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昆虫がいない No.163[2019年06月12日(Wed)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.163
no163.jpg

  • 激減する昆虫

  • 昆虫がいなくなると

  • 減少の要因
    自然地の破壊
    光害
    農薬による影響

  • 日本でも昆虫を守る行動を


日本中で、そして世界で激減している昆虫。
姿は小さくても、生態系のなかで担う役割はとても大きいのです。
日本でも昆虫を守るための法律や行動計画が必要です。



昆虫がいなくなると

自分の知らないところで昆虫がいなくなったとしても生活には影響がない・・・と思う人も多いのではないでしょうか。
ところが、昆虫は生態系のなかで重要な役割を担い、私たち人間の食べものから文化まで密接な関わりがあります。

植物や動物への減少の連鎖

昆虫は、現在知られているだけでも世界で100万種を数え、地球上に生活する生物の種の大半を占めています。
まだ名前がついていない多くの種や未発見の種も含めると、その数はさらに2〜5倍になると考えられています。
日本だけでも3万種以上の昆虫が記録されていますが、実際にはその同数かそれ以上が未発見であると推測されます。

このように膨大な種数を誇る昆虫は、熱帯から寒帯、低地から高山まで、深海を除く地球上のあらゆる場所に進出し、さまざまな地域、地域ごとの多様な環境にくらしています。
−65℃以下になる南極、乾燥した砂漠、油田にくらす昆虫もいます。
そして、それぞれの環境にくらす植物や動物と相互に関わり合いながら生きています。
昆虫は、地域の生態系のなかで、消費者や分解者として、きわめて重要な役割を担っているのです。

昆虫がいなくなったら、どのようなことが起きるのでしょうか。
多くの植物は、昆虫によって花粉が運ばれ子孫を残しています。
また、多くの動物が昆虫を食物としています。
昆虫がいなくなってしまうと、これらの植物や動物は生き残ることができなくなり、その影響は次々に連鎖していくと考えられます。

私たちの暮らしと昆虫との関わり

私たちの生活と昆虫との間にも、さまざまな関わりがあります。
人類の長い歴史のなかで、ミツバチやカイコなどの昆虫は大きな恵みをもたらしてきました。
蜂蜜の採取や絹糸の生産は、現在も養蜂業や蚕糸業として営まれています。
また、カイコの蛹やイナゴ、ハチの幼虫など、さまざまな昆虫が食用とされてきました。
昆虫はタンパク質やミネラルを豊富に含むことから、食料としても有望であると考えられています。

私たちが食べている農作物や果樹の多くは、野生のハナバチやハナアブの仲間、飼育されているミツバチなどの昆虫によって、送受粉がなされています。
昆虫は、農作物や果樹の栽培に不可欠な存在です。
また、農作物や果樹を害する生きものを捕食したり寄生したりする昆虫も天敵として重要です。
近年では、昆虫の優れた機能や形態などを模倣するバイオミメティクス(バイオミミクリー)の研究が盛んに行われるようになってきました。
例えば、昆虫の微細な構造による発色(構造色)を利用した繊維、蚊の口針を模倣した医療用の無痛注射針、スズメバチが生産するアミノ酸化合物由来の脂肪燃焼ドリンクなどが実用化されています。
昆虫は、文学や芸術、教育、娯楽にいたるまで私たちの文化とも深く関わっています。
日本では古来、初夏の蛍狩りや秋の虫聴きなどで昆虫と親しんできました。
万葉の時代から現代まで、昆虫を詠んだ俳句や短歌は数多く知られ、音楽や絵画にも取り上げられています。
また、昆虫は私たちの身近な生きものとして、教材としても有用です。

このように、私たちは昆虫から多大な恩恵を受け続けてきました。
将来にわたって私たちが幸せに暮らすには、昆虫からのさまざまな恵みが必要です。
昆虫がいなくなれば、私たちや将来世代の幸福な暮らしも成り立たなくなります。
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