「議員政策研「政調復活」沈静化狙う」(「読売新聞」2010年3月9日朝刊4面) [2010年03月09日(火)]
|
民主党は、参院選のマニフェストづくりの体制として、政権公約会議、マニフェスト企画委員会、議員政策研究会を立ち上げることを決めたそうです。政権公約会議は鳩山総理を議長とし党・政府首脳がメンバーに、その下部組織としてマニフェスト企画委員会があり、こちらも政府側(委員長:仙石国家戦略相)、党側(委員長:高島副幹事長)がつきます。議員政策研究会は政策立案に関して議論してうえでマニフェスト企画委員会に政策提言ができる体制のようです。
奇しくも、3月5日のエントリーで提案した方式に近い形になっておりますが、以下の鳩山総理の発言を聞きますと、若干不安になります。 「政調を党に残し、政府と別の話になると、二元的なかつての(自民党)政権になってしまう。それは繰り返してはならない」 いったい、どういう考えのもとでこういう発言が出るのでしょうか。 政調やあるいは、別な形の政策立案組織を復活しても、当然「事前審査制度」のようなものは制度として導入しないでしょう。そうであれば二元的な政権にするもしないも、鳩山総理のリーダーシップにかかっているのであって、政調の有無とは関係ありません。 昨年12月16日、暫定税率の扱いなどで煮え切らない鳩山総理に対し、民主党の小沢一郎幹事長が訪ね、予算と税制に関する要望書を渡しました。結局、それが決め手となり暫定税率は事実上維持される結果となったわけです。これを「党と政府の二元化」といわずして何と言うのでしょうか。 政権交代したばかりの民主党は“白地”状態です。すぐに自民党的な政策決定プロセスになってしまうと考える方が不自然でしょう。むしろ二元化のようなことは、このような総理の優柔不断な対応が積み重なって慣習化して起こるものなのです。 問題はそれだけではありません。 政権発足以降現在に至るまで、マニフェストについては、(暫定税率のような)なし崩し的修正、(普天間のような)先送りのオンパレードです。年金制度などは、かねてから民主党が最重要課題としていたにもかかわらず、つい最近まで「放置」されてきた問題でもあります。 このような事態になったのは、総理のリーダーシップが弱いことに加え、そもそもこれまでマニフェストを作ってきた党の政策立案機能が弱かったということです。批判に耐え、実行に耐えられる「強いマニフェスト」ではなかったということです。 今後、議員政策研究会は、霞が関と対等に勝負できる、本当の意味での政策立案能力が求められるでしょう。議員にとっては、政策の勉強をしなければならないわけですから、それ相応の覚悟が求められます。 一方、仮に議員政策研究会から良い提案が上がっても、総理や政務三役にそれをくみ取る見識がなければ意味がありません。役人サイドの提案と、党としての提案を見比べて最善の道を選び取る見識が必要ですし、省庁タテワリの問題については、それによる対立をうまくさばく能力も必要になります。 自前の頭脳と見識がなければ、政治主導も何も絵にかいたモチであることにいつになったら気がつくのでしょうか。 |




