自由貿易の限界と新たな挑戦 No.131[2016年04月22日(Fri)]
日本生態系協会 会報「エコシステム」No.131
自由貿易によって加速する自然破壊
底辺の競争
国は、汚染物の規制や環境税など、自然を守るための規制や制限などを設けていますが、その程度は国によって大きく違います。
企業による活動は、今や世界中に広がっており、自然を守るための取り組みにはお金がかかるため、規制が弱い国で生産した方が、費用がかからず、安い商品をつくることが可能になります。
そのため、安さだけを求める企業にとっては、規制の弱い国の方が、工場等をつくる投資先として魅力的に見えてしまいます。
一方、国にとっても、企業を国内に誘致することで、産業育成や雇用増加、税収の増加など、さまざまなメリットがあります。
そのため、多くの企業にきてもらうために、規制を弱めてしまうことがあります。
さらにほかの国もそれに対抗し、それぞれの国が規制を弱めあうといった事態が起こります。
このような、規制を弱める方向へ向かう負の連鎖を、「底辺への競争」(Race to the bottom)といいます。
日本が経済への悪影響を理由に、温室効果ガス排出量の削減目標を低くしたことも一例といえます。
- 地球の限界を超えた私たちのくらし
- 貿易を通じて広がる私たちのくらしの影響
- 自由貿易によって加速する自然破壊
- 自然を守る政策とぶつかる自由貿易
- 接続する社会に向けて「世界をリードする日本」になる
自由貿易によって加速する自然破壊
底辺の競争
国は、汚染物の規制や環境税など、自然を守るための規制や制限などを設けていますが、その程度は国によって大きく違います。
企業による活動は、今や世界中に広がっており、自然を守るための取り組みにはお金がかかるため、規制が弱い国で生産した方が、費用がかからず、安い商品をつくることが可能になります。
そのため、安さだけを求める企業にとっては、規制の弱い国の方が、工場等をつくる投資先として魅力的に見えてしまいます。
一方、国にとっても、企業を国内に誘致することで、産業育成や雇用増加、税収の増加など、さまざまなメリットがあります。
そのため、多くの企業にきてもらうために、規制を弱めてしまうことがあります。
さらにほかの国もそれに対抗し、それぞれの国が規制を弱めあうといった事態が起こります。
このような、規制を弱める方向へ向かう負の連鎖を、「底辺への競争」(Race to the bottom)といいます。
日本が経済への悪影響を理由に、温室効果ガス排出量の削減目標を低くしたことも一例といえます。