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生きている海岸線 No.152[2017年08月07日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.152
no152.jpg

コンクリートで固められた海岸線とは対象に、エコトーンがあり、さまざまな生きものがくらす海岸線…。
生きている海岸線は命を守り、経済と社会の発展になくてはならないものです。



「生きている海岸線」を取り戻そう

コンクリートではなくエコトーンを

海から陸へと移り変わる海辺のエコトーンは、多様な野生の生きものを育み、豊かな漁業資源の源となってきました。
これらは私たちの文化を育み、美しい景色と共に地域の観光資源ともなり、また同時に高波などの自然災害を和らげてくれる場でもありました。
一方、平地が少ない日本では、波による浸食から国土を守り、新たに広げることが必要とされてきた面もあります。
その結果、波を防ぐ堅い構造物が広範囲に設置され、より海に近い場所まで開発が進められました。
また新たに土地を生み出すために、大規模に埋め立てが行われてきました。
利用可能な土地は、確かに増えました。
しかし、その影で多くの海岸では、海辺のエコトーンは分断され劣化し、あるいは消失し、エコトーンが残る本当の自然の海辺はわずかとなってしまいました。
今、日本の人口は減少に向かい、また温暖化による海面上昇も進みつつあります。
海の前面に設置したコンクリートの構造物は、いずれ確実にゴミになります。
またその前の段階で維持していくのに多くのコストがかかってきます。
私たちは、持続可能な海岸管理を考えていく必要があります。

埋め立てをやめる

まず、産業や農業のために、これ以上、海岸を埋め立てることはやめるべきです。
そして、現在使われなくなった農地や利用されなくなった工業用地は自然に戻していく必要があります。
また、港に出入りする船の航路確保のための土砂の浚渫に対しては、その土砂を活用して干潟を再生する事業が有効な場合があります。
その際は、場所選びを慎重に行い、それ自体も重要な浅瀬の環境の新たな埋め立てにならないよう注意する必要があります。
今後は、長期的な視点から沿岸の土地利用を見直し、維持管理にコストがかかる場所では、かつての埋立地に海の水を引き入れることにより土地を海に帰していくことも考えるべきです。

川と海のつながりを取り戻す

砂浜は、山の土砂が川の流れによって運ばれることにより、また海に面した崖の海岸が波で少しずつ削られることにより、長い時間をかけてつくられます。
しかし、かわにの上流につくられたダムにより、本来は山から流れてくる土砂がダムの中で溜まってしまったり、堤防などの海岸の構造物によって砂が移動しなくなったりすることで、砂浜がやせていく状況が日本の各地で見られます。
今後、ダムの本体の老朽化が進み、維持管理費は増大していきます。
構造物によって土砂も波も「止める」ことを主眼としてきたこれまでのやり方に対して、これからは川から海への土砂の移動、また波による海の中の土砂の移動など、広域での土砂の移動を維持・管理する観点から、砂浜も再生していくことが求められています。
維持可能な地域社会・地域経済をどう実現するかは全国的な課題ですが、海辺の自然再生、すなわち、多様な生きものがくらし、常に変化する「生きている海岸線」を再生することは、その有力な答えとなるものです。
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