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2013年10月14日

いのち森と秋の星空観察会・1

10月13日、今年最後の観察会報告です。

今回は2本立ての企画でしたので、
まずは、「いのち森」の調査観察会から。

講師は、すっかりお馴染みの放牧研究家の福田さん。
最初に里小屋内で、参加者にスライド学習です。

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2011年から始まったこの調査の
「里山に放牧した羊たちの食性から広葉樹と草食動物の共生を探る」
という大きな目的の説明からはじまって、
調査、記録の信頼性に大切な「比較」と「反復」についてのお話や
実際にこの後調査する9種類の樹種についてのお話、
あるいは記録シートの座標に落とした100本以上の調査対照樹の探し方について、
そして実際の記録の仕方についてなど、
「いのち森」の地図を見ながら詳しく丁寧に解説してもらいました。

DSCF1581.JPG

初めての参加者はもちろん、スタッフも2回目の調査とはいえ、
ちょうど1年ぶりなのでこの事前学習で
調査、記録作業を再確認しました。

さらに2011年と2012年のこれまでの2回の調査結果からわかった
9種類の樹種の成長速度の差や
樹種による生存率の差などの興味深い結果も
分かりやすいグラフにして見せてもらいました。

この先何年も継続していく地道な記録作業ですが
このように自分たちの観察記録作業から
新たな発見が生まれる可能性があると思うと、何だかワクワクします。

DSCF1583.JPG

そんなワクワク感を持った事前学習会に続き、
いよいよ巻尺や長いモノサシを担いで、「いのち森」へ向かいます。

続く

  by (海外出張・おりさんの代打)里山おやじ




2013年10月09日

星空観察

先週のブログでお知らせしたとおり、
10月13日、今年最後の観察会は、
「いのち森の観察」と「星空の観察」の2本立てです。



星空観察の講師・荒井さんから
当日の内容をお知らせいただきました。

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「星空観察」の部

1 はじめに
 ・「暗闇」は里山の大切な資源
2 星空の観察のしかたについて
 ・星座早見表の使い方
 ・天体望遠鏡の仕組みと使い方
3 本日眺める星空の解説
  @秋の星座とギリシャ神話物語
   ペガサス座、アンドロメダ座、カシオペア座、他
  A肉眼でも見えるアンドロメダ銀河M31
4 屋外での星空観察
  @秋の星座を眺めてみよう
  Aアンドロメダ銀河M31を眺めてみよう
  B天体望遠鏡で上弦の月を覗いてみよう
5 パソコンで銀河宇宙への仮想旅行体験
  地球を離れ、太陽系の外へ飛んでみよう
6 太陽系を離れた惑星探査機「ボイジャー1号」の軌跡
  地球を旅立って36年、ついに太陽権を脱出!
7 11月18日のしし座流星群の紹介

 講師・荒井義男さん

里山生活学校スタッフ。埼玉県出身。
北上天文同好会会員。
大学生の夏休みに高原野菜出荷のアルバイトで、
長野県川上村で眺めた満天の星空に衝撃を受け、
星空にのめりこむ。
岩手での暮らしに憧れ、2001年に横浜市から
北上市に移住。北上天文同好会に加入し、市内
自宅で毎晩夜空を眺めている。

です。

興味ある方、ぜひ、ご参加ください。
参加予約お待ちしています。 

2013年10月01日

10月観察会のお知らせ


 今回の観察会は、「森の観察会」と「星空観察会」の2本立てです。
 
森の観察会では、「いのち森」に放牧している羊たちが、
どんな樹の葉を食べているか、
森の中の木々は、羊たちとどのような共生が可能なのか
を探る恒例の観察です。
講師は、放牧研究家の福田栄紀さん。
これまでの「いのち森」での調査データを見ながら
詳しい説明をしてくださいます。

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(前回の観察会の様子)



星空観察会は、昨年の春の星空観察に続いて2回目。
今回は、秋の夜空を天体望遠鏡で楽しみます。
講師は北上天文同好会会員の荒井義男さん。
雨天や曇天で星が見えないときでも、
スライドで星座にまつわる神話とのエピソードなど
お話しててもらいます。

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(前回の観察会の様子)
 
また、この日は、
この冬に釜石からやって来ました
クラフトマンストーブのお披露目も兼ねて、
カフェタイムでは、ちょっとした軽食も用意いたします。
ストーブを囲みながら、楽しいひと時を秋の里山で過ごしましょう。


日時   2013年10月13日(日)14:30〜19:00

場所   里山生活学校(岩手県奥州市江刺区広瀬字松舘89)

参加費  1500円(会員は1000円)

申し込み 0197−36−3292   
     
     10月10日まで(要予約)

スケジュール

     14:30〜いのち森観察会
     
     16:00〜里山カフェ
     
     17:00〜星空観察会

2013年06月20日

調査観察会 その8

普段の里山イベントはティータイムで終わるのですが、
今回は皆で母屋の裏手に回ります。

予定では、やさし森でワラビとり体験をするはずだったのですが、
このところの気象のせいで収穫が叶わず。
代わりにフキをとることになりました。

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ここからは里山かぁちゃんの出番。
まずはおもむろに茂みに入って行き、見本となるフキを取り上げます。
一見どれも同じに見えましたが、茎に違いがありました。

長い茎の部分に赤みがかかったもの、また濁った白色になったものは、
食べるとモソモソして美味しくないとのこと。
他の場所ではわかりませんが、
ここやさし森では選り好みできるくらいにたくさん生い茂っています。

皆で熱心に説明を聞き、それでは採取スタート!

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こういう時に、その人々の性格が出てきます。
一本取っては、葉を落として袋に入れて行く人。
とにかく引っこ抜いて、あとで葉っぱをまとめて切る人。
木の幹に並べて、長さをきちんと整える人。

みなの熱意にそばにいた羊も大きな鳴き声で声援を送ります。
でも気をつけてくださいね。
山菜取りでありがちな、食べきれない量を採っても、
茹でたり皮むきをするのはご自分ですよ。

最初は興味なさそうに付いてきていた女の子も、
熱心になってくる様子がかわいげです。
一本抜いてはお母さんに「これでいいの?」と聞いていました。

ひとしきり採取活動に励みましたが、それでもまだまだ青々としています。
子供達が頭まで隠れてしまうほど。
顔だけのぞかせると、コロボックルがいるようです。

フキの妖精たちも三々五々家路に着きます。
今回の報告はこれでおしまいです。
秋には樹木の観察会がありますが、
まずは8月のフェスタで里山を体験してみてください。

by おり

2013年06月19日

調査観察会 その7

思いのほかサシバ観察で時間をとってしまい、
畑の様子はパスして小屋に戻ります。
お楽しみのひとつであるティータイムです。

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今回はシフォンケーキとバウンドケーキの2点。
全員集まって歓談の時間です。

まずは本の紹介から。

 「ふしぎの植物学」 

 「葉っぱのふしぎ」 

どちらも著者は田中修さんという方。
NHKラジオの『夏休みこども科学電話相談』で、
植物を担当されていらっしゃる大学の先生です。
特に後者の出版社は楽しそうなタイトルの本をたくさん出していますね。

興味さえあれば、簡単な図鑑でも十分です。
散歩の道すがら気になる草があれば、
引っこ抜いて持ってきてしまえば良いのです。
机の上で絵や写真と見比べながら草の名前を探しましょう。
生えているその場で調べたいのであれば、
ポケットサイズのミニ図鑑もたくさん出版されています。


次は里山おやじさんの秘密道具。
様々な鳥の鳴き声を聴くことができるペンです。
今は商品名が変わってしまいましたが、
日本野鳥の会のHPで購入することができます。

すぐそばにいるかの様に聞こえるこの機械。
HPの解説を見ると、
「★野外で使用する際のお願い
 近くにいる野鳥が、バードボイスペンから流れる音声を
 他の鳥の声と勘違いすることがあります。
 これは、鳥にとってストレスになるなど、悪影響を及ぼす恐れがあります。
 特に、春〜夏は、多くの野鳥にとって繁殖期を迎える敏感な時期です。
 野外では、周囲に響き渡らないよう必要最低限の音量にとどめるか、
 イヤホンをご利用ください。」
なんて書いてありました。

バードウォッチングで遠くから見えた鳥の鳴き声を知る、
また声だけ聞こえたけれども名前がわからない。
こんな時に役に立ちそうですね。

里山の鳥についてはとても興味深いお話もありましたが、
あえてここでは書きません。
気になる方は、ぜひ里山までいらしてください。

さて、今回の調査会をしめる最後のイベントに移りましょう。

by おり

2013年06月18日

調査観察会 その6

山沿いに歩き目的地へ到着してびっくり。
天気が良すぎるせいで雨が降らず、
ビオトープの池が一つ干上がっていました。
よく見ると何かの足跡が無数に付いています。
どうやら逃げ遅れたオタマジャクシをテンが食べにきたようです。

池のそばの木ではコクワガタを発見。
前回見かけたのは2010年の秋でしたね。
多彩な生き物環境です。

そして田んぼの奥にそびえたつ松林の上方、
サシバの巣を見せてもらいました。

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このサシバは鷹の仲間で、
越冬した東南アジアから繁殖のために日本に渡ってきます。
ヘビやトカゲといった小動物や昆虫などを食べるため、
田んぼと森の境界線に生息します。
言わば里山というと環境を象徴する鳥でした。
ただ近年はその里山が減ってきたことから、
絶滅危惧種にも分類されています。

この里山で巣を見つけたきっかけというのが、
何やらカラスが木の上のほうで騒いでいるのを見つけたことから。
どうやら巣には卵があって、それを狙われていたのでしょう。

この日も巣にはサシバがいるのは確認できたのですが、
飛び立つことも無くじっと体を横たえていました。
緑の木々の合間からのぞく黄色い目が印象的でした。

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毎年働き者のアイガモたちはハヤブサに狙われていましたが、
そのハヤブサの主食はそれこそカモ。
猛禽類同士が同じテリトリーで共存することもないでしょうから、
何とかサシバには頑張ってもらいハヤブサを追い払ってもらいましょう。
とは言えサシバもアイガモを狙うかもしれませんので、
里山の人たちは気が気ではないようでした。

当初の目的であったアイガモたちは、まだ小屋のほうで育成中。
今年は姿を見れませんでしたが、がんばってください。
イネミズゾウムシを食べつくしたり、
水を掻いて田んぼを土で濁らせ、
雑草の光合成を抑える大事な役目がありますからね。

by おり

2013年06月17日

調査観察会 その5

里山の小道はすっかり草刈(草食べ)が終わっていて、
目的地までは歩きやすくなっていました。
それでも油断して隅の方を歩くとイバラに足を引っかかれたり。
羊がいなかったらイバラだらけで歩きづらかったことでしょう。

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フェンスで覆われた禁牧区では、
大きな葉のタケニグサの上でアマガエルがお出迎え。
火入れの有り/無し、放牧/禁牧の計4パターンのサンプル地で、
本日のメインイベントである観察が始まりました。

まずはみんなで福田さんの解説を聞きながら、
観察のやり方を教わっていきます。
1m四方の枠を上からかぶせ、
その中にある草の高さやシバ・ノイバラ・クズの成長の様子、
地面の見えている面積(裸地率)と、
他にどんな草が生えているか調べていきます。

今回は4パターンのうち1つを説明のために福田さんが、
その他3つについては各班に分かれて一箇所ずつ見ていきました。

DSCF1184.JPG

さすがに観察会も多く開催されたこともあったせいか、
皆さんの目が肥えてきました。
次から次へと草の名前を読み上げていきます。
中には上手に草や葉のイラストを描いている方も。
それでもわかりづらいものが出てくると、
「福田さーん、これなにー?」と取り合いになっていました。


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個人的に可笑しかったのが、
「この草、遊び方は知ってるのに名前が出てこない!」という方々。
ちなみにアメリカセンダングサ(通称バカ:服にくっついて来るアレ)は、
女の子に投げて遊ぶものらしいです。
そうなんですか?

新しく種子が来たのかリストにない草があったり、
前回は生えていたのに無くなってしまった草もあったり、
いろいろな発見がありました。
この調査結果は福田さんがまとめて、今後に役立てていきます。

観察自体は前回よりも早く終わりまして、
子供はブランコでゆらゆら、大人は日陰でふらふらしています。
最後の班が調査を終え、みんなでビオトープや田んぼの見学に行きました。

by おり

2013年06月16日

調査観察会 その4

今回のもう一人の主役は、マメ科のクズです。

ここ最近気候が乾燥しており、
風も強いせいか江刺でも火事が多発しているようです。
消防署が近くにあれば消火活動も間に合うでしょうが、
山林の火事となるとそうも行きません。
地上のありとあらゆるものを燃やし尽くした後に何が残るのか。

クズが生えてくるのです。
地中に隠れていた種が火事の熱で休眠状態から起こされて、
風に乗ってやってくる別の種子たちより先駆けて、
栄養たっぷりの火入れがされた地面に芽吹きます。

放牧区と禁牧区という比較に加えて、
火入れの有り無しという比較も同時に行いました。
福田さんの研究ではあまり熱くてもダメだし、
日光程度の暑さではさほど活性化しないこともわかったそうです。

マメ科の植物なのでたんぱく質が多く羊も大好き。
それゆえ放牧区では禁牧区よりも成長率が低い。
火入れをする=ライバルを減らしておけばたくさん成長しますが、
ライバルが多い=火入れをしないと他の植物が日陰を作り負けてしまう。

主役と持ち上げておきながらも有用性でいえば、
ノシバの再生力のほうに軍配が上がります。
それでもこういった研究により、
クズの有効活用などのネタになったりするのです。

それでは座学はここまで。
次回は実際の観察となります。

by おり

2013年06月14日

調査観察会 その3

植物が生きていくうえで欠かせないのが、日の光です。
成長するためには多くの光を葉に受けて背を伸ばしていきます。

もちろん周りには様々な植物もいますので、
それらに負けてはいられません。

他の植物に邪魔されないうちに、より早く、より大きく葉を広げて、
より高く背を伸ばすことで光を奪い合う競争に勝ち抜き、
一等賞になったところで羊に食べられてしまう。
そんなことも起きうる過酷な世界です。

成長して子孫を残したいのに、あまり目立つと文字通り芽をつまれてしまう。
外敵さえいなければ立派な葉を広げたいのに、それも叶わない。
伸びるべきか、伸びざるべきか、それが問題です。

人類よりも長く生きてきた植物たちは、
そういった問題に様々な答えをみつけて生き延びてきました。
トゲやイバラを身にまとい、近づく敵に攻撃的なスタンスをとるものもいます。
ワラビのように味で勝負?して、羊に打ち勝つようなものたちもいます。

そして観察の主役であるノシバはあえて高く大きく成長することをせず、
地面に這いつくばりながら羊にその身を食べさせても、
その茎や大事な成長点を守り抜いています。
ヒョロヒョロ伸びた間抜けな植物に対し圧勝ですね。

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しかしこれも羊がいる場所(放牧区)だからこその技。
背の高い草を食べてくれる動物がいない場所(禁牧区)だとそうはいきません。
多い茂った他の葉に邪魔されて日の光を受けることができず、
敗者は去るのみです。
こういったストーリーが里山の各所に散りばめられてるのです。

ちなみに放牧区と禁牧区が、
自然科学の実験で言うところの比較になります。
by おり

2013年06月13日

調査観察会 その2

それでは観察会の様子をお届けします。

放牧草地研究家の福田さんが最初にこんな話をしてくれました。

 昔は田植えの終わったこの時期、
 牛や馬を北上山系の芝のあるところへ連れて行き、
 夏の間ずっと放し飼いで育てるので手間が省け、
 里では他の作業をすることができたとのこと。

そんな昔ながらの農耕を支えてきた芝草地を、
この里山でも再現できたら良いですね。

今回の観察会の目的は3つあります。

@ 野外調査の体験

A 植物の世界の変化を体験  

B 色々な植物の名前を覚えてもらう

大空のもとで地面とにらめっこをしながら、
単調でも長いこと観察を続けていくと、様々な植生の変化が見えてきます。
実際に触れて、においをかいで、記憶にとどめ、
散歩道でそれらを思い出すことができたら、楽しいのではないでしょうか。

福田さんはこんな話もしてくれました。
自然科学の実験のやり方は「比較」と「くり返し」が大事です。

羊とノシバの研究ですが、あえて羊を向こうに押しやり、
ノシバに対する影響を見ることで羊の価値がわかってきます。
また同じ実験を何回も(この場合は何年も)くり返すことで、
データの信憑性が増していきます。

こういった考え方をベースに、とは言え肩ひじを張らずに、
次回は植物の苦労話についてお話します。

by おり