☆今、習近平政権は国内の言論統制を徹底しているが、それでもネットユーザーたちは一向におびえる様子はなく、冷めた目でその特有のユーモアセンスと巧妙な表現で中国共産党や政府に対する痛烈な批判と皮肉を毎日のようにまき散らしている。
「中国の小話」その91
―中国の社交メディアの最新動向―
近頃、中国のインターネット上で「共産党規約を書き写そう」というキャッチフレーズが大流行。と同時に、南昌鉄道局に勤務する新婚夫婦が、新婚初夜に寝室で党規約を書き写す写真がウェブサイト上で話題になっており、「新婚の夜に美しい記憶を残そう」というタイトル付きのこの写真に対する風刺批判の記事や小話が次々にアップされている。
この運動を発動する背景には、9000万人ある共産党員の中で忠誠を尽くす者が少なくなり、ネット上で常に党の悪口をいう党員幹部が増えていること。また、自分が入党した年月日を忘れてしまい、党員であることの意識が薄くなり、党費を滞納する人が増えていることに党中央が懸念を持ち始めたからのようだ。
そこで、中国共産党に忠誠を尽くさない党員への厳しい監督、党費の滞納を整頓する狙いで、党中央は2月28日から全国範囲で党規約を学ぶ運動を展開し、5月から党規約を百日書き写すキャーンぺーンを呼びかけた。
しかし、ネット上の反発は意外にも猛烈なものだった。
党派性が重要か、人間性が重要かの議論で盛り上がり、ネットユーザーは、一連の写真や文革式な言語は毛沢東が起こした文化大革命を連想させ、人間性を歪曲することを皮肉っている。
【久旱逢甘雨 他郷遇故知 洞房華燭夜 金榜掛名時】
(長い旱ばつの後に慈雨が降る、 異郷で知人に逢う、新婚の寝室に華燭を灯す、科挙の合格発表に名前が載る)
これは 中国で広く知られている宋の詩人・汪洙の詩で、人生最大の4つの喜びを表現したものである。あの新婚夫婦が初夜の寝室で党規約を書き写す写真は反人間性だという意味もあるだろう。
☆全国各地で党章(党規約)書き写し運動が展開 2016年05月23日
5月17日、南昌鉄道局送電部に所属する車輛整備士の李雲鵬は車輛検査技師の陳宣池との新婚初夜に、党章(党規約)を書き写し、新婚初夜の美しい記憶に残した。(人民ネット)