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「ワークシェア導入論浮上 政労使、痛み分かち合い」(「日本経済新聞」2008年12月26日朝刊3面) [2008年12月26日(Fri)]
目下の雇用対策として、オランダの「ワッセナー協定」を参考にすべきという声が経済界か産業界の間から出てきたとのこと。「ワッセナー協定」とは、1982年にオランダの政・労・使の三者が話し合った結論だ。政府は財政支出を抑制し減税を行う、労働組合は賃上げの抑制に同意する、使用者は雇用機会を増やすというもので、「三方一両損」のような考え方だ。この合意以降、オランダの失業率は大きく改善し、企業の競争力も高まったため、ワークシェアリングの成功例としてよく引用される。

日本ではどうか。記事には書かれていないが、協定の背景には、パートとフルタイム労働者の差をなくし、「同一労働同一賃金」「均等待遇」という方向に社会を変えていくという「より大きな社会的合意」がある。果たして日本に「日本人の働き方の将来像」に関する国民的合意があるかと言えば、全くできていない。また、制度的にも実態的にも正規・非正規の差が極めて大きい現状を考えればオランダと全く同じ方向へ行くことは困難だろう。

それ以前に、現在の日本では、政・労・使がそれぞれの集団をどれだけ「代表」しているかどうかも疑問がある。政治は選挙を経ないで総理が3人も交代して支持率20%を割る状況だし、労働組合は組織率が20%を割っている。経営者側も競って非正規雇用を解雇・雇止めしている状況で、将来の労働のあり方についてコンセンサスが得られる見通しはない。

こうした中で安易にオランダ型だのなんだのと言っても仕方がない。まずは90年代以降の経済の構造変化を踏まえ「日本人の働き方」の将来像を真剣に考えるべきではないか。
Posted by 佐藤孝弘 at 01:00 | 経済 | この記事のURL