ここ最近気候が乾燥しており、
風も強いせいか江刺でも火事が多発しているようです。
消防署が近くにあれば消火活動も間に合うでしょうが、
山林の火事となるとそうも行きません。
地上のありとあらゆるものを燃やし尽くした後に何が残るのか。
クズが生えてくるのです。
地中に隠れていた種が火事の熱で休眠状態から起こされて、
風に乗ってやってくる別の種子たちより先駆けて、
栄養たっぷりの火入れがされた地面に芽吹きます。
放牧区と禁牧区という比較に加えて、
火入れの有り無しという比較も同時に行いました。
福田さんの研究ではあまり熱くてもダメだし、
日光程度の暑さではさほど活性化しないこともわかったそうです。
マメ科の植物なのでたんぱく質が多く羊も大好き。
それゆえ放牧区では禁牧区よりも成長率が低い。
火入れをする=ライバルを減らしておけばたくさん成長しますが、
ライバルが多い=火入れをしないと他の植物が日陰を作り負けてしまう。
主役と持ち上げておきながらも有用性でいえば、
ノシバの再生力のほうに軍配が上がります。
それでもこういった研究により、
クズの有効活用などのネタになったりするのです。
それでは座学はここまで。
次回は実際の観察となります。
by おり
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