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笹川 陽平
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退職職員送別会 [2008年03月31日(Mon)]

08:30 東京都モーターボート競走会

09:30 全国モーターボート競走会連合会 宮地理事長

12:00 笹川記念保健協力財団 紀伊國理事長

15:30 森喜朗 元首相

17:00 退職職員送別会

なんでも鑑定団 書画・骨董 [2008年03月31日(Mon)]

「なんでも鑑定団 書画・骨董」


私に書画・骨董収集の趣味はないが、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」は好きな番組である。

テレビを見ていると、日本全国、実に色々な物に収集家がいることに驚かされる。

地方地方の素封家には、代々大切に古い書画・骨董が保存されていることもわかった。ただ、借金のカタにとった焼物や掛軸は、だいたい偽物が多いというのは笑える。

町の古物商で一般の人が宝物を掘り出す確率はほとんどゼロに等しいが、女房に内緒で、「ひょっとして」と古物商めぐりをする人もことのほか多いのもほほえましい。

かつて関西で財を成し、書画・骨董の収集を趣味にしている人の話を聞いたことがある。

道具屋の持ってくる品物を一品一品確かめ、値切って買い入れていたらしい。数も相当集まり、美術館の建設も計画にあがり、その筋の専門家に調べさせたところ、ほとんど偽物でショックであったという。

本格的な書画・骨董の収集には、道具屋が持ち込んだ品物を「はい、頂いておきましょう!!」と鷹揚に構える態度が肝要で、道具屋は偽物を承知で買ってくれたお得意さんにこれでは申し訳ないと、そのうち本物を持参するようになるものらしい。

骨董収集には眼力が必要であることは勿論であるが、道具屋に騙される度量も必要であるらしい。

京都にある株式会社・恩文閣出版古書部は伝統ある名店で、2〜3カ月に1回、立派な販売目録を郵送して下さる。

見るだけでも楽しくなる目録で、絵巻物、古写経、古文書、錦絵、版画、古美術を取り扱っている。定価も記入されており信用できる店である。

私は購入したことはないが、骨董となると少なくとも何百万円の値がつくものが多い中、『書』は他のものに比べ圧倒的に値段が安い。読者の参考までに記してみた。


西郷隆盛の直筆書状90万円は、高いか、安いか



◆比較的安価な『書』
渋沢 栄一(書状一通):21,000円
高橋 是清(  〃  ):47,250円
大久保利通(  〃  ):57,750円
伊藤 博文(  〃  ):63,000円
犬養  毅(書幅一幅):84,000円
乃木 希典(書巻一巻):126,000円
荻生 徂徠(書状一幅):189,000円
榎本 武揚(書状三通):472,500円
伊達 政宗(書状一通):577,500円
佐久間象山(書状一通):650,000円
豊臣 秀吉(朱印状一幅):892,500円
西郷 隆盛(書状一通):892,500円

直筆であることは100%保証できる。
額におさめ、日々眺めるのも優雅なことで、心が若干豊になるのではないだろうか。

ご興味のむきは
株式会社 恩文閣出版古書部
電話 (075)752-0005
FAX (075)525-7155

宮内庁長官 [2008年03月28日(Fri)]

10:30 国土交通省 春成海事局長

11:00 有富 元駐日ペルー大使

15:00 日系人留学生 報告会

18:00 宮内庁長官 レセプション 於:グランドプリンスホテル赤坂

就職試験に臨む学生さん その服を脱ぎなさい [2008年03月28日(Fri)]

「就職試験に臨む学生さん!!その服を脱ぎなさい!!」


その服を脱ぎなさい!! 
といっても、私はなにもヌード・モデルを探しているのではない。

リクルート・シーズンである。

就職試験や就職情報収集のため、どこのビルの前にも男性は黒か濃紺の背広、女性は黒かグレーの同じ形のスーツ姿の学生達でにぎわっている。

いつ頃からこのような『リクルート・スーツ』と呼ばれる『制服』に近い恰好になったのだろうか。

厳しい冬が終わり、いっせいに生命の息吹が感じられ、春爛漫のすがすがしい開放的な気分のこの季節、何故にあの没個性的な服装で就職活動をするのか不思議である。

それぞれに素晴らしい個性と、何よりも溌刺とした若さを持っているのだから、あの『制服』を脱いで、本来の自分をアピールする服装に変えては如何だろうか。

第一選考の履歴書は、字の上手下手は関係ないが、できれば鉛筆で下線を引いた上に心を込めて志望動機を書くくらいの心遣いが必要であろう。乱雑な書き方は印象が悪い。

面接の審査員はごく短い時間で判断しなければならない。日本財団の場合、長くても15分程度である。

足に自身のある人は、膝程度の長さのスカートにハイヒール。自信の無い人は、ヒラリー・クリントンのようにパンツ・ルックにヒール。自分に最も合うと思う色のジャケット、場合によってはパーマも良し、スッピンも良しである。

のびのびと自分をアピールするには、自分の好きな恰好が最も良いのである。短時間で他人に理解してもらうには、成績も重要だが、服装、髪型、姿勢、応対などは、審査員より好感を得る重要なポイントである。

私は『ヘソ曲がり』なので、圧迫質問といって、嫌な質問をたたみかけるようにして回答者を窮地に追い込むことがある。これは正解を期待しているのではなく、回答の仕方や作法を見ているのである。

ある年度の面接試験で、回答に窮して大泣きした学生がいた。うらみたらしく泣いたのではなく、実に爽やかに泣いたのである。好感度抜群で採用となり、今では明るい人柄で日本財団の雰囲気さえ変える存在になっている。

また、たった一人、茶色のスーツで面接を受けた女性も、論文テストは最後まで記載できなかったが、好感度が良く採用。


日本財団の面接試験で、面接者の多くが具体的に答えられない質問の一つに
「君の嫌いな人の名前を上げて、理由を説明せよ」というのがある。

多くの面接者の答
「私は人を怨むことはありません」

「私は平和主義者なので嫌いな人はおりません」

「私の周りに嫌いな人はいません。皆んないい人です」

このような答は×。

「最近、私は恋人に逃げられました。私の長所より欠点ばかりを指摘して去っていきました。好意をもっていたのに思いが通じず、急に嫌いになりました」―合格。

君の欠点は何かとの質問には、欠点を短くして、売り込みのため長々と長所を答える学生も多い。これも×。

模範解答
「私の欠点は、私の欠点が何かわからないことが欠点です」―合格。

何はともあれ、君の素顔を見せれば、必ず注目してくれる人がいる。

お仕着せの『制服』を着たり、面接の練習などいらない。
地のままで、もっと自分を正直にアピールしてはどうだろう。

幸運を祈ります。

ブラジル太鼓チーム [2008年03月27日(Thu)]

10:00 インドネシア TEMPO テレビ取材

13:00 笹川平和財団 田渕会長

14:00〜15:30 グレート・ブリテン ササカワ財団 日本側審査会

16:00 ブラジル太鼓チーム

アジア若手海上保安官・招聘 [2008年03月27日(Thu)]

※3月11日、日本財団が支援して教育しているアジアにおける若手の海上保安官が表敬訪問されました。その保安官を前に挨拶をした内容を掲載いたします。




「アジア若手海上保安官・招聘」


2008年3月11日 午前11時
於:日本財団ビル8階



日本財団を訪問いただき、心から歓迎します。

私たちは世界でも大変珍しい、海を重点テーマに掲げ活動している財団です。

世界の人口が急激に増えていく中で、物流の90%は海を通じて行われています。人類が生存していくためには、人やモノが移動します。

それに伴い海賊問題や海の環境汚染が発生し、皆様の役割は急速に高まっています。皆様の活動自体は、それぞれの国で行っていますが、互いに連携していくことも重要な時期になってきました。

それぞれの国の代表として、自国の権益を守るとともに、仮に利害が対立する他国の関係者との意見交換も大変重要なことです。

日本には「面接のないところに理解は生まれない」という考えがあります。会ったこともない人との間には理解は生まれないということです。

したがって、皆様が国の利益を代表するととともに、他国の人たちとの間に良い人間関係をつくりあげることは、大変重要な作業だと私は思っています。

この機会に日本の施設を見るだけではなく、互いが友情を育み、これからのパートナーとして知り合い、友情を深めていただければ、私たちのプロジェクトの目的は達成したことになります。

この機会に日本をよく知っていただき、互いも理解できる時間を過ごしていただきたいと思います。

日本知識クイズ大会優勝者・表敬訪問 [2008年03月27日(Thu)]

※少し前になりますが、昨秋に中国で開催された日本語を学ぶ中国人学生の日本知識を試すクイズ大会で優勝した学生が来日しました。学生に私が挨拶をしましたので掲載いたします。


クイズ大会優勝の副賞として来日した中国の学生



日本知識クイズ大会優勝者・表敬訪問


2008年1月25日 午前11時
於:日本財団ビル8階



日本は寒いですか。
日本は空気がきれいですよ。
肺をきれいにして帰って下さい。

中国では、外国に行くことを「肺をきれいにしに行く」というようですね。

皆様方は一生懸命に日本語を勉強され、またクイズ大会で優勝するために苦労されたようですね。

数多くある外国語の中から日本語を勉強し、本当に良かったと皆様方に思っていただけるように、私たちはこれからも日本語を勉強する学生の皆様を支援し続けたいと思います。


中国と日本は隣り合わせの国ですが、文化や歴史、生活様式が異なります。若い皆様方は大いに好奇心を持ち、日本のことで分からないことは聞いて下さい。外国で不思議に思ったことを質問せず、自分なりに解釈しますと、大変大きな間違いを犯すことがあります。

街の人どなたにでも質問をして下されば、日本の若い人たちの日本語が皆様の学んだ日本語と違い相当乱れているのではないかということも分かるかもしれません。

私たちは長く中国の皆様と交流をしています。20年間で2,000人の医師を日本に招き、勉強していただきました。最初の頃は、戸惑いがありました。私たちがご馳走のつもりで素晴らしい昼食を用意したのですが、ご飯が冷たかったため、中国人を軽蔑しているのではないかという誤解を与えてしまいました。

中国ではご飯は温かいものと決まっているようですが、日本では冷たいご飯を食べることもあります。そのほうがご馳走の場合もあるのです。説明をすれば分かっていただけますが、質問がないと侮辱されたのではないかという気持ちだけを持って帰ってしまうこともあります。

また中国から来た方に地方の方々が色々なお土産やプレゼントをされるのですが、中国の人が本当に喜んでくれているのか分からないというのです。中国ではプレゼントをされたときには、一度だけの感謝が正しい挨拶方法のようですね。

日本人はもらったときに感謝し、あくる日合ったときにも感謝します。日本人には中国の人が一度しかお礼を言わないので、本当に嬉しかったのか、差し上げたものを喜んでもらえたのかという迷いがあります。


ところが中国の人が何度もお礼をいうということは、とてもよいものを頂いたので、また下さいという気持ちに取られる恐れがあるというのです。そのような文化の違いは多々あります。疑問に思ったときには何でも聞いていただくと良いと思います。

(京都金閣寺を観光)
中国と日本とは近い関係にありますが、隣の国同士はあまり歴史上上手くいかないのです。中国と日本だけではなく、アメリカとカナダ、ヨーロッパでもそうです。夫婦関係も熱が冷めることもあります。

皆様独身でしょうから分からないかもしれませんが、夫婦関係も長く付き合うと良いときもあれば悪いときもあるのです。何が一番大事かというと、お互いの国の違いをよく理解することが大切なことです。

今の日本と中国はとてもよい関係にあります。とてもよい関係が何百年も何千年も続くことはありません。いずれ悪くなることもあります。皆様方は決して親日家にならなくて結構です。

良く日本を知る人になっていただきたいというのが、皆様方を日本にお招きした最大の理由です。

全国モーターボート施行者協議会総会 [2008年03月27日(Thu)]

※2月19日に全国モーターボート施行者協議会総会で挨拶をした内容を掲載いたします。

全国モーターボート施行者協議会・総会
 

2008年2月19日 午後3時
於:メルパルク東京「孔雀」


ご紹介を受けました日本財団の笹川です。

日頃、皆様方には一方ならぬお世話になっております。

日本財団の仕事が最近、皆様方の自治体でも大いに活発にご活用いただくようになってきたことは、私たち関係財団としては大変嬉しいことです。

私たちは、今までの政策を大きく変えました。今までは安心、安全の街づくりの中で障害者施設、あるいは老人ホームを郊外型の施設として作ってきました。

しかし、よく考えてみると、街中には健常者しか住んでいないという非常に変則的な状況が発生し、子ども達にとっても、社会を構成する人間が分からなくなってきています。

そのような意味で、大きな施設をつくるのではなく、街中の民家、あるいは行政で使われなくなった消防署、商店街でシャッターの下りている店舗などを若干修繕、改修し、障害者や老人の憩いの場を数多く作っています。

子ども達には、お年寄りや障害者など色々な人で社会が構成されているということを知ってもらい、助け合いの精神、思いやりの精神を育んでもらいたいと思っています。

また東京の世田谷では、青パトという車両がブルーのライトを回転させながら街中を走っています。登下校の子どもの安全を確認することによって、世田谷では窃盗が多かったのですが、いまでは減少しています。



あるいは既に皆様方の地域でもご利用いただいていると思いますが、障害者や老人福祉のための移送サービスの車両は既に全国で23,000台走っています。今では福祉車両は福祉の手足というくらいに普及しています。

NPO、あるいはボランティアの育成など、恐らく世界的に見ても日本財団は跳びぬけて多い事例をもっています。専門的な知識も持っていますので、そのような方面についても、是非ご活用について頭の片隅に入れていただければ大変有り難いと思います。

ところで、競艇業界は新しい法律のもと来年度から実施されますが、さまざまな混乱があります。これからは複雑なスピードを要する時代になってきましたので、皆様方からの意見収集と素早い対応ができる組織が求められます。

手前味噌ではありますが、今日のことを勘案し、日本財団は多額の資金を競艇振興センターに投入しました。そして皆様方の施設改善、あるいは総務省の格別のご配慮で従事員の退職金などにこの資金を有効に使っていただいてきました。皆様方のご努力で大幅な従事員の削減ができたわけです。

また私たちは100億円を投入し、電話投票のソフト開発として、近代的なソフトを導入してきました。電話投票はいまでは2,000億円を超える売上となっています。世の中の変化というのは読みきれるものではありませんが、着手してよかったという気がします。

今後の競艇業界の中心的な役割は競艇振興センターに担っていただきたいと思っています。

この組織は財団法人であり、既に全国競艇施設所有者協議会の会長であった小高幹雄氏が会長に就任しています。

全国モーターボート競走施行者協議会、あるいは日本モーターボート競走会からも幹部をいただき、日本財団からも出すということで、業界総意の組織にしていきたいものです。

そして、広報宣伝、電話投票、場外発売についても競艇振興センターが行っていくわけです。

皆様方の施設改善についても今までどおり行います。決して民間が良いというわけではありませんが、柔軟で大胆な、即対応のできる組織体を持たなければ、変化の激しい時代に対応できないのではないかと思います。

そのようなことで、競艇振興センターを業界の中心として取り仕切る組織として、皆様方にもお認めをいただきたいと思います。

また競艇事業の基本は、水面は常に清く維持しなければいけませんので、19競走会の連合体となる日本モーターボート競走会は従来どおり、競艇事業の基本である選手の養成、管理、運営に特化していただこうという考えで現在進行しています。

カジノ法案も上程されるように聞いております。消費経済があがらない中で、カジノ法案ができたからといって上手くいくとは思いませんが、短期間には大きな影響を受ける可能性があるかもしれません。

ますます競争が激しくなる中で、今まで以上に皆様方との連絡を密に取りながら、可能な限り、速やかに行動が起こせるような体制づくりを急ぐ必要があるということで懸命に努力しているところです。

そのようなことで、どうか場外発売所、電話投票など、中央に出来ることは何でもやります。何よりも競艇場あっての業界です。競艇場の活性化は喫緊のテーマだと思っていますので、そのようなことに十分対応のできる競艇振興センターになってもらいたいと熱く希望しています。

また皆様方の厳しいご意見やご指導を賜りながら、法律改正に基づく、新たな競艇の挑戦を是非確実なものにしていきたいというように願っています。

どうぞ皆様方の厳しいご指導を賜ってまいりたいと思います。

B&G小笠原体験クルーズ [2008年03月26日(Wed)]

10:20 海洋政策研究財団 今理事長

10:40 海洋政策研究財団 工藤常務理事

11:00 海洋政策研究財団 寺島常務理事

11:15 日本ゲートボール連合 遠藤専務理事

15:00 ブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団) 「小笠原体験クルーズ」結団式 於:晴海埠頭

17:20 ユーラシア21研究所 吹浦理事長 

平和国家日本? そのうちなんとかなるだろう [2008年03月26日(Wed)]


縁結びの神様としても知られる出雲大社(島根県出雲市)祭神は大国主大神



「平和国家日本? そのうち なんとかなるだろう」

〜 あるイギリス人との問答 〜


イギリスの知人が「甥が日本人女性と出雲大社で結婚式を挙げる」とのことで来日し、昼食を共にした。

冒頭「日銀総裁が決まらず不在では、日本経済も大変ですね」
と切り込んできた。

以下は、その問答である。

「なんの、なんの、日銀総裁がいなくても、心配はいりません。総理大臣だっているのかいないのか、わからない国ですから」

「リーダーシップのある人がいないのは問題でしょう?」
「確かにその通りです。時々はリーダーがいないとか、人物払底論が話題になりますが、真剣な議論にはなりません」

「なぜですか?」
聖徳太子以来、和をもって貴しとする国です」

「それって何ですか?」
「古来日本人は農耕民族で、共同での労働が基本でした。そして長老を中心に物事を話し合いで決めてきました」

「話し合いは民主主義の基本で結構ですが、リーダーシップは不要なのですか?」
「そこが肝要なところで、強い指導力より人格円満で調整力のある人が指導者として好まれてきました」


大久保利通、木戸孝允と並び“維新の三傑”といわれる西郷隆盛



「それならば、明治維新にリーダーシップのある人はいなかったのですか?」
「おりました」

「それでは理屈に合いませんね」
「確かにおっしゃる通りで。ただ終戦後、日本は憲法も自由も民主主義も欧米のように戦い取ったものではありません。突然GHQより与えられたものなのです。故にリーダーシップのある指導者を中心にした社会が構成されてこなかったのです」

「話は何となくわかりますが、変化の激しい現代においても、リーダーシップは存在しなくて良いのですか?」
「リーダーシップの必要性は認めているのですが、本心からではないですね」

「それはどういうことですか?」
「最近、珍しくリーダーシップのある首相が誕生したら、変人とか独裁者とか、当初は激しい批判を浴びました。国民の人気は戦後最高でしたが、任期満了で退任しました。今は、いてもいなくても良い首相に逆戻りしました」

「ですから、リーダーシップのある指導者を国民は支持したのでしょう?」
「そうなんですが、長くは続きませんでした」

「貴男の話はよくわかりませんね」
「たとえば大企業などではいくつもの―人脈というべきでしょうか―派閥というようなものがあります。有力派閥から強い指導者が出ると、他の派閥のグループはポストで冷遇されるのではと恐れます。したがって、その会社のトップには人格円満で人の話をよく聞く、どの派閥からみても安心できる人をトップにする傾向があるのです。政治の世界も同じです」

「企業ならビジョンがあって、最も金儲けの上手な人がなるのでしょう?」
「そうなるのはレア・ケースです。多くは今話したような人がトップになります」

「ますます解かりませんね」
「先ほども話したように、与えられた自由、民主主義なので、国民も政治家に不満があっても声高に行動に出ることは『安保騒動』以来ほとんどありません。労働組合も週二日制を楽しんでいます。

その根底は、戦争もない平和な時代で、日本には宗教対立も民族紛争もありません。国民は中流意識が強く、極端な話、生活保護もあるので餓死する心配もない。そして、自分が生きている間は大丈夫・・・。

国の財政破綻、社会保障、医療、少子化問題等、問題は山積みされているのですが、日本の政治家、官僚の得意技は、全て問題を先送りにすることです。『その内なんとかなるだろう』と政治家も官僚も国民の多くもそう思っている。

口角、アワを飛ばして議論はするのですが、ほとんどは政治的パフォーマンスであり、中身のある行動には結びつかないのです」
「日本はいい国ですね。政治家もいい職業?ですね。国民全てが権利を主張するのみ。それで立派にやっていける国は日本しかありませんね」

「あなたはお世辞で日本はいい国ですねと云われるが、貴国のエコノミストの調査で日本の『平和指数』は世界121カ国の中で第5位、G8の中では最高ですよ。又、BBC(英国放送協会)の調査によると『好感度1位』の国は日本です。

ただ残念なことに今は全て無責任体制です。あなたはご存知ないでしょうが、『その内なんとかなるだろう』と、『日本の無責任男』のニックネームで、植木等というタレントの歌が流行ったことがあります。そして今も人々の心の中で『その内なんとかなるだろう』と歌い続けられているのです」

私は外国人には努めて日本の秀れている点を話し、欠点は話さないように心懸けている。イギリスの知人の来日は本当だが、問答は創作である。
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