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2017.04.21
全国学校・園庭ビオトープコンクール2017
(公財)三菱UFJ環境財団より学校ビオトープづくり支援のご案内です。



日本生態系協会では、隔月で会報「エコシステム」を発行しています。
自然と伝統に囲まれた美しいまちと、子どもたちの笑顔が輝く暮らし。
日本をそんな持続可能な国にすることが、私たち(公財)日本生態系協会の目標です。
その目標のために、持続可能なまちづくりに関する提案活動、ビオトープの調査・研究、普及啓発などを行っています。

会報エコシステムでは、日本生態系協会が調査した結果や、日本国内・海外の生物保護・環境保護の活動などに関して、最新の事例を紹介しています。

このブログではエコシステムの一部を紹介させて頂きます。
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協会の会員制度について
地熱 地方を発展させる地熱エネルギーによる発電と給湯 No.141[2016年05月02日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.141
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  • ゴミの少ないエネルギーの選択

  • 地熱発電とは何か

  • 地熱発電の利点と課題

  • 日本における地熱利用

  • 地熱を活用したまちづくり

  • 地熱を活用するために




日本における地熱利用

日本は「火山大国」です。
地熱は特に有望なエネルギー源となり得ると考えられていますが、日本における電力需要に比べ、地熱の利用は現在、ほんのわずかにすぎません。
日本ではどれだけの地熱を利用することができるのでしょうか。

日本の地熱資源量

火山大国と呼ばれる日本においては、地熱は有望なエネルギー源になり得ます。
ただ、地熱発電は、発電に有利な場所が国立公園など自然を保護すべき区域と重なることがあります。
ゴミの少ない発電方法を選ぶことは重要ですが、そのために貴重な自然を失ってしまっては元も子もありません。

地熱発電の適地は国立公園のような重要地域にあり、またそれ以外の場所は適地ではないという印象を持たれやすいのですが、2013年の環境省が地熱による発電量の見込の調査したところ、国立・国定公園や都道府県立自然公園(普通地域を除く)、世界自然遺産地域などの自然にとって重要な場所として法的規制がかけられている場所を除いたとしても、1,000万kW以上の出力を得ることができるということがわかっています。
これは、福島第1原子力発電所(2〜5号機、出力78.4万kW)と比較すると、およそ13基分の出力に相当します。

また現在、運転している地熱発電所の中でも、森地熱発電所(出力2万5,000kW、北海道森町)、滝上地熱発電所(出力2万7,500kW、大分県九重町)、山川地熱発電所(出力3万kW、鹿児島県指宿市)などは国立公園の外にある地熱発電所です。

一方、実際に日本の地熱発電所で発電されている出力の合計は約51万5,000kWで、2010年度に発電された量は27億6,400万kWhとなっています。
非常に大きな数字が見えますが、これは日本の電力需要の約0.3%に過ぎません。

地熱発電を進めるための価格のしくみ

地熱発電は再生可能エネルギーとして位置づけられ、固定価格買取制度の対象とされています。
現在、地熱からの電力は規模の大きさにより1kWhあたり26円から40円で、15年間にわたって有利な買取が行われることになっています。

これにより、より地熱発電を行いやすい環境が整いました。
2015年5月には秋田県湯沢市で大規模地熱発電所(出力4万2,000kW)の建設が始まるなど、日本でも地熱発電の開発が進んでいます。

国立公園と地熱

地熱発電を行ううえで有利な場所の多くが、開発の規制のある国立・国定公園などの貴重な自然を有する場所にあると推定されています。
現在、国立・国定公園の第2種、第3種特別地域及び普通地域においても地熱の開発が可能であるとする方針※2が環境省から出されています。

ですが、地熱発電は調査開発の段階で多数の井戸を掘る必要があるなど、周辺の自然への影響を伴う工事が必要なため、環境への配慮が欠かせません。

また、地熱発電の適地が国立公園に集中しているということは、地熱発電所そのものだけでなく、道路や、電気を町へ運ぶだめの送電線などのインフラ建設などで、地域の自然環境や景観を壊し、悪影響を及ぼすおそれもあるため、その点にも配慮が必要です。

※平成25年度地熱発電に係る導入ポテンシャル精密調査・分析委託業務報告書
※2 国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて
美しい森は日本の礎 No.140[2016年05月01日(Sun)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.140
−接続可能な林業 −
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  • 森は下流の都市住民も含めた私たちの生活基盤

  • 接続可能なドイツ林業

  • 発想の転換に遅れた日本林業

  • 日本林業に必要なこと

  • 接続可能な森林に向けて


ドイツの林業が1900年代後半には、自然の持つ力を活かした森づくりを目指すようになり接続可能な林業へと発想の転換をはたしていきました。
一方、日本では古いドイツの林業の考え方から抜け出すことができなかったため、時代の変化に伴うニーズにも応えられず、近年の林業の衰退期を迎えてしまったのです。


発想の転換に遅れた日本林業

森から「材木の畑」へ

江戸時代、秋田県など日本の林業では人工林と天然林が交じり合う、接続可能な林業を営んでいました。
それから時代は明治と移り、もともと生えていた木を切り払って同じ種類の木を植え、収穫するという方法に変わり、林業をとりまく山の姿も変わっていきました。

状況がさらに変わったのは昭和25年ごろからの戦後復興期です。
当時大きく不足していた建築資材の需要が高まり、国産材の価値は急上昇しました。
そのため、昭和30年代には国有林や民有林の伐採を進め、木材の輸入量を増やす対策が行われました。
さらに急を要する木材需要に応えるために、自然の森を、成長が早く加工しやすいスギやヒノキの「材木の畑」に転換する「拡大造林」が進められ、平成8年まで続けられました。

また、昭和30年頃は同時に、燃料が薪や炭から石油へガスへと代わっていったため、薪や炭に適したクヌギやコナラなどの広葉樹の森から、ますますスギやヒノキ林への転換の機運が高まったのです。
それまで広葉樹が葉を落とすことで豊かな土壌を育んでいましたが、スギやヒノキだらけの針葉樹の山になると十分な腐葉土が生まれず、土壌がやせていってしまいました。
そのような場所では、スギやヒノキが十分な栄養が得られず、代替わりをする度に、貧弱になってしまいます。
さらに、同じ樹種ばかりの「材木の畑」では、そこにくらす動植物の層も貧弱になります。
豊かな土壌や生きものと共にある森でなければ、接続的に恵みを得ることはできません。
地方の創生にとまどう地方 No.139[2016年04月30日(Sat)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.139
−注視する世界−
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  • 「地方創生」とは

  • これまでの地域活性化策の問題点

  • 自分たちのまちの戦略、「地方版総合戦略」をつくる 〜地方創生のヒント〜

  • これからの地方創生のあり方 〜自然環境を基盤にしっかり捉える〜

  • 接続可能な地方の創生 そして接続可能な日本へ




「地方創生」とは

896の地方自治体が消滅するかもしれない。
各地で人口急減、高齢化が進むなか、どのようにしたら日本を接続可能な社会に変えることができるのか。
私たちの国は、正念場を迎えています。

「ひと・しごと・まち創生法」の成立

昨年(2014年)5月に、日本創生会議(座長・増田寛他元総務相)から、「若い女性の人口が2040年までに5割以下に減ってしまう市区町村が全国に896ある。
全体のじつに半分にあたるこの896の自治体は、このままいくと将来消滅してしまう可能性がある。
その一方で、大都市・東京への人口の集中がさらに極端なかたちで進んでいく」というレポートが発表されました。

日本の総人口が減少することは、高度成長期に失った人と自然とのバランスを回復するという観点から、基本的に望ましいことです。

しかし、東京への一極集中がさらに進み、多数の地方が消滅してしまうことは問題です。
例えば、首都直下地震が起こった場合、その一つの地震で、日本全体が麻痺することになりかねません。

また、今のようなかたちで少子・高齢化が続くと、65歳以上人口の割合(高齢化率)が、全国平均で10年後に30%、40年後には40%になる、という問題もあります。
14歳以下の年少人口割合は、全国平均で40年後に10%を切り、子どもがほとんどいない状況になると予測されています。

地方ではさらにその傾向が強まると考えられます。

この状況を回避するため、昨年(2014)11月に国会で「ひと・しごと・まち創生法」という法律がつくられ、12月に「地方創生」に向けた国の総合戦略が発表されました。

国がいう「地方創生」とは

「地方創生」とは具体的にどのようなことでしょうか。
国は、地方創生には3種類あり、それぞれについて次のように説明しています。

@しごとの創生

地方で産業の活性化などに取り組むことで、地方での働き口を増やす。
若い人たちを地方に引きつけるために、「相応の賃金、安定した雇用形態、やりがいのあるしごと」という点にも注意する。

女性に地方に住み続けてもらうために、地方で女性が活躍できる場をつくる取り組むも進める。

Aひとの創生

地方への新しい人の流れをつくるために、しごとの創生を行いつつ、若者の地方への移住・定着を促すしくみを設ける。

若い人たちが地方で安心して仕事にチャレンジでき、また、子どもが産み育てられるよう、結婚から妊娠・出産・子育てまで、切れ目のない支援を実現する。

Bまちの創生

地方での生活の素晴らしさが実感でき、また安心して暮らせるようにする。

人口増加期に郊外開発で市街地が広がった地方都市では、財政の関係から、今後は医療・福祉などのサービスを、まち全体に行き渡らせることはできない。
市街地をまちの中心部に縮小する取り組みを進める。

地上の流れ 地下の水 No.138[2016年04月29日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.138
−水の流れは自然がいい感謝とおそれを胸に−
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氾濫原は元の自然に戻す 〜川や低い土地では〜

洪水被害を受けやすい場所は元々の自然に戻す

アメリカでは、1993年にミシシッピ川とミズーリ川流域を中心に発生した大洪水がきっかけで、川を堤防と堤防の間の狭い空間に押し込めることはできない、という考えが国民の間で広がりました。そして、堤防やダムなどの構造物による従来の対策ではなく、氾濫原の土地利用を規制する方法が注目されるようになりました。

こうしたことから洪水後、「危険の緩和および移転の援助に関する法律」が制定され、政府の補助金を元に自治体が不動産を買い上げる「バイアウト(買い上げ)・プログラム」が実施されました。
これにより、ミズーリ州では100を超えるプログラムのもと、洪水によって損害を受けた数千戸の住宅・建物を買い上げ、洪水の危険がある氾濫原地域からの移転を行いました。

その結果、のちに発生した大洪水では、かつてのような被害が出ることはありませんでした。
また、買い上げられて公有地になった土地は自然に戻されたり、レクリエーションの場として利用されたりしています。

生物多様性を豊かにし、洪水被害を軽減させる遊水地

静岡県静岡市の麻機(あさはた)遊水地は、かつては沼地でしたが、土を入れて生産性の高い水田がつくられました。
しかし、1974年(昭和49年)に発生した集中豪雨で大きな被害を出したことから、県が水田を買い取り、水田を掘り下げて洪水時の水を溜める遊水地につくりかえました。
遊水地では、土中に眠っていたさまざまな植物が再生し、数多くの野鳥が飛来するなど、多様な生きもののすみかとなっています。
そして、本来の目的である洪水被害の軽減に役立つとともに、レクリエーションの場としても利用されています。
工業文明から生態系文明へ No.137[2016年04月28日(Thu)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.137
−右肩上がりの経済成長の限界−
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  • 国の経済を揺るがす地球温暖化

  • 疑う余地ない地球温暖化の進行

  • 日本の現状を課題

  • 主要国の取り組み

  • 自治体レベルの緩和策と適応策

  • 持続可能な未来に向けて




日本の現状と課題

地球温暖化の防止が世界的に急務となるなか、日本も具体的かつ野心的な数値目標を設定し実行する必要があります。
しかし、壮大な長期目標に掲げる傍ら、短中期目標は低い水準にとどまり、国内の実質的な削減は進んでいません。

求められる地道な削減

日本は、第一次安部内閣時代の2007年、世界全体の排出量を2050年までに半減するという「美しい星50」を提案しました。
また、第二次安部内閣の2013年11月には、「Actions for Cool Earth」を提案し、2050年世界半減、先進国80%削減という目標を掲げています。
しかし、その中身に目を移すと、目標の達成は主にCO2の回収・貯蔵・固定化などの技術革新や、途上国の排出削減への技術的・金銭的な支援にとどまっています。

安部首相は昨年11月の日米首脳会談で、緑の気候基金※1に最大約2,130億円を拠出する提案をしました。
もちろんこうした途上国への支援は評価に値します。しかし、同時に自国の排出量を80%以上削減して、世界に模範を示すことが必要です。

日本は京都議定書第一約束期間(2008年〜2012年度)に、基準年である1990年比6%減の目標を超え、8.4%の削減を達成しました。
しかし、これはこの期間の特例として認められた森林等吸収源3.9%と、京都メカニズム※2に基づいて取得したクレジット5.9%を差し引くことで達成したものです。

実際の排出量は減るどころかむしろ1990年比で1.4%増えています。また、2013年11月に発表した新目標は、2020年までに2005年比3.8%削減というもので、これを1990年比に置き換えると3.1%の増加となり、実質的には京都議定書の目標から後退する内容となっています。

日本の求められることは意欲的な短中期目標を掲げ、地道に削減することで、長期目標を確実に達成することです。

※1途上国による温室効果ガス排出の削減などを支援するための基金
※2他国において削減援助した分を、自国の削減分として用いることができる制度
使われない農地40万ヘクタール No.136[2016年04月27日(Wed)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.136
−自然に戻す国、無断にする国 −
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  • 全国で「使われなくなった農地」が増えている

  • 使われなくなった農地はどうしたらよいのか

  • 使われなくなった農地は自然に戻しておく

  • 耕作放棄地を自然に戻すためには

  • 海外において、農地を自然に戻した例

  • 美しい自然を取り戻すために




美しい自然を取り戻すために

将来世代の財産である土俵と遺伝子を守る

これからの日本の接続可能なくにづくりやまちのづくりに向けて、美しい自然とを取り戻し、多種多様な野生の生きものを将来世代に残していく必要があります。
植物が育つための基盤である土俵が失われてしまっては、私たちは生きていくことができません。
また、新たに医薬品を開発したり、農作物の品種改良を進めていくうえでも、多様な野生の生きものが持つ遺伝子を資源として保護していかなければなりません。

そのためにも、使われなくなった農地は自然に戻しておく、という考え方が必要です。
山間部や、平地であっても災害を受けやすい場所の耕地放棄地は、維持や管理にかかるお金が少なくてすむ自然へ戻しておくという考えが重要となります。

自然に戻していく際には、草地や湿地、自然の森などが持つ、多面的な機能の特徴をしっかりと把握し、地域の要望を満たした、住みやすいくにづくり・まちづくりに役立つ自然へと戻していく、という考えが求めれます。

提案1 行政などが耕作放棄地を取得し、官と民が協働して再自然化を進めていくしくみを設ける

自然公園の特別地域、高潮や洪水・土砂災害といった災害にあいやすい場所など、農業を営むよりも、自然に戻して多面的な機能を高めることが求めれる場所にある耕作放棄地は、国や地方公共団体が取得し、官と民が協働して自然再生を進めていく制度を設けます。

提案2 所有者のわからない耕作放棄地を、環境NGOが生物の多様性の保護を目的として管理できるしくみを設ける

耕作放棄地が所有者のわからない土地であった場合、行政はその土地が耕作放棄地であることなどを公表し、所有者でなくともその耕作放棄地の管理ができるような制度を設けます。
管理については、自然に悪い影響を与える外来種は駆除しますが、その以外は定期的な草刈りなど最低限の作業にとどめます。
管理の担ぎ手としては、環境NGOなど、自然環境の保護に専門的な知見を持つ団体にたくせるようにします。
一定の年数が経過した後も、なお耕作放棄地の所有者が名乗り出ない場合は、原則として公有地となるようにし、自然の持つ多面的な機能がより強く発揮されるよう、自然再生を進めます。

求められる政治家のリーダーシップ

ここに示した提案は、山から沿岸部まで、離島も含め、日本全土の土地利用に関わるものであり、複数の省庁が関係しています。
現在の省庁の中で制度化し、自然再生などの事業を進めていくことは困難です。
美しい自然を子どもたちにプレゼントするためにも、50年、100年先を見すえた、省庁の枠をこえて政策を示すことのできる、政治家の強いリーダーシップが求められます。
風土は個性 個性あるまちを、つくる時 No.135[2016年04月26日(Tue)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.135
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まちに個性と魅力を取り戻す
これまでグレーインフラに力を注いできた日本のまち。今、多くの自治体で人口減少が進み、維持しきれないことが
わかっています。国土交通省でも今年、景観法制定10年を契機に制度の点検や見直しを進めています。
世界の人が集まる個性と魅力あるまちにするには何が必要なのか、考えます。

人口減少時代のまちのあり方

2014年5月、有識者による政策提言組織「日本創世会議」の人口減少問題検討分科会が、「若年女性の流出により、2040年には全国の896市区町村が消滅の危機に直面する」という試算結果を発表しました。

896年市区町村は、今ある自治体数の約半分を占め、この試算結果は多くの自治体に衝撃を与えました。

今、人口減少が進む多くの自治体では、まちの個性と魅力を生かし、観光客や二地域居住者といった交流人口を増やすことで、人口減少の影響を緩和し、地域の活力を維持しようという取り組むを進めています。
しかし、コンクリート製のビルなど従来のインフラ(グレーインフラ)によるまちづくりの結果、どこに行っても同じような景観が広がり、まちの個性が感じられにくくなっています。
また大量の地下資源を使ってつくれらたインフラはいずれ大量のゴミになるため、接続可能なまちは言えません。
グレーインフラに頼らず、人が「住みたい」「訪れたい」と思う個性あるまちづくりが、接続可能な経済への第一歩です。

個性を生み出す三つの要素

魅力ある、個性的なまちとして注目される自治体には、次の三つの要素があります。

1 地域の生物多様性を取り戻す

私たちにとって多様な恵み(生態系サービス)を与えてくれる自然を未来に残すことは、接続可能な社会をつくる上での基本となっています。

自然は、気候や地形の違いなど、地域ごとの特徴があり、地域ならではの自然を特色として打ち出しているまちは、ブランドの構築につながっています。

自然の質が落ちた地域は、豊かな生物多様性を取り戻す必要があります。

2 地域の伝統や歴史を生かした景観を守る

多様な風土を持つ日本では、地域によってさまざまな文化が育まれてきました。

伝統的な家屋の構造は地域により異なるほか、まちの成立の歴史によってまちなみも特徴がありました。

このような伝統や歴史を生かしたまちは、住民の誇りを持たせると同時に、独特の雰囲気により、来訪者に個性ある環境を提供することができます。

3 地域資源を活用したエコツーリズムに取り組む

交流人口を増やす代表的な取り組みである観光では、団体で観光地を巡るものから、少人数での体験や地域の人との交流が中心のものへと関心が移っており、地域の自然や伝統を楽しむエコツーリズムが人気を集め、地域経済の活性化の手段として注目されています。

世界をリードするチャンスを手にした日本 No.134[2016年04月25日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.134
−人口減少というチャンス、グリーンインフラへのチャンス−
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人口の減少はグリーンインフラを取り込むチャンス

日本では人口が減少しつつあります。困った問題として悲観的にとらえれがちですが、日本の適正人口は5,500万人。
接続可能なまつやくにのあり方を考えた時、日本では人口が減ることは良いことであり、また、それはグリーンインフラの考えを取り込むチャンスと言えます。

日本の人口は50年後、今の3分の2にまで減少

日本の人口は、現在およそ1億2,710万人で、2007〜2010年の約1億2,800万人をピークに、翌2011年から減少し続けています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2026年に1億2,000万人を下回り、その後も減少を続けます。
2048年には1億人を下回って約9,913万人となり、2050年には約9,708万人、2060年には約8,674万人になるとされています。
日本の人口は、50年後には、今の約3分の2になるということです。

人口1万人以下のまちの人口は約半分に

国交省では、2010〜2050年までの人口減少率を全国平均で約24%と推計しています。
政令指定都市や人口30万人以上の都市では人口減少が約20%程度にとどまる一方、人口が1〜5万人のまちでは、
人口減少率が約37%、1万人未満のまちでは約48%にもなるとしています。
つまり、人口の少ないまちほど、人口が大きく減少するということです。
離島については、現在、離島復興法の対象となっている258の島のうち、約1割が無人島になる可能性があるとしています。

まちのなかや郊外の空いた土地でも自然を再生

日本では、高度成長期に、人口が増えるにしたがって、まちなかに残されていた森や湿地、農地がどんどん破壊され、宅地化していきました。
また、道路が郊外へと延びるようつくられ、車も普及し、郊外での宅地化が次から次へと進み、まちは急速に拡大していきました。

しかし、人口が減少し始め、すでに地方においては郊外はもちろん、まちなかでも、近年は人が住まなくなる場所が目立ちつつあります。

悲観的にとらえられることが多い現象ですが、日本の適正人口は5,500万人(本誌2012年5月号参照)。
土地利用に余裕ができ、人が住まなくなった土地を自然に戻すチャンスがきたと言えます。

例えば、空き家は全国平均で総住宅数の13.1%。人口が減少していくことで、今後、各地でさらに増加していくと考えられます。

こうした流れをただ見ているのではなく、広がりすぎている今のまちを接続可能なまちにしていくチャンスととらえ、@郊外に住む人々を、まちの中心部にできた空き家に補助金を出して移転してもらったり(それにより空いた郊外部の土地は再自然化)、またはA空き家を取り壊し、跡地は草地などにして、地域住民の健康づくりの場、子どもたちがバッタやチョウと遊ぶことができる場とするなどの戦略を立てることが重要です。
野草を忘れた日本 No.133[2016年04月24日(Sun)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.133
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  • 野草から恵み

  • 野草は勝手に生えるもの?

  • 生きものを支える野草

  • かつての草地は-芝生と、繁茂する外国の草花

  • アメリカでの取り組み

  • 日本の野草を増やす




生きものを支える野草

野草は、人間以外の生きものにとっても、なくてはならない存在です。
生物多様性を豊かにしていくうえで欠かせない、野草の重要性を紹介します。

生態系を支える野草

植物は、生態系ピラミッドを底辺から支えていて、いろいろな動物の食物となっています。
例えば、チョウは幼虫の時に植物の葉を食物にしますが、多くのチョウは特定の種類の葉しか食べません。
日本で見られるチョウのうち、野草を食物としているチョウは86種と、全体の約36%を占めています。
これらのチョウは、食物となる野草がないと生きていくことができません。
成虫になったチョウは花の蜜などを食物にしますが、富士山麓の森林地帯で調査を行った研究では、チョウが食物として蜜を吸っていた植物45種類のうちの80%(36種)が野草で、
樹木はわずか20%(9種)であったと報告されています[1]。これは、森林地帯であっても、林の縁(へり)などの明るい場所に多くの種類の野草が生え、それらがチョウの重要な食物になっていることを示しています。

花と花の間を行き来して、花粉を運ぶハチやアブは、植物が実をつけることを助けるという大事な役割を果たしていますが、同時に、花粉を食べることで生きています。
花が咲く時期はそれぞれの種によって決まっていますので、ハチやアブにとっては、咲く時期が異なる多くの種類の花が、春から秋にかけて途切れることなく、順に咲いていくことが必要です。

日本の在来植物は、野草が約7割を占めていますので、多くの種類の野草が生育していることで、葉を食べる虫も、また花粉を食べる虫も、多くの種類が生きていくことができるのです。
※【引用】[1]北原正彦(2000)トランセクト調査によるチョウ類成虫の食物資源利用様式の解析とそれに基づく群集保全への提言。
昆虫と自然 35(14):4-9
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