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2013年01月05日

薪ストーブの活躍

年明け早々、正月気分を吹っ飛ばすような雪、雪、雪で、
元旦から4日連続の300メートルフルコース雪かき。
10年前ならかなり泣きが入ってるところなのだが、
たくましくなってきた二人の息子が
ほとんどやってくれるようになった。
おやじとかあちゃんは、もっぱら雪下ろしだ。


さて、最高気温さえ氷点下
という日も珍しくなくなるこの季節、
ガスも灯油ストーブも炬燵もない里山暮らしの主役は、
とにかく薪ストーブ。

朝から晩まで焚きっぱなしに近いので・・・

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3度の調理と暖房以外にも、
・雪に濡れた靴や手袋を乾かす。
・朝食用のパンの天然酵母を発酵させておく。(靴の横の瓶)
・薬缶は常に湯を沸かしておく。
(名付けて“ヤカン給湯システム”)

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雪かきや外仕事から帰ってくれば、
・ジャンバーや帽子もすぐに乾かす。
・薪も乾かす。

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さらには、こんなものも乾かす。
これは、収穫して脱穀した大豆の中で、
なかなか鞘が開かず豆が入ったまんまのもの。
こうしてストーブのそばに置いておくと乾燥して、
やがて、「パリン」という音がして、
豆が勝手にはじき出されてくる。
見ていて面白い「大豆自動脱穀マシン」なのだ。

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さて昨日、雪かきから帰ってくると、
あまりの寒さのせいか、
雪の上に動けなくなったシジュウカラが1羽、
グッタリ横たわっていた。

家の中で、薪ストーブの近くで温めてやると、
やがてすっかり元気になったので、放してやった。
いつの日か、
「シジュウカラの恩返し」が来るかもしれない。

そんなこんなで、厳しい寒さの冬ほど、
薪ストーブの大活躍が続く里山暮らしなのだ。

by 里山おやじ



2013年01月01日

里山おせち?

あけましておめでとうございます。

里山は、しょっぱなから大雪の元旦で、
家族総出の300メートル雪かきスタート
となりました。

でも、まぁ、陽射しも出て、
きらきらと美しい一面銀世界の里山です。

そして、365日休みのない動物たちの世話を終えると、
楽しみなおせち三昧。
前の日にかぁちゃんが、丸1日かけて作った正月のごちそう。

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朝は、あんこ餅・クルミ餅・黄粉餅。

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昼は里山おせち。自家製のものと友人から頂いた食材のみを使います。
杏仁豆腐・黒豆・じゃがいものにんにくソース和え
熟成ロースハム・出し巻き卵・赤カブの酢漬け・山芋の海苔巻・煮しめ
卵とスモークサーモンの押しずし

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舌鼓を打っていたところに、
里山の卵や豚を買っていただいている
仙台の自然食レストラン・アルフィオーレ・シェフ・目黒さんから
すんごい豪華おせちが届いて、
夜は、「アル・フィオーレおせち」!

20種もの詰め合わせでメニュー片手に家族でワイワイ!
どれもこれも、美味、美味、美味。
せっかくなので一部を紹介すると・・・

一の重から・自然放牧豚のモルタデッラソーセージとサラミ
・金柑コンポート・丹波黒豆の赤ワイン煮・短角牛のパイ包み
・青首鴨に八ツ頭とトリュフを詰めたリピエーノなどなど。

二の重から・ホタテのムースを詰めたごぼうのボッリート
・安納芋の栗きんとん・泥付き人参のムースミルフィーユ仕立て
・熟成ジャガイモのポテトサラダなどなど。

食材にこだわり、生産者にこだわり、
作る工程にも提供スタイルにもこだわりを持つシェフ目黒さん。

実は、今回初挑戦のハムづくりでは
アドバイスをたくさんいただきました。
特に心に残ったシェフの言葉が、
ハムやベーコン仕込みに必要なスパイス類について。
「わざわざないものを買って利用するのではなく、
今畑にあるものや手元にあるものだけで充分なんですよ!」
そう言われて使用したのが、
塩・胡椒・にんにく・セロリのみの付け込み液でした。



さて、里山での年越しには、
里山長男の捏ねたうどんを里山次男とのばして切って茹でて食べました。


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家族がそろって年越し準備をして
穏やかに新年を迎えられたことに感謝して、
まだまだ向き合う現実に厳しいところもあるけれどだからこそ、
このささやかな幸福感を持ち続け今年一年も頑張っていこうと思う。

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今年も一年、どうぞ、よろしく。

by 里山おやじ&かぁちゃん





2012年12月27日

里山かぁちゃんと豚・2

すっかり姿を変えて戻ってきた豚。
ここからかぁちゃんは手塩にかけて育ててきた豚を、塩まみれにしながらハムへと姿を変えていく。

毎日毎日世話した豚を、肉になった後も一工程ずつ丁寧に手をかけていく。
塩をすり込んで
ソミュール液に付け込んで(塩.こしょうに自家製にんにく.友人のセロリのみ)
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形を整え
タコ糸で固定
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さらにさらしにくるんで
タコ糸で固定
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ボイルは大鍋で70度以上にならないようストーブの上にあげたりおろしたり
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風に当てて
スモーク(原発事故前の山桜のチップを使用)
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風に当てつつ、吊るして熟成
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食卓に上がるまで実に約9か月、
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時間も大切な資源だし、時間をかけられる日常を持てることの幸せを感じるハムづくり。
いつでもお金を出せば手に入るハムは加工品のハム。
このハムは命そのものであると感じることのできるハムだと思う。

生きることは食べること。食べることはほかの命をいただくこと。

花子さんやゆこりん、ペーターと一緒にランチでこのハムを食べるとき、
みんなの脳裏には元気に生きていたころの豚の姿がうかぶ。
おいしいね、って笑顔になるとき感謝の気持ちが一緒になる。
食事のたびに合わせる手はそんな気持ちの表れかもしれない。

かぁちゃんの作る里山での食事はこの二つがいつもセットでありたい。



by 里山かぁちゃん



2012年12月23日

里山かぁちゃんと豚

今年農場にやってきた子豚は3頭。予定では2頭だったが迎えに行ったおやじは、後ろ足がマヒしていて満足に歩けない子豚もつれてきた。

自力で餌や水をとることができるのだろうか・・不安の方が大きかった。

毎日の世話の度に前足だけで後ろ足を、というより後ろ半分の体を引きずるようにしてこちらに来る姿に何度涙ぐんだろう。
川の字になって寝る姿からは、元気な2頭にいじめられる心配も杞憂に終わった。

そのうちに、小屋の壁に寄り掛かるようにして器用に立ち上がるようになった。餌や水もどこか痛いのか「ぷひぃ〜」と鳴きながら、でも壁伝いに歩いてくるようになった。
原発事故後、土の汚染で放牧場に出せないで行動範囲が狭められたこともこの豚にとっては幸いしたのかもしれない。

里山フェスタでも子供たちに人気者の豚は最後にお肉となり私たちの命の一部になる。
今回も出荷日がやってきた。マヒがあった豚はすっかりよくなり小屋を走り回るまでになっていた。
どの豚から肉にするとは決めていない。その日の朝、最初に軽トラの荷台に歩いてきた順。今回は本当にすんなり1頭が歩いてきてくれた。
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おやじが運転する軽トラが農場の坂を曲がるまでかぁちゃんは静かに両手を合わす。
今回の豚は肉にしてからもう一度かぁちゃんの手元に戻りハムとベーコンになる。
里山で育った豚が里山の恵みによって里山で暮らす私たちの命の一部になる物語。

続く      

by 里山かぁちゃん

2012年03月05日

里山講演会・上映会

昨日は、胆沢文化創造センターにて、
「里山の生物多様性と農的暮らし」というタイトルで、
80分講演させていただく機会をいただきました。
お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

初めての場所でしたが、
「あまりに立派でびっくり」というのが正直な感想です。

大スクリーンに50枚のスライドを映して説明しながら、
なんとか、無事講演できました。

そのあとは、NHKスペシャルの劇場版「里山」の上映会がありまして、
もちろん、そちらも観てきました。

大変評価の高いドキュメンタリーだったので、
ついつい“厳かな神秘的映像”を想像してしまいがちでしたが、
やっぱり、里山は里山。
カメラワークや技術はすごかったけれど、
出てくる生き物も人も、みな身近な親近感ある顔ばかり。
これが、人と自然がともにつくりだす「里山」なんだな、と
改めて認識して自分の「里山」に帰ってきました。

by 里山おやじ


2012年03月02日

里山の生物多様性と農的暮らし

3月4日(日)、胆沢総合文化センターにて13時30分より、
「里山の生物多様性と農的暮らし」というテーマで講演します。

と、いっても、基本的には、いきもの好きな農家のおやじの経験談
ですから大したことは話せませんが、
私たちもここに入植してこの3月で丸20年の節目でもあり、
この冬は、「里山ガイドブック」と「里山フィールドノート」の
2冊の小冊子の発行に向けて、写真資料の整理が進みましたので、
ちょっといいタイミングでした。

80分間、ほぼスライドショーのような形で、
画像を見ながら進める予定です。

前半は、タイトルそのまま、
里山の生物多様性と農的暮らしの関係について。
後半は、この生活学校の活動について話そうと思います。

「里山」も
「生物多様性」も
「農的暮らし」も
みな、比較的新しい最近生まれた言葉であり、
私たちにとっては、思い入れのある言葉なので、
3つ並べてタイトルとしました。

ところで。

この講演会の後に、15時からNHKスペシャルのドキュメンタリー
「映像詩・里山」劇場版の映画上映があります。
海外でも賞を獲りまくった評判の作品です。
私も楽しみにしています。

ただ、問題は・・・

今回の講演会と上映会用の立派なカラーのチラシポスターが、
「里山に学ぼう!郷土の自然」と題して、
あちこちに張られているのですが、

それを見た人から、
「生活学校、映画になったのかい!」
とか、
「NHKで賞とったの?」
とか、
「なんで、黙ってたのよ」
とか・・・・。

ほとんどすべてのの人が勘違いされているようで、
いま、そのポスターを改めて見ているのですが・・・

うん、確かに、そういう風に見えるかもしれない・・・よく読まなければ。

下がそのチラシです。

ちらし.pdf






2012年02月17日

講演会おしらせ

県内の放射能学習会の依頼が増えて、今月は7回!
農閑期なので、依頼はすべて受けました。

ちなみに明日18日は、水沢メープルで10時半から。

25日は、北上福祉総合会館で、9時半から。

関心のある方、お越しください。

放射性物質や放射線の特徴などの基礎知識と
岩手県内の子供たちの内部被ばくの状況と、
その評価方法などを整理して
報告します。

「胆江日日」に学習会の内容が連載されるなどして、
すっかり、「放射能おやじ」
と化してしまったこの1か月でしたが、
「里山おやじ」にも、講演依頼が来ました。

実はいろいろありましたが、こちらも引き受けました。

で、

3月4日(日)13時30分〜14時50分

胆沢文化創造センター

講演「里山の生物多様性と農的暮らし」

です。

ほとんど、プロジェクターで画像を映しながら
話そうと思っています。

この後、15時からは、NHKスペシャルで大反響のあった
ドキュメンタリー・「映像詩・里山」の劇場版上映で、
「ドキュメンタリー映画大好き人間」の私は、
こちらも楽しみです。

興味ある方、ぜひ、足をお運びください。

            by 里山おやじ

2012年01月20日

里山生ハム物語・その2

さらに月日は流れて、

熟成は進み、

年が明け・・・

子豚が来てから2年と4か月。
モモを吊るしてから3・11をまたいで、1年9か月が経過。
(この間、横綱・白鳳は何回優勝したのだろう。)



今はこんな感じで、里山の風に吹かれる生ハム君。

ちなみに、左の小さいものは、
そのあと吊るした羊のモモ肉。

なんだかいい感じだ。

少なくとも腐敗はしていないし、香ばしい香りもかすかにある。

そろそろいい頃か。

よし、試食してみよう。



まずは、かびがあまりに出たモモの外側のところを、
ナイフでそぎ取る。
脂肪を薄く、かんな掛けする感じ。

慣れない作業で、丁寧にやったので、
結構時間がかかった。

いよいよ、スライス。



肉切り包丁を使って、

薄く、薄く、生ハムスライス。



皿に並べて、こんな感じ。

おっ、高級感あるなぁ。

どれ、どれ、恐る恐る・・・試食。

・・・
うまい!

熟成だ。

生ハムだ!

噛むほどに味が出てくる。

最初固いのに、そのうちとろけ始める。

そのあとで高級チーズのような味も出てくる。

うーん、感動! 1年9か月の感動、いや2年4か月の感動。

里山の食卓がまた一つ豊かになった。

長い長い生ハム物語は、この後は

食卓に上って続いていく。




          by 里山おやじ

2012年01月16日

里山生ハム物語・その1



2009年秋、彼らはこの里山にやってきた。
生後2か月ちょっとだったと思う。

まだかわいい盛りで、
原発事故による土壌汚染は全くなかったから、
毎日まきばに出て過ごすことができた。
(もちろん、事故以降は、放せないでいる。
この先、まきばに放せる日は来るだろうか。)

知能が高くて賢い彼らは、電気柵もすぐに学習し、
人にもよく慣れて、まきばでは、土をほっくりかえしながら、
草もよく食べた。



豚の成長はとても早い。
モリモリ食べて、バンバン走り回り、ぐーぐー寝てそだった
彼らは、一冬で見事に太り、
春の雪解けのまきばではこんな姿に。

まるで、ぶた だ。

厳しい寒さの中を、防寒ラードに守られて
病気ひとつせずに育ってくれて感謝。

そして、お別れ。

積雪の多い厳しい冬だったから、
こっちも毎朝小屋までかじかむ手で雪かきしながら、
鼻水を凍らせてのえさやり、水やり・・・。
手作りの発酵飼料を喜んで食べて大きく育った彼らに
厳しい北国の冬をともに超えた
農場の仲間としての一体感はあるけれど、

やっぱりお別れなんだ。

短く約束された彼らの生涯に、
飼い主として、
どれだけ生き生きとできる環境と時間を作り出せたかな・・・・。

その答えを持っているのは、
言葉を持っていない彼らだけだ。


ある晴れた昼下がり・・・ジョンバエズの名曲「ドナドナ」を
聴きながら、2頭の豚を軽トラックに積んで、屠畜場へ。(涙)





3日後、枝肉という姿で帰ってきた彼らを部位別小分けに。
ロース、バラ、ヒレという具合に、カットして、
真空パック詰めしていく。



そしてもう一つの物語の本題のモモ肉。

これで熟成生ハムを作ることにした。

といってもそんな技術も知識もあるわけない。
なぜこんなことを思い立ったかというと、
その前の年に、期せずして
2人の熟成料理人と出会ったことがきっかけ。

どちらも若き30代の熱血シェフ。

食材や生産者に対する姿勢はもちろんのこと、
調理技術習得への情熱が魅力的な青年シェフだ。

お二人ともに、別々なルートで、
別々な知人に連れられて、この里山にいらしたのだが
お二人ともに、熟成生ハムづくりの達人だった。

以来、里山の卵や豚や羊を
お二人のレストランで使ってもらっているというお付き合い。

それで私もぜひ熟成生ハムを習おうと、
根掘り葉掘りいろいろ教えを頂いての初挑戦。

細かい企業秘密は書けないが、
とにもかくにも、2010年春、
若きシェフのご指導の下、初めて熟成モモ肉を吊るした。



じゃーん。

これ1年後。2011年春。

原発震災直後で、ヨウ素やセシウムの飛来に備えて
屋内に吊るしたところ。

県南のヨウ素は相当降下したはずなので、
いい判断だった。

表面は一面カビに覆われていて
素人にはとても食べ物に見えない。

これでいいのか、という不安もあったが、
そもそもカビで肉を守るのが熟成。

少し手ごたえを感じながら、
秋以降また屋外に吊るしなおして・・・・熟成を待った。

続く   by 里山おやじ

2012年01月12日

鶏の運命・その3

鶏の運命・その3は・・・・・・・スモークチキン。

天国初日の鶏たちを、70度の湯につけて羽をきれいにむしる。
次に、お尻から切れ込みを入れて、内臓を取り出す。
(レバー、ハツ、砂肝などは美味しいのでいただく。)
内臓の抜けた丸ごと一羽の鶏に、
塩コショウ、スパイスをすり込んで、
寝かせることまる3日。

そして、4日目の今日。ここからはリアルタイムで中継。



タコ糸を通した鶏達を、70度のお湯で、軽くボイル。
ホームセンターご用達の激安薪ストーブと、
10羽一度に入る大鍋は、いつもの定番七つ道具。



1時間後、湯からあげた鶏たちを風に当てて乾かして、
ごま油を刷毛で塗りこむ。



燻煙箱につるして、燻煙スタート。
材料は里山自生のカスミ桜のチップと削りかす。
何の削りかすかというと、木の器づくりの時のもの。
小さいけれど、これも循環の一つ。


で、ここまでくれば、一段落。

外は一面銀世界で、子供たちは今もそり遊び。
気温はマイナス10度近い厳しい寒さだというのに。

寒さに弱い大人は、薪ストーブの部屋に戻って、
ティータイムをしながら、時々窓の外に見える煙のチェック。

煙が弱まったら、その都度チップを足して・・・約2時間。

そろそろいいころだ。

燻煙箱の扉を開ける瞬間が、ドキドキのワクワク・・・。
今回の出来はどうか・・・
うまく仕上がっていますように・・・・・

ってな思いで、扉を開ける。



ジャーン。

オッケイ、オッケイ、上出来だ。

こんがりと、うまそうに燻せた!




と言っても、スモークチキンは、
その日食べられるわけではなく、
ここからまた、2〜3日、風に当てるので、
「特性熟成庫」につるす。

熟成庫は、野良ネコ、飼いネコ、ドラ息子などに
吊るした肉を盗み食いされぬように、金網で作ってある。

味見は、2〜3日先であるが、
ずらりと並んだスモークは、心を豊かにしてくれる風景だ。

生まれたその日に、
ふ化場からこの里山にやってきたひよこたち。

雨の日も風の日も猛暑の日も吹雪の日も一緒に超えて約2年。
その命を頂いて、私たちはまた命をつないでゆく。

    by 里山おやじ