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日本財団会長 笹川陽平ブログ

写真:ハンセン病の現場から「アフリカ・ピグミー族」

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「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その28 [2008年06月30日(Mon)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その28
―たばこ1000円の税増収・最大で5兆9000億円に 厚労省が試算―

2008/6/26
産経新聞

たばこ1箱1000円に値上げした場合、最大5兆9000億円の税増収が見込めるとの試算を、厚生労働省研究班(主任研究者・高橋裕子奈良女子大教授)がまとめた。最大の増収幅は、日本学術会議の試算(約4兆円)を上回った。

現行のたばこ関連税は、1箱(20本入り、平均約300円)当たり約175円で、総額約2兆2000億円。研究班は、価格が1000円になるよう税額を上げた場合、喫煙者がどの程度減少するかを、たばこの価格変動が喫煙行動に与える影響をまとめた過去の文献などを基に試算した。

それによると、1箱1000円への値上げに伴い、1箱当たりの税額は175円から875円と5倍に増加。これに伴い、たばこ関連税も、今の喫煙者数のままなら11兆円と5倍になる。

ただ、値上げで喫煙者は51.3〜25.9%に減ると試算。たばこ関連税は5兆3570億〜8兆1510億円で、3兆1000億〜5兆9000億円程度の増収となる。

また、喫煙者が80%減っても、2兆2000億円はまかなえると指摘。高橋教授は「値上げが実現しても、8割の人が禁煙するのは欧米の状況を見ても想定しにくく、税収減はあり得ない」と話す。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その27 [2008年06月30日(Mon)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その27
「正論でしょう、タバコを1000円に、政治家に欲しいこのセンス」


2008年8月号
財界人

産経新聞のコラム「正論」に掲載された笹川陽平日本財団会長の一文が今、世論を揺り動かしている。タバコ1箱1000円にという提案だ。会長のブログでも発信しており、日本中からこれに対する反応が寄せられている。中にはナチズム的所業だという意見もあるが、提案を支持する声が圧倒的に多い。

「正論」によると、世界の先進国の中で日本のタバコは安すぎる。ロンドンでは5ポンド(約1045円)、ニューヨークでは8ドル(約850円)、これに対して日本は320円とかなり安い。

そして07年の日本のタバコ消費量は2700億本で、税収は約2兆2000億円。これが1箱1000円にすると消費本数が同じならば税収はなんと9兆5000億円になる。値上がりの影響で消費量が07年の三分の一に減ったとしても税収は3兆円を超し、増収になる。

タバコにかけている税率は日本が62.3%だが、05年のヨーロッパ各国の税率はイギリス82.4%、ドイツ80.4%、イタリアが74.9%で、日本は税率でも先進国の中でかなり低く、その分、価格も安くなっている。

タバコと健康被害
タバコは1492年にコロンブスがアメリカ大陸に辿り着いた時にその存在を知り、大西洋を航海する船乗りの間で親しまれ、その後、ヨーロッパから世界中に広まった。

日本にはポルトガルの宣教師や船員によって室町時代末に持ち込まれ、最初は大変高価な薬の一種として富裕層に愛好されたというが、日本国内でも栽培され、江戸時代の中頃になると値段もぐっと安くなり、庶民の間に一気に喫煙の習慣が広まった。

タバコの有害性は意外に早くから指摘されており、イギリスやスペインでは早くも16世紀にタバコは脳や肺に害を及ぼすと言われ、議論を呼び起こしている。

優雅にも紫煙と呼ばれるタバコの煙に発ガン性を有する物質が含まれていることは、世界的に認められている。肺ガン、食道ガン、喉頭ガン、咽頭ガン、そして膀胱ガンなどは喫煙によって増加すると言われている。

03年の日本のガン統計によると、20歳から24歳の男性が喫煙を始めて肺ガンを発症して死亡する数は人口10万人当たり114人で、タバコを吸わない人のそれは24.1人という統計が出されている。このように肺ガンにより死亡する数に関して言えば、タバコを吸う人は吸わない人の約5倍という恐ろしい数値が出ている。

人の肺は約直径0.1mmの肺胞でできており、その総面積は約60uというから、およそ18坪の広さだ。この肺胞がタバコの煙に含まれているニコチン、タール、カドミウム化合物、ダイオキシン他の有害物質に汚染され、肺胞の炎症、破壊が生じると、肺ガンといわれる状態となり、多くの人が死に至ることになる。

一石多鳥の妙案
笹川会長の文中に、もしタバコが500円になったら半数が喫煙をやめるとあったが、喫煙による健康被害も少なくなり、出火の原因の一つも確実に減り、税収は増える。

1箱1000円時代のたばこ文化は高額の税金を納税した上でのそれに様変わりし、増税分を有効に活用することで喫煙者が一方的に批判されるトゲトゲしい雰囲気も緩和されるだろうと会長は述べているが、政治家に必要なのはこのセンスだ。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その26 [2008年06月30日(Mon)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その26
「沸騰するタバコ論争」笹川陽平


2008年8月号
雑誌【BOSS】Interview
笹川陽平・日本財団会長に聞く
沸騰するタバコ増税論争「1箱1000円」の仕掛け人

笹川氏もかつては喫煙者
― 笹川さんが、「タバコ1箱1000円への値上げを」(今月3月4日と4月3日付の産経新聞の『正論』欄)というコラムを寄稿されて以降、月を追うごとに反響が大きくなりました。いまでは、与野党が歩調を合わせるかのように、値上げ実現に向けて動き始めたほどです。

笹川 たまたま皆さんの問題意識とうまくかみ合ったんじゃないですかね。いろんな方に盛り上げていただき、先日(6月11日)は、国会議員有志の勉強会で、日本のタバコ税の現状と海外各国の取り組みについて講演もさせていただきました。

提言のきっかけは、ロンドンに行った際、タバコが1000円するというのを目の当たりにして、「これは財政論議として軌道に乗せていくべきだ」と思ったことです。

インターネットを見ると、禁煙がどうの、タバコ値上げがどうのといったサイト、ブログや書き込みが、たくさんあるじゃないですか。そんな中で、「1箱1000円」ならパッと皆さんがイメージできるので、「1箱1000円じゃ高いからやめよう」とか「吸う本数を減らそう」とか、あるいは「そりゃ、タバコを吸わない人にとって福音だ」とか、私のブログにもいろんなご意見、ご感想を山のようにいただいています。

― タバコは平均して1箱300円くらいですから、いきなり1000円というバーでの論議なら、賛否どちらにしても熱が入る、そう読まれていたんでしょうか。

笹川 そもそもベースの部分で、喫煙者の健康云々もありますけれど、もっと大きな受動喫煙問題もあります。それから、火災原因の1割はタバコの火の不始末が原因と言われていますし、青少年の教育上の問題もある。1000円と打ち出したことで、国民が幅広く議論をしていければ本望です。税制っていうのは、もっと国民レベルで議論されなければいけないのに、されてこなかった。そこに一石を投じられればという思いから問題提起したんです。ただ、誤解なきように言っておきますが、私は嫌煙主義者ではありません。吸いたい方はどうぞお吸いくださいと。

― 笹川さんも過去、タバコは吸っていたんですか。

笹川 40歳まで吸っていました。それまで私も、3回くらい禁煙に失敗しているんですけどね(笑)。いまは、夏に山に行った時だけ、葉巻を吸っています。ただ、オフィスに葉巻は置いていませんし吸いません。

― ちなみに、ここ(東京・赤坂の日本財団)には喫煙コーナーはあるんですか。
笹川 ありますよ。会社の外にも、会社周辺の方が来て吸えるようなスペースをちゃんと確保してあります。

― 日本財団の真横に、JI(=日本たばこ産業)の本社ビルがありますが(笑)。

笹川 いやいや、そんなことは関係ない。さっき言いましたように、私は嫌煙派でも何でもないですから。ただ、先進国では日本が一番、タバコ規制や税制に関しては遅れていると言わざるを得ません。神奈川県の松沢成文知事は、喫茶店や居酒屋などでも全面禁煙を義務化するよう提唱されていますが、こうした運動は全国の自治体がやっていかなくてはいけないと思います。

― 話を戻しますと、喫煙者の抵抗感からすると、1箱1000円は議論のいわば「つかみ」みたいなもので、段階的に価格を引き上げていくのが現実的な気がします。

笹川 そういう発想がそもそも駄目なんです。やる時はドーンとやらないといけない。葉タバコ農家の救済問題にしても、農家自体、1万3000軒を切っていますから、仮に1軒に5000万円、転作の費用を出しても6000億円強あれば足りるんです。だったらドーンと上げたほうがいい。1箱1000円は、みんながウインウインのいい関係になれるんです。

たとえば、一気に1000円にしたらタバコをやめる人が続出して税収が減るという。だけどその分、7兆円といわれる医療費も下がっていくことは間違いないわけで、何も悪いことはありません。ただ、タバコを一方的にやめろという話はいけない。さっき言いましたように、タバコ文化を変えなくては駄目なんです。

段階的値上げは無意味
― タバコ文化とは。

笹川 たとえば、1日2箱ぐらい吸う人なら、無意識にかなりのペースでパカパカ吸っている計算です。そうではなくて、1000円にしてもっと計画的に吸ってくださいというだけの話なんですよ。朝、食事が終わったら1本吸おう、会社で1本吸おう、ランチ後に1本吸おうというタバコの味と、のべつまくなし吸っているタバコの味わいとでは、全然違いますよ。

一日に40本吸っていた人が10本ぐらいになれば、美味しいはずです。つまり、無意識的な吸い方から意識した吸い方に変えないと。そういうタバコ文化を作らないといけない、そういうことです。

タバコを吸う人は、健康に良くない、吸い方によっては周囲にも迷惑をかける、ポイ捨ても論外だといったことを承知して、その上で責任ある吸い方をすればいい。ですから、タバコ1000円は庶民をいじめるものだという議論は当たりません。

― 仮にタバコ1000円が法的に成立して、税収は果たして減るのか増えるのか、微妙なところです。

笹川 経済評論家や経済学者が言った経済予測で当たった試しはほとんどないですよ(笑)。やってみなけりゃわからないことを議論してもしょうがないんです。仮に税収があがらなくても医療費は落ちるし、悪いことなんか何もないはずです。

― 段階的にタバコを値上げしていくのはナンセンスだと。

笹川 それは意味がない。タバコをやめたいと思っている人たちにとっても、それじゃ思い切れないです。タバコに限らず、そういう中庸の策をとって失敗を繰り返してきたのが日本の歴史なんですよ。タスポにしても、スーパーやコンビニにお客さんが取られて、タバコ自販機がピンチになる。日本の政治も似たようなコップの議論が多い。もっと大きな政治をやらなきゃいけません。

プラス、少子化とか産科医が不足しているとか、あるいは救急医療の先生が不足しているとか老人福祉にお金がかかり過ぎだとか、そういうものにタバコ税が使われると明示されれば、タバコを吸っている人も許せる、と言ったら語弊があるけど、理解はできるんじゃないですか。タバコの値段が上がり、その税金がまた道路や橋の財源になっちゃったというのでは、喫煙者は浮かばれない。

それと、メディアの人たちもいけない。庶民はすべて正義だと思っているから、メディアの論調って、今回の論争についても必ず賛否両論併記なんです。タバコ問題で両論併記なんて日本だけですよ。海外の街中で売っているタバコには「Smoking Kills」と明記してあって、肺がんや手術の写真などが刷られているんですから。

― 海外旅行では普通の人は免税店でしかタバコを買わないでしょうから、生々しいパッケージのタバコを手にとる機会はないですね。

笹川 日本のタバコには「喫煙は心筋梗塞の危険性を高めます」の一文があるだけ。日本だけが、庶民の楽しみを持ち出して正しいタバコ論争を消そうとしてきた。もう、それは改める時期に来ているんです。
(聞き手=本誌・河野圭祐)
6月30日(月) [2008年06月30日(Mon)]
6月30日(月) 書類整理、決裁
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その25 [2008年06月29日(Sun)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その25
―「1000円たばこ」は1石6鳥―

2008/06/23
産経新聞 東京朝刊


【正論】新渡戸文化学園短期大学学長・中原英臣

 ≪いいことずくめの提案≫
この30年の間で日本とアメリカでは、国民の健康について大きな差が生じてしまった。アメリカではがんの死亡率が1994年から確実に減少傾向に転じたというのに、日本では逆にこの30年間で3倍に増えてしまった。

日本人の死因としてがんに次いで多い心筋梗塞(こうそく)の年間死亡数も、この30年でアメリカは3分の1も減ったというのに、日本では逆に1・6倍に増えてしまった。喫煙はがんだけでなく、心筋梗塞に対するリスクも高いことがわかっている。

がんと心筋梗塞に対する喫煙のリスクについては明確なデータがあることを考えると、日本人とアメリカ人の健康に大きな差が生じた大きな理由の一つは、両者の喫煙率の差と関係があるというしかない。

1970年代に50%を超えていたアメリカ人の成人男性の喫煙率は現在23%まで低下したというのに、日本人の成人男性の喫煙率は46%と先進国の中では突出して高いといわざるをえない。

こう考えると、日本人の喫煙率を低下させなくてはならない。その方法として笹川陽平氏がこの「正論」欄で2回にわたって提唱しているのが、現在300円前後のたばこを1箱1000円に値上げすることである。

たばこを1箱1000円にすることは、国民にとっても国家にとってもいいことずくめで一石六鳥になる。笹川氏は1000円のうち90%を税金にすることを考えているようだが、ここでは現在の63%という税率として話を進めてみたい。

 ≪重病数も医療費も減る≫
まずたばこの栽培農家とJT(日本たばこ産業)の利益が増える。

たばこの税率は63%だから、1箱300円では110円しか利益がないが、1箱1000円なら370円の利益になるから、喫煙者が現在の3分の1以下に減らないかぎり利益は増える。

厚労省所管の医療経済研究機構の調査によると、たばこが1箱1000円になったら6割余の喫煙者が禁煙すると回答しているが、いきなり喫煙率が3分の1に減るとは思えない。

二つ目は青少年の喫煙率が減少するという効果が期待される。

たばこが1箱1000円なら、はじめから吸わない若者が増えることは間違いない。特に若い女性の喫煙率は確実に下がるはずである。麻薬や覚醒(かくせい)剤への第一歩といわれる青少年の喫煙者を減らすことは、国家百年の計といっても過言ではない。

三つ目は税収が増えることである。笹川氏は9兆5000億円の増収になると試算しているが、ここでは税率を63%とした厚労省の試算によると、喫煙者の6割余が禁煙したとしても、税収は1兆円も増えることになる。

四つ目は喫煙率が下がれば下がるほど、がんや心筋梗塞といった生活習慣病が減ることになり、その結果、医療費を削減することができる。

同研究機構は喫煙によって1兆3000億円の医療費が余計に使われていると試算しているが、アメリカのように喫煙率を半分に減らすことができれば、医療費を6500億円も削減することができる。

五つ目は火事が減ることである。笹川氏は、全火災のうちたばこが原因で起きている火災が10・5%もあるので、禁煙は確実に火災予防に対する効果があるのは間違いないと書いている。                       

 ≪「先進国」らしい対応を≫
最後は、何よりも多くの国民が健康になることである。がんや心筋梗塞はもちろん慢性閉塞(へいそく)性肺疾患もたばこが原因といわれている。こうしたことを考えると、たばこを1箱1000円にすることは一石六鳥ということになる。

喫煙者の方はたばこが1箱1000円になることには反対と思われる。しかし、公的医療保険や民間の生命保険の負担は、心筋梗塞やがんになるリスクが高い喫煙者と、そうでない非喫煙者の間に差がない。このことは喫煙者のリスクを非喫煙者が負担していることを意味する。

こうしたことを考えるなら、喫煙者もたばこを1000円にすることくらいは受け入れるべきではないだろうか。

フィンランドやイギリスではたばこは1箱1000円以上しているし、アメリカでも7〜8ドル(735〜840円)である。このように先進国でたばこが1箱300円などという国はないのが現実である。

アメリカから輸入したたばこをアメリカより安く売っている日本という国は、国民の健康という視点からみると、とても先進国とは思えない。政府も国民の健康、医療費の削減、税収の増加のためにも、笹川氏の1箱1000円への値上げという提言を真剣に検討すべきである。(なかはら ひでおみ)     
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その24 [2008年06月29日(Sun)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その24
―税収4兆円増―

2008/6/20
東京新聞朝刊


たばこ一箱千円なら四兆円の税収増―。日本学術会議は十九日、超党派の国会議員でつくる「たばこと健康を考える議員連盟」の会合で、こんな試算を明らかにした。

現在、たばこ一箱の平均価格は三百円。うち税金は百七十円で税収はニ兆二千億円。

これを1箱千円(税額八百七十円)に引き上げると、現在三千六百万人の喫煙者は五百万人近く減少し、消費量も三割減となるが、税収は四兆円増える。ドイツ並みの一箱四百八十円(税額三百五十円)でも、一兆四千億円程度の増収になるという。

消費税1%引き上げによる税収増はニ兆三千億円とされる。たばこ税の引き上げ幅によっては、消費税率引き上げに代わる財源になる可能性がある。

同会議は「脱たばこ社会」を掲げ、たばこ規制の観点から小売価格の引き上げを主張している。

たばこ価格引き上げの影響
*日本学術会議の試算

たばこ1箱の値段    喫煙者       たばこ税収(現在)

300(170)円     3600万人     2.2兆円
480(350)円     3384万人     3.6兆円
600(470)円     3300万人     4.3兆円
810(680)円     3185万人     5.4兆円
1000(870)円    3109万人     6.2兆円
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その23 [2008年06月29日(Sun)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その23
―「1箱1000円」を支持したい―


2008/6/16
毎日新聞朝刊

 【視点】
たばこと健康
たばこの値段を「1箱1000円」に引き上げることに賛成したい。

嗜好品であるたばこの大幅な値上げには、愛煙家らから反論や批判があることは承知の上で、あえて、たばこの値上げを支持したい。

1000円になれば、喫煙者は間違いなく減るとみられている。特に、若い人が買わなくなる意味が大きい。医療費や職場の環境対策などに使われる巨額な費用も節減できる。他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙問題の解消にもつながる。

超党派の「たばこと健康を考える議員連盟」が13日に設立された。これをきっかけに「たばこ煙ゼロ環境」の実現に向けて国民的な議論が広がることを望みたい。とはいえ、同議連が考えている「税収増」の狙いには全面賛成はできない。「1000円たばこ」の目的は健康被害の防止と「100%たばこ煙ゼロ環境」の実現だ。禁煙者が増えれば税収は減ることもある。

たばこ値上げを政治的に利用して、消費税の議論を先送りさせようと考えている人がいるとすれば、同議連の活動は幅広い支持を得られないだろう。

日本のたばこ対策は欧米に後れを取っている。男性の喫煙率をみると、日本は 39.9%で、フランスの30%、米国の24.1%などと比べて高い。路上やタクシー内での禁煙がようやく広がりつつあるが、まだ全国に定着するまでにはなっていない。

世界保健機関(WHO)は今年2月に発表した報告書で、20世紀中に喫煙を理由とする疾病により1億人が死亡し、21世紀には10億人が死亡すると予測している。

03年に採択された「WHOたばこ規制枠組み条約」は日本をはじめ157カ国が締結し、たばこ消費がもたらす疾病や死亡を減らそうという動きが世界の潮流になっている。

WHOは、たばこ広告、販売促進の禁止、危険性の警告に加え、たばこ税の引き上げを各国に求めている。「1000円たばこ」は、枠組み条約にのっとった措置でもある。

日本のたばこの値段は1箱300円程度だが、欧米では700〜1300円だ。1000円に値上げしても、飛び抜けて高いということではない。

もちろん、値上げだけで禁煙が進むとは思えない。学校でたばこの健康被害について教えることも必要だ。神奈川県が公共施設での全面禁煙条例を作る作業を始めている。職場や公共施設を禁煙にする動きが着実な流れになるよう後押しをしたい。

「1000円たばこ」で愛煙家をいじめるつもりはない。
(論説委員 稲葉 康生)
6月29日(日) [2008年06月29日(Sun)]
6月29日(日)

 11:00 笹川平和財団会長・田淵節也氏・密葬
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その22 [2008年06月28日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その22
―動機はともあれ大賛成―


2008/6/14
朝日新聞朝刊


「たばこ1箱千円」。あなたが喫煙者だったら、それでもなお吸い続けるだろうか。それとも禁煙に踏ん切りをつける絶好の機会にするだろうか。

たとえば1箱20本入り300円のマイルドセブンを、たばこ税の値上げで千円にする。そんな健康政策を推進する超党派の議員連盟が発足した。

「1箱千円」は、たばこに別れを告げる人を増やすために、大いに歓迎である。

たばこは本人ばかりか、周りで煙を吸わされる人の健康も損なう。寝たばこなどは火災の原因にもなるし、少年の非行の温床にもなっている。

2兆2千億円の税収を稼ぎ出し、葉タバコ農家や販売者の生活を支えているが、社会全体で見れば、負の部分が多い。21世紀の日本は脱たばこ社会をめざすべきだ。

政治家らが脱たばこに向けて本格的に取り組むのは初めてである。一度に千円に引き上げることはむずかしいかもしれないが、粘り強く活動してもらいたい。

日本のたばこは他の先進国に比べて安すぎる。代表的な銘柄の場合、英国は1300円近くするし、ドイツやフランスでも日本の倍以上だ。米国は地域で違いがあるが、ニューヨーク市の場合、やはり倍以上も高い。

日本の男性の喫煙率は40.2%と英米よりも突出して高い。女性は12.7%だが、若い世代で喫煙が増えている。赤ちゃんへの影響を考えれば、見過ごせない状況だ。

「千円たばこ」は、こうした現状を大きく変えるきっかけになる。研究者の試算や世論調査では、この水準まで価格が上がれば、8〜9割が禁煙を考えるという結果が出ているからだ。

ただ、めざすべきは、あくまでも国民の健康や安全の基盤づくりであることを改めて確認しておきたい。

議連には、税収を増やすために、たばこ税を上げようと考えている議員も少なくない。早くも約9兆円も税収が増えるという皮算用が出ている。

しかし、これは消費量がいまと同じという前提だ。価格を上げれば、当然、買う人は減る。

消費量を減らすのがそもそもの目的だから、税収も大きく減ることを覚悟しておいた方がいい。税収が減ることを嫌って、大幅な引き上げをためらうようなことがあってはならない。
「財政収入の安定的確保」を目的にしているたばこ事業法は、根本から改めなければならない。

議連には、たばこ税に代わる安定的な財源の確保に知恵を絞ってもらいたい。国が巨額の債務残高を抱え、高齢化で医療や介護の費用が増える中で、消費増税などで補う必要がある。

「千円たばこ」は、税制改革を本気で考える契機にもなる。
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その21 [2008年06月28日(Sat)]
「たばこ一箱1000円、タバコ一箱1000円」その21
―足して2で割るな―
2008/6/12
毎日新聞夕刊


【憂楽帳】
たばこを増税し、1箱(20本)300円ぐらいから1000円に値上げしようと政治家が言い出した。パリのカフェも今年から屋内禁煙になったし、いよいよ年貢の納め時かなと観念しかけたが、何か釈然としない。

喫煙室で同僚に聞いてみた。海外取材の多い男性記者は「欧米では当たり前だから」と意に介さない様子。女性記者の一人は「一気に1000円なら禁煙を考えるが、中途半端な値上げはずるい。優良な納税者に対する敬意が必要よ」と鋭い。

たばこと塩の博物館(東京・渋谷)によると、たばこの伝来は江戸初期だ。当初は薬用で、種も一緒に幕府に献上されたという。しかし、国内栽培が始まると、農家に直接売買の機運が生まれる。年貢を納めさせる税制の崩壊を危惧した幕府は売買・耕作禁止のおふれを何度も出した。税とたばこの因果はこの辺が原点らしい。

政治信念で1000円にするのなら真剣に向き合う。「足して2で割って600円」などと決心がにぶるようなことなら勘弁願いたい。
(因幡健悦)
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