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ESD 持続可能な社会をつくる未来のための教育 No.142[2016年05月16日(Mon)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.142
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  • 今こそ必要なESD

  • 目指すべき持続可能な社会

  • ESDが育てる行動する人

  • これからの教育現場でのESD

  • ESDを定着させ持続可能な社会を





今こそ必要なESD
未来を考え、行動する人を育む


地球に生物が誕生し、進化をとげてきた長い歴史の中で、生存基盤である自然生態系を自らの手で破壊した生物は人間以外いません。
人間はあらゆる生物の中で初めて自然を大量に破壊し、はかりしれない環境問題を引き起こしています。
人間社会のあり方の根本的な転換が必要とされる今、教育現場でも世界が求める「持続可能な社会にむけた教育『ESD』」を、この10年進めてきました。
ところがESDの認知度は極めて低く、内閣府の調査によると内容も含め「知っている」人は2.7%でした。
ESDをとりまく現状や、ESDによって目指す社会を探ります。

ESDは未来を考え、行動する人を育む教育

ESDとは「すべての人が質の高い教育の恩恵を享受し、また、持続可能な開発のために求められる原則、価値観及び行動が、あらゆる教育や学びの場に取り込まれ、環境、経済、社会の面において持続可能な将来が実現できるような行動の変革をもたらす」教育のことです。つまり、持続可能な社会にむけて社会・経済で起こっている問題の解決策を「環境」を軸に考え、行動する人を育てることをいいます。
私たちの生活は、自然生態系を土台にし、自然資源があるからこそ成り立っています。しかし、その大切な自然生態系を自ら破壊してしまい、さまざまな環境問題を引き起こしています。さらに自然が回復しないうちに使い続け、将来世代の自然資源も利用している状況です。
このような持続不可能な使い方を続けていれば、将来世代が生存基盤を失うことは目に見えています。現代世代だけでなく、未来の人々にも公平に自然の恵みが残るよう、持続可能な社会が必要なのです。
ESDで求められているのは、地域の自然・社会・経済の現状を持続可能な社会の観点で把握し、課題を見出し、解決にむけ、発達段階に応じた行動をおこし、社会を変えていく人を育むことです。

日本が提唱したESD

生物多様性の喪失や地球温暖化、貧困などさまざまな地球規模の問題が表面化するなかで、個々の問題への対処とあわせて、根本的な問題の解決のため、自然生態系が持続する経済や社会への変革が求められました。
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国際会議「地球サミット」で、持続可能な社会の実現にむけ各国首脳が合意しました。その10年後、2002年9月に南アフリカのヨハネスブルグにおいて、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルグ・サミット)が開催され、世界104ヶ国の首脳、190を超える国の代表、国際期間の関係者のほかNGOやプレスなど合計2万人以上が参加しました。
この会議で、当時の小泉首相が「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development/ESD)の10年」を提唱し、同年の国連総会で2005年から2014年までの10年間を国連「ESDの10年」とすることが採択されました。これにより世界各国でESDの取り組みが進められるようになりました。
2014年は「ESDの10年」の最終年であり、11月に提唱国である日本(愛知県名古屋市及び岡山市)で「ESDに関するユネスコ世界会議」が開催されまた。

環境教育はESDのベース

現在の日本の教育には、持続可能な社会が自然生態系により成り立っていることや、持続不可能な社会になってしまった原因と具体的な解決策を体系立てて教えるといったことが位置付けられていません。そのため、ESDの目指す持続可能な社会が理解できず、問題や課題が見えてこないのです。また、ESDで育みたい「持続可能な社会の担い手」の人間像がわからないために、教育のねらいや指導方法が見えないという状況に陥っています。
ESDが対象とする分野は、貧困や人権、平和問題など多岐にわたりますが、持続可能な社会を目標に、「環境」という軸で課題を考え、解決にむけて行動することは、どの分野にも当てはまります。環境に関する基本的な知識や考え方、行動を学ぶ環境教育は、ESDのベースとなる教育と言えるのです。

日本のESD推進の取り組み

日本では10年の間、ESDを推進するために、主に文部科学省た環境省が中心となってさまざまな取り組みが行われました。その一部を紹介します。

●計画に組み込む

第二期教育振興基本計画において、ESDの推進を記載。また、小・中・高等学校においても、学習指導要領に持続可能な社会の構築の観点が組み込まれました。

●ESDの拠点であるユネスコ スクールを拡充

日本では、日本ユネスコ国内委員会の提言「ESDの普及促進のためのユネスコ・スクール活用について」を受け、同スクールをESDの推進拠点として位置付けています。ESDの10年が開始された平成17年には15校でしたが、平成27年5月には約63倍の939校まで増加しました。

●ユネスコ スクール支援大学間ネットワークを形成

国内17の大学が自発的に組織するユネスコ スクール支援大学間ネットワークを中心に、同スクールの申請や活動を支援しています。

●普及啓発事業

ESD実践者間の連携・ネットワーク化の促進等を目的としたフォーラムの開催やESDを身近に感じてもらうことを目的としたイベントを開催しています。

●モデルプログラム

ESDの取り組みを推進・支援するためにモデル的なESDプログラムを公開したり、各団体のESDに関する個別の取り組みの実施状況などを紹介しています。


わかりにくかったESD

ESDの10年終了後に作成された「『国連ESDの10年』後の環境教育推進法策懇談会報告書」等には、ESDの認知度・理解度の低さや、ESDに関する教員研修の不足、連携・ネットワーク化の不足などが課題として挙げられました。加盟数を増やしたユネスコ スクールでも、75%が「教職員のESDに関する理解が不十分」と回答しています。また、「ESDの取り組みが導くその先の社会のビジョン」を示していくことの重要性も指摘されました。
このように、環境問題とは自然生態系の破壊だということを整理して教えてこなかったことや、ESDの目標となる持続可能な社会のあり方が明示されていないことなどを受けて、認知度が低いままでした。
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