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resize.png日本財団はハンセン病の差別撤廃を訴える応援メッセージサイト「THINK NOW ハンセン病」を開設。皆様からのメッセージを随時募集・配信しています。
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4月28日(木) [2016年04月28日(Thu)]

4月28日(木)

7:40 財団着

11:30 浅野直広 テレビマンユニオン・ディレクター

13:00 武部恭枝 プライムコーポレーション社長

13:30 スピーチ打合せ

16:00 鶴岡公二 駐英国大使

「寄付者の選択枠を広げよう」―熊本地震への支援― [2016年04月28日(Thu)]

「寄付者の選択枠を広げよう」
―熊本地震への支援―


前回のブログで、プロゴルファー・大山志保選手が優勝賞金全額を熊本地震の被災者に寄付した話題を基に、プロスポーツ選手、芸能人の寄付が如何に被災者を勇気付けるか、さらに東日本大震災では多くのプロスポーツ選手や芸能人が「売名行為」、「一人だけいい格好をして」と言われるのを恐れ、目立たぬように寄付や被災地支援活動をしている実態を報告した。

今回は報道機関、特に新聞における「募金活動」を中心に感想を述べたい。

4月28日付けの各紙朝刊を見ると、第2社会面を中心に読売新聞は熊本地震救援募金として「読売光と愛の事業団」、毎日新聞は「毎日新聞東京社会事業団」、産経新聞は「産経新聞厚生文化事業団」、朝日新聞も「朝日新聞厚生文化事業団」名の募金窓口を設定し、「義援金」を呼び掛けている。

これはこれで素晴らしい。しかし私の知る限り、寄せられた「義援金」は追って日本赤十字社に寄託され、実際に被災者・被災地支援に役立てられるのは6ヵ月以上先になる。災害で保護者を亡くした高校・大学生への奨学金を独自に設け、別枠で協力を呼び掛ける募金や、政府や熊本、大分両県が呼び掛ける募金もあるが、活用されるのが先になる点は同じである。

言うまでもなく、どの災害でも、まず人命救助のために自衛隊、警察、消防が出動し、次いで避難所等での支援活動、さらに壊れた家屋などの片付けのためNPOや災害ボランティアの出番となる。

新聞社などの義援金募集を批判するつもりは毛頭ないが、ここで強調したいのは、被災者の救済・支援を進める上で、まずは「直ちに使用できるお金」を集めるのが先決と言うことだ。特に今回の熊本地震は、前例のない多発余震が、地震発生から2週間を経た現在も続き、現在進行形の形で被害が拡大しているだけに、直ちに活用できるお金、即ち支援金が急務だ。

専門知識や技能を持ったNPOや災害ボランティアの活動が既に始まっているが、これらの活動に対し、すべて無料奉仕を期待するのは酷な話である。

もちろん瓦礫の撤去など学生、若者の活動は無料奉仕でも問題はないだろう。しかし、熊本地震で最も大きな被害が出た熊本県・益城町の避難所を26日に訪れた際には、多種多様な専門知識を持ったNPOやボランティアが活動していた。顔ぶれも美容師、床屋、マッサージ師から歯科検診、看護師経験のある人まで様々。広い被災地でそれぞれが精力的な活動をしており、これらの方々が一層、活動できる環境を整備していくことが復興を後押しすることになる。

このため新聞社には、どの地域でどのようなNPOやボランティアがどんな活動をし、今、何を必要としているか、例えば一覧表のような形で、連絡先も含め分かりやすく報道いただけないかと思う。そうすれば、これを見た読者も、直接、彼らに「支援金」を送ることで、自らも被災地復興に参加することが可能になる。

新たに課題を的確に掘り起こしてもらうのも意味がある。そうした支援の形を整えることが、日本の寄付文化の醸成につながる。是非、ご協力を願いたい!

「ゴルフ優勝の大山志保選手」―賞金全額を熊本地震被災者に寄付― [2016年04月28日(Thu)]

「ゴルフ優勝の大山志保選手」
―賞金全額を熊本地震被災者に寄付―


第35回フジサンケイレディスクラシックで大山志保選手が優勝、優勝賞金1440万円を全額、熊本地震の被災者に寄付した。同クラシックでの10年振りの優勝と「7年間暮らした熊本への思い」を勝因に挙げたさわやかな笑顔に拍手を送りたい。

大山志保選手.png
フジサンケイレディスクラシックで優勝した大山志保選手


日本財団では東日本大震災以来、災害支援をはじめ、多様化する日本の社会で次々に生まれてくる社会課題を解決するには、国や地方自治体にすべてを頼るのではなく民間の参加こそ必要と考え、寄付文化の醸成を目指している。

東日本大震災では多くの芸能人やプロスポーツ選手が直接、間接に支援の手を差し延べ、被災地の人々を勇気付けてきた。しかし多くは目立たぬようプライベートな形で行われ、ほとんど知られていないケースもある。

東日本大震災の被災地に総額4億円を寄付したSMAPのメンバーの一人・中居正広さんは、今回の熊本地震でも被災地を訪れ、目立たぬよう大きなマスク姿で炊き出しのボランティア活動をしたと報じられている。昨年10月、静岡・浜名湖ボートレース場で開催されたSG(スペシャルグレード)の「ボートレースダービー(全日本選手権)」で優勝した守田俊介選手は優勝賞金3500万円を東日本大震災の被災地に全額寄付した。

日本には古来、人に知らせずひそかに善行をする「陰徳」の文化がある。加えてスポーツマンや芸能人には、ファンや関係者の応援で今日の地位を築くことができたとの思いがあり、これが寄付の動機になっているケースも多い。大山選手も今回の寄付に当たり「お世話になった熊本に」と感謝の気持ちを語っている。

もっとも折角の善行を「売名」に結び付けて報道されたり、「格好をつけた」と仲間や関係者から揶揄されるケースもあるらしい。日本財団も多くの方から寄付をいただくが、意外なほど匿名希望が多いのは、こうした影響かもしれない。仮にそうであれば残念と言うしかない。

プロスポーツ選手や有名芸能人の寄付や支援活動が、どれだけ被災者を勇気付けているか、皆がもっと広く知るべきだと思う。大山選手のさわやかな寄付はいい機会である。何事も気にせず、自分の判断で、どんどん寄付をしてほしいと思う。そしてメディア関係者にも、この種の美談をもっと積極的に報道してもらいたい。

日本と違って外国には、スポーツ選手や芸能人が、臆することなく自分の判断で寄付をする文化がある。同僚や仲間の目線を気にしたり、売名行為と言われるのを恐れる必要はない。日本のスポーツ選手や芸能人も、もっと胸を張り、堂々と寄付や支援活動に貢献してほしい。

災害のほかにも、小児難病、孤児の養子縁組、再犯の防止、障害者の就労支援、ろう者や貧困家庭の教育問題、不登校児の問題等、支援を必要とする社会課題はいくらでもある。民が民を助ける社会を作るには、寄付はいくらあっても足りない。

スポーツ選手や芸能人に対する国民の注目度は高い。あなた方の積極的な寄付行為が日本の寄付文化を育てることにもなる。

4月27日(水) [2016年04月27日(Wed)]

4月27日(水)

7:30 財団着

9:00 イラン出張打合せ 於:笹川平和財団ビル
    田中伸男 笹川平和財団理事長
    犬塚 勤       海洋事業企画部長
    工藤栄介       参与

12:00 「Social Café−Sign with Me」訪問 昼食及び団体代表者と懇親
    (ろう者が働くカフェ)

Sign With Meカフェの前で.jpg
"Sign with Meカフェの前で

スープの種類が豊富で迷います.jpg
スープの種類が豊富で迷います

スープの味は絶品です!(写真はビーフストロガノフ).jpg
味は絶品です!(写真はビーフストロガノフ)

店長の柳さんと.jpg
Social Café−Sign with Meオーナーの柳氏と


13:30 喜多悦子 笹川記念保健協力財団理事長

13:45 秋山昌廣 東京財団理事長

14:00 山口 学 常滑ボートレース管理者競艇事業部部長

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常滑ボートレース管理者より、熊本地震へのご寄付17万円いただきました


14:10 バチカン、カメルーン出張打合せ

15:30 海野光行 日本財団常務理事

「テレビ出演」―愚妻との関係― [2016年04月27日(Wed)]

「テレビ出演」
―愚妻との関係―


私の終生の仕事である世界のハンセン病制圧活動について、1月26日には安部総理ご夫妻も出席してくださり、第11回目のハンセン病差別撤廃のためのグローバル・アピールを発表した。

その関係でNHKに生出演した時のことである。

愚妻曰く「ハンセン病の番組なのにニヤけていたわ。腹話術のいっこく堂みたいだった。キャスターが美人だったから?」

「???・・・随分厳しいね」

「だって職場の人は思っていても貴男には注意しないでしょう。だから私が注意するのよ」

「いくらお前が注意してくれても、いっこく堂の顔は治らんぞ!!それに職場では結構批判や注意、反論もあるよ」

「それでも職場の皆さんは、遠慮して100分の1もおっしゃっていないと思うわ」

「まるで見てきたような事を言うね・・・」

これだけの話だと、いかにも恐妻家のように誤解されるかも知れない。
先般、小泉純一郎氏にお目にかかった折
「あんたの本読んだよ。奥さん、本当に今もそうなの?」

「そうですよ。女性は結婚前に約束したことは忠実に守るものです。@家庭で仕事の話は一切しない。Aスケジュールは教えない。B食べるかどうかはわからないが、旨い不味いは言わないので、食事はいつでも出来るようにしてくれ。以上の3点を約束して一緒になったので、今も実行してくれていますよ」

「それってすげえなぁ!!」

「でも、最近は秘書が海外出張のスケジュールを妻にメールしているらしいけど、長年の習慣で見ていませんね」

「そうかね」

「早朝帰国で家に帰り、『あら!!お帰りになったの?』なんて言われると、寝不足でもあり、多少むっとしますよ。重い旅行カバンを二階に引きずり上げながら、そうか、結婚前の約束を守っているんだと、苦笑いせざるを得ない時がありますね」

「電話ぐらいかけるだろう」

「電話もかけませんよ。ただ4年前、ペルーで心臓で倒れたとき、手術台から『今からペースメーカーを入れるが心配するな!!』と電話したことはありますね」

「それだけか?」と、あきれた顔をされたのが印象的だった。

妻も古希になった。病気もせずに元気なのは有難い。だが私に寸鉄人を刺すような一言はいつ研いたのだろうか。一般的に女性は子育てが終わると男性化する傾向があり、晩年になると亭主を子どものようにあしらうようになるようである。私は職場で『我々の活動は、あふれる情熱、何事にも耐える忍耐力、そして、成果が出るまで頑張り続ける継続性』が必要だと、いつも威厳?をもって宣(のた)まっている。実に高邁な考えではないかと自画自賛している。それに比べて家庭での立場はこの程度の存在だ。私は、存在としては職場と家庭では当然異なるものだと考えている。川柳ではないが、『耐えてきた、そういうお前に耐えてきた』と言いたいところだが、結婚生活45年、どうもお互い様のようである。

このブログで日本財団の職員は私に軽蔑の眼(まなこ)を注ぐだろう。しかし、人間とはこの程度の存在であることを知ってくれればいいと思っている。

4月26日(火) [2016年04月26日(Tue)]

4月26日(火)

6:45 自宅発

8:30 羽田発

10:15 熊本着

11:00 益城総合体育館ほか視察

@避難所(益城町総合運動公園内体育館).jpg
避難所(益城町総合運動公園内体育館)

A被災者の方々が一日でも早く元の生活に戻れるために考えていかなければならない.jpg
避難所には被災者がぎっしり
何とかしなければ・・・

B避難所のトイレは衛生面を考えて和式がほとんど。お年寄りには厳しい。.jpg
避難所のトイレは衛生面を考えてなのか、和式がほとんど
お年寄りには厳しい

C自衛隊が設置した風呂場.jpg
自衛隊が設置した風呂場

D老犬たちも自宅に戻りたいだろう・・.jpg
老犬たちも自宅に戻りたいだろう・・・

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モーターボートの女子選手(武藤綾子選手、糸数由里選手、稲垣一恵元選手)が
いち早くテントを張ってボランティア活動を開始
ここが彼女たちのかわいい拠点です

F益城町の西村町長.jpg
益城町の西村町長


12:50 熊本市役所着

13:00 熊本市長と面談

14:00 熊本地震・緊急支援 熊本県との合意書締結式並びに記者会見 於:熊本県庁

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熊本県との緊急支援合意書締結(右が蒲島郁夫熊本県知事)

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記者会見


15:00 日本財団災害復興支援センター熊本本部 視察

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日本財団災害復興支援センター熊本本部を設立しました

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日本財団の災害派遣拠点を訪問

I震災直後から現地入りしている黒澤職員から被害状況を聞く.jpg
震災直後から現地入りしている黒澤職員から被害状況を聞く

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熊本城の無残な姿に胸が痛む

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被災した熊本城

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爪跡が痛々しい


15:57 熊本発

17:03 博多着

17:55 福岡発

19:35 羽田着

20:30 自宅着

4月25日(月) [2016年04月25日(Mon)]

4月25日(月)

7:30 財団着

9:00 インド出張打合せ

9:30 亀井善太郎 東京財団研究員

10:00 「異才発掘プロジェクト」事業打合せ

11:00 熊本震災支援打合せ

12:30 福祉車両支援事業打合せ

14:30 業務委託事業打合せ

15:00 原口和久 鴻巣市長

15:30 国際看護師協会(ICN) フランシス・ヒューズ事務局長

「支援金と義援金の違い」―寄付先の選定について― [2016年04月25日(Mon)]

「支援金と義援金の違い」
―寄付先の選定について―


私は、東日本大震災の時に支援金と義援金の相違点を指摘し、日本財団への支援金のご寄付をお願いした。

近頃は支援金、義援金の他に、救援金とか単に募金募集とか、志ある寄付者には判断がつきにくい言葉もある。要は、支援金はいち早く現場で活動するNPO、ボランティアの必要資金のことである。

それ以外の寄付金は、集まった募金を検討委員会にかけ、それぞれの自治体に一括寄付したり奨学金を設置したり、東日本大震災の例のごとく、決定して配布されるまで6ヵ月以上、一年近く時間がかかるものまである。

日本財団は支援金募集である。勿論、募金収入がなくてもFAXやメールでNPOやボランティアグループに100万円を限度に支援することは東日本大震災の時と変わりはない。

どうぞ、ご寄付の意思のある方は、透明性と説明責任を大切にしている日本財団の下記をご利用願います。

なお「支援金と義援金の相違」ついては、こちらをクリックしてください。

熊本地震ボランティア活動資金
銀行振り込み先:三菱東京UFJ銀行
支店名 :きよなみ支店
預金種別:普通
口座番号:2443179
口座名(漢字):公益財団法人日本財団
口座名(カナ):ザイ)ニッポンザイダン

***************

改めて支援金の重要性を訴える


産経新聞【正論】
2016年4月21日


 災害寄付には「義援金」と「支援金」という、ふたつの形がある。連日の激しい揺れで日を追うごとに被害が拡大する熊本地震を前に、どちらにするか迷っている方が多いかもしれない。義援金は大災害での被災者にお悔やみや応援の気持ちを込めて贈られる見舞金を指し、支援金は被災地で活動する民間非営利団体(NPO)や災害ボランティアを支えるために寄付される浄財をいう。 

 ≪ニーズに応じ柔軟、迅速に≫
 どちらも重要である点に変わりはないが、義援金は公平・平等を検討した上、被害の特定を待って配分額を決定するため、過去の例では被災者の手元に届くのに10カ月以上かかる。大災害の発生当初や熊本地震のように現在進行形の災害では、現地のニーズに柔軟、迅速に対応できる支援金がまずは必要ということになろう。

 しかるに日本では、義援金が圧倒的に多く、支援金は全体の1割程度にとどまる。熊本地震の被災地復興活動が本格的に始まるのを前に、改めて支援金の重要性を訴えたい。

 大災害では、被災者の救出や水道、道路など基幹インフラの復旧を国や自衛隊、自治体など「公」が担い、食料や飲料、生理用品など被災者が必要とする物資の募集や仕分け、全半壊した家屋の片付けなどを「民」が担う役割分担が定着しつつある。

 寄付文化が未成熟といわれた日本でも1995年の阪神淡路大震災以後、民間から寄せられる浄財は増加傾向にあり、東日本大震災の寄付額は海外も含め6000億円を超えた。しかし大半は義援金で、支援金は700億円前後にとどまったとされる。

 民が果たす役割の大きさに比べ、バランスを欠くともいえるが、ひとたび大災害が発生すれば、支援金の拡大こそ不可欠で、それが被災地の復興をいち早く軌道に乗せることにもなる。

 熊本地震では14日の前震発生以降も連日、最大震度5強の揺れが続き、10万人近くが現在も自宅に戻れないでいる。食料や水はようやく届き始めたものの高齢者や障害者に対する専門的ケアや、大きな余震を恐れて狭い車中泊を続け、体調を崩すエコノミー症候群に対するケアも手付かずに近い状態にある。

 強い揺れで災害ボランティアセンターの開設が遅れていることもあって、各地から駆け付けたNPOは一部を除き県外で待機状態となっているが、余震が終息すれば活動も本格化する。被災地の必要物資を再点検して全国から募り、各被災地に的確に届けられる態勢や、NPO団体が効率的に活動できる拠点施設の整備も急務となる。

 ≪民の活動へ多くの善意を≫
 強い揺れが何度も重なった被災地では、熊本県だけで倒壊家屋が3000棟を超えたと報じられているが、家屋の片付けや泥土の排出・清掃などは自衛隊や警察、消防の活動対象外。NPOや災害ボランティアに頼るしかない。そうした民の活動を支えるのが支援金であり、熊本地震で民の活動が本格化する今こそ、多くの人の善意を支援金に寄せてほしいと思う。

 日本財団は東日本大震災でNPOなど計695団体に7億円を支援し、被災地の復興に一役買った。熊本地震でも1団体当たり100万円を上限に活動資金を支援する方針だ。

 寄せられた支援金はすべてNPOや災害ボランティアの活動資金に充て、不足した場合は、将来の災害に備えて2013年に独自に立ち上げた災害復興特別基金を充てる考えでいる。

 支援金は「赤い羽根」で知られる中央共同募金会などにも受付窓口が設けられているが、歴史的に言えば義援金に比べ明らかに後発で、いまひとつ国民に浸透していない現実もある。NPO活動を活発化させる一方、支援金の使途に対する説明責任を徹底し、活動実績のない名ばかりのNPOが多数存在する現状を早急に見直し、NPOに対する信頼を高める工夫や、寄付金を希望する団体が、義援金、支援金のどちらを求めるのか、あらかじめ明示するような方法も検討する必要があろう。

 ≪国民へいっそうの浸透を図れ≫
 わが国は災害復興も官と民が共同して進める時代を迎えている。支援金は寄付を通じて国民が復興に参加する形とも言え、民の活動を活発化させる上でも、その存在はもっと重視されていい。近年は専門知識を身に付けたNPOも多く、国や自治体との連携を進めることで、新しい社会を切り開く力も増す。

 ただし、民の活動を活性化するには、資材や備品からメンバーの生活を支える手当まで豊富な資金が欠かせない。義援金に偏った現状は、被災者個人に対する支援と被災地全体の復興を両立させる上でも、やはりバランスを欠く。

 少なくとも義援金と支援金が同等の重みを持って社会に迎えられることが必要と考える。そうした認識が広く国民に共有されたとき、わが国の災害対策にも新たな可能性が出てくる。

(ささかわ ようへい)

4月22日(金) [2016年04月22日(Fri)]

4月22日(金)

7:30 財団着

8:30 海外協力援助基金事業打合せ

10:30 町田 栄 コロンビア日系人協会会長

11:30 平成28年度笹川科学研究助成及び笹川スポーツ研究助成「研究奨励の会」

14:00 「第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議」打合せ

15:00 羽生次郎 笹川平和財団会長

16:30 鳥井啓一 日本財団参与

16:00 手嶋龍一 国際ジャーナリスト 

「熊本城再建に30億円」―日本財団支援策第一弾― [2016年04月22日(Fri)]

「熊本城再建に30億円」
―日本財団支援策第一弾―


4月19日、日本財団は東日本大震災の長期にわたる支援活動から得た知見を生かし、下記の通りの支援策第一弾を発表、実施することにした。

多くのメディアが報道してくださり、特にヤフーニュースではトップとなり、テレビ局の扱いも大きかった。

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改めて記者会見の発表を再録します。

****************


熊本県を中心に発生した地震で多くの方が亡くなられました。心からお悔やみ申し上げますとともに、行方不明の方が速やかに救助されますことをお祈り申し上げます。また、避難されている方々には心よりお見舞い申し上げます。

日本財団では、4月14日の地震発生後、翌朝ただちに5名の先遣隊と、5頭の災害救助犬を派遣しました。

16日未明には本震が発生し、被害が拡大しています。

日本財団では本日19日午前に理事会を開催し、緊急支援策の第一弾を決定、ここに発表致します。

(1)緊急対策支援(予算3億円)
避難所はじめ、被災地における障がい者や高齢者、乳幼児等、特別な配慮が必要な人たちに対する支援を実施します。特に避難所には老人や障がい者のトイレがありませんので、非常用トイレ1台約30万円を500台、1億5千万円を緊急的に配備します。

(2)100万円を上限としたNPO、ボランティア活動支援(予算10億円)
被災地で活動するNPOやボランティアに対し、原則100万円を上限に活動資金を支援します。この支援は、書類審査だけで迅速に対応することに特徴があり、今後、被災地で受け入れ態勢が整い次第、随時申請を受け付けます。

(3)家屋損壊(全半壊)等に対する見舞金の支給:20億円
報道では熊本県・大分県で全壊、大規模半壊、半壊を合せて3000近い家屋が損壊、今後調査が進めばさらに増えることが見込まれています。
家屋が損壊した世帯に対し、一世帯あたり20万円の見舞金を支給します。また、お亡くなりになられた方、行方不明の方のご遺族やご家族に対しても、一人あたり10万円の弔慰金、見舞金を支給します。

(4)住宅・事業再建資金のための融資制度の創設(予算30億円)
日本財団では東日本大震災の復興支援として、地域の金融機関と連携し、事業再建のための資金を融資する「わがまち基金」を創設して実行してきました。この基金を熊本県・大分県の金融機関と連携し、家屋や事業の再建のために、 無利息・無担保で融資できる制度を創設します。
この融資は利子補給のために使われるもので、仮に10年融資として利息が1%の場合、30億円で300億円の融資枠が提供できます。

(5)熊本城再建のための支援(予算30億円)
熊本県民の誇りである日本三大名城の「熊本城」が損壊しています。
日本財団では東日本大震災でも被害のあった地域の文化や祭りの再生に協力してきました。そして、文化や祭りの再生は、被災者の心の支えになりました。
熊本県民に希望を持ってもらえる支援として、熊本城の再建を呼びかけるために、30億円を用意します。

これらの支援を実行するため、日本財団は熊本県と協議し、県内にNPOやボランティアが合同で使える、拠点となる支援センターの設置も計画しています。

日本財団では2014年3月に、東日本大震災などの災害復興支援の経験から、大規模な災害が発生したときに民の立場で緊急支援を実施できるよう、300億円規模の「災害復興支援特別基金」を設置し、造成しています。

今回の支援もこの基金を使い、迅速かつ効果的な支援活動を実施します。

なお、これらの資金は、全国24カ所のボートレース場から拠出された資金により実施されます。
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