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「社外取締役 導入企業、5割に迫る」(「日本経済新聞2008年11月26日朝刊) [2008年11月26日(Wed)]
東証一部上場企業のうち、社外取締役を導入した企業の割合が45%強(776社)になったとのこと。これは2007年度までの話で、2008年度には50%を超える可能性もあるそうだ。

増加の背景には投資家サイドからの強い要請があるものと思われる。M&Aルールの政策提言を検討しているときに多くの投資家の方と議論したが、社外取締役に対する期待は極めて強かった。記事にもあるとおり、米国では社外取締役が取締役会の過半数を占めることも多い。それだけ社外取締役の経営者監視機能が期待されているということだ。

実際にはどこまでその効果があるかは不明である。米英のように社外取締役の“社外性”の要件を厳密に決めれば、利害関係者は排除できるかもしれない。だが、社長と仲の良い“お友達”を排除しきれるとは思えない。

また、理論的に不明確な部分もある。このブログでも何度か書いているが、アメリカの会社法は株主の権限が弱く、取締役会の権限が強い。だからこそ取締役会に株主の代理人たる社外取締役を入れよという議論が出てくる。日本は逆で、会社法上株主の権限が強い。そこで社外取締役をどう位置づけるかについては理論的に詰め切れていいないのではないか。今後検討する必要があるだろう。

また、記事によると社外取締役と買収防衛策をセットで導入した企業も多かったとのこと。しばらくはこのような形で投資家と経営者のディールの材料として社外取締役が使われ、増加してくのかもしれない。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:29 | 経済 | この記事のURL