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渡り鳥が減っている No.157[2018年07月11日(Wed)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.157
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  • 世界の環境を見ている渡り鳥

  • 7割が渡り鳥

  • 狭まる生息環境

  • 渡り鳥が求める自然環境

  • 欧米における国境を越えた取り組み

  • 世界共通の財産を守る


自分の翼だけで、壮大な旅を続ける渡り鳥。
その貴重な鳥たちの生息地を打ち壊した日本。
干潟、草地、森の再生が今、求められています。


7割が渡り鳥

私たちが国内で見る鳥のうち約7割が渡り鳥です。
どのような鳥がいて、またどのような環境を必要としているのでしょうか。

国境を越える季節

四季の変化がはっきりしている日本では、季節によって北へ南へと移動する多様な渡り烏を見ることができます。
例えば、春には、前述したツバメが、東南アジアからやってきて子育てをします。
無事に巣立ったヒナは、数か月後にはすぐに一人前になり、秋には東南アジアへとまた海を越えて戻っていきます。
初夏の森には、同じく東南アジアから渡ってきたオオルリの美しい声が響きます。
春と秋には、シギ・チドリの仲間たちが繁殖地であるシベリアと、越冬地である東南アジアやオーストラリアなどを行き来する途中で、栄養補給や羽を休めるために日本に立ち寄ります。
トウネンという小さなシギの仲間は、体重がわずか25g程度しかありませんが、そんな小さな体で、往復2万km以上という距離を移動します。
冬になると、短い夏に豊富な食物に恵まれるロシアなどの北の国で子育てを終えたカモやガンの仲間などが、巣立った若鳥を連れて日本にやって来ます。
そのほかにも、日本国内で山地から低地へ移動するような、小規模な渡りをする鳥もいます。

日本で確認されている鳥のうち約7割もの種が、何らかの形で渡りをしながらくらしています。

渡り鳥が必要とする環境

季節によって生活する場所を変える渡り鳥たちには、子育てをする繁殖地、冬を過ごす越冬地、移動する間に休憩場所として立ち寄る複数の経由地が必要で、どれか一つでも欠けてしまえば生きていけません。
また、それぞれの地域で必要とする環境も種によってさまざまです。

例えば、タカの一種であるサシバは林と水田が一体となっている里地里山に好んで生息しますが、カモたちは河川や湖沼に、シギ・チドリたちは干潟や淡水湿地に飛来します。
渡り鳥全体を見ると、森、湿地、河川、湖沼、干潟などの自然環境に加え、水田、畑など、人聞に近い環境を利用する種もいます。
多様な渡り鳥たちの生活を支えるためには、日本各地で多様な環境がしっかり守られている必要があります。
タグ:渡り鳥
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