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「政治主導の時代」保岡興治 [2008年09月04日(木)]
福田総理の辞意表明で政局はにわかに流動化しはじめたようだ。総理の決断の決め手となったのはなにか、いろいろな憶測が飛んでいるが、結局は公明党の態度硬化により3分の2の再議決が使えないことへの失望感ではないだろうか。

辞意表明に対するコメントの中でちょっと気になったのが、民主党の鳩山幹事長の「国会のねじれは、世界中のどこにでもある状況」「野党に責任をなすりつけられても困る」というセリフだ。

確かに、二院制を採用していて、両院の第一党が異なる状況というのはどこの国でもあるだろう。しかし、日本のように国会が完全なデッドロックになることが予定されている国は多くないのではないか。日本では「ねじれ」がひとたび起こってしまうと、野党が拒否権を持つに等しいので、何も決まらなくなる。3分の2の再議決が使えなければ、法律が一本も通らない国会が容易に実現してしまう。

特に政権交代の過程を考えると、ほとんどのケースで一度はデッドロックを経過しなければならない。「選挙による政権交代」をするためのハードルが非常に高い制度設計になっている。民主党も逆の立場になったら困るはずで、本来やりたい改革を十分に実現できないことになるだろう。そろそろ、このルール(法律案に関する3分の2再議決)の見直しを考えるべきではないか。

本書に載っている自民党・憲法改正草案大綱(第二次案)では、衆議院で可決した法律案を参議院が否決した場合は、衆議院の過半数で再議決すればよいこととなっている。その策定の過程では参議院の反発もかなりあったようだが、保岡氏はそうでなければ国会はうまく機能しないという信念で押し通したのだろう。誠実な態度だと思う。

憲法改正がからむ形なので、実現へのハードルは極めて高いが、今回の政治の迷走を機に政治システムについても骨太の議論が起こってほしいものだ。
Posted by 佐藤孝弘 at 17:53 | 政治 | この記事のURL