6月6日は、まきばの観察会と合わせて
里山の野鳥・サシバの学習会を開催します。
講師は岩手大学の東先生。
長年、このサシバという小さな鷹の生態を研究してこられた研究者です。
このサシバ、
毎年春にフィリピンや台湾から日本に渡ってやって来ます。
日本では、この岩手が北限だそうです。
2年前に生活学校の拠点であるこの里山でも営巣、子育てをして、
2羽の幼鳥が巣立っていきました。
ちょうど、田の脇のアカマツの木に営巣したので、
観察にはもってこいの場所で、写真もたくさん撮れました。
今年も、巣こそ見つかっていませんが、
よく見かけますし、
「ピッ、クイーー」という甲高い声を聴いています。
そんなわけで今回は東先生に
「里山の猛禽類サシバ〜なぜ里山生活学校で子育てするのか」
というタイトルでお話しいただきます。
詳しくは当日先生からお話をお聞きするわけですが、
私個人的に、
この鳥の生態は、
特に里山地域で稲作に携わる農家や、
その農家の生産作業に関心を持ってくれる消費者に
ぜひとも、知ってもらいたいな、と思っています。
一言でいうなら
サシバは、「里山で人が営む農耕(特に稲作)に依存している鳥」であり、
「里山の稲作を喜んでいる鳥」なのですね。
コメが単なる換金商品として
価格や食味や栄養価やブランド名(あるいは安全基準でさえ)
といった数値や記号のみで評価されるだけではけっして見えてこない、
だから見落とされてきた大切な物語が、
その生産過程のたんぼには少なからずあります。
その一つが、農耕作業と共存する生き物たちの物語だと思うからです。
もしかして、
その大切なことに気づかせてくれるきっかけを
このサシバの生態が教えてくれるのではないか・・・
そんな期待を抱かずにはいられないのです。
それは、この小さくも雄々しい鷹が好む環境が、
大規模化、機械化、ブランド化できない
つまり農業収益的には圧倒的に不利な
里山の田んぼ周辺だということです。
各地で、「里山」という言葉が頻繁に使われるようになったのは
大変好ましいことです。
この言葉が、しっかりと
欧米発の「手つかずの自然・ネイチャー」に対する
日本発の「人の手の入った自然・里山」と定義されるなら、
人の手(農林作業)と共存するサシバのような生き物
の存在を大切に思う心が育ってはじめて
「里山」の価値に重みが増してくるのではないでしょうか。
勿論、田んぼの生き物はみな大切ですが、
全国どこの田んぼにもいるカエルやトンボと違って、
里山の田んぼにしか生息しないのがサシバ。
だからサシバは、里山生活学校の「必修科目」です。
6月6日、興味ある方、ぜひ、一緒にこの必修科目受講しましょう。
かまどピザ食べながら。
by 里山おやじ
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