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財務省の重大な使命 No.54[2016年02月05日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.54
−環境を壊す税制から環境を守る税制へ−
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  • 税制は環境問題と深い関わりがある

  • 今の税制はどうなっているのか

    (1)大量消費の問題

    (2)土地税制が自然をけずる

  • これからの税制に求められるもの

    (1)資源の消費を抑えるために

    (2)自然を守るために

  • 環境問題の解決は財務省の使命




税制は環境問題と深い関わりがある

私たちは、いま環境問題という全地球規模の大きく、そして人類の生存にとって深刻な問題に直面しています。
さまざまな汚染物質の問題や、大量のゴミをどこでどうやって処理するのか、という問題を目にしない日はありません。
その一方では、野生の生きものたちが次々と姿を消したり、そうなる危険に瀕しています。
こうした環境問題は、私たちの20世紀の社会が、21世紀の人々に残してしまった大きな課題といえます。

ゴミ問題

地球温暖化問題や酸性雨、オゾン層の破壊、ダイオキシンをはじめとする、いわゆる環境ホルモンの問題など、環境問題といわれる減少が次々と噴出しています。

こうしたさまざまな現象がなぜ起きているのか、その本質を見ていくと、いずれも自然生態系を大量に破壊することで、大量生産・大量消費・大量破棄し、さらに自然生態系を破壊する、今の経済のあり方に問題があります。
私たちは物質的な豊かさを求め、その代償として膨大な二酸化炭素や窒素酸化物、フロンガスなども含めたゴミを出してきました。

ゴミを大量に出すということは、資源を大量に使うということにほかなりません。
その資源は限りあることから、将来世代に手渡せるよう、極力、消費しないことが必要です。

現在、ゴミ問題の対策として、リサイクルが行われていますが、つくったものはいづれゴミになるうえ、リサイクルするときにも新たな資源やエネルギーを使います。
したがって、リサイクルは根本的な解決とはならず、大量生産・大量消費・大量破棄の免罪符にもなりかねません。

ゴミ問題を解決するためには、消費を必要最小限に抑えた質素な生活をしていくことが必要です。

多くの野生の生きものが絶滅している問題

自然生態系の破壊は、野生の生きものの絶滅というもうひとつの深刻な問題を生み出しました。

これは乱獲なども原因となっていますが、生息地が開発などにより減少していることが主な原因であり、豊かな自然のある土地が次々と失われている問題といえます。

この背景には、”利用されていない土地”は、どんどん開発して利用していく、という戦略があったことは否定できません。
結果、自然林や湿地などが急速に減少しました。

自然豊かな土地は、そこに存在するだけでさまざまな恩恵を私たちにあたえてきれている、社会全体の共有財産です。
短期的な経済的な利益のために安易に開発してなくしてしまうことは、将来世代に大きな負荷を与えてしまうことになります。

税の役割

私たちは、国民の義務として税金を支払っています。
ところで、私たちはなぜ、税金を支払うのでしょうか。
私たちが生活するうえで、国や地方自治体が提供する教育や福祉、交通などといったさまざまな公共サービスを受けています。

国の税金のしくみを企画立案しているのは財務省です。
財務省はこのほかにも国が活動するための予算づくりや国の財産管理など、経済の舵取り役としての役割を担っています。

私たちは生活を意識するしないに関わらず、税金と関わっています。
したがって税金のしくみは、私たちの生活様式に対しても大きな影響を及ぼすことになります。

環境の視点を欠いた大蔵省

ゴミ問題や野生の生きものの絶滅に代表される環境問題は、今の税制がもつ問題点からも生じてきたといえます。
経済成長を最優先した国づくりに果たした大蔵省(現財務省)の役割は非常に大きかったと言えるでしょう。

このことは、逆にいえば私たちの生活と密着している、今の税制のしくみを見直し、活用すれば、環境問題を解決に向かわせるように、私たちの暮らしを変えていく効果が期待できます。

環境に深く関わりある税制ということで、最近は炭素税などの導入がよく話題に取り上げられますが、今月号では今までの税制の環境の視点でどう見直せばいいのかを見ていきます。
タグ:税制
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