いのち森3年目の調査結果を福田さんがまとめてくださいました。
この森の主要な9種類の樹種の切り株からの成長度調査結果です。
これは10頭の林間放牧している羊の嗜好が直結していますので、
「雑木山」・「羊(草食動物)」・「人の山仕事」の共生関係を探るうえで
とても興味深いデータです。
(エクセルのグラフがどうしても貼り付けられなくて・・・・・泣
だから、そのグラフを見てのまとめですが…)
まず、@木の高さは、
・絶好調グループ ホオノキ
・まあまあグループ エゴノキ、オオヤマザクラ、コナラ、ヤマザクラ
・低調グループ イタヤカエデ、オオヤマモミジ、ヤマモミジ、クリ
A直径は、東西の直径と南北の直径が同様傾向で、
・好調グループ ホオノキ
・まあまあグループ エゴノキ、オオヤマザクラ、コナラ、ヤマザクラ
・低調グループ イタヤカエデ、オオヤマモミジ、ヤマモミジ、クリ
B生存率も、
・堅調グループ ホオノキ、エゴノキ、オオヤマザクラ、コナラ、
・まあまあグループ ヤマザクラ
・低調グループ イタヤカエデ、オオヤマモミジ、ヤマモミジ、クリ
ということで、3年目を迎えたこの調査は、はっきりといくつか傾向が見えてきました。
@ABから、
「高さの変化から見た樹種のクループ分けと
直径の変化から見たクループ分けとはほぼ一致する 」
「サイズ(高さ、直径)の変化と生存率の推移の面から見て、
好調をキープしているのはホオノキで、
不調に陥っているのはカエデ科3種とクリ」
ということが確認できます。
羊から見て、平たく言えば、
「カエデやクリの葉はうまいけど、
ホオノキやエゴの葉はうまくない。」 ということになりそうです。
これは、感覚的にはよくわかると思いません?
ほら、」ホオの葉は、昔から殺菌作用があるとして使われてきたし、
エゴの実にはエグいサポニンがかなり含まれています。
一方、カエデはメイプルシュガーにつながるし、
クリは人間にもおいしいし・・・。
って、ちょっと短絡過ぎ?
こうなると、それぞれの葉の成分を調べたくなりますね、福田さん。
とにかく、地道な調査から、「生き物たちの特徴」が浮かび上がって来る
というのはほんとに面白いですね。
しかも、自分たちの手で実測した手応えのある調査です。
改めて、福田さんに感謝です。
by 里山おやじ
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