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「新しい労働社会―雇用システムの再構築へ」濱口桂一郎 [2009年10月05日(Mon)]
元厚生労働省の労働法研究者による労働社会論。日本型経済システムを前提とした労働に関する諸ルールについて、どこが時代に合わなくなってきているか、今後どういった解決の方向性があるかを丁寧に解説しています。現行制度の経緯まで合わせて書かれているので、政策を考える者にとっては非常に重宝します。

たとえば、派遣法の対象業務限定について言えば、1999年にポジティブリスト方式からネガティブリスト方式(原則自由)に転換した際、製造業は暫定的に附則で除外しただけで、2003年の解禁への道筋はすでにできていたことを指摘しています。これなどは、「小泉改革悪玉論」が横行する昨今、必要な指摘しょう。また、そもそも派遣について対象業務で限定すること自体に無理があり、派遣労働者の保護や教育訓練という観点を強調している点は、今後の政策立案の参考にもなります。

また、著者が専門とするEUの労働法についても適宜触れられています。それもまた大いに参考になるのですが、本書でも指摘されるとおり、欧州は労働条件について全国レベルの組合によるトップ交渉によって決定されるケースが多いため、日本とはかなり事情が違うことは考慮に入れる必要がありそうです。労働組合の組織率が20%を切り、正社員とそれ以外の労働者が分断されてしまっている日本において、どのように労働者の利益を実現していくべきか、本当に悩ましいところです。

本書の第4章で検討されている、全ての労働者の利害を代表する新たな労働者代表組織はそのような試みかと思います。この妥当性についてはいろいろな議論があるかと思いますが、今後多様化する労働社会のあり方の類型のひとつではないでしょうか。

労働制度改革にご興味のある方はぜひお読みいただければと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:39 | 経済 | この記事のURL