CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 海の恵みを拒絶する日本の復興 No.158 | Main | これからのゴルフ場 No.160 »
波力発電 No.159[2018年10月18日(Thu)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.159
−海のエネルギーが地域を豊かにする −
no159.jpg

  • 持続不可能なエネルギー戦略

  • 海という貴重な資源

  • 波力発電をめぐる課題

  • 波力発電に関わる国の支援

  • 地産地消エネルギーで地域活性化

  • 賢い海の利用を


周りが海に囲まれた日本において、有望なエネルギー源と考えれるのが海のもつ波の力です。
自然を壊さず、地域に利益をもたらす再生可能なエネルギー源として、波力発電の技術開発を進めていく必要があります。



海という貴重な資源
電気などのエネルギーを安定して確保できるようにすることは、日本の大きな課題の一つです。
日本が持つ貴重で大きな資源である「海」を、持続可能な社会の実現に向け、どのように利用していくのかを考えていく必要があります。
長い海岸線をもつ日本で波の力を有効活用することができれば、多くのエネルギーを生み出す財産になります。

世界中で進む海を利用した発電方法

海が持つ力は非常に大きなものです。
現在、潮汐や潮流のように、さまざまな海の力を発電に利用する取り組みが進んでいます。
海の力の中でも、とくに、暮らしに近い場所で得られるエネルギーとして、「波の力」があります。

1989年の運輸省港湾技術研究所(当時)の調査資料によると、「日本周辺の波パワーの総平均量は3,600万kW」にものぼります。
仮にこのエネルギーをすべて電力に変えられれば、1年間で3,154億kWhとなり、日本の総発電量(平成28年度は1兆444億kWh)の約30%にもおよびます。
実際は、波エネルギーをすべて発電に利用できるわけではありませんが、その一部を利用できるようになるだけでも、地域にとっては大きな財産となります。

波力発電の大きなメリットの一つとして、同じ面積当たりで得られるエネルギーの量が大きいことが挙げられます。
同じ面積から得られるエネルギーで見た場合、波力は風力の約5倍、太陽光の20〜30倍もの力があると言われています。

また、波は常に発生していることから、時間帯などによらず安定して発電ができることもメリットとして挙げられます。

海という資源に囲まれる日本

日本は海まで含めてみた場合、世界でも非常に広い国であるという特徴があります。
日本の海岸線の長さは、世界第6位の3万3,889kmで、アメリカやオーストラリアよりも長い海岸線を持っています。
こうした国土の特徴を活かして海の力を利用することで、多くのエネルギーを生み出すことができます。

また、日本人は昔から、海を利用してきました。
日本には2,866もの漁港があり、現在も多くの人々が海とかかわりながら暮らしています。
つまり、海は、電気を必要とする生活の場に近いという利点があります。

陸地が狭い日本には資源がないとよく言われます。
しかし、持続可能な社会を実現するためのエネルギー源はすぐ近くにあるのです。

波力発電の歴史

波力を使った発電方法は、非常に古くから研究が進められてきました。
フランスでは1799年に特許申請が出されています。
実際の発電の事例としては、1910年にフランスのボルドーに近い海岸に出力1kWの波力発電機が取り付けられたことが最初です。

日本でも1964年に開発された、船が安全に航行するための目印となるブイ(益田式航路標識用ブイ)の電源として波力発電は活用されています。
今や、波力を電源とするブイは、世界中に広がっています。

国内でとくに関心が高まったのは、1970年代に国際的な紛争の影響で世界的に石油の価格が上昇した時期(オイルショック)です。
その際、エネルギー不足への危機感を背景に研究が本格化し、1978年、本格的な波力発電の実証実験が始まりました。
しかし、石油価格が安定してからは消極的になり、2003年以降しばらくは大規模な波力発電の実証実験は途絶えました。

その後、地球温暖化の問題が深刻化するのに伴い、波力発電の開発も再開され、2016年10月には、岩手県久慈市の久慈港に、防波堤を利用した実証実験設備である「久慈波力発電所」が設置され、日本で初めての波力発電の商業運転が行われました。

このほかにも、福井県越前町において、海岸の岩場を掘り取って潮吹き穴を開け、その中で波の動きが引き起こす風を使って発電を行うブローホール型の波力発電の実験が行われています。
そこで得られた電力は、電気自動車の充電に使われるなど、実用に向けた取り組みが進んでいます。

日本では波力発電の本格的な商業利用はいまだ実現していませんが、今後の発展が期待されます。
タグ:エネルギー
この記事のURL
http://blog.canpan.info/seitaikeikyokai/archive/162
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント
プロフィール

日本生態系協会さんの画像
<< 2019年06月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
にほんブログ村 環境ブログへ

http://blog.canpan.info/seitaikeikyokai/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/seitaikeikyokai/index2_0.xml