
ジャーナリスト兼出版社経営をされている大江正章さんが、元気な日本の地域とその取り組みを紹介している本です。地方の衰退が叫ばれて久しいですが、本書では、「食と農」を中心に、たくさんの活気ある地域の事例がでてきて、希望が湧いてきます。
それらの多くは、地域にもともとある資源を生かした、生業の発展です。具体的な事例については、本書を読んでいただきたいですが、うまくいっている共通点としてはだいだい以下のような点があると感じました。
・事業としてペイしないと長期的には続かない
・「顔の見える」関係による安心や信頼感をブランド化
・行政との連携がうまくっている。補助金などであっても活用できるものは活用する
・マーチャンダイジングができる人材が極めて重要
中でも、特に4つめのマーチャンダイジング人材がカギでしょう。地域にもともと住んでいる人は自分の地域の良さが逆にわかりにくいものです。そうした中で、それを再発見し、それを潜在的に求めている人たちとつなげていく、これが難しいわけです。商売をやったことのある方ならわかると思いますが、独特の嗅覚が求められます。
「葉っぱビジネス」で全国的に有名になった徳島県上勝町の事例も出てきますが、これを立ち上げた横石さんは自費で全国の料亭に通いつめ、血のにじむような努力で販路を開拓していきました。強固な信念あってのことだと思います。常人にはそうそうマネできるものではないかもしれませんが、この信念に人は呼応し、花開くのだと思いました。
一方、(こんなことを書くと著者の大江さんに怒られるかもしれませんが)、一種の「ビジネス書」としても読める本です。「儲け主義」をとらずに事業として成り立つには儲け主義以上の商才やセンスが要ると思いますので…。
などなど、いろいろと考えさせられる本でした。ぜひお読みいただければと思います。