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ビオトープガーデン No.44[2016年01月26日(Tue)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.44
−ガーデニングは野生の生きものと共に−
no44.jpg

写真に写っているのは、なんでしょうか?
実は竹筒の中にすみついた2匹のアマガエルです。
ビオトープを大切にすれば、庭にもいろいろな生きものたちもやってきます。
自然が失われ続けている今、身近なところでも、野生の生きものたちの暮らす場所を守ってあげることが大切です。


ドイツの庭園博と日本の都市緑化フェア

日本では、毎年「都市緑化フェア」が開かれています。
そこには様々な庭の見本展示が行われ、そのデザインなどを競い合ったりしています。
一方、ドイツの「庭園博」では、会場となる用地を買い上げるなどして、都市に新たな緑地をつくりだしています。

◆自然観に影響する都市緑化フェア

日本ではヨーロッパなどの園芸博覧会のように、1983年から毎年「全国都市緑化フェア」が開催されています。
特定の都市公園を会場としながら、各県もちまわりで行われ、新しい緑化技術や様々な庭の見本展示を行ったり、そのデザインなどを競い合うなど、各種のイベントが行われます。
国民的な花と緑の祭典として、例年、200万人弱ぐらいの人々が訪れ、緑化に対する考え方を伝える上で、その影響力は決して小さなものではありません。
都市緑化フェアの基本方針のひとつには、「未来社会を担う子供達を中心に、緑や自然に対する理解を深めるなど、環境教育の場とする」というものがあり、ここで伝えられる『自然観』には大切な意味があります。

◆もっと自然生態系への理解を

ところが、現状の都市緑化フェアは観光産業や、花き産業などの関連ビジネスの活性化に重点が置かれ、入場者数の多さで成功かどうかを判断するという一面があります。
しかし、基本方針にのっとり、自然生態系についてもっと理解が深まるような内容が必要です。
今年、宮崎市で開かれた都市緑化フェアでは、たしかにビオトープの名のついた庭の出展もありました。
しかし、それが、ビオトープに対する誤解をまねく内容であったことは残念でした。
例えば、池は土もなくゴムシートがむきだしで、水草は外来種のホテイアオイ、水の中にはヒメダカが泳ぎ、植物もマーガレットやクレマチスといった園芸種が中心だったかからです。

◆自然をふやすドイツの庭園博

一方、ドイツではほぼ2年に1度、『庭園博』が開かれています。
開催地となる各都市では、準備に約10年の歳月をかけ、会場にするための用地を買い上げて整備します。
例えば、フランクフルトで行われた庭園博の場合は、会場の広さが70ha。そのおよそ半分はもともとあった森で、新しく造成されたところには、水辺や草地などがつくられ、自然の多様性を高める努力がなされていました。
さらにすばらしいことは、庭園博が閉幕した後、その用地70ha全体が、市民のいこいの場である都市緑地として残されることです。
つまり、ドイツでは庭園博自体が、都市計画に組み込まれた緑地政策の一環であり、新たなビオトープを生み出す絶好の機会になっているのです。
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