本のまちづくりは、住民の住み心地やまちなみ景観などの公共の利益よりも、土地所有者の企業の経済的な利益を優先してきました。
その結果、狭い敷地をいっぱいに使ったビルが建ち並び、さまざまな用途の建物が混ざり、景観的にも統一性のないまちが広がっています。
近年、建物への規制はさらに緩くなり、高層ビルが立ち並んでいます。
いきすぎた建設により空き室問題なども生じています。

また、効率を追い求めて災害の危険のある場所にもまちを広げていきました。

身近に自然や農地のないまち

自然は地域固有の財産であり、住民の地域への愛着を育むものです。
また、子どもたちの心や体の健全な成長にとっても欠くことができません。

日本のまちづくりでは、自然を計画的に残していく視点がなかったために、まちなかの身近な自然は、ほとんどなくなってしまいました。

また、自然の残らない市街化区域を広く設け、市街化調整区域でもさまざまな開発ができるため、郊外の自然も虫くい状に失われています。

個性を失いつつあるまち

日本のそれぞれのまちは、地形や気候、歴史などによって育まれた個性を持ち、それが地域の魅力になっていました。
ところが、どこでも同じようなまちづくりを進めたことによって、こうした地域の個性は失われつつあります。

また、大都市に本社をおく大型店が全国に作られ、郊外はどこも同じような風景が広がっています。
どこの地域でも同じモノを買うことができるようになりましたが、地域内でお金とモノがめぐりにくくなってしまいました。

車中心のまち

日本のまちは、車の利用を前提として道路整備に力を入れてきました。
その結果、高齢者や子どもなど、車を使えない人が住みにくいまちができてします。
車は二酸化炭素や窒素酸化物などを出し、環境に大きな負荷を与えています。
また、車の利用を中心に計画されたまちは、人の暮らしやすいまちとは空間の大きさが異なり、徒歩や自転車で移動しにくいなどの問題点があります。
アメリカやヨーロッパの新しいまちづくりでは車の利用を抑えることが重要な課題になっています。
農地を自然に戻しておく発想 No.69[2016年02月20日(Sat)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.69
no69.jpg

  • 生きものの宝庫・休耕地

  • 国土を守る休耕地、自然再生地

  • 休耕地=荒廃地?

  • 休耕地=未来の食料庫

  • 始まっている休耕田ビオトープ、農地の再自然化

  • 日本の農業政策

  • 欧米諸国の環境直接支払い

  • 日本の原風景と豊かな日本文化を取り戻そう

  • 次世代に手渡せる土地利用計画を!




国家は百年の計
次世代に手渡せる土地利用計画を!
これまで、私たちは、自分たちの豊かな生活をいかに得るかを基準にして、自然資源を最大限利用しようかとしてきました。
しかし、それでは地球がいくつあっても足りません。
これからは、限りある土地と資源という枠の中で、いかに持続的に生活するかということが、否応なく問われることになります。

まず、考えなければならないのは、この日本という国土の上で、私たちが持続的に生きていくためには、いったいどのような生活スタイルで、どのくらいの人口規模が許されるのかという重い問いかけです。
逆に言えば、どれだけの量の自然地や休耕地を残さなければならないのかという問題でもあります。
さらに、農村地域において生物多様性を保全、回復させるためには、それらの自然地や休耕地が、どのように配置されなければならないかについても、考える必要があります。
現在のように休耕地がバラバラに配置されているような状態では、効果的とは言えません。
そのためには、国全体やそれぞれの地域において、国土のグランドデザインを描く必要があります。
そのような計画は、5〜20年程度の短期〜中期のものだけでなく、50〜100年レベルの長期〜超長期的視点が重要であると言えます。

いずれにせよ、休耕地は、それらのグランドデザインの中で、自然再生の候補地として、緊急時の食糧生産場所として、あるいは人々が安らぐ空間として、重要な位置づけが与えられるに違いありません。
そして、欧米で実績のある「環境直接支払い制度」は、このような休耕地の確保や自然再生を有効にサポートする手段として、最も期待できるものと言えます。
休耕地を守り、自然に返しておくこと、それは、将来世代のみならず、私たち自身の生存基盤を守ることには他ならないのです。
| 次へ
プロフィール

日本生態系協会さんの画像
<< 2016年02月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
にほんブログ村 環境ブログへ

http://blog.canpan.info/seitaikeikyokai/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/seitaikeikyokai/index2_0.xml