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ある日、まちに山ができていた No.75[2016年02月26日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.75
−公共事業が残土で自然や農地を壊している−
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  • この山って何?

  • 残土が大量に発生する原因

  • 大量に発生した残土はどこへ?

  • 残土が引き起こす問題

  • 残土を発生させない方法

  • 残土を減らすしくみへ 〜豊かな自然を取りもどそう〜




残土が大量に発生する原因

残土が大量に発生する原因はさまざまですが、国土交通省の資料によると、公共事業による発生量は、平成2年度で74%、平成7年度で86%、平成12年度で89%、そして平成14年度で89%と、平成2年度を除いて約9割近くが公共事業であり、公共事業が残土の発生源となっています。
また、公共事業の半分以上は都道府県や市町村がしめていることから、残土の発生には、大規模な公共事業だけでなく、中小規模の公共事業も影響しています。

高層ビル建設により発生する残土の量

残土の発生原因の約9割が公共事業によるものですが、道路建設などの他に残土を発生させる原因として、高層ビルの建設が考えられます。
では、高層ビルの建設によりどれくらいの残土が発生しているのでしょうか?
東京都の資料によると、東京都庁舎の建設では、主工事により発生した残土は約54万5.000㎥で、この残土は羽田沖や15号埋立地等に運ばれました。
残土量は、ダンプカーで延べ台数約8万1,000台で、仮にこれだけのダンプカーを並べると、上野駅から青函トンネルの中央部まで達する長さです。

平成14年の建築基準法の改正で、商業地域の容積率が最大で1300%に拡大されたために、自治体の判断でより巨大な建築物が建てられるようになりました。
今後は民間レベルでも、高層ビル建設による残土量がますます増えていくことが懸念されます。

※「新都庁舎建設誌」東京都(平成4年)

大量に発生した残土はどこへ?

発生した残土のうち、約3割は他の工事に使用されたり、海の埋め立てに使われたりしています。
そして、残りの約7割は、内陸受入地である谷地、湿地、山砂利等採取跡地、農地、処分場に運ばれます。
特に、内陸受入地の中でも、低地盛土や農地整備は、全体の半分以上を占めています。
谷地などの凹凸の土地に残土を運び込み、平らな土地にすることで農地や宅地として利用しようというものです。
このように、残土は、土地の造成に使われるために、日本全国さまざまな場所に運ばれています。
実際のところ、残土はどのように使われているのでしょうか?
タグ:残土
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