岩手県南の放射能汚染は、
さらに、事態が明らかになって周知され始めています。
国内の汚染地域全般にも言えることですが、
「測定」が不足しています。
充分な「測定」
冷静な「評価」
が揃って初めて、効果ある「対策」
が見えてくると思われます。
まずは、充分な測定を、心から望みます。
「測定」には、
@空間の測定
A土壌の測定
B食品の測定
C体内の測定
の4つがあります。
まずは@の空間線量ですが、
県南を中心に、空間線量を測る線量計を入手して、
自分の生活圏周辺を測る人がかなり増えてきました。
その結果、岩手県南では一関、千厩、平泉、前沢、水沢などで、
高い線量が計測され続けています。
仙台などが、これよりはるかに低いことを考えると、
3月末の風雨の不運を恨みたくもなります。
が、それさえできなかったチェルノブイリ周辺の人達と比べると、
やはり、少しは恵まれている、と思います。
(先日、北上で、「チェルノブイリハート」というドキュメンタリー映画
のあまりにつらい映像を見て、特にそう感じました。)
聖愛ベビーホームの前園長・滝沢先生より、
「生活学校で活用してください」と、
線量計購入費用をカンパしていただきました。
検討した結果、13万円のものを購入しました。
会員の中で御自宅周辺の空間線量を測りたいと思っている方にも、
貸し出しいたしますので、必要な方、御連絡下さい。
(ただし、また貸しはご遠慮ください。)
ちなみに、生活学校の空間線量は、地上1センチで
0.07〜0.08マイクロくらい。
事故前の線量が、0.03ですから、2倍から、3倍近い上昇です。
それでも奥州市の中では、低い方です。
さて、この数値は、地上に堆積したセシウムから出る、
ベータ線とガンマ線のうち、ガンマ線の実を測った数値です。
空中で数十メートル飛ぶガンマ線は測れても、
1センチしか飛ばないベータ線は、なかなか測れません。
が、飛距離が短いうえに、透過力も小さいベータ線は、
外部からの被曝は、それほど恐ろしいものではないので、
この場合は、ガンマ線だけの測定でも充分だと思われます。
続いてAの土壌線量。
生活学校の土壌の1回目の検査結果がきました。
表土5センチを採取して
1キロあたり、セシウム134と137の合計が
290ベクレルという値です。
正直、このへんは、100〜200くらいだろうと思っていたのですが。
これに65を掛けると、大体1平方メートル当たりの
ベクレル数になります。
290×65=約18000ベクレル。
チェルノブイリの第4ゾーン「放射線管理区域」が、
37000ベクレルから始まるのですが、約その半分
ということになります。
(ただし、チェルノブイリとの単純比較は危険です。
あちらはセシウム137だけの値ですし、
表土採取の深さや、汚染マップ作成時期
なども一致しているか不明です。)
この土壌も、農作業時等に、外部から被ばくをしますので、
このAまでは、ガンマ線だけの数値にも意味はあります。
ちょっと長くなりましたので・・・・・・・・つづく。
【津波・原子力災害の最新記事】